151 / 181
第5章 闇の遺跡編
151話 黒翼国の病
しおりを挟む
舞は魔人の城で、アクアとスピネルからブラックが捕まったことを聞いた。
胸騒ぎはこの事だったのかと、妙に納得出来たのだ。
「あの空間は精霊が作る空間と同じ感じだったよ。
だから、森の精霊に協力をお願いしに行こうと思っている。
その前に城に寄って状況を伝えに来たんだよ。
まさか、舞がいるとは思わなかったけど。」
スピネルはそう言って私を見たのだ。
その時、胸元が暖かくなり優しく光ったのだ。
首からぶら下げていた袋の中の種を見ると、一つの種が光っていたのだ。
そしてその種を手のひらに取り出すと、小さな精霊に変わったのだ。
「まだ呼んでないのに来たって事は、話を聞いていたのね。」
私は手のひらにいる精霊の顔を覗き込んで笑ったのだ。
「何やら舞の気持ちの変動が大きかったから、何かあったのかと様子を見てたのですよ。」
精霊は拗ねたような、居心地悪そうな顔をしたのだ。
最近は、私が呼ばなくても精霊の方から来てくれる時があるのだ。
それだけ、心配していると言う事なのだろう。
まあ、アクア達としても、精霊の元に行く予定だったので、都合が良かったようだ。
アクアとスピネルはあの森の遺跡でのことを詳しく話したのだ。
「なるほど。
そこにいた者が何者かはわかりませんが、同じような空間を作る事が出来るなら、自然から生まれし存在かもしれませんね。
それも二重空間ともなると、元々その空間を作っていた者が弱っているのかもしれません。
そうでなければ、他の者がその中に新たな空間を作る事は出来ないはずですから。
それに、あの下の森の生き物が街まで上がって来たことも関係あるのだと思いますよ。
今までは誰かの力で抑えていたが、その抑えが利かなくなったのか、もしくはそれを上回る力のある者が動かしているのか・・・。
どちらにしても、厄介な者がいるのは確かですね。」
私の手にいる小さな精霊は腕を組みながら、考えを話したのだ。
「ブラックが捕まるくらいなら、今回は私が一緒に行くわ。
舞は城で待っていた方がいいんじゃない?
今はブラックの保護も受けてない状態よ。」
やはり、指輪の石の色が変わったことはそう言うことなのだろう。
しかしジルコンはそう言ったが、もちろん私は待っている事が出来るわけが無かった。
「ブラックに何かあったのかと思って転移したのよ。
皆んながダメと言っても勝手に行くつもりよ。」
私が強い口調で話すと、精霊が優しく言ってくれたのだ。
「その空間の中なら私が舞を守るから大丈夫ですよ。
一緒に行きましょう。」
私は頷くと、マントの下に着ている薄水色の白衣の胸ポケットに精霊を入れたのだ。
「・・・わかったわ。
その代わり、私の近くから絶対に離れないと約束して。
何かあったらブラックに顔向けできないんだからね。」
ジルコンはそう言って、私の腕を掴み顔を見てニヤリと笑ったのだ。
私が頷くと、ジルコンはすぐにネフライトを呼んだのだ。
ネフライトに事情を説明するととても心配そうであったが、トルマやユークレイスと共に留守をしっかりと守るようにとジルコンに窘められていた。
そして私達四人プラス精霊は黒翼国へと向かったのだ。
私はジルコンに掴まり、瞬時に湖の岩場に移動したのだ。
そこから以前も通った下に向かうトンネルを抜けると、黒翼国に到着した。
だが、着いた途端とても異様な雰囲気が漂っていたのだ。
アクア達から下の森の生き物の襲撃があったとは聞いていたが、それだけでなく街全体が重たく暗いオーラのようなもので包まれているように感じたのだ。
「何これ?
嫌な気配しか無いんだけど・・・
舞、絶対に手を離さないでね。
人間には厳しい気配よ。」
ジルコンはそう言って顔をしかめたのだ。
私はフードを深く被り、ジルコンの腕にしがみついたのだ。
ジルコンに触れている限り、ジルコンの結界に守られているのだ。
「これはまずいですね・・・」
白衣のポケットの中の精霊は周りをキョロキョロしながらつぶやいたのだ。
すれ違う人たちはまるで病にかかっているかのように顔色も悪く、歩くこともままならないように見えたのだ。
多分家の中にも具合が悪い人達が沢山いるのだろう。
「この前まではこんな感じではなかったよ。
ブロム殿が言っていた古い絵本の中の話を思い出すな。
確か、黒の魔法使いが植物や動物、昆虫までもを巨大化させ、村に病を流行らせたってね。」
スピネルがそう言う通り、きっと誰かの仕業なのだろう。
その者を突き止めない限り、この世界が元に戻る事が無いのかもしれない。
私達は黒翼国の城に急いだのだ。
胸騒ぎはこの事だったのかと、妙に納得出来たのだ。
「あの空間は精霊が作る空間と同じ感じだったよ。
だから、森の精霊に協力をお願いしに行こうと思っている。
その前に城に寄って状況を伝えに来たんだよ。
まさか、舞がいるとは思わなかったけど。」
スピネルはそう言って私を見たのだ。
その時、胸元が暖かくなり優しく光ったのだ。
首からぶら下げていた袋の中の種を見ると、一つの種が光っていたのだ。
そしてその種を手のひらに取り出すと、小さな精霊に変わったのだ。
「まだ呼んでないのに来たって事は、話を聞いていたのね。」
私は手のひらにいる精霊の顔を覗き込んで笑ったのだ。
「何やら舞の気持ちの変動が大きかったから、何かあったのかと様子を見てたのですよ。」
精霊は拗ねたような、居心地悪そうな顔をしたのだ。
最近は、私が呼ばなくても精霊の方から来てくれる時があるのだ。
それだけ、心配していると言う事なのだろう。
まあ、アクア達としても、精霊の元に行く予定だったので、都合が良かったようだ。
アクアとスピネルはあの森の遺跡でのことを詳しく話したのだ。
「なるほど。
そこにいた者が何者かはわかりませんが、同じような空間を作る事が出来るなら、自然から生まれし存在かもしれませんね。
それも二重空間ともなると、元々その空間を作っていた者が弱っているのかもしれません。
そうでなければ、他の者がその中に新たな空間を作る事は出来ないはずですから。
それに、あの下の森の生き物が街まで上がって来たことも関係あるのだと思いますよ。
今までは誰かの力で抑えていたが、その抑えが利かなくなったのか、もしくはそれを上回る力のある者が動かしているのか・・・。
どちらにしても、厄介な者がいるのは確かですね。」
私の手にいる小さな精霊は腕を組みながら、考えを話したのだ。
「ブラックが捕まるくらいなら、今回は私が一緒に行くわ。
舞は城で待っていた方がいいんじゃない?
今はブラックの保護も受けてない状態よ。」
やはり、指輪の石の色が変わったことはそう言うことなのだろう。
しかしジルコンはそう言ったが、もちろん私は待っている事が出来るわけが無かった。
「ブラックに何かあったのかと思って転移したのよ。
皆んながダメと言っても勝手に行くつもりよ。」
私が強い口調で話すと、精霊が優しく言ってくれたのだ。
「その空間の中なら私が舞を守るから大丈夫ですよ。
一緒に行きましょう。」
私は頷くと、マントの下に着ている薄水色の白衣の胸ポケットに精霊を入れたのだ。
「・・・わかったわ。
その代わり、私の近くから絶対に離れないと約束して。
何かあったらブラックに顔向けできないんだからね。」
ジルコンはそう言って、私の腕を掴み顔を見てニヤリと笑ったのだ。
私が頷くと、ジルコンはすぐにネフライトを呼んだのだ。
ネフライトに事情を説明するととても心配そうであったが、トルマやユークレイスと共に留守をしっかりと守るようにとジルコンに窘められていた。
そして私達四人プラス精霊は黒翼国へと向かったのだ。
私はジルコンに掴まり、瞬時に湖の岩場に移動したのだ。
そこから以前も通った下に向かうトンネルを抜けると、黒翼国に到着した。
だが、着いた途端とても異様な雰囲気が漂っていたのだ。
アクア達から下の森の生き物の襲撃があったとは聞いていたが、それだけでなく街全体が重たく暗いオーラのようなもので包まれているように感じたのだ。
「何これ?
嫌な気配しか無いんだけど・・・
舞、絶対に手を離さないでね。
人間には厳しい気配よ。」
ジルコンはそう言って顔をしかめたのだ。
私はフードを深く被り、ジルコンの腕にしがみついたのだ。
ジルコンに触れている限り、ジルコンの結界に守られているのだ。
「これはまずいですね・・・」
白衣のポケットの中の精霊は周りをキョロキョロしながらつぶやいたのだ。
すれ違う人たちはまるで病にかかっているかのように顔色も悪く、歩くこともままならないように見えたのだ。
多分家の中にも具合が悪い人達が沢山いるのだろう。
「この前まではこんな感じではなかったよ。
ブロム殿が言っていた古い絵本の中の話を思い出すな。
確か、黒の魔法使いが植物や動物、昆虫までもを巨大化させ、村に病を流行らせたってね。」
スピネルがそう言う通り、きっと誰かの仕業なのだろう。
その者を突き止めない限り、この世界が元に戻る事が無いのかもしれない。
私達は黒翼国の城に急いだのだ。
0
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
おばさん冒険者、職場復帰する
神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。
子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。
ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。
さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。
生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。
-----
剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。
一話ごとで一区切りの、連作短編。
リーナ視点が主です。
-----
また続けるかもしれませんが、一旦完結です。
※小説家になろう様にも掲載中。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる