1 / 24
1 脅かされた世界の中に
しおりを挟む
...この世界はとても残酷だ。
罪のない者達が殺されていく世界。
人と人とが争う世界。
そして、血に塗れた私の手。
この手は2度と元には戻れない...
私は両親が聖剣士である家に生まれ、そして育った。
両親は私のことを立派な聖剣士にするのが夢だとかなんとか言っていたが、私にとってみればいい迷惑にすぎなかった。
だいいちこの世界に本物の剣をふる意味なんてないし、聖剣士じゃなかったら警察沙汰になり得るかもしれないことなのだ。
そんなこともあって、私は聖剣士なんて呼ばれるのが大嫌いだった。
だが、ある日にその考えは全て否定された。
全世界に同時に流されたサイレンとともにこの世界が変わり果てたからである。誰でも名は聞いたことのある有名な科学者達が生き物を殺し、それを楽しむモンスターを開発、増殖させてしまい、それをある悪党グループに悪用されたのである。
それだけではない。モンスターという地球外生命体が急激に増えすぎたことで、世界の空間がねじまがり、歪ができてしまったのだ。その歪は精霊界と人間界の空間をくっつけてしまった。
その結果、人や動物はもちろんのこと、魔力の弱い精霊までもがモンスターに殺されてしまうはめになった。
私は安全な建物に引きこもって、これから一生を過ごすくらいなら悔いのないように戦おうと思った。
たとえ負けて死んでも聖剣士の名に恥のないように。
私はこの時初めて剣をふるという重みをしったのかもしれない...。
私はいつものように次の街へと向かっていた。
この短い日の中で私はいったい何体のモンスターを倒してきたことだろう。そして、助けきれずに目の前でモンスターに殺されていく者を何人見たことだろうか。私が戦う理由は誰かを守る為でも世界のためでもなんでもない。自分の心に嘘をつかないためだけだ。実はこれまでに何度かギルドに誘われたことがあるのだが、全て断ってきた。ギルドというのは、この世界が始まってから作られた制度で、まぁ簡単にいうとチームを組むようなものだ。でも私はギルドに入る者達の気が知れない。だっていつかは目の前で誰かが、ましてや昨日まで仲良くしていた者が殺される姿をみることになるのだ。そんなこと耐えれるわけがない。
だから私はずっと1人で生きていく。そう決めているのだ。そうとなればやはり一刻も早く次の街へと急がなければ。そう思い歩きだそうとした時だった。
森で特訓をしている青年を見つけたのである。
私はその青年のキレのある動きに心を揺るがされた。そんな時、青年はこちらに気づいたようで、振っていた剣をしまい、こちらに向かってきたのである。
真っ白な髪にピンクと黄色の髪があり、その2色の髪だけ膝の位置ほどに伸びている。黄色い瞳に薄桃色の頬で綺麗な顔立ちをしている。その青年が私みたいな貧祖な奴に何をするというのだろうか。
「やあ、こんにちわ。君はどうしてこんなところにいるの?」
青年の質問に私は自分の思いをそのまま口にした。
「...私が自分の心に嘘をつかないため。」
「そっか。でもここらは初級モンスターが沢山いる危険エリアだよ。そんな所に女の子一人で来るなんて、危ないよ?」
「無駄な心配なんてしなくていい。私こう見えても強いんだから。」
じゃあ、と付け加えて私はその場を立ち去ろうとした。そのとき、青年は私の手を掴んだ。
「なに。何の用があるの?」
私は冷たい声と目線を青年にやった。
「僕はどうしてもこの世界を終わらせなければいけないんだ。だから強い仲間を探している。君は強いんだよね?だったら…」
そこまで言われた所で私は少しカチンときた。
「あのねぇ。見ず知らずの他人にいきなり仲間にになろうとか言う普通?しかもこの世界を終わらすなんてどうやって...」
「倒すんだよ。300体のボスモンスターを」
「え...?」
ボスモンスターを倒す?
そんなこと誰にも聞いたことがない。それに私は今までどこにでもいるようなモンスターしか存在しないと思っていた。
「この世界にはどこかにボスモンスターがいるんだ。そいつを全て倒せばこの世界が終わる条件はコンプリートされる。でもボスモンスターは1体倒すごとに他の奴らが強くなっていくんだ。いずれは僕ひとりじゃ勝てなくなる。」
「なぜ...何故そこまで知っているの?」
「僕が...。僕が大精霊3代目候補の精霊だからだよ。」
大精霊3代目候補...?
私もこの世界が始まってから大精霊という存在は何度も耳にしたことがある。精霊界の頂点にたつという1番強い精霊だったはずだ。その大精霊になる予定である精霊が今ここにいるというわけなのだ。
とても信じられる話ではない。
「私は君が大精霊候補だとは思えないな。だって精霊という生き物はそもそも人間とは全く違う姿だからね。でも君は人間そのものじゃないか。」
そう。精霊は人とは全く違う姿形なのだ。例えるなら小さい子が抱いている人形のような姿であり、ほぼ常に空中にういている。私はこの青年がとんでもない嘘をついているようにしか見えなかった。
「うーん。やっぱり信じてもらえないか。しかも仲間になってくれそうもないし...。」
「当たり前じゃない。」
「じゃあこうしよう。君と僕とで勝負する。僕が勝てば仲間になってもらうし精霊ってこと認めてもらうよ?」
「私が勝ったら?」
「そうだねぇ。じゃあ、今僕が持ってる持ち物全部あげるよ。それでどう?」
「そんな約束して、後から後悔するのは君じゃないの?私、死人を増やすつもりじゃないんだけど。」
「僕は後悔しないよ。さあ、どうする」
私が勝てばお金や食料、そして新しい武器が手に入る。その勝負、して損は無いはずだ。
「いいよ。わかった。その勝負うけてたつ。」
こうして聖剣士と精霊の戦いがはじまったのである
罪のない者達が殺されていく世界。
人と人とが争う世界。
そして、血に塗れた私の手。
この手は2度と元には戻れない...
私は両親が聖剣士である家に生まれ、そして育った。
両親は私のことを立派な聖剣士にするのが夢だとかなんとか言っていたが、私にとってみればいい迷惑にすぎなかった。
だいいちこの世界に本物の剣をふる意味なんてないし、聖剣士じゃなかったら警察沙汰になり得るかもしれないことなのだ。
そんなこともあって、私は聖剣士なんて呼ばれるのが大嫌いだった。
だが、ある日にその考えは全て否定された。
全世界に同時に流されたサイレンとともにこの世界が変わり果てたからである。誰でも名は聞いたことのある有名な科学者達が生き物を殺し、それを楽しむモンスターを開発、増殖させてしまい、それをある悪党グループに悪用されたのである。
それだけではない。モンスターという地球外生命体が急激に増えすぎたことで、世界の空間がねじまがり、歪ができてしまったのだ。その歪は精霊界と人間界の空間をくっつけてしまった。
その結果、人や動物はもちろんのこと、魔力の弱い精霊までもがモンスターに殺されてしまうはめになった。
私は安全な建物に引きこもって、これから一生を過ごすくらいなら悔いのないように戦おうと思った。
たとえ負けて死んでも聖剣士の名に恥のないように。
私はこの時初めて剣をふるという重みをしったのかもしれない...。
私はいつものように次の街へと向かっていた。
この短い日の中で私はいったい何体のモンスターを倒してきたことだろう。そして、助けきれずに目の前でモンスターに殺されていく者を何人見たことだろうか。私が戦う理由は誰かを守る為でも世界のためでもなんでもない。自分の心に嘘をつかないためだけだ。実はこれまでに何度かギルドに誘われたことがあるのだが、全て断ってきた。ギルドというのは、この世界が始まってから作られた制度で、まぁ簡単にいうとチームを組むようなものだ。でも私はギルドに入る者達の気が知れない。だっていつかは目の前で誰かが、ましてや昨日まで仲良くしていた者が殺される姿をみることになるのだ。そんなこと耐えれるわけがない。
だから私はずっと1人で生きていく。そう決めているのだ。そうとなればやはり一刻も早く次の街へと急がなければ。そう思い歩きだそうとした時だった。
森で特訓をしている青年を見つけたのである。
私はその青年のキレのある動きに心を揺るがされた。そんな時、青年はこちらに気づいたようで、振っていた剣をしまい、こちらに向かってきたのである。
真っ白な髪にピンクと黄色の髪があり、その2色の髪だけ膝の位置ほどに伸びている。黄色い瞳に薄桃色の頬で綺麗な顔立ちをしている。その青年が私みたいな貧祖な奴に何をするというのだろうか。
「やあ、こんにちわ。君はどうしてこんなところにいるの?」
青年の質問に私は自分の思いをそのまま口にした。
「...私が自分の心に嘘をつかないため。」
「そっか。でもここらは初級モンスターが沢山いる危険エリアだよ。そんな所に女の子一人で来るなんて、危ないよ?」
「無駄な心配なんてしなくていい。私こう見えても強いんだから。」
じゃあ、と付け加えて私はその場を立ち去ろうとした。そのとき、青年は私の手を掴んだ。
「なに。何の用があるの?」
私は冷たい声と目線を青年にやった。
「僕はどうしてもこの世界を終わらせなければいけないんだ。だから強い仲間を探している。君は強いんだよね?だったら…」
そこまで言われた所で私は少しカチンときた。
「あのねぇ。見ず知らずの他人にいきなり仲間にになろうとか言う普通?しかもこの世界を終わらすなんてどうやって...」
「倒すんだよ。300体のボスモンスターを」
「え...?」
ボスモンスターを倒す?
そんなこと誰にも聞いたことがない。それに私は今までどこにでもいるようなモンスターしか存在しないと思っていた。
「この世界にはどこかにボスモンスターがいるんだ。そいつを全て倒せばこの世界が終わる条件はコンプリートされる。でもボスモンスターは1体倒すごとに他の奴らが強くなっていくんだ。いずれは僕ひとりじゃ勝てなくなる。」
「なぜ...何故そこまで知っているの?」
「僕が...。僕が大精霊3代目候補の精霊だからだよ。」
大精霊3代目候補...?
私もこの世界が始まってから大精霊という存在は何度も耳にしたことがある。精霊界の頂点にたつという1番強い精霊だったはずだ。その大精霊になる予定である精霊が今ここにいるというわけなのだ。
とても信じられる話ではない。
「私は君が大精霊候補だとは思えないな。だって精霊という生き物はそもそも人間とは全く違う姿だからね。でも君は人間そのものじゃないか。」
そう。精霊は人とは全く違う姿形なのだ。例えるなら小さい子が抱いている人形のような姿であり、ほぼ常に空中にういている。私はこの青年がとんでもない嘘をついているようにしか見えなかった。
「うーん。やっぱり信じてもらえないか。しかも仲間になってくれそうもないし...。」
「当たり前じゃない。」
「じゃあこうしよう。君と僕とで勝負する。僕が勝てば仲間になってもらうし精霊ってこと認めてもらうよ?」
「私が勝ったら?」
「そうだねぇ。じゃあ、今僕が持ってる持ち物全部あげるよ。それでどう?」
「そんな約束して、後から後悔するのは君じゃないの?私、死人を増やすつもりじゃないんだけど。」
「僕は後悔しないよ。さあ、どうする」
私が勝てばお金や食料、そして新しい武器が手に入る。その勝負、して損は無いはずだ。
「いいよ。わかった。その勝負うけてたつ。」
こうして聖剣士と精霊の戦いがはじまったのである
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
義務ですもの。
あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる