不死身のバンパイアになった俺は、廃墟と化したこの世界で好きに生きようと思います

珈琲党

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05 共同生活

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 俺とホビットたちは、住宅地図を頼りに市内のめぼしい施設を発掘して回った。
 コンビニ、スパー、ショッピングモール、百均ショップなどなど。小さな店舗も残さず、それこそしらみつぶしに市内を調べて回った。

 やはりホームセンターは収穫が大きく、工具や建材は俺たちの住処を整備するのにかなり役に立った。
 ソーラー式の庭園灯や計算機、時計などは、日光に当てておくと奇跡的に復活するものもあった。
 農具や植物の種も無事なものが多く残っており、ホビットたちが整備している農園が格段に大きくなった。ちなみに農園は元学校のグラウンドや公園などが転用されている。

 水道が止まっているので、皆で悪戦苦闘して井戸を掘った。最初はつるべ式だったが、使える状態のガシャポンプを見つけて設置して、使い勝手はだいぶマシになった。
 下水道はまだ一応使えるようだ。元の使い方とは違うが、トイレで用を足したらバケツの水で流すように教えてある。下水処理場が動いてないから、いずれは問題が出るかもしれないが、今の人数なら当面は大丈夫だろう。
 都市ガスももちろん止まっているが、カセットボンベは結構手に入ったので、カセットコンロが使えている。

 俺からすると、まだまだ改善の余地のある不便な生活に思える。
 しかし、ホビットたちにとっては、ガシャポンプも水洗トイレもカセットコンロも画期的な道具だったらしい。

「ビックリするほど便利です!」
「魔法かと思いました」
「トイレが臭くないのは良いですね」
「すぐに火が使えるとは!」
「家宝にしたいと思います」

 一様に肯定的な反応だった。
 この世界は、彼らのいた世界よりはずいぶんと進んでいるようだ。

「でも魔法とかあるんだろ?」

「はい、確かにありますが、あまり一般的ではないのです。
 魔法なんて、本当にごく少数の者しか使えませんから」

「魔道具みたいな物はないのか?」

「それもありますが、高価すぎて手が届かないですよ。
 持っているのは貴族様くらいですよ」

 一般庶民は結構素朴な生活を送っていたようだ。


 ポチたちは市内一円を縄張りにしている。
 餌は自分たちで妖魔や獣を狩るなどして、適当に調達しているようだ。
 なんとなく犬に近い外見なのでドッグフードを与えてみたら結構気に入ったらしく、時々おねだりされるようになった。
 群れのリーダーのポチには、特別に高級な缶入りフードをやったり、俺の獲物をおすそ分けしたりしている。

 今もポチは尻尾を盛大に振り回しながら、俺が狩った甲虫の化け物の内臓を食っている。虫系の妖魔の血は獣系とは違う風味で、これはこれで美味いのだ。数も多いし狩りやすいし、お手軽なスナック感覚だ。人間の時なら鳥肌が立っていただろうが、この体になってからは全く抵抗がなくなってしまった。この方が生きやすいので、ぜんぜん問題ないのだ。

「美味いか?」

「わふわふわふ」

「そうか美味いか」

 頭をポフポフしてやると、ポチはさらに尻尾を激しく振るのだった。

「わふわふ!」


 
 市庁舎の周りの道路は、今ではかなりきれいに整備され、ホビットたちが自転車で行き来きできるようになった。
 自転車の便利さを良く理解したらしく、もはや必需品のような扱いだ。
 彼らの体格的には子供用自転車がピッタリだが、あまり数がなくホビット全員にはいきわたらなかった。仕方がないので普通のママチャリをなんとか改造して使ってもらっている。
 ともあれ、自分専用の自転車を手に入れたホビットたちは、自転車を宝石のように磨き上げて大事にしているのだった。

 ホビットの子供たちは背が小さすぎて自転車に乗れないので、大勢でスケボーにまたがって遊んでいる。
 玩具は結構見つかるので、子供が遊ぶのには困らなそうだ。

「「「領主様ー!」」」

 子供たちが手を振って挨拶してくる。

「おぅ、元気そうだな。
 どうだ、それは面白いか?」

「「「うん!」」」

「そうかそうか」

 ホビットの子供たちは人形のように小さい。
 この大きさでよく生き延びてこれたものだと感心する。

「ポチに触ってもいい?」

「あぁ、良いぞ」

「「「わーい!」」」

「わふわふわふ」

 ポチはすっかり子供たちのアイドルになっているのだった。







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