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センとの時間
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その夜は野営をすることになったので、この機会にじっくりとセンと話す時間をもらうことにする。
私もセンも出発まで忙しすぎて、全く話はできていない。
皇国に到着したら、センは私専属の侍従として振る舞うことになるから、本音で話せるかどうかわからない。
センも同じ思いだったらしく、味気ない携帯食で食事を済ませて、お茶を飲んでいる時に1人の男を連れてやってきた。
人払いといっても、侍女のメリーベルは傍に控えている。
侍女抜きで、男性との面会は難しいし、それにメリーベルはレイが私につけた護衛でもある。
私の見えないものを見てくれるもうひとつの目、それがメリーベルのもっとも大事なお役目だ。
どんな些細な出来事もぜんぶレイに報告されるだろうけど、それでいい。
私はチェスや将棋がとても苦手で、すぐに目の前の餌に食いついてしまう。
8歳以上の子供には勝てる気がしないし、実際負けてたしね。
だからプライバシーなんかより、少しでも多くの情報をレイに届けて欲しいと思っている。
センと連れの男にお茶を供すると、メリーベル以外の人は天幕を出て行った。
「わかると思うけど、こいつは襲撃犯の傭兵隊長をしていたダンって奴だ。」
うん、だと思った、歴戦の戦士の風貌をしているし年季の入った装いをしてるし。
「う~ん、隊長さんが捕えられるってことは、部下でもかばったのかな?それともこちらにつなぎをつけたかった?どっちだろう。センはあなたを雇ったのね。それは傭兵部隊を雇ったのかな?それともあなた個人?」
「参るなぁ~。黙ってたらそれこそ儚げな聖なる姫君に見えるのに、けっこうじゃじゃ馬なんだなぁ。部下なんて心酔しちゃって、聖なる姫君はオレが守るなんて言ってるんだがね。」
イメージダウンなんて知ったこっちゃありません。
センに目顔で説明を求めると
「ドジな部下の代わりに大けがを負ったのを、お前が治しちまったんだ。傭兵団への依頼は襲撃した時点で完了なんだそうだ。向こうもお前を攫えるなんて、最初から思っちゃいなかったんだろうな。騎士団にひとあてしたら、逃げる算段が、飛込みすぎた未熟者がでたんで、戦闘が激化したんだと」
「なるほどね、でもどうしてセンはこの人を雇ったの?」
「お前がやらかしたせいで、傭兵にお前のファンが出来ちまったんだよ。そいつら皇国までお前を護衛したら、王国に自首するなんて言うんだぜ。辺境の砦なんかにこいつらなんか入れられるか!」
ですよね~。あの戦闘でかなりの騎士が深手を負ったぐらいの猛者ぞろいだもの。そんな人達が砦に入り込んだら、あっというまに占拠されちゃう危険があるわよね。
「それで考えたんだけど、護衛団は皇国にお前を渡したら、帰国することになるだろう。それなんで、1年間皇国に潜むという条件で、傭兵隊ごと雇った。こいつら腕前は確かだしな。」
「わかりました。ダンさんよろしくお願いしますね。ナナと呼んでください」
「じゃぁ、こっちはダンと呼んでくれ、姫さまに敬称をつけられちゃかなわない。」
そう言うとダンはセンを振り返って
「お前も大変だなぁセン。この姫さん自分の価値がわかってねえぞ。こんなのを守ってんのかお前は!」
と、随分失礼なことを言う。
たぶんダンはただの傭兵なんかじゃない。
それはセンも承知だろう。
なのに雇うぐらいセンは、切羽詰まっているんだ。
金の金糸雀の力は、すこぶる厄介だ。
自分の身を守る能力もないのに、他者を守る力に長けている。
病気やケガの恐れもなくなるし、害意をもった敵がきたら、カナリヤは知ることができる。
襲撃の時には、ぐっすり眠っていて気がつかなかったから万全じゃないんだけどね。
しかも霊獣であったなら人間の論理には従わないから、その力を自由に使うことはできなかった。
なのに金糸雀の力は、今や少女の中にある。
人間には脅迫も使えるし、情に訴えることだってできる。
12歳の女の子を、意のままに操るなんて簡単なんだ。
私が王に絡めとられそうになった時、たぶんレイは、どうせ庇護が必要になると踏んだんだ。
それなら王様は適任だったんだろう。
レイは王様を信頼出来たんだろうね。
なので王様は、私を自分の子どもにして、すぐそばに置いた。
自分の身を守る為じゃなく、私を守るために。
それがレイとセンが、王様に仕える見返りだったんだろうなぁ。
「レイ怒ってるかなぁ、いろいろやらかしちゃったもんなぁ」
そんな風に呟けば
「今頃かよ!おまえはだいたい、いつだってこっちの心配をわかちゃいないだろう、あん時だって知らない人について行くなって、何回言ったと思う?お前わかったって言ったよな?」
「しかたないじゃない。だって隠れたとこに恋人同士がきてイチャイチャするんだよ。センはそーゆーの平気なんだ」
「だからって、ひょこひょこついて行く、神経がわからねぇ。どーしたらそう能天気になれるんだ?バカだろお前は!大体ケガ人を治すにしたって、限度ってもんがあるだろうが!」
「あ~、終わったことをぐちぐちと!そーゆー男はモテないですからね、このぐちぐち星人」
「ほぉー、ならお前は3歩あるくと全部忘れるノータリン娘だ。このチョロ子め!」
ブファっと盛大に噴き出す音がして、ダンが腹を抱えて笑っている。
「いやぁ~、オレ初めてウィンディア王に同情したわ。ありえねぇ。まじありぇねえだろ。お子様なんだなぁ。見た目通り。大丈夫、オレが何とか守ってやっから任せておけ」
2人とも冷静になると、バツが悪くなり、お互いにゴメンと言い合った。
それからダンには席を外してもらって、ふたりでのんびりと話した。
「でね、センは何でも武器にできるじゃない?だから地面に地雷を敷いちゃって、脅す訳よ。動くと爆発するぞって。そしたら、何にもしなくても戦争に勝てそうじゃない?」
「お前、なにえぐいこと言ってんだよ。地雷ってのは死なないで、足とか吹っ飛ぶんだぞ。片足人間を大量生産する気かよ」
「そーしたら、私が癒すもの。誰も死なないで済むと思わない?」
2人してセンがどんな武器を使うか考えて遊んだ。
ロケットランチャーとか追尾システム付きロケットとか、絶対使ってはいけないシリーズ。
センもちゃんとわかってた。
自分が怖ろしくチートだって。
誰でも瞬殺できるって、どんな気分なんだろうなぁ。
それもきっと苦しいのだろう。
私たちは天球に来て、人間には過ぎたる力を持ってしまった。
でも、できるだけ人間らしく暮らしていきたい。
獣にはなりたくない。
それはきっとみんな同じ気持ち。
レイもセンもあまりにチートな能力を持ってしまったから、だから弱っちい私を守ることでバランスを取っているのかもしれない。
でも、忘れてはいけないことがある。
人間はチートなんか持たなくても、どこまでも残忍になれるし、平気で罠を仕掛けることもある。
どれほど大きな力があっても、この世界を人間が支配している理由。
それを忘れたら、私たちはあっと言う間に、人間に殺されてしまうだろう。
それ以降、襲撃に会うこともなく、私たちはプレスペル皇国の皇宮に到着した。
皇国は、地球でいうところの中東のようなイメージの国だった。
周りは砂漠に覆われていて、豊かなオアシスがある国。
プレスペル皇国では複数の妻を持つことができるんですって。
文化も中東よりなんですね。
砂漠のような環境の厳しい場所では、女性はひとりで生きることができない。
そこで男性が複数の妻を持つようになったそうです。
歓迎のレセプションや答礼のパーティなどのあと、護衛団は王国に帰っていった。
護衛団の出発を窓から見送っているとき、不安がもたげてきて泣きそうになってしまった。
王国では、たった10歳の皇子が私と同じ立場で頑張ってるんだから、くじけちゃいけないよね。
「姫さま、学園の制服が届いておりますが、試着なさいますか?」
皇国で付けられた侍女が笑顔で訪ねてきた。
そうかぁ、明日から学園に通うんだぁ。
学園といっても、皇宮と大きな通りを挟んで反対側にまるで双子のようにそっくりな建物がある
それが、プレスペル学園。
多くの貴族は皇都に、自分達の住まいを持っているから、そこから通学する。
弱小貴族で皇都に住まいを持たない人は、寄り親である大貴族の家に寄宿してそこから通うことになるんですって。
しっかり、派閥管理されちゃうってことですよね。
制服は暑い国にふさわしく、ゆったりと身体全体を覆うワンピーススタイルだった、
大きくて身体が中で泳ぎそうだけど、そのおかげで風が通って、とても楽で涼しい。
身体を締め付ける服から解放されるのは嬉しいかも。
センもゆったりとした上着とパンツスタイルだ。
今からセンと一緒に試験を受けるの。
さすがに王族特権らしく、試験官の先生がお見えになるんですって。
センは現役の高校生だったからいいけれど、私学業なんてすっかり忘れちゃったけど大丈夫かなぁ。
できたらセンと同じクラスがいいなぁ。
ヘタレなので転校生とか、恥ずかしすぎる。
センは口は悪いけど、一緒にいると安心するんだなぁ
ぜーったいセンにはそんなことは言わないけどね。
私もセンも出発まで忙しすぎて、全く話はできていない。
皇国に到着したら、センは私専属の侍従として振る舞うことになるから、本音で話せるかどうかわからない。
センも同じ思いだったらしく、味気ない携帯食で食事を済ませて、お茶を飲んでいる時に1人の男を連れてやってきた。
人払いといっても、侍女のメリーベルは傍に控えている。
侍女抜きで、男性との面会は難しいし、それにメリーベルはレイが私につけた護衛でもある。
私の見えないものを見てくれるもうひとつの目、それがメリーベルのもっとも大事なお役目だ。
どんな些細な出来事もぜんぶレイに報告されるだろうけど、それでいい。
私はチェスや将棋がとても苦手で、すぐに目の前の餌に食いついてしまう。
8歳以上の子供には勝てる気がしないし、実際負けてたしね。
だからプライバシーなんかより、少しでも多くの情報をレイに届けて欲しいと思っている。
センと連れの男にお茶を供すると、メリーベル以外の人は天幕を出て行った。
「わかると思うけど、こいつは襲撃犯の傭兵隊長をしていたダンって奴だ。」
うん、だと思った、歴戦の戦士の風貌をしているし年季の入った装いをしてるし。
「う~ん、隊長さんが捕えられるってことは、部下でもかばったのかな?それともこちらにつなぎをつけたかった?どっちだろう。センはあなたを雇ったのね。それは傭兵部隊を雇ったのかな?それともあなた個人?」
「参るなぁ~。黙ってたらそれこそ儚げな聖なる姫君に見えるのに、けっこうじゃじゃ馬なんだなぁ。部下なんて心酔しちゃって、聖なる姫君はオレが守るなんて言ってるんだがね。」
イメージダウンなんて知ったこっちゃありません。
センに目顔で説明を求めると
「ドジな部下の代わりに大けがを負ったのを、お前が治しちまったんだ。傭兵団への依頼は襲撃した時点で完了なんだそうだ。向こうもお前を攫えるなんて、最初から思っちゃいなかったんだろうな。騎士団にひとあてしたら、逃げる算段が、飛込みすぎた未熟者がでたんで、戦闘が激化したんだと」
「なるほどね、でもどうしてセンはこの人を雇ったの?」
「お前がやらかしたせいで、傭兵にお前のファンが出来ちまったんだよ。そいつら皇国までお前を護衛したら、王国に自首するなんて言うんだぜ。辺境の砦なんかにこいつらなんか入れられるか!」
ですよね~。あの戦闘でかなりの騎士が深手を負ったぐらいの猛者ぞろいだもの。そんな人達が砦に入り込んだら、あっというまに占拠されちゃう危険があるわよね。
「それで考えたんだけど、護衛団は皇国にお前を渡したら、帰国することになるだろう。それなんで、1年間皇国に潜むという条件で、傭兵隊ごと雇った。こいつら腕前は確かだしな。」
「わかりました。ダンさんよろしくお願いしますね。ナナと呼んでください」
「じゃぁ、こっちはダンと呼んでくれ、姫さまに敬称をつけられちゃかなわない。」
そう言うとダンはセンを振り返って
「お前も大変だなぁセン。この姫さん自分の価値がわかってねえぞ。こんなのを守ってんのかお前は!」
と、随分失礼なことを言う。
たぶんダンはただの傭兵なんかじゃない。
それはセンも承知だろう。
なのに雇うぐらいセンは、切羽詰まっているんだ。
金の金糸雀の力は、すこぶる厄介だ。
自分の身を守る能力もないのに、他者を守る力に長けている。
病気やケガの恐れもなくなるし、害意をもった敵がきたら、カナリヤは知ることができる。
襲撃の時には、ぐっすり眠っていて気がつかなかったから万全じゃないんだけどね。
しかも霊獣であったなら人間の論理には従わないから、その力を自由に使うことはできなかった。
なのに金糸雀の力は、今や少女の中にある。
人間には脅迫も使えるし、情に訴えることだってできる。
12歳の女の子を、意のままに操るなんて簡単なんだ。
私が王に絡めとられそうになった時、たぶんレイは、どうせ庇護が必要になると踏んだんだ。
それなら王様は適任だったんだろう。
レイは王様を信頼出来たんだろうね。
なので王様は、私を自分の子どもにして、すぐそばに置いた。
自分の身を守る為じゃなく、私を守るために。
それがレイとセンが、王様に仕える見返りだったんだろうなぁ。
「レイ怒ってるかなぁ、いろいろやらかしちゃったもんなぁ」
そんな風に呟けば
「今頃かよ!おまえはだいたい、いつだってこっちの心配をわかちゃいないだろう、あん時だって知らない人について行くなって、何回言ったと思う?お前わかったって言ったよな?」
「しかたないじゃない。だって隠れたとこに恋人同士がきてイチャイチャするんだよ。センはそーゆーの平気なんだ」
「だからって、ひょこひょこついて行く、神経がわからねぇ。どーしたらそう能天気になれるんだ?バカだろお前は!大体ケガ人を治すにしたって、限度ってもんがあるだろうが!」
「あ~、終わったことをぐちぐちと!そーゆー男はモテないですからね、このぐちぐち星人」
「ほぉー、ならお前は3歩あるくと全部忘れるノータリン娘だ。このチョロ子め!」
ブファっと盛大に噴き出す音がして、ダンが腹を抱えて笑っている。
「いやぁ~、オレ初めてウィンディア王に同情したわ。ありえねぇ。まじありぇねえだろ。お子様なんだなぁ。見た目通り。大丈夫、オレが何とか守ってやっから任せておけ」
2人とも冷静になると、バツが悪くなり、お互いにゴメンと言い合った。
それからダンには席を外してもらって、ふたりでのんびりと話した。
「でね、センは何でも武器にできるじゃない?だから地面に地雷を敷いちゃって、脅す訳よ。動くと爆発するぞって。そしたら、何にもしなくても戦争に勝てそうじゃない?」
「お前、なにえぐいこと言ってんだよ。地雷ってのは死なないで、足とか吹っ飛ぶんだぞ。片足人間を大量生産する気かよ」
「そーしたら、私が癒すもの。誰も死なないで済むと思わない?」
2人してセンがどんな武器を使うか考えて遊んだ。
ロケットランチャーとか追尾システム付きロケットとか、絶対使ってはいけないシリーズ。
センもちゃんとわかってた。
自分が怖ろしくチートだって。
誰でも瞬殺できるって、どんな気分なんだろうなぁ。
それもきっと苦しいのだろう。
私たちは天球に来て、人間には過ぎたる力を持ってしまった。
でも、できるだけ人間らしく暮らしていきたい。
獣にはなりたくない。
それはきっとみんな同じ気持ち。
レイもセンもあまりにチートな能力を持ってしまったから、だから弱っちい私を守ることでバランスを取っているのかもしれない。
でも、忘れてはいけないことがある。
人間はチートなんか持たなくても、どこまでも残忍になれるし、平気で罠を仕掛けることもある。
どれほど大きな力があっても、この世界を人間が支配している理由。
それを忘れたら、私たちはあっと言う間に、人間に殺されてしまうだろう。
それ以降、襲撃に会うこともなく、私たちはプレスペル皇国の皇宮に到着した。
皇国は、地球でいうところの中東のようなイメージの国だった。
周りは砂漠に覆われていて、豊かなオアシスがある国。
プレスペル皇国では複数の妻を持つことができるんですって。
文化も中東よりなんですね。
砂漠のような環境の厳しい場所では、女性はひとりで生きることができない。
そこで男性が複数の妻を持つようになったそうです。
歓迎のレセプションや答礼のパーティなどのあと、護衛団は王国に帰っていった。
護衛団の出発を窓から見送っているとき、不安がもたげてきて泣きそうになってしまった。
王国では、たった10歳の皇子が私と同じ立場で頑張ってるんだから、くじけちゃいけないよね。
「姫さま、学園の制服が届いておりますが、試着なさいますか?」
皇国で付けられた侍女が笑顔で訪ねてきた。
そうかぁ、明日から学園に通うんだぁ。
学園といっても、皇宮と大きな通りを挟んで反対側にまるで双子のようにそっくりな建物がある
それが、プレスペル学園。
多くの貴族は皇都に、自分達の住まいを持っているから、そこから通学する。
弱小貴族で皇都に住まいを持たない人は、寄り親である大貴族の家に寄宿してそこから通うことになるんですって。
しっかり、派閥管理されちゃうってことですよね。
制服は暑い国にふさわしく、ゆったりと身体全体を覆うワンピーススタイルだった、
大きくて身体が中で泳ぎそうだけど、そのおかげで風が通って、とても楽で涼しい。
身体を締め付ける服から解放されるのは嬉しいかも。
センもゆったりとした上着とパンツスタイルだ。
今からセンと一緒に試験を受けるの。
さすがに王族特権らしく、試験官の先生がお見えになるんですって。
センは現役の高校生だったからいいけれど、私学業なんてすっかり忘れちゃったけど大丈夫かなぁ。
できたらセンと同じクラスがいいなぁ。
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ぜーったいセンにはそんなことは言わないけどね。
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