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第17話 非童貞?
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ソウタが童貞ではないという検査結果にショックを受けたのはソウタ本人だけではなかった。
タマミも泣いていて、ユミが慰めているが、いっこうに泣き止まない。
「本当に、あれから何もしてないんだな」
「はい。そんな機会なんてなかったし……、あ」とユミを見る。
「そうよ、この間あたしのところに来た時だって、誘ったけど、断られちゃったし」
とユキがあっけらかんと言う。
「お前、ソウdタのこと誘惑してたのか?」
「だって、ずっと童貞のままで、かわいそうな顔してたんだもん」
「でも、ユキの誘いを断ったということは、今回のミッションに童貞として参加したいという意思がしっかりあったということだろうな」とアーチャー。
「それじゃ、なんで……」
検査薬の取扱説明書を見ていたビガロが、
「男性器が、女性器や分泌物と接触したことがある場合『非童貞』の結果が出ることがあるって書いてあるぞ」
そういえば、前回のミッションの時、挿入はできなかったけど、亀頭がマイのアソコの入り口に触れて、愛液で滑ってしまったということがあった。
その刺激もあって、挿入前に射精してしまうという失態を犯したのだが……。
実際に性器同士の接触があり、しかもマイの愛液に触れていたことで、ソウタの男性器の状態が「非童貞」のものに変化してしまったということのようだ。
「なーんだ、そういうことか。それならOKだよね。あいかわらずの童貞顔で、童貞の匂いをプンプンさせてるんだから。この子が童貞じゃなかったら、この世から童貞がいなくなっちゃうかもしれないよ」
などと、ユミがひどいことを言っている。
「わかってる。俺もソウタの言っていることを信じる。だけど、この間の接触で、体質が変わってしまった可能性があるとなると、事故が起こる可能性も否定できない」
「でも」
「その場合、最悪、パーティ全滅だ……」
「……」
「それに、タマミもあんな感じで、とても戦える状態じゃない。今回は、引き返すしかなさそうだな」
とビガロが言うと、ユキとアーチャーも同意した。
タマミが落ち着いたら引き返すことになった。
「タマミちゃん、ごめんね。俺のせいで引き返すことになってしまって」
ソウタが泣いているタマミに声をかける。
ユキは気を遣って立ち上がり、ビガロ達のところに行ってしまう。
代わりに隣に座って背中に手を当てていると、タマミも落ち着いてきたようだ。
「街に戻ったら、協会か病院でちゃんと検査を受けましょう。そうすれば、童貞だって証明できるでしょう。そしたら、もう一度、一緒にミッションに参加しましょう」
上目遣いでソウタを見て、
「そして、私のはじめてを貰って下さい」
と言う。
こんなことを女の子に言われたらどうしたらいいんだ。
絶対騙されてる。
でも、今は騙されてもいい。
騙されても幸せだ。
ようやくタマミも落ち着いてきたようなので、帰り支度を始めていた。
すると、どこからかピーピーという以前聞いたことのある音が聞こえる。
「ビガロさん」と静かに声をかける。
ビガロもアーチャーもユキも気づいたようだ。
一度でも聞いたことのある者なら忘れることのできない音だ。
「みんな、近くにヴァラスがいるぞ、警戒しろ」
今回初めての3人は何が起こっているか分からず戸惑っていたが、他のメンバーの様子に緊張を高めていた。
ビガロは、他のメンバー達に「静かに、動くな」とゼスチャーで合図を送っている。
今戦うのは危険なので、このまま静かにしてやり過ごすつもりのようだ。
ヴァラスが気づかずに行ってくれれば、だが……。
タマミも泣いていて、ユミが慰めているが、いっこうに泣き止まない。
「本当に、あれから何もしてないんだな」
「はい。そんな機会なんてなかったし……、あ」とユミを見る。
「そうよ、この間あたしのところに来た時だって、誘ったけど、断られちゃったし」
とユキがあっけらかんと言う。
「お前、ソウdタのこと誘惑してたのか?」
「だって、ずっと童貞のままで、かわいそうな顔してたんだもん」
「でも、ユキの誘いを断ったということは、今回のミッションに童貞として参加したいという意思がしっかりあったということだろうな」とアーチャー。
「それじゃ、なんで……」
検査薬の取扱説明書を見ていたビガロが、
「男性器が、女性器や分泌物と接触したことがある場合『非童貞』の結果が出ることがあるって書いてあるぞ」
そういえば、前回のミッションの時、挿入はできなかったけど、亀頭がマイのアソコの入り口に触れて、愛液で滑ってしまったということがあった。
その刺激もあって、挿入前に射精してしまうという失態を犯したのだが……。
実際に性器同士の接触があり、しかもマイの愛液に触れていたことで、ソウタの男性器の状態が「非童貞」のものに変化してしまったということのようだ。
「なーんだ、そういうことか。それならOKだよね。あいかわらずの童貞顔で、童貞の匂いをプンプンさせてるんだから。この子が童貞じゃなかったら、この世から童貞がいなくなっちゃうかもしれないよ」
などと、ユミがひどいことを言っている。
「わかってる。俺もソウタの言っていることを信じる。だけど、この間の接触で、体質が変わってしまった可能性があるとなると、事故が起こる可能性も否定できない」
「でも」
「その場合、最悪、パーティ全滅だ……」
「……」
「それに、タマミもあんな感じで、とても戦える状態じゃない。今回は、引き返すしかなさそうだな」
とビガロが言うと、ユキとアーチャーも同意した。
タマミが落ち着いたら引き返すことになった。
「タマミちゃん、ごめんね。俺のせいで引き返すことになってしまって」
ソウタが泣いているタマミに声をかける。
ユキは気を遣って立ち上がり、ビガロ達のところに行ってしまう。
代わりに隣に座って背中に手を当てていると、タマミも落ち着いてきたようだ。
「街に戻ったら、協会か病院でちゃんと検査を受けましょう。そうすれば、童貞だって証明できるでしょう。そしたら、もう一度、一緒にミッションに参加しましょう」
上目遣いでソウタを見て、
「そして、私のはじめてを貰って下さい」
と言う。
こんなことを女の子に言われたらどうしたらいいんだ。
絶対騙されてる。
でも、今は騙されてもいい。
騙されても幸せだ。
ようやくタマミも落ち着いてきたようなので、帰り支度を始めていた。
すると、どこからかピーピーという以前聞いたことのある音が聞こえる。
「ビガロさん」と静かに声をかける。
ビガロもアーチャーもユキも気づいたようだ。
一度でも聞いたことのある者なら忘れることのできない音だ。
「みんな、近くにヴァラスがいるぞ、警戒しろ」
今回初めての3人は何が起こっているか分からず戸惑っていたが、他のメンバーの様子に緊張を高めていた。
ビガロは、他のメンバー達に「静かに、動くな」とゼスチャーで合図を送っている。
今戦うのは危険なので、このまま静かにしてやり過ごすつもりのようだ。
ヴァラスが気づかずに行ってくれれば、だが……。
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