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魔法少女コスチューム
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ナオがココと一緒になって作り上げた、魔法少女のコスチュームがいよいよ完成しました。
とりあえずロッテとお揃いで作りたかったので、ロッテにお願いして許可を貰っています。
「完成だね」
「完成しましたねぇ」
ナオとココは出来上がった魔法少女のコスチュームをみて、感無量になってしまいました。
徹底的にこだわったのはパニエで、チュールをたっぷりと使ってギャザーで膨らみを持たせています。
しかも見えても可愛いをコンセプトに、レースのフリルが裾部分を覆っていますし、所々にリボンもあしらわれているという凝りようなのです。
基本色はナオが青みがかったピンク、ロッテは紫がかった水色です。
どちらの色も薄紫を基調として、ナオはより赤味を、ロッテはより青味を持たせたものなので、色違いではあっても、統一感がでました。
ふんわりとしたノースリーブワンピースに、騎士服にそっくりな丈の短い上着を羽織る仕様になっています。
ナオは膝上丈を主張したのですが、こちらでは女性が足をさらす習慣がないので膝丈のスカートになりました。
生足というのは抵抗感が強いために、オーバニーブーツを着用します。
このブーツも白で統一しました。
パニエのリボンや、頭につけるリボンは、それぞれのイメージカラーで揃えました。
髪形もナオはツインテール。
ロッテはポニーテールと決めているんです。
こうして甘辛ミックスの、愛らしい魔法少女のコスチュームが完成したのです。
「うん、後はポージングだね」
ナオがそう言えば、ココは首を傾げました。
「ポージングってなんですの?」
「決めポーズなんだよね。決め台詞だって魔法少女には欠かせないだよ。ただねぇ、かなりくさいセリフになるからロッテがやってくれないかもしれないのよねぇ」
それを聞いて少し引き気味のココが質問しました。
「ちなみにどんなセリフが……」
「うーん。大地の精霊とか華麗にはばたくみたいに名乗りの前に冠をつける系。それとかご機嫌ななめだわ、お仕置きよ、ショータイム、みたいに相手に覚悟しろって言う系もあるかな」
「……」
「あっ。呪文を唱える系もあるのよ。シャランだのルルルだの、ドレミとかフルルとかその辺適当で」
「それ、本当にいります?」
ココの目はすでに、あきれ返ったものになっています。
「だってね。なんかその方が萌えない? でも私たちの魔法って呪文とか必要ないんだよなぁ。だったら決め台詞。決め台詞だよね」
「ナオ、それ絶対にいらないと思いますよ。」
「だってココ。魔法のステッキだって使わないんだよ。タンバリンも、コンパクトも、スマホもなしなんだよ。変身する訳じゃないから変身呪文も使わないし、決め台詞ぐらい欲しいじゃないかぁ」
ナオの魂の叫びは、誰にも理解されませんでした。
「ところで、ナオ。この服って、きっと王都で流行ると思うわ。可愛らしいし、実際に陰陽の姫が魔法で活躍すれば、きっとオペラや歌になるだろうしね。なので量産させようと思うの。シャルム商会で。かまわないかしら」
ココはナオよりも1歳だけ年上でしたから、ちょっぴりお姉さん風を吹かせてそう言いました。
「もちろんだわ。ココ&ナオの最初の作品になりそうね。それが売れれば他のコスチュームも発表できるわ。魔法少女として、私も成果をあげるわね」
さていよいよロビンへの衣装のお披露目です。
ロビンは魔法少女衣装が出来たら、セディに防御魔法陣をかけて貰うから連絡しろって言ってましたものね。
だから当然、連絡してもいいんですよね。
ナオは軍務で忙しいロビンに気を使って、手紙などでも楽しい話ばかり書いてきましたし、相談事や厄介事はなるべく聞かせないようにしてきたのです。
セディに魔方陣をお願いするのだって、ロッテに頼みさえすれば簡単です。
けれどもナオはこの魔法少女服を見せて、ロビンとのデートを勝ち取りたかったのでした。
その日の夜、夕食に間に合う時間にロビンがかえってきました。
ロビンの顔を見たのは、1ヶ月前です。
ナオには長すぎる1ヶ月だったのです。
「ロビン、ロビン、ロビン」
ロビンにまとわりついて離れようとしないナオを、ロビンは笑って宥めました。
「大丈夫だ。今夜は一緒に寝れるからな。時間ならたっぷりあるぞ」
ロビンにそう言われて、やっとナオは少し落ち着くことができました。
目を離したらそのままロビンが消えそうで、ずっとロビンの周りをチョロチョロしていたんです。
ロビンはナオを抱き上げて、ゆったりと膝に座らせました。
ナオはまるで子供みたいに、何度もロビンの顔を見上げています。
恋の駆け引きのいろはすら知らないらしいナオは、天然にロビンを喜ばせていました。
キラキラした目に喜びを一杯に表してすり寄る新妻を、嫌う男がいるでしょうか?
「ナオ、よく頑張ったな。王がお礼を言っていたぞ。あれも色々と拗らせた御仁だが、ようやく素直になれたようだ。王妃がココの後見に付いたそうだな」
「はい、ロビン。勝手にことを進めてごめんなさい。煩わしたくはなかったんです。だって結局は過去の恋愛の遺産ですものね」
ロビンは嬉しそうにナオを髪をわしゃわしゃと撫でました。
ナオは迷惑そうに、髪を撫でつけて整えます。
「確かに過去の亡霊に囚われていらしたのだな。王も王妃も」
そうなんです。
婚約パーティでの出来事が貴族たちの目に入らない筈はないのです。
当然王妃さまだって知っていました。
現王の御世は、だから夫婦の仲も臣下との関係もぎくしゃくとして始まったのでした。
けれどようやく、過去を清算することができました。
王妃も王の誠意ある謝罪と愛の告白を受け入れましたし、王も王妃に対して誠実に向き合いました。
その証として王妃はココの後見を表明したのです。
こうして王女の身分こそ持たないものの、ココはその高貴な血筋に相応しい扱いを受けていますし、たぶん王妃にとって目障りなリムも、王都から遠く離れた田舎で幸せに暮らしています。
過去の亡霊は安らかに眠ってしまいました。
「ご褒美をあげないといけないな。ナオは何が欲しいのかな」
ロビンが突然そんなことを言ったので、ナオは慌ててロビンの膝がら滑り降りてしっかりとロビンの顔を見ました。
凄いチャンスです。
ナオはごくんと咽喉をならしました。
「あのね、私と1日一緒にいて欲しいの。ロビンとデートしたいの」
そう一息に言ったあと、ナオは慌てて付け加えました。
「あっ。忙しければいいの。別に半日でも、無理なら数時間でも……」
だんだん語尾が小さくなって、それにつれて元気もなくなっていきます。
「いいとも。明日はオフにしてきた。今夜から明後日の朝まで僕は君だけのものだ。連絡も取り継がないように言いつけてある」
ナオは一瞬耳を疑いました。
聞き違いでしょうか?
王国の守護神ロビンが、1日休暇を取るって言ったんですか?
そのうちようやく間違いなく明日はロビンと1日中一緒にいられると悟ったのでしょう。
ナオは見たことがないような、純真な笑顔を見せました。
よほど嬉しいらしく、声も出ませんでしたが、ナオの喜びは見えない尻尾をブンブン振っている犬みたいに明らかでした。
ロビンはそんなナオが愛しくてたまらないようです。
そこに執事が食事の用意が出来たと言いに来たので、ロビンがナオの手を取って食卓に着かせてやりました。
食事をしている間も、ナオは楽し気にココやリムのこと、魔法少女の衣装のこと、ソサエティーの活動のことなどを話して聞かせました。
ロビンはそれにいちいち頷いてやっていましたが、どうやらとうとう辛抱が出来なくなったらしく、いきなりナオを抱えあげました。
そうして耳元に小さく囁きました。
「一緒に風呂に入ろう。約束だろ」
その瞬間ナオは首筋まで真っ赤になりましたが、それでもこくんと頷きました。
プレシュス辺境伯の館の風呂は、どの離宮でも実に凝っています。
異界渡りの姫君が、よほどの風呂好きであったらしく、蒸気風呂や岩盤浴まで出来る贅沢使用なのです。
ナオたちは湯着を身に着けて、さっそく岩盤浴を楽しむことにしました。
温かな寝床で、ゆっくりと汗をだしていると、心の澱まで流れていくようです。
「ナオ、オレはお前を得てとても幸せだと思っているよ。こんな風にただ女といるだけで心が落ち着くなんてことは、昔のオレには信じられない事だろうなぁ」
「ナオ、お前は素直だなぁ。心のままに行動するなんて貴族としてはデメリットでしかないはずなのに、それでもお前はオレにとって得難い伴侶なんだ」
ロビンは理屈では貴婦人としての理想から程遠いナオが、自分にとってはかけがえのない伴侶であることにジレンマを感じているようです。
今までは全てを計算しつくして行動をしてきたロビンにとって、理屈の外にいるナオは不思議ちゃんでしかありません。
それなのに、ロビンはナオの為なら、きっと計算外の行動をとってしまうでしょう。
その時ナオがロビンの手をそっと握りしめました。
「それはね、ロビン。きっと運命なんだよ。私たちは運命が導いた番なんだよ。だからこんなにも求めあうのかも知れないよ。本当に愛し合っているから、こうして長く離れてても気持ちが変わらないんだよ」
ナオの運命説にロビンは苦笑しました。
けれども、心の奥底で納得もしていたのです。
ロビンはむくりと起き上がって、ナオを促しました。
「さぁ、もう十分に汗をかいた。汗を流しに行こう」
ナオもこくんと頷いてロビンの手をとりました。
夜は始まったばかりです。
とりあえずロッテとお揃いで作りたかったので、ロッテにお願いして許可を貰っています。
「完成だね」
「完成しましたねぇ」
ナオとココは出来上がった魔法少女のコスチュームをみて、感無量になってしまいました。
徹底的にこだわったのはパニエで、チュールをたっぷりと使ってギャザーで膨らみを持たせています。
しかも見えても可愛いをコンセプトに、レースのフリルが裾部分を覆っていますし、所々にリボンもあしらわれているという凝りようなのです。
基本色はナオが青みがかったピンク、ロッテは紫がかった水色です。
どちらの色も薄紫を基調として、ナオはより赤味を、ロッテはより青味を持たせたものなので、色違いではあっても、統一感がでました。
ふんわりとしたノースリーブワンピースに、騎士服にそっくりな丈の短い上着を羽織る仕様になっています。
ナオは膝上丈を主張したのですが、こちらでは女性が足をさらす習慣がないので膝丈のスカートになりました。
生足というのは抵抗感が強いために、オーバニーブーツを着用します。
このブーツも白で統一しました。
パニエのリボンや、頭につけるリボンは、それぞれのイメージカラーで揃えました。
髪形もナオはツインテール。
ロッテはポニーテールと決めているんです。
こうして甘辛ミックスの、愛らしい魔法少女のコスチュームが完成したのです。
「うん、後はポージングだね」
ナオがそう言えば、ココは首を傾げました。
「ポージングってなんですの?」
「決めポーズなんだよね。決め台詞だって魔法少女には欠かせないだよ。ただねぇ、かなりくさいセリフになるからロッテがやってくれないかもしれないのよねぇ」
それを聞いて少し引き気味のココが質問しました。
「ちなみにどんなセリフが……」
「うーん。大地の精霊とか華麗にはばたくみたいに名乗りの前に冠をつける系。それとかご機嫌ななめだわ、お仕置きよ、ショータイム、みたいに相手に覚悟しろって言う系もあるかな」
「……」
「あっ。呪文を唱える系もあるのよ。シャランだのルルルだの、ドレミとかフルルとかその辺適当で」
「それ、本当にいります?」
ココの目はすでに、あきれ返ったものになっています。
「だってね。なんかその方が萌えない? でも私たちの魔法って呪文とか必要ないんだよなぁ。だったら決め台詞。決め台詞だよね」
「ナオ、それ絶対にいらないと思いますよ。」
「だってココ。魔法のステッキだって使わないんだよ。タンバリンも、コンパクトも、スマホもなしなんだよ。変身する訳じゃないから変身呪文も使わないし、決め台詞ぐらい欲しいじゃないかぁ」
ナオの魂の叫びは、誰にも理解されませんでした。
「ところで、ナオ。この服って、きっと王都で流行ると思うわ。可愛らしいし、実際に陰陽の姫が魔法で活躍すれば、きっとオペラや歌になるだろうしね。なので量産させようと思うの。シャルム商会で。かまわないかしら」
ココはナオよりも1歳だけ年上でしたから、ちょっぴりお姉さん風を吹かせてそう言いました。
「もちろんだわ。ココ&ナオの最初の作品になりそうね。それが売れれば他のコスチュームも発表できるわ。魔法少女として、私も成果をあげるわね」
さていよいよロビンへの衣装のお披露目です。
ロビンは魔法少女衣装が出来たら、セディに防御魔法陣をかけて貰うから連絡しろって言ってましたものね。
だから当然、連絡してもいいんですよね。
ナオは軍務で忙しいロビンに気を使って、手紙などでも楽しい話ばかり書いてきましたし、相談事や厄介事はなるべく聞かせないようにしてきたのです。
セディに魔方陣をお願いするのだって、ロッテに頼みさえすれば簡単です。
けれどもナオはこの魔法少女服を見せて、ロビンとのデートを勝ち取りたかったのでした。
その日の夜、夕食に間に合う時間にロビンがかえってきました。
ロビンの顔を見たのは、1ヶ月前です。
ナオには長すぎる1ヶ月だったのです。
「ロビン、ロビン、ロビン」
ロビンにまとわりついて離れようとしないナオを、ロビンは笑って宥めました。
「大丈夫だ。今夜は一緒に寝れるからな。時間ならたっぷりあるぞ」
ロビンにそう言われて、やっとナオは少し落ち着くことができました。
目を離したらそのままロビンが消えそうで、ずっとロビンの周りをチョロチョロしていたんです。
ロビンはナオを抱き上げて、ゆったりと膝に座らせました。
ナオはまるで子供みたいに、何度もロビンの顔を見上げています。
恋の駆け引きのいろはすら知らないらしいナオは、天然にロビンを喜ばせていました。
キラキラした目に喜びを一杯に表してすり寄る新妻を、嫌う男がいるでしょうか?
「ナオ、よく頑張ったな。王がお礼を言っていたぞ。あれも色々と拗らせた御仁だが、ようやく素直になれたようだ。王妃がココの後見に付いたそうだな」
「はい、ロビン。勝手にことを進めてごめんなさい。煩わしたくはなかったんです。だって結局は過去の恋愛の遺産ですものね」
ロビンは嬉しそうにナオを髪をわしゃわしゃと撫でました。
ナオは迷惑そうに、髪を撫でつけて整えます。
「確かに過去の亡霊に囚われていらしたのだな。王も王妃も」
そうなんです。
婚約パーティでの出来事が貴族たちの目に入らない筈はないのです。
当然王妃さまだって知っていました。
現王の御世は、だから夫婦の仲も臣下との関係もぎくしゃくとして始まったのでした。
けれどようやく、過去を清算することができました。
王妃も王の誠意ある謝罪と愛の告白を受け入れましたし、王も王妃に対して誠実に向き合いました。
その証として王妃はココの後見を表明したのです。
こうして王女の身分こそ持たないものの、ココはその高貴な血筋に相応しい扱いを受けていますし、たぶん王妃にとって目障りなリムも、王都から遠く離れた田舎で幸せに暮らしています。
過去の亡霊は安らかに眠ってしまいました。
「ご褒美をあげないといけないな。ナオは何が欲しいのかな」
ロビンが突然そんなことを言ったので、ナオは慌ててロビンの膝がら滑り降りてしっかりとロビンの顔を見ました。
凄いチャンスです。
ナオはごくんと咽喉をならしました。
「あのね、私と1日一緒にいて欲しいの。ロビンとデートしたいの」
そう一息に言ったあと、ナオは慌てて付け加えました。
「あっ。忙しければいいの。別に半日でも、無理なら数時間でも……」
だんだん語尾が小さくなって、それにつれて元気もなくなっていきます。
「いいとも。明日はオフにしてきた。今夜から明後日の朝まで僕は君だけのものだ。連絡も取り継がないように言いつけてある」
ナオは一瞬耳を疑いました。
聞き違いでしょうか?
王国の守護神ロビンが、1日休暇を取るって言ったんですか?
そのうちようやく間違いなく明日はロビンと1日中一緒にいられると悟ったのでしょう。
ナオは見たことがないような、純真な笑顔を見せました。
よほど嬉しいらしく、声も出ませんでしたが、ナオの喜びは見えない尻尾をブンブン振っている犬みたいに明らかでした。
ロビンはそんなナオが愛しくてたまらないようです。
そこに執事が食事の用意が出来たと言いに来たので、ロビンがナオの手を取って食卓に着かせてやりました。
食事をしている間も、ナオは楽し気にココやリムのこと、魔法少女の衣装のこと、ソサエティーの活動のことなどを話して聞かせました。
ロビンはそれにいちいち頷いてやっていましたが、どうやらとうとう辛抱が出来なくなったらしく、いきなりナオを抱えあげました。
そうして耳元に小さく囁きました。
「一緒に風呂に入ろう。約束だろ」
その瞬間ナオは首筋まで真っ赤になりましたが、それでもこくんと頷きました。
プレシュス辺境伯の館の風呂は、どの離宮でも実に凝っています。
異界渡りの姫君が、よほどの風呂好きであったらしく、蒸気風呂や岩盤浴まで出来る贅沢使用なのです。
ナオたちは湯着を身に着けて、さっそく岩盤浴を楽しむことにしました。
温かな寝床で、ゆっくりと汗をだしていると、心の澱まで流れていくようです。
「ナオ、オレはお前を得てとても幸せだと思っているよ。こんな風にただ女といるだけで心が落ち着くなんてことは、昔のオレには信じられない事だろうなぁ」
「ナオ、お前は素直だなぁ。心のままに行動するなんて貴族としてはデメリットでしかないはずなのに、それでもお前はオレにとって得難い伴侶なんだ」
ロビンは理屈では貴婦人としての理想から程遠いナオが、自分にとってはかけがえのない伴侶であることにジレンマを感じているようです。
今までは全てを計算しつくして行動をしてきたロビンにとって、理屈の外にいるナオは不思議ちゃんでしかありません。
それなのに、ロビンはナオの為なら、きっと計算外の行動をとってしまうでしょう。
その時ナオがロビンの手をそっと握りしめました。
「それはね、ロビン。きっと運命なんだよ。私たちは運命が導いた番なんだよ。だからこんなにも求めあうのかも知れないよ。本当に愛し合っているから、こうして長く離れてても気持ちが変わらないんだよ」
ナオの運命説にロビンは苦笑しました。
けれども、心の奥底で納得もしていたのです。
ロビンはむくりと起き上がって、ナオを促しました。
「さぁ、もう十分に汗をかいた。汗を流しに行こう」
ナオもこくんと頷いてロビンの手をとりました。
夜は始まったばかりです。
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