どん底から頂点を目指しました

ゆめ

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魔力測定

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「ここら辺でいいかな…」
 人気のない森の中で一人呟く。
 わ、寂しぃ。
 けど他の人たちに見つかると色々と面倒臭い気がする。
 魔法があるというのに使い方が不明なせいで今まで使うことが出来ずもどかしかったがこれで魔法を使うことが出来る。 
 そう嬉しく思いながら本を開く。
「おぉ…」
やはり魔法には魔力が必要不可欠。魔力が高ければ高いほど魔法の精度、質、連射可能限界数などが増加していく。
 目次らしき所を開くと一ページ目の所に『魔力測定』と書いてあった。
 気になった俺は一ページ目を開く。 
「えぇー」
開いた瞬間目の前には透明で綺麗な水晶が現れた。
どうなってんのか、と疑問に思い説明文を読む。
…あ、そう…この教科書魔法で作られてんのね…あぁはい。さすがファンタジー異世界。
呆れつつも説明文通りに魔力測定を行う。
「まずは…ぇーと…水晶の上に手をかざします…とこれでいいのか?…次は…なんでもいいので魔法を撃ってください」
・・・
 魔法の撃ち方知らねぇよっっ!!!!
 どうすんだよぉぉと頭を抱えると次の説明文が目に入った。
「なになに……魔法の撃ち方を知らないという人ばかりだと思うので取り敢えず魔法の撃ち方を簡単に記載しておきます……って」
 あれ?なんかこの教科書にバカにされてる気がするー。
 まぁ、いいや…えと
「まず体内の魔力を感知します。目を閉じて体内の中心に光の玉があると想像して感じてください。魔力がある人は感覚で掴むことができる、か」
 目を閉じて……すやぁ…じゃなくて魔力を感知する。
 流石、生まれた時から魔力が高く暴走の危険性を母から心配されただけある。
 めちゃくちゃ感覚で掴めるんですけど。
「そして頭の中でどんな魔法を使いたいか具体的に想像してくださいって具体的に書けよ」
 基本形っつったらあれだよな。ファイヤーボール的なの。
 俺は水晶に手を乗せたまま頭の中でソフトボール位の大きさの炎の球を思い浮かべる。
 「…うおっ!でた!」
 想像よりも威力が大きかったが、魔法を伝えたことに感動した。
 まじかぁぁぁ!すっげぇぇぇ!!
 新しいおもちゃを買ってもらった子供のような(まぁ、中身はともかく子供なのだが)表情で拳を握る。
 何か忘れてないだろうか。
 はい。そうです、魔力測定のことをすっからかんに今の一瞬で忘れさりました。
「あ、やべやべ」
 グラフが出てくる。
 どうやって見るのかと四苦八苦していると俺を助けてくれたのは説明文☆ありがとっ!
「詳しくの数値ではなくグラフで出てきます。初級、中級、上級の魔力量で判断してください…ってあ、書いてあった」
 グラフの横には初級ライン、中級ライン、上級ラインと記載されていた。
「さてさて、お楽しみの俺の魔力量わぁ…………………へぇー」
 そう言えば転生者の小説は主人公チート設定だよなぁなどと遠い目をして見る。
「お決まりってことか」
 嬉しい、がグラフのあまりの高さに呆れる。
 まさか…
「上級ラインを優に超すとはなぁ…」
 てことは俺魔法使い慣れんじゃね?などといった期待は捨てる。
 何故ならここはスラムだ。スラムに魔力が高い子供が現れようともそんなの国からしたら知る由もない事だから。
「ま、俺はこれで動物狩って肉が食えればいっか」
 そして暫く参考書と睨めっこしながら魔法を撃ち、家に帰宅した。
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