どん底から頂点を目指しました

ゆめ

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初クエスト終了

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「え、5体討伐でクリアだったんですが…」
 ギルドに戻ってクエスト完了報告しに受け付け行ったら開口一番に言われた台詞はまさかの俺の努力を無に帰すもの。
 まじか、8倍の数のステホサプスを討伐したということか。
 まじか。つら。
「そうだったんですね…」
 受け付けの女性の話によるとクエストが書かれている紙にしっかり5体、と記載されていたようだ。全くもって気が付かなかった。
 もっと太字で大きく書いてくれ。頼むから。
「あ、でも依頼は失敗ではないので大丈夫ですよ!!それより…いくらステホサプスのレベルだとはいえ、80体も……貴方様のご年齢で考えると殆ど不可能に近いのですが…」
 あれ?これもしかして怪しまれてるのかな…
 だが実際、この受け付けの女性の言いようは正しい。
 まだ心身、技量などにおいて全面的に未熟なものとされる10歳の子供が魔物(最低ランクらしいが)をたった1時間近くで80体をも殲滅し、帰ってくる。
 有り得ない。
「運が良かったんですよ」
 あはは、と笑うと運だけでどうこうなる事ではない、と顔で訴えてくる。
「ま、まぁ企業秘密ってやつですよ」
 そう言うと女性が諦めたように溜息をついた。
「分かりました。それでは依頼達成の報酬をお渡しいたしますが…余分に倒したステホサプスの素材はギルドにて売却が可能ですが…どういたしますか?」
 そんなの勿論売るに決まっている。こんなの持っていても邪魔なだけだ。
 お金に変えられるものは変える。
「じゃあ、お願いします」
 俺はそう言って縮小魔法をかけていた魔物の素材を出した。
 俺はこの5年で大分こういった売買に慣れた。
 こういう魔物を売る場合、金に変えられない部分が半分ちかくある。
 最低ランクの魔物などはもう殆ど毛皮程度しか売れない。それにまるごと持っていき売ってしまうと、不要なものを廃棄するための金がかかり、貰える金額から差し引かれてしまうのだ。
 だから俺は売れる部分だけを鑑定、捌いて縮小魔法をかけて売る。その方法にいつからかチェンジしていた。
 今回もそうだ。
 毛皮のみ持ってきたのですべて縮小魔法をといてもギルド内に置くことが出来た。
「そ、それではお預かりいたしますね」
 それでも予想以上の量だったのであろう。
 若干、顔を引き攣らせながら女性は奥へと入っていった。
 まぁ、そうなるわ。だが、甘い。
   今のは毛皮だけだが俺は生きてる状態で80体見ている。
 俺の気持ちが少しでもわかってくれればいい。
 それにしても量が多すぎてほんとキモかった。
  数分後帰ってきた女性から報酬を貰い、家に買った薬を持って帰った。
 今日はいつもよりもすこし多く金が手に入ったのでご飯をすこし豪華にするだけの余裕があった。
 スラムの人々が喜ぶ姿を見れて俺は幸せな気持ちになっていた。
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