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第9章 意に染まぬ婚約
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茉莉花は動揺を押し隠し、梢子と彬智の今後を楽しげに語らう母と御園生親娘を見据えた。一体いつ、そんな話がまとまったのだ。彬智からは一言だって聞いていない!
「お母さん、婚約したなんて、アキは言っていなかったわ?」
「ああそうね、少し先走ってしまったかしら。彬智には今日ここにきてもらって、これから話をするのよ。でも梢子さんのような素晴らしいお嬢さまとご縁があって、あの子も喜ぶに違いないわ。」
「娘もようやく二十歳になって、そろそろ結婚かと話しておりましたら、以前知り合った彬智くんがたいそう素晴らしくて、結婚するなら彬智くんじゃなきゃ嫌だと駄々をこねましてねぇ。それで、高塔さんにお願いしたところ、是非お付き合いさせていただきたいとおっしゃってくださったんですよ。」
ロマンスグレイの頭を揺らしてホクホクと笑う御園生社長に、茉莉花は一瞬苛立った。だが、ここで自分の気持ちをあからさまにしてはいけない。諌めるために握った拳の中で親指をギリッと手のひらに突き立て、にこやかに笑顔を浮かべた。
「彬智さんはまだかしら?もうすぐいらっしゃるのよね?」
「では、私が見てきます。」
そわそわと笑みを浮かべる梢子に笑顔を向け、茉莉花は社長室を飛び出した。
彬智が来るなら先に事態を説明し、こんな馬鹿げた婚約話などなんとしても阻止しなければならない。焦る心でエントランスへ向かう。
アキが結婚……嫌だ……嫌だ!きっと母は押し切るに違いない。以前から御園生財閥と接触を持ちたがっていたのだから……
昇って来たエレベーターの扉が開いた途端、中から恭弥が出てきた。その後ろには彬智もいる。
「マリ、どうしたの、そんなに慌てて?」
「下でばったりキョウに逢ったから、社長室に案内してもらうところなんだけど?」
何も知らない恭弥と彬智が驚いて笑った。
「アキ、社長室に行っちゃダメ!」
「どうして?」
キョトンと大きな目を丸くする彬智の胸を掴み、エレベーターに押し戻そうとした。
「ああよかった、彬智、待っていたわ。恭弥もいるなら、折角だから二人揃って社長室に来てちょうだい。」
ひんやりと突き刺すような声が聞こえた。振り返ると、母の藍咲が薄らと笑いを浮かべている。
「藍咲さま、今日は何があるのですか?」
「御園生梢子さんを覚えているかしら、神崎のパーティーでお逢いしたでしょう?」
「はい。」
事情を知らない彬智は不思議そうに頷いた。
「あなたとお付き合いしたいと梢子さんはおっしゃっているの、結婚を前提としてね。」
スッと彬智の表情が凍り付く。穏やかな彼は母に言い返しはしない。だが、その顔色を見れば彼の気持ちが分かる。
「いきなりお付き合いだなんて、いくらなんでもあり得ない!お母さん、アキの気持ちも考えて!」
「何を言っているの。御園生さんがお付き合いしたいと、向こうから言ってくださるなんて奇跡なのよ。彬智は両親を喪って後ろ盾が無い状態、万が一この高塔家が潰れても、御園生家がついてくだされば将来安泰だわ。」
「でも……愛してもいない人と……!」
「梢子さんはとても気立ての良いお嬢さんよ。お付き合いしているうちにきっと彬智も愛するようになるわ。」
ちらりと藍咲に目配せされ、彬智はビクリと身体を震わせた。
「藍咲さま、いきなり付き合えと言われても、アキだって答えようがないのでは……?」
恭弥も愕然として彬智に救いの手を差し伸べた。
「これは彬智だけの問題じゃないの。高塔と御園生が提携する大きなビジネスチャンスなのよ。盤石な経営の御園生財閥がパートナーとなれば、将来の高塔財閥に大きな利益をもたらす。つまり次期社長となる茉莉花のためでもあるのよ。」
凛とした有無を言わさぬ藍咲の声に促され、彬智はふっと前にのめり、そして頭をぺこりと下げた。
「……分かりました、マリのためになるのなら、俺は御園生さんと結婚します。」
「アキっ!」
茉莉花は思わず彬智の腕にしがみついた。だが彼はふと優しい微笑みを浮かべただけだった。
「俺はマリを護るんだ……それが、エリのためにもなるんだから……」
「私やエリのためなら、アキが望まない結婚なんかしないでっ!」
ガタガタと震えながら彬智を見上げれば、そっと頭を撫でられる。
「……今の俺は、無力なだけだ。いつまでも、高塔家のお世話になりっぱなしにはいかないよ。少しでも、マリの力になりたいんだ。」
「行きましょう。御園生さんがお待ちかねよ。」
こくりと頷き、彬智はもう一度茉莉花の頭を撫で、恭弥と共に藍咲の後について歩き出す。
「……イヤ、私のためだなんて、言わないでよ……っ!」
独り残された茉莉花はガクリと膝を付きその場に埋もれた。
社長室で待ちくたびれていた梢子は、彬智の姿を見て弾けるような笑顔を見せた。
「彬智さん、お久しぶりです!お逢いしたかったわ!」
「俺もですよ。」
「こちらの方は?」
ウキウキとはしゃいで、梢子は彬智の横にいた恭弥に目を向けた。
「彬智の幼馴染みで親友の石月恭弥です。アキともどもよろしくお願いします。」
「彬智さんと同じくらい素敵な方ね!こちらこそよろしくお願いします!」
梢子はスッと手を差し伸べ、恭弥と握手をした。その手を握り返し、恭弥はグッと内に溢れる煮えたぎる感情を押さえつけた。
「では具体的に、式の日取りを決めましょうか。」
してやったりと微笑んで、藍咲は皆に着席を勧めた。
週末の土曜日、恭弥は父に誘われて市内にあるホテルへと向かった。
何事かあるのは分かったが、父は用件を話そうとはしない。ホテルに着き、最上階の高級レストランへと向かうエレベーターの中で、さすがの恭弥も痺れを切らした。
「父さん、これって……」
「騙すようで申し訳なかった。今日は、お前の見合いなんだ。」
「やっぱりか……」
「お前があんまりモテすぎるから、社内の空気が浮ついて収集がつかないと藍咲さまがお考えでな。資産家のお嬢さんとの結婚をお望みなのだよ。」
「それにNOって言う権利、俺には無いんだよね。」
「済まない、恭弥……」
温厚な父の祐弥が重々しくため息を吐いた。
「……お前は、やっぱりマリちゃんが好きなのか?」
父に問われて、恭弥はスッと背筋を伸ばした。
「好きだ……小さいころからずっと。」
「だが、石月の男が高塔のお嬢さんを娶ることは出来ないよ。お前のお祖父さんの働きで五大老なんて呼ばれる役職に就いているが、石月家は社内では格下とされているからね……」
「分かっているよ。俺も恋愛結婚できるとは思っていなかった。父さんの意志に従います。」
キュッとスーツの襟を正し、恭弥は招かれた個室に足を踏み入れた。そこで待っていたのは藍咲と年配の男女、そして振袖姿の女の子だった。
恭弥はキョトンと少女を見つめた。着なれていない初々しい着物姿、おかっぱ頭と表していいだろう、真っ直ぐの黒髪をきちんと整え、無垢な瞳で恭弥を見上げる。まさか未成年?それほど幼い風貌だった。
「いらっしゃい恭弥。今日は佳き日よ。こちらは志田さま、大きな会社を経営していらっしゃるの。そして、こちらが志田さまのお嬢さまよ。」
藍咲が満足げな微笑みを浮かべ、親娘を紹介する。ふと唇を噛み、恭弥は作り笑顔を浮かべた。
「は、初めまして、志田彩乃でございます。」
鈴を転がすような可愛らしい声で少女が自己紹介をした。
ふと頭の中に、清楚にして華麗な茉莉花の姿、そして先日逢った彬智の婚約者御園生梢子の艶やかな姿が思い浮かんだ。
なのにこの俺の嫁さんは、こんな冴えない小娘なのか……ずいぶんと待遇が違う……
「初めまして、石月恭弥です。幾久しくよろしくお願いします。」
恭弥は精一杯の営業スマイルで、将来の妻と決めつけられた少女を蕩けさせた。
婚約が決まってからあっという間に彬智の結婚式の日程が決められた。毎日のように御園生家に呼び出され、婚礼の準備に振り回される彬智を見て、茉莉花は心を痛めた。
自分のために、彬智の人生を狂わせてしまう……だが、母の言いつけには逆らえない……
クッと唇を噛み締め研修資料に目を落とした時、内線電話が鳴った。母からだった。
「茉莉花、社長室に来てちょうだい。」
今度は何だろう……重い腰を上げ、茉莉花はのろのろと社長室に向かった。
「失礼します。」
ドアを開け、中をのぞいた。スーツ姿の青年が背中を向けて座っていた。
「茉莉花、紹介するわ。あなたの婚約者よ。」
藍咲が朗らかに宣言する。途端に茉莉花は戦慄を覚えた。
「私の、婚約者……?」
すると青年が立ち上がり、茉莉花に向かってその引きつった笑顔を見せた。
「マリ……これから、よろしく……」
その男は、茉莉花の同級生の安住晃輔だった。
「お母さん、婚約したなんて、アキは言っていなかったわ?」
「ああそうね、少し先走ってしまったかしら。彬智には今日ここにきてもらって、これから話をするのよ。でも梢子さんのような素晴らしいお嬢さまとご縁があって、あの子も喜ぶに違いないわ。」
「娘もようやく二十歳になって、そろそろ結婚かと話しておりましたら、以前知り合った彬智くんがたいそう素晴らしくて、結婚するなら彬智くんじゃなきゃ嫌だと駄々をこねましてねぇ。それで、高塔さんにお願いしたところ、是非お付き合いさせていただきたいとおっしゃってくださったんですよ。」
ロマンスグレイの頭を揺らしてホクホクと笑う御園生社長に、茉莉花は一瞬苛立った。だが、ここで自分の気持ちをあからさまにしてはいけない。諌めるために握った拳の中で親指をギリッと手のひらに突き立て、にこやかに笑顔を浮かべた。
「彬智さんはまだかしら?もうすぐいらっしゃるのよね?」
「では、私が見てきます。」
そわそわと笑みを浮かべる梢子に笑顔を向け、茉莉花は社長室を飛び出した。
彬智が来るなら先に事態を説明し、こんな馬鹿げた婚約話などなんとしても阻止しなければならない。焦る心でエントランスへ向かう。
アキが結婚……嫌だ……嫌だ!きっと母は押し切るに違いない。以前から御園生財閥と接触を持ちたがっていたのだから……
昇って来たエレベーターの扉が開いた途端、中から恭弥が出てきた。その後ろには彬智もいる。
「マリ、どうしたの、そんなに慌てて?」
「下でばったりキョウに逢ったから、社長室に案内してもらうところなんだけど?」
何も知らない恭弥と彬智が驚いて笑った。
「アキ、社長室に行っちゃダメ!」
「どうして?」
キョトンと大きな目を丸くする彬智の胸を掴み、エレベーターに押し戻そうとした。
「ああよかった、彬智、待っていたわ。恭弥もいるなら、折角だから二人揃って社長室に来てちょうだい。」
ひんやりと突き刺すような声が聞こえた。振り返ると、母の藍咲が薄らと笑いを浮かべている。
「藍咲さま、今日は何があるのですか?」
「御園生梢子さんを覚えているかしら、神崎のパーティーでお逢いしたでしょう?」
「はい。」
事情を知らない彬智は不思議そうに頷いた。
「あなたとお付き合いしたいと梢子さんはおっしゃっているの、結婚を前提としてね。」
スッと彬智の表情が凍り付く。穏やかな彼は母に言い返しはしない。だが、その顔色を見れば彼の気持ちが分かる。
「いきなりお付き合いだなんて、いくらなんでもあり得ない!お母さん、アキの気持ちも考えて!」
「何を言っているの。御園生さんがお付き合いしたいと、向こうから言ってくださるなんて奇跡なのよ。彬智は両親を喪って後ろ盾が無い状態、万が一この高塔家が潰れても、御園生家がついてくだされば将来安泰だわ。」
「でも……愛してもいない人と……!」
「梢子さんはとても気立ての良いお嬢さんよ。お付き合いしているうちにきっと彬智も愛するようになるわ。」
ちらりと藍咲に目配せされ、彬智はビクリと身体を震わせた。
「藍咲さま、いきなり付き合えと言われても、アキだって答えようがないのでは……?」
恭弥も愕然として彬智に救いの手を差し伸べた。
「これは彬智だけの問題じゃないの。高塔と御園生が提携する大きなビジネスチャンスなのよ。盤石な経営の御園生財閥がパートナーとなれば、将来の高塔財閥に大きな利益をもたらす。つまり次期社長となる茉莉花のためでもあるのよ。」
凛とした有無を言わさぬ藍咲の声に促され、彬智はふっと前にのめり、そして頭をぺこりと下げた。
「……分かりました、マリのためになるのなら、俺は御園生さんと結婚します。」
「アキっ!」
茉莉花は思わず彬智の腕にしがみついた。だが彼はふと優しい微笑みを浮かべただけだった。
「俺はマリを護るんだ……それが、エリのためにもなるんだから……」
「私やエリのためなら、アキが望まない結婚なんかしないでっ!」
ガタガタと震えながら彬智を見上げれば、そっと頭を撫でられる。
「……今の俺は、無力なだけだ。いつまでも、高塔家のお世話になりっぱなしにはいかないよ。少しでも、マリの力になりたいんだ。」
「行きましょう。御園生さんがお待ちかねよ。」
こくりと頷き、彬智はもう一度茉莉花の頭を撫で、恭弥と共に藍咲の後について歩き出す。
「……イヤ、私のためだなんて、言わないでよ……っ!」
独り残された茉莉花はガクリと膝を付きその場に埋もれた。
社長室で待ちくたびれていた梢子は、彬智の姿を見て弾けるような笑顔を見せた。
「彬智さん、お久しぶりです!お逢いしたかったわ!」
「俺もですよ。」
「こちらの方は?」
ウキウキとはしゃいで、梢子は彬智の横にいた恭弥に目を向けた。
「彬智の幼馴染みで親友の石月恭弥です。アキともどもよろしくお願いします。」
「彬智さんと同じくらい素敵な方ね!こちらこそよろしくお願いします!」
梢子はスッと手を差し伸べ、恭弥と握手をした。その手を握り返し、恭弥はグッと内に溢れる煮えたぎる感情を押さえつけた。
「では具体的に、式の日取りを決めましょうか。」
してやったりと微笑んで、藍咲は皆に着席を勧めた。
週末の土曜日、恭弥は父に誘われて市内にあるホテルへと向かった。
何事かあるのは分かったが、父は用件を話そうとはしない。ホテルに着き、最上階の高級レストランへと向かうエレベーターの中で、さすがの恭弥も痺れを切らした。
「父さん、これって……」
「騙すようで申し訳なかった。今日は、お前の見合いなんだ。」
「やっぱりか……」
「お前があんまりモテすぎるから、社内の空気が浮ついて収集がつかないと藍咲さまがお考えでな。資産家のお嬢さんとの結婚をお望みなのだよ。」
「それにNOって言う権利、俺には無いんだよね。」
「済まない、恭弥……」
温厚な父の祐弥が重々しくため息を吐いた。
「……お前は、やっぱりマリちゃんが好きなのか?」
父に問われて、恭弥はスッと背筋を伸ばした。
「好きだ……小さいころからずっと。」
「だが、石月の男が高塔のお嬢さんを娶ることは出来ないよ。お前のお祖父さんの働きで五大老なんて呼ばれる役職に就いているが、石月家は社内では格下とされているからね……」
「分かっているよ。俺も恋愛結婚できるとは思っていなかった。父さんの意志に従います。」
キュッとスーツの襟を正し、恭弥は招かれた個室に足を踏み入れた。そこで待っていたのは藍咲と年配の男女、そして振袖姿の女の子だった。
恭弥はキョトンと少女を見つめた。着なれていない初々しい着物姿、おかっぱ頭と表していいだろう、真っ直ぐの黒髪をきちんと整え、無垢な瞳で恭弥を見上げる。まさか未成年?それほど幼い風貌だった。
「いらっしゃい恭弥。今日は佳き日よ。こちらは志田さま、大きな会社を経営していらっしゃるの。そして、こちらが志田さまのお嬢さまよ。」
藍咲が満足げな微笑みを浮かべ、親娘を紹介する。ふと唇を噛み、恭弥は作り笑顔を浮かべた。
「は、初めまして、志田彩乃でございます。」
鈴を転がすような可愛らしい声で少女が自己紹介をした。
ふと頭の中に、清楚にして華麗な茉莉花の姿、そして先日逢った彬智の婚約者御園生梢子の艶やかな姿が思い浮かんだ。
なのにこの俺の嫁さんは、こんな冴えない小娘なのか……ずいぶんと待遇が違う……
「初めまして、石月恭弥です。幾久しくよろしくお願いします。」
恭弥は精一杯の営業スマイルで、将来の妻と決めつけられた少女を蕩けさせた。
婚約が決まってからあっという間に彬智の結婚式の日程が決められた。毎日のように御園生家に呼び出され、婚礼の準備に振り回される彬智を見て、茉莉花は心を痛めた。
自分のために、彬智の人生を狂わせてしまう……だが、母の言いつけには逆らえない……
クッと唇を噛み締め研修資料に目を落とした時、内線電話が鳴った。母からだった。
「茉莉花、社長室に来てちょうだい。」
今度は何だろう……重い腰を上げ、茉莉花はのろのろと社長室に向かった。
「失礼します。」
ドアを開け、中をのぞいた。スーツ姿の青年が背中を向けて座っていた。
「茉莉花、紹介するわ。あなたの婚約者よ。」
藍咲が朗らかに宣言する。途端に茉莉花は戦慄を覚えた。
「私の、婚約者……?」
すると青年が立ち上がり、茉莉花に向かってその引きつった笑顔を見せた。
「マリ……これから、よろしく……」
その男は、茉莉花の同級生の安住晃輔だった。
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