その男、凶暴につき

くま

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ー雑草刈りー

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ーーブゴォォォブゴォォォ

   耳につんざく轟音で目を覚ます。

「うるせぇ」

   隣に眠るコブローのいびきに苛立ちを隠せず、蹴飛ばしてしまう。

   そして、ふと、死骸を積んだ山に目をやるが……

    死骸の山は消えていた。
    獣の仕業と思ったが、そんな形跡もない。

「魔水晶、死骸はどこ行った」

《はい。大地に吸収されました。魔水晶付近では、魔素の動きが活発になるので、大地の吸収も早くなります。丁度、戦国無草が倒れている円形状が範囲になっております。
現在の貯蓄魔素:1000魔素》

   どうやら、無事に吸収されたようだ。
   そのおかげか、周りの木々たちも、心なしか元気になったように見える。

「……さて」

   お目当の物を探す為、魔王に貰ったカタログに目を通す。

くわしか無いか。しかも、高いな。」

   畑作りに必要な物が載っていなく、武器としての鍬しかなかった。
   カタログには、武器・防具・魔物と必要の無い物ばかりが並んでいる。

   とりあえず、500魔素もする普通の鍬を発注する。

   魔水晶から転送されてきた鍬を肩に背負い、歩き出す。

   戦国無草の郡を掻き分け、お目当の物を探すと、案外すぐに見つかった。

「立派な泉だが……」

   畑作りに必要な水場は見つかった。
   しかも、かなりの大きさだ。
   だが、水質を見ると濁っており、かすかに見える水底にはヘドロらしき物も確認できる。

「改善点だな」

   泉を後にし、さらに、森の散策をする。

   ある程度歩いてみるが、生き物の気配はなく、痩せこけた木々と戦国無草の群れが続いていた。
   この景色は、森を一帯を支配しているだろう。

   どうやら、やる事は決まったようだ。

   それを実行すべく、住処に戻る。

「おい、起きろ」

   未だ、いびきをかいて寝ているコブローたちを叩き起こす。
   
『っ!? な、なんだコブ!?』

   突然の衝撃で飛び起きるが、構う事なく話を続ける。

「やる事ができた」

『なにをするコブ?』

「そこら中に生えてる戦国無草を抜く」

   木々に行き渡る筈の栄養・魔素が、戦国無草の方に流れている状況が、この枯れた森の第1の原因だ。
   それをどうにかしなければならない。

「ここは、雨がそうそう降らない。そうなると土が硬くなり、雑草が抜きにくくなる。そこで、ある方法を試す』

   そして、そのまま泉へと歩き出す。

『なにするコブか?』

   付いてきたゴブリン達は疑問を感じていた。

「まぁ、見とけ」

   そう言い残すと、膝を曲げ、跳び上がる姿勢を作る。


ーードガンッ


   耳が張り裂けそうな轟音と共に姿を消すブンゴ。
   大地を大きく凹ませたブンゴは、遥か遠くまで跳び上がり、コブローたちも衝撃で弾き飛ばされる。
   そして、泉のド真ん中に急降下して、泉を殴る。

   殴られた泉は、まるで爆発が起きたように弾け、物凄い水量の全てが森へと降り注いでいた。
   その衝撃で、泉はさらに広く・深くなり、かなりの面積へと変貌してしまっていた。

   少しして、弾き飛ばされたコブローたちが戻ってくる。

『こういうのは先に言って欲しいコブよ!痛かったコブ』

「魔水晶付近以外の雑草を刈ってこい」

   腰をさすりながら近づいてきたコブローたちは、涙を浮かべながら森へ散らばっていく。


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