幽霊祓い

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第3章 ゴースト・キング編

第207話 クフ・カフラー

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「ラァァァァァァー」

「クッソ、地味に強いな」

「そう強がるなよ、片山  氷河。本当はクフ・カフラーが想像以上に強くて困っているんだろ?」

クフ・カフラー、エジプトの主霊って言ってたよな。ってことは、国家主霊か。

国家主霊とは、その国で1番強い幽霊として認知されている幽霊のことであり、通常の主霊は次元が違うほどの強さを持っている。

「殺れ、クフ・カフラー。その者を殺せ。その間に俺は、ゴースト・キングコイツの核を取り戻しにいこうか」

そう言って、ガブリスは移動し始めた。

「核は取り戻させねぇぞッ」

「それはクフ・カフラーを倒してから言うんだな」

「どこに行くつもりだ、ガブリス」

瓦礫の上からそんな声が聞こえた。ガブリスと俺が見上げると、そこには男の姿があった。

「貴様は?」

「ロバート・クロスター、カタヤマ、大変そうだな。手伝おうか?」

そう言って、ロバートは、指揮棒のようなものを振り上げた。

「エジプトの国家主霊よ、俺は誰かがペアでいてくれないと弱いんだ。だが、今は、カタヤマがいる。安心して戦えるよ、指揮総術しきそうじゅつ・レント」

クフ・カフラーが俺の方に向かってこようとしたが、そのスピードはとてつもなく遅かった。俺は、ロバートが何をしてくれたか分かっていた。

「相変わらず、お前の術は本当に役に立つよ。ありがとう、ロバート。国家主霊が何だ、そんなもん、俺らにかかれば、氷術・奥義・氷天一閃ひょうじゅつ  おうぎ  ひょうてんいっせんッ」

氷の塊が物凄い勢いで生成され、クフ・カフラーへと飛んでいき、腹に穴を空けた。

「よし、やったか」

しかし、クフ・カフラーは余裕そうな表情をし、すぐに、その傷口を再生させ始めたのだった。
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