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ナナの婚約者候補
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癒しの姫君奪還をかかげて、オルタナ神教団が神殿を襲うかもしれないという噂のために、人々が神殿に来ることができないかもしれない。
それがわかっていたから、癒しの開始は、早朝の4時~その日付が変わる直前まで、1時間ごとに行うと周知させてあった。
安全だと見極めてから神殿に来る人が多いだろうから、早朝に2人しかいないのは不思議でもなんでもなかった。
けれど、その病人を連れてきた青年は、私をいともたやすく攫っていった、あの若と呼ばれていた男だったのだ。
一瞬戸惑いを見せた私に、センはいぶかしそうな顔をする。
センは、若を見たことがないから、今ここにセンが探していた敵がいるとは全く予想していない。
それでも、私は何も言わずに、フルートを奏でた。
癒しの力は、すぐに青年が連れていた老人を包み込み、まるでしわくちゃのミイラのようだった男は、驚いたことに、逞しく覇気に溢れた戦士の姿を取り戻した。
病気というよりは、何かの呪いにでもかかっていたのではないだろうか。
「なるほど、癒しの姫君の力は実に大したものだな、お前が気に入る筈だの、ノヴァーリス。」
「爺が言ったことを本気にとるなおやじどの、姫君に挨拶をしていくか?」
「ふむ、少し話をしても良いかな?」
私はどうすればよいかわからなくなって、センを見た。
「いや、話をすることはできない、病が癒えたならさっさと帰ってくれ。」
センが代わって返事をしてくれた。
センは既に戦闘態勢に入っていて、しかも剣を手にしながらも、額にはじっとりと汗をかいている。
「それほど警戒するな、お若いの。今はこれで帰るとしよう。そこの姫は、我が息子ノヴァーリスの嫁として迎えよう。後日改めて持参金を持って挨拶に参る。」
「なっ!おやじどの、オレは別に嫁にするとは言っておらんぞ!」
「やれやれ、ドバスはお前が番を見つけたと言っておったが、ドバスの目が狂ったというのか。お前は。」
「番!あれがオレの番なのか!」
ノヴァーリスと言われた男は、あの砂漠の中で、私を何度も呼んでは驚いた顔をしていた時と、全く同じ顔をした。
「なるほど、そういう事だったか、ぬかったわ。」
「そうとも、お前は間抜けだよ。番を見つけてそれを逃がしたのだからな。」
「お前ら、いったい何を言ってるんだ!」
センがいきり立つと
「元気のよい坊主だ。なにも取って食おうとは、言っておらん。砂漠の民の長、デュランダル・ネビュラスだ。アイオロス・ウィンディア王に伝えるがよい。砂漠の長の名に懸けて、レティシア・ウィンディア姫を、我が息子ノヴァーリス・ネビュラスの嫁とすると。」
「勝手なことほざいてるんじゃねえぞ。」
「それはどうかな坊主、王に伝えるがよい。砂漠の民の力、王には咽喉から手が出るほど欲しかろうよ。」
そんなやり取りに気を取られていると、いつの間にか私は、ノヴァーリスに抱きかかえられていた。
「このまま、攫ってもよいが、おやじ殿はどうやらアイオロス王と話がしたいらしい。しばし待たれよ番殿。」
そう言ってノヴァーリスは私に口づけをした。
「えっ……」
一瞬なにが起きたか全くわからなかった。
キスされた!それに気づいたときには、羞恥で身体中が熱くてたまらなくなった。
「おや、おや、真っ赤になって、可愛い人だね。私の番殿は。」
このうえなく楽しそうにノヴァーリスは、そういうと
「大丈夫だよ、安心して待っておいで、うぶな娘を好みに育てるのも、楽しそうだ。」
クスクスと笑いながら、今度は額にキスを落とし、ノヴァーリスと、その人騒がせな父親は去っていった。
私は、へなへなと床に座り込んでしまった。
腰が抜けて立てなかったのだ。
「ちくしょー、勝手なことを言いやがって!ナナ安心しろ。王様があんな話を受ける訳がない。一体全体なんでこんなことになっちまったんだか」
それからもセンは色々と言っていたが、全然頭に入らなかった。
キスという単語が私の頭の中をぐるぐると廻り、呆然としてしまっていたから。
全く立ち直ることができない状態で、通信装置でセンがレイに報告と言う名の憤りをぶつけるのを聞いていた。
今夜、私たちは癒しが終わり次第、王都の王様執務室に転移してくるようにという指示をうけた。
どうやらレイの機嫌は氷点下のブリザード状態らしいが、もしかしたら王様も同じかもしれない。
挨拶に来るっていってたけど、それっていったい何時なの?
なんかもう嫁決定みたいな言い方してたよね。
「オイ、オイ大丈夫かナナ。まさかとか思うがお前今まで、彼氏とかいなかったのか?」
と、聞かれたので思わずこくりと頷いてしまった。
センにからかいの種を与えたことを後悔することになるのは、この後のことだ。
何しろ、私にはまったく余裕というものがなかったのだ。
「まじかぁ、オレ今まで付き合った女、3人いるぜ、お前モテなかったのか?」
とても残念な人を見る目でセンは言った。
「うそ、高校生で彼女3人もいたの!」
「バッ馬鹿かお前、ちゃんとひとりづつ付き合ってたぞ、二股なんかしてねぇし。小学校の時告られた女が最初で、2番目の女は、高校が違って自然消滅。今カノが高校の剣道部のマネージャーだったんだけど、これも自然消滅だな。異世界にきちゃったしさ。」
「はぁー、あんたって凄いのね。」
「こんなの、普通だろ、お前がうぶすぎるんだろ、アーだから12歳なんだ。けど今時小学生でも彼氏持ってるぞ。」
センが私の精神を容赦なく攻撃してくる。
わ、わかったからもう勘弁して!
「それよりも、セン、お仕事よ、2回目を始めるわよ。」
ようやく立ち直った私は、それから仕事に集中しはじめた。
あまり来ないかもしれないと、思っていたのに、神殿の警備兵が悲鳴をあげるほど、毎回、毎回、満員になった。
今回は1日しかない、ということと、次回も必ず開催されるかわからないという思いから、かなり遠方から、無理して参加した人も多い。
午後になると、私はふらふらになって、癒しが終わるや否や、倒れ込んでしまった。
レイやメリーベルが心配して、早めに切り上げるように勧めてくれるけど、希望を抱いて、必死に神殿に辿り着く人たちを思うと、そんなことができる訳ない。
神殿の舞台裏にベッドを入れてもらって、仕事がすんだらベッドで休みながら、ともかくも、最後までやり遂げることに専念する。
とくに最終の回は、必死で間に合うように、強行軍で神殿まで来た人ばかりだったから、癒しを受ける人も、施す私もお互いに満身創痍の状態だった。
「終わった~。」
やり遂げた達成感を全身で味わっていると
「そんな呑気にしてていいのかよ。レイと王様が手ぐすねひいて待ってるんだぞ。」
え~ん、どうしよう。
あんまり忙しくて、すっかり忘れてた。
というか考えることを避けていた。
ノヴァーリスが私を攫った男だということを、センには言っていない。
メリーベルは気づいたと思うから、きっとレイには伝わっているはず。
どうしよう?
どうして私、ノヴァーリスのこと言わなかったんだろう。
私を殺しかけた男を、レイは必死で捜索してくれてた。
それを知っていたのに、私は何も言わずに癒してしまったんだ。
うわーん、怖いよう。
ぜーったい、氷点下ブリザードのレイさまと対面することになる。
「うわぁー、セン助けて!」
「知るか、自業自得だろ、あの男だろ、お前を攫ったの。」
「へっ!なんでわかったの?」
「あのおやじ、すげぇ念能力を持ってた。近づいたら殺されるかと思って怖かった。この世界にきて、オレがマジにビビったのってあん時だけだ。」
そういえば、センは額にびっしり汗をかいていた。
「それにあの男、あれは人間か?」
センの問いかけに、私は目を見開いた。
そーだ、なんか変だったんだ。
ノヴァーリスからは霊力が感じられたんだ。
出会いから今まで、あまりにも衝撃的な状態だったから、センに言われるまで気がつかなかった。
もしかしたら、ノヴァーリスは霊獣なのかもしれなかった。
それってかえって問題を複雑にしていないか?
私たちは頭を抱えこんだ。
こうなったら、レイや王様たち保護者軍団に全部ぶっちゃけてお任せしよう。
そうしよう。
半ばやけっぱちになって、私たちは王様とレイの待つ執務室に転移した。
執務室につくと、レイが待ち構えていて、素早く私を布でくるむと、ソファーにすっぽりと居心地ようく収まるように丁寧に調整しながら座らせてくれる。
さすがにおかん気質のレイですね。
と、ちょっと安心したけれど、レイの目は笑っていなかった。
かなり怒ってらっしゃいますね。
「レイ、この格好、王様に非礼なんじゃ……」
と言いかけると
「娘が、何を言う。」
と、王様が私の言葉をさえぎる。
「おとう様、ありがとうございます。」
ほっとしてお礼を言うと
「なんか、恋人が出来たらしいね。父親にも内緒なのかな?」
王様もすごーくお怒りモードです。
もう、泣いていいですか?
レイがギロっとにらんだので、センが素早く今日おきた出来事を説明する。
いつもは脳筋に見られがちだけど、この子とっても頭がいい。
端的に必要な情報を伝えていく。
それは、王様やレイが手に入れていた情報と一致したらしい。
なんのことはない。
ふたりとも情報は全部握っていて、あとは突合せする段階だったみたい。
「厄介ですね。」
と、レイがため息をつくと
「そうだが、確かに砂漠の民の協力が得られるなら、帝国と講和に持っていける。カードが揃うからな。危ない均衡を保ちながらとはいえ、戦争を終えられるのは事実だ。」
王様は為政者らしく冷静に損得を天秤にかける。
「どういうことだ。なんで砂漠の民にそんな力があるんだ?」
センが質問したが、私も同じことが聞きたい。
王様の答えは、私には衝撃的だった!。
それがわかっていたから、癒しの開始は、早朝の4時~その日付が変わる直前まで、1時間ごとに行うと周知させてあった。
安全だと見極めてから神殿に来る人が多いだろうから、早朝に2人しかいないのは不思議でもなんでもなかった。
けれど、その病人を連れてきた青年は、私をいともたやすく攫っていった、あの若と呼ばれていた男だったのだ。
一瞬戸惑いを見せた私に、センはいぶかしそうな顔をする。
センは、若を見たことがないから、今ここにセンが探していた敵がいるとは全く予想していない。
それでも、私は何も言わずに、フルートを奏でた。
癒しの力は、すぐに青年が連れていた老人を包み込み、まるでしわくちゃのミイラのようだった男は、驚いたことに、逞しく覇気に溢れた戦士の姿を取り戻した。
病気というよりは、何かの呪いにでもかかっていたのではないだろうか。
「なるほど、癒しの姫君の力は実に大したものだな、お前が気に入る筈だの、ノヴァーリス。」
「爺が言ったことを本気にとるなおやじどの、姫君に挨拶をしていくか?」
「ふむ、少し話をしても良いかな?」
私はどうすればよいかわからなくなって、センを見た。
「いや、話をすることはできない、病が癒えたならさっさと帰ってくれ。」
センが代わって返事をしてくれた。
センは既に戦闘態勢に入っていて、しかも剣を手にしながらも、額にはじっとりと汗をかいている。
「それほど警戒するな、お若いの。今はこれで帰るとしよう。そこの姫は、我が息子ノヴァーリスの嫁として迎えよう。後日改めて持参金を持って挨拶に参る。」
「なっ!おやじどの、オレは別に嫁にするとは言っておらんぞ!」
「やれやれ、ドバスはお前が番を見つけたと言っておったが、ドバスの目が狂ったというのか。お前は。」
「番!あれがオレの番なのか!」
ノヴァーリスと言われた男は、あの砂漠の中で、私を何度も呼んでは驚いた顔をしていた時と、全く同じ顔をした。
「なるほど、そういう事だったか、ぬかったわ。」
「そうとも、お前は間抜けだよ。番を見つけてそれを逃がしたのだからな。」
「お前ら、いったい何を言ってるんだ!」
センがいきり立つと
「元気のよい坊主だ。なにも取って食おうとは、言っておらん。砂漠の民の長、デュランダル・ネビュラスだ。アイオロス・ウィンディア王に伝えるがよい。砂漠の長の名に懸けて、レティシア・ウィンディア姫を、我が息子ノヴァーリス・ネビュラスの嫁とすると。」
「勝手なことほざいてるんじゃねえぞ。」
「それはどうかな坊主、王に伝えるがよい。砂漠の民の力、王には咽喉から手が出るほど欲しかろうよ。」
そんなやり取りに気を取られていると、いつの間にか私は、ノヴァーリスに抱きかかえられていた。
「このまま、攫ってもよいが、おやじ殿はどうやらアイオロス王と話がしたいらしい。しばし待たれよ番殿。」
そう言ってノヴァーリスは私に口づけをした。
「えっ……」
一瞬なにが起きたか全くわからなかった。
キスされた!それに気づいたときには、羞恥で身体中が熱くてたまらなくなった。
「おや、おや、真っ赤になって、可愛い人だね。私の番殿は。」
このうえなく楽しそうにノヴァーリスは、そういうと
「大丈夫だよ、安心して待っておいで、うぶな娘を好みに育てるのも、楽しそうだ。」
クスクスと笑いながら、今度は額にキスを落とし、ノヴァーリスと、その人騒がせな父親は去っていった。
私は、へなへなと床に座り込んでしまった。
腰が抜けて立てなかったのだ。
「ちくしょー、勝手なことを言いやがって!ナナ安心しろ。王様があんな話を受ける訳がない。一体全体なんでこんなことになっちまったんだか」
それからもセンは色々と言っていたが、全然頭に入らなかった。
キスという単語が私の頭の中をぐるぐると廻り、呆然としてしまっていたから。
全く立ち直ることができない状態で、通信装置でセンがレイに報告と言う名の憤りをぶつけるのを聞いていた。
今夜、私たちは癒しが終わり次第、王都の王様執務室に転移してくるようにという指示をうけた。
どうやらレイの機嫌は氷点下のブリザード状態らしいが、もしかしたら王様も同じかもしれない。
挨拶に来るっていってたけど、それっていったい何時なの?
なんかもう嫁決定みたいな言い方してたよね。
「オイ、オイ大丈夫かナナ。まさかとか思うがお前今まで、彼氏とかいなかったのか?」
と、聞かれたので思わずこくりと頷いてしまった。
センにからかいの種を与えたことを後悔することになるのは、この後のことだ。
何しろ、私にはまったく余裕というものがなかったのだ。
「まじかぁ、オレ今まで付き合った女、3人いるぜ、お前モテなかったのか?」
とても残念な人を見る目でセンは言った。
「うそ、高校生で彼女3人もいたの!」
「バッ馬鹿かお前、ちゃんとひとりづつ付き合ってたぞ、二股なんかしてねぇし。小学校の時告られた女が最初で、2番目の女は、高校が違って自然消滅。今カノが高校の剣道部のマネージャーだったんだけど、これも自然消滅だな。異世界にきちゃったしさ。」
「はぁー、あんたって凄いのね。」
「こんなの、普通だろ、お前がうぶすぎるんだろ、アーだから12歳なんだ。けど今時小学生でも彼氏持ってるぞ。」
センが私の精神を容赦なく攻撃してくる。
わ、わかったからもう勘弁して!
「それよりも、セン、お仕事よ、2回目を始めるわよ。」
ようやく立ち直った私は、それから仕事に集中しはじめた。
あまり来ないかもしれないと、思っていたのに、神殿の警備兵が悲鳴をあげるほど、毎回、毎回、満員になった。
今回は1日しかない、ということと、次回も必ず開催されるかわからないという思いから、かなり遠方から、無理して参加した人も多い。
午後になると、私はふらふらになって、癒しが終わるや否や、倒れ込んでしまった。
レイやメリーベルが心配して、早めに切り上げるように勧めてくれるけど、希望を抱いて、必死に神殿に辿り着く人たちを思うと、そんなことができる訳ない。
神殿の舞台裏にベッドを入れてもらって、仕事がすんだらベッドで休みながら、ともかくも、最後までやり遂げることに専念する。
とくに最終の回は、必死で間に合うように、強行軍で神殿まで来た人ばかりだったから、癒しを受ける人も、施す私もお互いに満身創痍の状態だった。
「終わった~。」
やり遂げた達成感を全身で味わっていると
「そんな呑気にしてていいのかよ。レイと王様が手ぐすねひいて待ってるんだぞ。」
え~ん、どうしよう。
あんまり忙しくて、すっかり忘れてた。
というか考えることを避けていた。
ノヴァーリスが私を攫った男だということを、センには言っていない。
メリーベルは気づいたと思うから、きっとレイには伝わっているはず。
どうしよう?
どうして私、ノヴァーリスのこと言わなかったんだろう。
私を殺しかけた男を、レイは必死で捜索してくれてた。
それを知っていたのに、私は何も言わずに癒してしまったんだ。
うわーん、怖いよう。
ぜーったい、氷点下ブリザードのレイさまと対面することになる。
「うわぁー、セン助けて!」
「知るか、自業自得だろ、あの男だろ、お前を攫ったの。」
「へっ!なんでわかったの?」
「あのおやじ、すげぇ念能力を持ってた。近づいたら殺されるかと思って怖かった。この世界にきて、オレがマジにビビったのってあん時だけだ。」
そういえば、センは額にびっしり汗をかいていた。
「それにあの男、あれは人間か?」
センの問いかけに、私は目を見開いた。
そーだ、なんか変だったんだ。
ノヴァーリスからは霊力が感じられたんだ。
出会いから今まで、あまりにも衝撃的な状態だったから、センに言われるまで気がつかなかった。
もしかしたら、ノヴァーリスは霊獣なのかもしれなかった。
それってかえって問題を複雑にしていないか?
私たちは頭を抱えこんだ。
こうなったら、レイや王様たち保護者軍団に全部ぶっちゃけてお任せしよう。
そうしよう。
半ばやけっぱちになって、私たちは王様とレイの待つ執務室に転移した。
執務室につくと、レイが待ち構えていて、素早く私を布でくるむと、ソファーにすっぽりと居心地ようく収まるように丁寧に調整しながら座らせてくれる。
さすがにおかん気質のレイですね。
と、ちょっと安心したけれど、レイの目は笑っていなかった。
かなり怒ってらっしゃいますね。
「レイ、この格好、王様に非礼なんじゃ……」
と言いかけると
「娘が、何を言う。」
と、王様が私の言葉をさえぎる。
「おとう様、ありがとうございます。」
ほっとしてお礼を言うと
「なんか、恋人が出来たらしいね。父親にも内緒なのかな?」
王様もすごーくお怒りモードです。
もう、泣いていいですか?
レイがギロっとにらんだので、センが素早く今日おきた出来事を説明する。
いつもは脳筋に見られがちだけど、この子とっても頭がいい。
端的に必要な情報を伝えていく。
それは、王様やレイが手に入れていた情報と一致したらしい。
なんのことはない。
ふたりとも情報は全部握っていて、あとは突合せする段階だったみたい。
「厄介ですね。」
と、レイがため息をつくと
「そうだが、確かに砂漠の民の協力が得られるなら、帝国と講和に持っていける。カードが揃うからな。危ない均衡を保ちながらとはいえ、戦争を終えられるのは事実だ。」
王様は為政者らしく冷静に損得を天秤にかける。
「どういうことだ。なんで砂漠の民にそんな力があるんだ?」
センが質問したが、私も同じことが聞きたい。
王様の答えは、私には衝撃的だった!。
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