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初めての手紙
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「アルファナイト殿下、少し宜しいでしょうか」
「構わないが、珍しいね。女官長が私の部屋にやってくるなんて。いったいどうしたの?」
「アルカさまのことで少しばかりお願いがございます。アルカさまはこれから厳しいお勉強漬けの生活が始まります。なんといっても殿下とは違い自由気ままに森で育った娘には、王宮の生活はさぞかし大変だろうと思いまして」
「そうだね。私はおじい様にいずれは王になると言われて幼いころから訓練を受けてきたけれど、それでも実際にこうして王宮で暮らしていると息が詰まりそうになるからな。アルカならなおのことだろうね」
「さようでございますとも。ことに女の子というものは誰かから見守られていると思うだけで勇気が持てるものなのです。そこでお願いというのは……」
「そんなことはたやすいことだけれども、それぽっちのことが役に立つというの?」
「もちろんでございますとも。殿下。それではよろしくお願いいたします」
言うだけいえばさっさと暇乞いをする女官長の背中に、ナイトは質問した。
「どうしてこんな簡単なこと、自分でやらないで私に頼んで来たんだい?」
女官長は振り返ると意味ありげに笑いました。
「その理由がわからないから殿下はまだまだお子様なのですよ。その理由は殿下への宿題にさせていただきます。見事に謎を解いてみせて下さいませ」
失礼な言葉を残して去っていった女官長を唖然と見送ったナイトは、それでも女官長の依頼をきちんと遂行してやりました。
「ふん、意味がわからないが、まぁこれはマーク博士にでもことづけることにしよう。確か博士は僕の授業が終わったらそのままアルカを教えに行くはずだからね。
そしてアルカはというと侍女の視線が気になって、いつもビクビクしていました。
なにしろ慇懃無礼な侍女たちは、いかにも恭しくアルカに仕えてみせていながら、アルカが失敗をすれば、それこそ声高にそれを噂するのです。
アルカに聞こえていることを承知で言っているのがわかる分、アルカはついつい自分の言動が気になって委縮するばかりです。
そこでとうとうケイはアルカの勉強中は侍女をさがらせることにしました。
教師とはいえ男性と二人っきりになることはできず、普通なら侍女が側に控えるべきところでしたが、ケイはそれを自分が連れてきた侍女のアンに任せることにしたのです。
「まったく困ったものですね。アルカ。言いたい人には言わせておくぐらいの強い気持ちを持ちなさい。学びの場所というのはいくらでも失敗が許される場所なのですからね。そうやって緊張してビクビクするから、面白がって増長するのですよ」
ケイが小言を言えばアルカは申し訳なさそうに頷くばかりです。
人の気性には軟性と硬性がありますが、アルカはどうも軟性の気性のようで厳しく叱ったり強い態度に出たりはできないようです。
せめて安心して学ばせてやらなければ、いくら勉強しても身に付かないでしょう。
アンというのは朗らかで気の良い娘なので、アルカの良きサポート役になりそうです。
いっそ侍女を入れ替えようかと考えたケイですが、アルカのビクビクした態度が治らなければ誰をつけても同じことになってしまうでしょう。
貴族の娘はプライドも高く、弱みを平然人前に晒すような躾は受けていないので、アルカを見ればイライラして辛く当たってしまうことになる筈です。
どうしてもアルカには人の上に立つ矜持を身につけさせなければならないのです。
授業中だけとはいえアンが側につくようになって、ようやくアルカは安心して授業を受けられるようになりました。
今までは何を質問しても言葉に詰まっていたアルカが、一生懸命自分の考えを話すようになったので、教師たちも熱心にアルカを教え始めました。
もしもケイの判断が遅れていれば、もう少しでアルカは教師たちから匙を投げられるところだったのです。
「よく勉強してきましたね。アルカさま。ご褒美にいいものを差し上げましょう」
歴史や地理を教えて下さっている初老のマーク博士が楽し気にそう言いながら1通の手紙をアルカに差し出しました。
アルカが封を見ると王太子殿下の印章がありました。
「まぁ、ナイトからのお手紙だわ! いったいどうして」
「先ほどまでアルファナイト殿下の授業をしておりましてな。殿下からアルカ様に渡してほしいと頼まれましたのですよ。それはあとでこっそりお読みなさい。次の法律の授業に差しさわりが出てはいけませんからな。それとアルカさま。王太子殿下にお手紙をことづけられるおつもりならこのマーク、喜んで伝書鳩を引き受けまずぞ」
そう言って意味ありげにアルカを見るものですから、アルカはボッと真っ赤になってしまいました。
「いやいや、お若いというのは羨ましいことですな」
マーク博士がカラカラと笑って出て行かれたので、アルカは慌ててナイトの手紙を教科書に挟み込んで隠してしまいました。
こんなものが侍女たちの目にとまれば、また何を言われるかわかったものではありません。
その時ニコニコとアンがやってくると、黙って自分の唇に人差し指をあてがって、内緒、内緒とばかりに頷いてみせました。
「違うのよ、アン。これって別に……」
「大丈夫ですよ。アルカさま。私はアルカさまの腹心の友ですからね。ケイ様からもそうしなさいって言って頂いたんです。だから恋バナだって聞きますわよ」
「恋バナって!」
アルカは絶句してしまいました。
可哀そうにその顔はもう、すっかり赤く染まっています。
「困りましたね。アルカさま。そんな風ではすぐにみんなにバレてしまいますわ。お可愛らしくはあるんですけどねぇ。さぁ、すこしゆっくりと深く呼吸をしてください。古典の宿題に出されたマーラの詩を暗唱してみましょう。できますか?」
そうやって一生懸命マーラの詩を思い出しているうちにアルカはすっかり落ち着きを取り戻しました。
「ありがとう、アン」
「いいえ、アルカさま。けれどポーカーフェイスは淑女の基本です。そうやってすぐにお気持ちが表に出てはつけ込まれてしまいます。動揺しそうになったら聖句や詩を暗唱するといいですよ。感情を上手にコントロールする方法を後でこっそりお教えしますね」
「ええ、アン。ずっとあなたが私付きならいいのに……」
「私は王宮侍女では無くて、侯爵家に仕える侍女ですからねぇ。王宮侍女ってエリートなんですよ。貴族の紹介状を持ってきて面接を受けるんですけれど、恐ろしく狭き門なんです。だから王宮侍女って言えばプライドが高い代わりにお仕事もすっごくできるんです」
「そういうものなの? アンだって試験を受けたら合格しそうだけど……」
「あぁ、ニーナさんたちを見てそう思ったんですね。違いますよ。ニーナさんはアルカさまに本気で仕えていないだけです。本当ならあの人たちってすっごく高いスキルを持っている筈なんですよ。今は王妃さまもいないので、公女付きになるってことは、トップクラスに優秀って事ですからね」
「だからアルカさま。2人で頑張ってニーナたちにアルカさまが女主人に相応しいって認めさせましょう。侍女を変えることはいつだってできますよ。けれども人当たりがいいだけの侍女ではアルカさまがこの先困ることになるんです」
「わかりました。私が至らないからニーナたちは本領を発揮できないのね。そんなのあんまりだわ。いいわ。どんなに癖のある人だって扱えるだけの器量が持てるように努力します。ケイさまを見習ってね」
「その意気ですわよ。アルカさま。やはりお手紙の威力は絶大ですね。アルカさまの目が生き生きしていますわ」
アンにからかわれてアルカは急いで難問の詩を暗唱し始めました。
この分では古典は満点が取れるようになるかもしれません。
ようやく就寝の時間がきてアルカは大急ぎで歴史の本の間からナイトの手紙を取り出します。
封蝋をペーパーナイフで丁寧にはがして、そうっと中の手紙を取り出そうとすると美しい銀製の薄い栞が中から落ちてきました。
その栞には天使さまの姿が精密画みたいに見事に細工されています。
「まぁ、こんなに薄いのに銀細工なのだわ。なんて見事なのでしょう」
アルカはその栞を大事に握りしめると手紙を読み始めました。
『可愛い妹のアルカへ。
アルカ。君を王宮に押し込んでしまったことが良かったのか悪かったのか、僕はいまだに迷ってるよ。
けれどもアルカ。あんな寂しい迷いの森で、アルカが独りぼっちで暮らすことだけはさせたくなかったんだ。
妹だって言ったのに、少しもアルカと時間を過ごしてあげられないね。
でも僕はいつだってアルカを見守っているからね。
いつだってアルカの味方のナイトより』
その手紙は恐ろしく短いものでしたが、アルカは何度も何度も読み返してすっかり覚えてしまいました。
ナイトが自分を見守ってくれている。
ナイトはアルカを忘れていなかった。
ずっと見守っているんだって!
ナイトってば、なんてかっこいいんでしょう。
そうよ!
だってナイトは王子様なんだもの。
アルカの頭の中はすっかりお花畑になってしまいましたが、ほんのひとときのことですからきっと許してもらえるでしょう。
だってアルカはこの時初めて立派な貴婦人になりたいと心から思ったのですから。
アルカはナイトに自分を王宮に引き取ったことを、絶対に後悔させたくないと思いました。
だったらアルカは貴婦人になるしかないでしょう。
そのためには……
きっとニーナたちに私を主だと認めさせて見せるわ!
みてらっしゃい!
そうなんです。
恋って女の子をすっごく強くさせるんです。
翌日からアルカがとっても意欲的になった理由を知っているのはアンだけでした。
「構わないが、珍しいね。女官長が私の部屋にやってくるなんて。いったいどうしたの?」
「アルカさまのことで少しばかりお願いがございます。アルカさまはこれから厳しいお勉強漬けの生活が始まります。なんといっても殿下とは違い自由気ままに森で育った娘には、王宮の生活はさぞかし大変だろうと思いまして」
「そうだね。私はおじい様にいずれは王になると言われて幼いころから訓練を受けてきたけれど、それでも実際にこうして王宮で暮らしていると息が詰まりそうになるからな。アルカならなおのことだろうね」
「さようでございますとも。ことに女の子というものは誰かから見守られていると思うだけで勇気が持てるものなのです。そこでお願いというのは……」
「そんなことはたやすいことだけれども、それぽっちのことが役に立つというの?」
「もちろんでございますとも。殿下。それではよろしくお願いいたします」
言うだけいえばさっさと暇乞いをする女官長の背中に、ナイトは質問した。
「どうしてこんな簡単なこと、自分でやらないで私に頼んで来たんだい?」
女官長は振り返ると意味ありげに笑いました。
「その理由がわからないから殿下はまだまだお子様なのですよ。その理由は殿下への宿題にさせていただきます。見事に謎を解いてみせて下さいませ」
失礼な言葉を残して去っていった女官長を唖然と見送ったナイトは、それでも女官長の依頼をきちんと遂行してやりました。
「ふん、意味がわからないが、まぁこれはマーク博士にでもことづけることにしよう。確か博士は僕の授業が終わったらそのままアルカを教えに行くはずだからね。
そしてアルカはというと侍女の視線が気になって、いつもビクビクしていました。
なにしろ慇懃無礼な侍女たちは、いかにも恭しくアルカに仕えてみせていながら、アルカが失敗をすれば、それこそ声高にそれを噂するのです。
アルカに聞こえていることを承知で言っているのがわかる分、アルカはついつい自分の言動が気になって委縮するばかりです。
そこでとうとうケイはアルカの勉強中は侍女をさがらせることにしました。
教師とはいえ男性と二人っきりになることはできず、普通なら侍女が側に控えるべきところでしたが、ケイはそれを自分が連れてきた侍女のアンに任せることにしたのです。
「まったく困ったものですね。アルカ。言いたい人には言わせておくぐらいの強い気持ちを持ちなさい。学びの場所というのはいくらでも失敗が許される場所なのですからね。そうやって緊張してビクビクするから、面白がって増長するのですよ」
ケイが小言を言えばアルカは申し訳なさそうに頷くばかりです。
人の気性には軟性と硬性がありますが、アルカはどうも軟性の気性のようで厳しく叱ったり強い態度に出たりはできないようです。
せめて安心して学ばせてやらなければ、いくら勉強しても身に付かないでしょう。
アンというのは朗らかで気の良い娘なので、アルカの良きサポート役になりそうです。
いっそ侍女を入れ替えようかと考えたケイですが、アルカのビクビクした態度が治らなければ誰をつけても同じことになってしまうでしょう。
貴族の娘はプライドも高く、弱みを平然人前に晒すような躾は受けていないので、アルカを見ればイライラして辛く当たってしまうことになる筈です。
どうしてもアルカには人の上に立つ矜持を身につけさせなければならないのです。
授業中だけとはいえアンが側につくようになって、ようやくアルカは安心して授業を受けられるようになりました。
今までは何を質問しても言葉に詰まっていたアルカが、一生懸命自分の考えを話すようになったので、教師たちも熱心にアルカを教え始めました。
もしもケイの判断が遅れていれば、もう少しでアルカは教師たちから匙を投げられるところだったのです。
「よく勉強してきましたね。アルカさま。ご褒美にいいものを差し上げましょう」
歴史や地理を教えて下さっている初老のマーク博士が楽し気にそう言いながら1通の手紙をアルカに差し出しました。
アルカが封を見ると王太子殿下の印章がありました。
「まぁ、ナイトからのお手紙だわ! いったいどうして」
「先ほどまでアルファナイト殿下の授業をしておりましてな。殿下からアルカ様に渡してほしいと頼まれましたのですよ。それはあとでこっそりお読みなさい。次の法律の授業に差しさわりが出てはいけませんからな。それとアルカさま。王太子殿下にお手紙をことづけられるおつもりならこのマーク、喜んで伝書鳩を引き受けまずぞ」
そう言って意味ありげにアルカを見るものですから、アルカはボッと真っ赤になってしまいました。
「いやいや、お若いというのは羨ましいことですな」
マーク博士がカラカラと笑って出て行かれたので、アルカは慌ててナイトの手紙を教科書に挟み込んで隠してしまいました。
こんなものが侍女たちの目にとまれば、また何を言われるかわかったものではありません。
その時ニコニコとアンがやってくると、黙って自分の唇に人差し指をあてがって、内緒、内緒とばかりに頷いてみせました。
「違うのよ、アン。これって別に……」
「大丈夫ですよ。アルカさま。私はアルカさまの腹心の友ですからね。ケイ様からもそうしなさいって言って頂いたんです。だから恋バナだって聞きますわよ」
「恋バナって!」
アルカは絶句してしまいました。
可哀そうにその顔はもう、すっかり赤く染まっています。
「困りましたね。アルカさま。そんな風ではすぐにみんなにバレてしまいますわ。お可愛らしくはあるんですけどねぇ。さぁ、すこしゆっくりと深く呼吸をしてください。古典の宿題に出されたマーラの詩を暗唱してみましょう。できますか?」
そうやって一生懸命マーラの詩を思い出しているうちにアルカはすっかり落ち着きを取り戻しました。
「ありがとう、アン」
「いいえ、アルカさま。けれどポーカーフェイスは淑女の基本です。そうやってすぐにお気持ちが表に出てはつけ込まれてしまいます。動揺しそうになったら聖句や詩を暗唱するといいですよ。感情を上手にコントロールする方法を後でこっそりお教えしますね」
「ええ、アン。ずっとあなたが私付きならいいのに……」
「私は王宮侍女では無くて、侯爵家に仕える侍女ですからねぇ。王宮侍女ってエリートなんですよ。貴族の紹介状を持ってきて面接を受けるんですけれど、恐ろしく狭き門なんです。だから王宮侍女って言えばプライドが高い代わりにお仕事もすっごくできるんです」
「そういうものなの? アンだって試験を受けたら合格しそうだけど……」
「あぁ、ニーナさんたちを見てそう思ったんですね。違いますよ。ニーナさんはアルカさまに本気で仕えていないだけです。本当ならあの人たちってすっごく高いスキルを持っている筈なんですよ。今は王妃さまもいないので、公女付きになるってことは、トップクラスに優秀って事ですからね」
「だからアルカさま。2人で頑張ってニーナたちにアルカさまが女主人に相応しいって認めさせましょう。侍女を変えることはいつだってできますよ。けれども人当たりがいいだけの侍女ではアルカさまがこの先困ることになるんです」
「わかりました。私が至らないからニーナたちは本領を発揮できないのね。そんなのあんまりだわ。いいわ。どんなに癖のある人だって扱えるだけの器量が持てるように努力します。ケイさまを見習ってね」
「その意気ですわよ。アルカさま。やはりお手紙の威力は絶大ですね。アルカさまの目が生き生きしていますわ」
アンにからかわれてアルカは急いで難問の詩を暗唱し始めました。
この分では古典は満点が取れるようになるかもしれません。
ようやく就寝の時間がきてアルカは大急ぎで歴史の本の間からナイトの手紙を取り出します。
封蝋をペーパーナイフで丁寧にはがして、そうっと中の手紙を取り出そうとすると美しい銀製の薄い栞が中から落ちてきました。
その栞には天使さまの姿が精密画みたいに見事に細工されています。
「まぁ、こんなに薄いのに銀細工なのだわ。なんて見事なのでしょう」
アルカはその栞を大事に握りしめると手紙を読み始めました。
『可愛い妹のアルカへ。
アルカ。君を王宮に押し込んでしまったことが良かったのか悪かったのか、僕はいまだに迷ってるよ。
けれどもアルカ。あんな寂しい迷いの森で、アルカが独りぼっちで暮らすことだけはさせたくなかったんだ。
妹だって言ったのに、少しもアルカと時間を過ごしてあげられないね。
でも僕はいつだってアルカを見守っているからね。
いつだってアルカの味方のナイトより』
その手紙は恐ろしく短いものでしたが、アルカは何度も何度も読み返してすっかり覚えてしまいました。
ナイトが自分を見守ってくれている。
ナイトはアルカを忘れていなかった。
ずっと見守っているんだって!
ナイトってば、なんてかっこいいんでしょう。
そうよ!
だってナイトは王子様なんだもの。
アルカの頭の中はすっかりお花畑になってしまいましたが、ほんのひとときのことですからきっと許してもらえるでしょう。
だってアルカはこの時初めて立派な貴婦人になりたいと心から思ったのですから。
アルカはナイトに自分を王宮に引き取ったことを、絶対に後悔させたくないと思いました。
だったらアルカは貴婦人になるしかないでしょう。
そのためには……
きっとニーナたちに私を主だと認めさせて見せるわ!
みてらっしゃい!
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