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第4章 火山のドラゴン編
141話 指輪の異変
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舞が自分の世界に戻る頃、ブロムは黒翼国のある世界に戻り、父である王に旅の報告を行っていた。
また森の遺跡についても探検隊を出す事を申し出たのだ。
「なるほど。
やはり森の奥にはそんな場所があったのだな。
・・・実はこの国に大昔からある書物の中に、興味深い話が書かれている物があるのだ。
それは子供が読むような物語であり、真実とは異なるかも知れないのだが。」
そう言って王はある古びた書物をブロムに渡したのだ。
「まあ、読んでお前の考えを聞かせてほしい。
探検隊はその後に考えるとしよう。」
「わかりました。」
ブロムは受け取った本をパラパラとめくると、それは所々に絵が描かれている絵本のようなものであった。
ただ驚くことに、その中の挿絵にブロム自身が森の奥深くで見た事がある風景が描かれていたのだ。
「これは・・・父上!
私が行った時に見た風景と同じものがあります。」
いつも冷静なブロムではあったが、今回ばかりは驚きを隠す事が出来なかった。
ブロムは自分の部屋に行き、その古めかしい書物を読むことにしたのだ。
そして読み終えた後、これが真実であるなら自分はものすごい発見をしたのでは無いかと思ったのだ。
ただ、それと同時にとても危険なものを見つけてしまったとも感じたのだ。
そして魔人の方々の力を借りる事が必要だと思った。
何故なら、その物語が事実であるなら、黒翼人だけでは到底進む事が出来ない場所であるのがわかったからなのだ。
ブロムは森の奥深くへ行くために、色々考えを巡らせたのだ。
○
○
○
自分の世界に戻った舞はいつものように仕事に出て、日常を取り戻しつつあった。
秘密の扉は以前と同じように使う事が出来た。
実は問題なく使えるかどうか、とても心配だったのだ。
扉が少し燃えてしまった事で、今までのようなやりとりが出来ないのではと不安だったのだ。
だが自分の世界に戻った次の日に扉を開けると、すでにカクからの手紙が届いていたのだ。
私にとっては一日しか経っていなくても、向こうの世界では三日後なのだ。
それからも、定期的な手紙のやり取りで、異世界のカク達の状況はある程度把握する事が出来ていた。
だが、魔人の国についてはあまり情報を得ることは出来なかった。
もちろん、人間の世界との交流は継続して行われているようだったが、カク達が魔人達と接する事が多いわけでは無いので、詳しい事は分からなかったのだ。
私はブラックから貰った指輪を見ては、ため息をついていた。
ブラックだけでなく、魔人の国と連絡が取れない事がとても苦痛だったのだ。
いつの間にか魔人の国の事が、生活の一部になっていたのだろう。
森の精霊に話を聞こうかとも考えたが、そんな事で呼び出すわけにもいかない。
カクから光の鉱石が送られるのを待つしかなかったのだ。
そんなモヤモヤした気持ちのままで、三週間くらいが過ぎた頃だった。
いつものように指輪を見ては心が沈んでいたのだが、その指輪に異変があったのだ。
この約束の指輪にはブラックから貰ったペンダントと同じ石がついているのだ。
今はペンダントは壊れてしまってもう無いため、この指輪が私とブラックを繋ぐ唯一の物だった。
その指輪の石の輝きが消えていき、濁った色に変わってしまったのだ。
私はブラックに何かあったとしか考えられなかったのだ。
もう、我慢する事をやめよう。
早く、行かなくちゃ・・・
また森の遺跡についても探検隊を出す事を申し出たのだ。
「なるほど。
やはり森の奥にはそんな場所があったのだな。
・・・実はこの国に大昔からある書物の中に、興味深い話が書かれている物があるのだ。
それは子供が読むような物語であり、真実とは異なるかも知れないのだが。」
そう言って王はある古びた書物をブロムに渡したのだ。
「まあ、読んでお前の考えを聞かせてほしい。
探検隊はその後に考えるとしよう。」
「わかりました。」
ブロムは受け取った本をパラパラとめくると、それは所々に絵が描かれている絵本のようなものであった。
ただ驚くことに、その中の挿絵にブロム自身が森の奥深くで見た事がある風景が描かれていたのだ。
「これは・・・父上!
私が行った時に見た風景と同じものがあります。」
いつも冷静なブロムではあったが、今回ばかりは驚きを隠す事が出来なかった。
ブロムは自分の部屋に行き、その古めかしい書物を読むことにしたのだ。
そして読み終えた後、これが真実であるなら自分はものすごい発見をしたのでは無いかと思ったのだ。
ただ、それと同時にとても危険なものを見つけてしまったとも感じたのだ。
そして魔人の方々の力を借りる事が必要だと思った。
何故なら、その物語が事実であるなら、黒翼人だけでは到底進む事が出来ない場所であるのがわかったからなのだ。
ブロムは森の奥深くへ行くために、色々考えを巡らせたのだ。
○
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自分の世界に戻った舞はいつものように仕事に出て、日常を取り戻しつつあった。
秘密の扉は以前と同じように使う事が出来た。
実は問題なく使えるかどうか、とても心配だったのだ。
扉が少し燃えてしまった事で、今までのようなやりとりが出来ないのではと不安だったのだ。
だが自分の世界に戻った次の日に扉を開けると、すでにカクからの手紙が届いていたのだ。
私にとっては一日しか経っていなくても、向こうの世界では三日後なのだ。
それからも、定期的な手紙のやり取りで、異世界のカク達の状況はある程度把握する事が出来ていた。
だが、魔人の国についてはあまり情報を得ることは出来なかった。
もちろん、人間の世界との交流は継続して行われているようだったが、カク達が魔人達と接する事が多いわけでは無いので、詳しい事は分からなかったのだ。
私はブラックから貰った指輪を見ては、ため息をついていた。
ブラックだけでなく、魔人の国と連絡が取れない事がとても苦痛だったのだ。
いつの間にか魔人の国の事が、生活の一部になっていたのだろう。
森の精霊に話を聞こうかとも考えたが、そんな事で呼び出すわけにもいかない。
カクから光の鉱石が送られるのを待つしかなかったのだ。
そんなモヤモヤした気持ちのままで、三週間くらいが過ぎた頃だった。
いつものように指輪を見ては心が沈んでいたのだが、その指輪に異変があったのだ。
この約束の指輪にはブラックから貰ったペンダントと同じ石がついているのだ。
今はペンダントは壊れてしまってもう無いため、この指輪が私とブラックを繋ぐ唯一の物だった。
その指輪の石の輝きが消えていき、濁った色に変わってしまったのだ。
私はブラックに何かあったとしか考えられなかったのだ。
もう、我慢する事をやめよう。
早く、行かなくちゃ・・・
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