不死身のバンパイアになった俺は、廃墟と化したこの世界で好きに生きようと思います

珈琲党

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12 ホビットとドワーフ

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 俺の領地にいる魔狼たちは、ポチを頂点としたピラミッドを形成している。
 ポチの下に五頭ほどのサブリーダーがいて、サブリーダーたちが小さい群を率いている感じだ。彼らはお互いに連携をして大きな縄張りを維持しているのだった。

 最近は、領地外にいた野良の魔狼たちを吸収して、群れは一段と大きくなった。
 俺は彼ら魔狼の住まいとして、各群ごとにに犬舎を建ててやった。屋根と壁だけの簡素なものだが、とりあえず風雨がしのげる寝床としては十分なようだ。
 ちなみにリーダーのポチは基本的には俺と庁舎に住んでいる。


 ともかく、ポチ達の縄張り拡大に伴って、自然と安全地帯が拡大して、ホビットたちの農地もそれに合わせて増えていっている。
 この辺りは元はそこそこの街中なので、農地と言っても学校のグラウンドとか公園とかを転用しているので、飛び石状に点々と分散している形だ。ホビットたちは自転車で、街のあちこちにある農地へ通っていて、ちょっと効率が悪い感じだ。

「畑の近くに、まだ使えそうな廃屋とかあるだろ?
 適当に直して、そこに住んでもらっても構わないんだぞ」

 街中に残された廃屋や廃墟は、あまり傷みのない無事なものもたくさんある。俺としてはそのまま放置するよりは、有効に活用してもらった方が良いように思う。家は無人のまま放置すると傷みが進むというし。

「はぁ、そうですねぇ……。
 領主様のおっしゃることもごもっともではありますが、
 もうしばらくは、こちらに住まわせていただきたいのです」

 彼らとしては、まだまだ妖魔の襲撃が怖いらしい。
 確かに魔狼たちの警戒網があるとはいえ、完ぺきではない。こないだのワイバーンのように空から襲われたらどうしようもない。
 皆で固まって住んでいた方が安心できるのだという。
 
「なるほど、そうかもしれないなぁ。
 じゃぁ、住まなくてもいいから、物置とか休憩場所として使えばいい。
 万一のための避難場所にもなるし」

「そういうことであれば、ありがたく頂戴します」

 ということで、農地周辺の廃屋が少しずつ活用されることになった。それぞれの建物の責任者を決めて、鍵を預けることにした。彼らなら良い感じに使ってくれるだろう。



 ドワーフたちは鉱山が活動の場で、住処でもあるせいか、周りのことにはほとんど関心がない。遠くに出かけたり、鉱山以外に住むなどということは、はなから頭にないようだ。
 俺のことも一応は、この周辺の領主だと認めてくれているが、鉱山自体はあくまでもドワーフの持ち物であり、俺はあまり口が出せない。
 彼らは少々頭の固いことはあったが、科学技術の活用に関しては結構貪欲だ。

「なぁ、これって廃墟から掘り出したものか?」

 彼らの鉱山の休憩所にはいつの間にか、冷蔵庫や電子レンジ、電気ポットなどが持ち込まれていた。それぞれ修理したような跡があり、これらはガラクタから再生したのだという。各所に電気照明も増えており、鉱山内も以前と比べるとかなり明るくなっている。

「そうじゃ、便利に使わせてもらっておる。
 やはり、電気の力は偉大じゃの」

 こないだ設置した発電機も、いつのまにやら二台並列運転になっていて、電気配線も並列になっている。電気的に余裕がある状態に改造されていた。
 作業場には、現代の工具が所狭しと並べられ、グラインダーとか電気ドリルなんかも置かれている。机の上には様々な家電が分解された状態で並べられている。

「すごいな! ちょっとした工場じゃないか」

「うむ。せっかく便利なものがあるのじゃからの。
 ちゃんと使ってやらんと罰が当たるというものじゃ」

「ここに書かれてる回路図なんかも読めるのか?」

 俺は家電の裏側を指さして聞く。

「それは電気の流れを図にしたものじゃろ?
 細かいことは知らんが、なんとなくは想像できるの」

「マジか!?」

「マジじゃ。
 とはいえ、あくまでも推測じゃからの。細かいことは知らん。
 こういったことを解説した書物があれば良いのじゃが」

 もはや俺よりも詳しいと思う。
 不思議なことに、彼らは少しずつだが文字が読めるようになってきている。
 あまり積極的に教えているわけじゃないのだが……。

「よし、分かった。なるべく注意して探してみるよ」

「いつもすまんのぉ」

「それは言わない約束だぜ」

 俺たちはニヤリと笑い合ったのだった。





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