どん底から頂点を目指しました

ゆめ

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試験の時間です

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 さーてさーて遂に試験の日となりました!
 今日は気合とテンションがおかしくなっております俺、アドニスでーす。

 と、まぁ数日前。母さんに行ってらっしゃいと言われた俺は早速ギルドの受付にて試験の登録をした。そして遂に今日、試験の日となったのだ。
 いや、流石に朝は緊張してたけど母さんが「緊張するだけ無駄よ、全力を出してきなさい」と言い背中をバシッと叩いてくれたおかげで緊張が解れ、気合が湧いてきたのだ。
 まぁそれと同時にテンションも上がってきちゃったんだけどね。
 ちなみに試験会場はスラムを降りてある街の隣町の闘技場。
 まぁつまりかなり遠いわけなんですが…
 試験を受ける人数がかなりいるらしく試験場所が此処になったという話だ。
「…にしても……でけぇ…」
 目の前にそびえ立つ闘技場を見て若干頬を引き攣らせる。
 あれ、そういえば試験内容ってなんだろう…
 今更ながら知らなかったなぁ、とブツブツいいながら闘技場の入口に立つ、といってもかなりの人が並んでいたのでその最後尾に立った。
 そして前の人がいなくなっていくのにつれ入口にて受付をしていることが分かった。
「あー…これを見せるのか…」
 ポケットに入れていた紙を取り出す。
 これはギルドで受付をした時に貰ったものだ。
 そして俺の番になった時、紙を見せる。
「はい、エスト街の冒険者ギルドのアドニス様ですね、ではこちらの用紙の日程となりますのでよろしくおねがいします」
 ……エスト街って…どこ?
 あ、ギルドがある街か。そういえば街の名前知らなかったなぁ…
 受け取った用紙を見ながら奥へと進む。
「なになに…最初は闘技場にて魔力検査。その次は第2闘技場にて…って二つ目があんのかよ……えっと…げっ、武闘検査かぁ…」
 剣とか使ったことないな…などと冷や汗をかいていると後ろから声をかけられた。
「君、武闘苦手なのかい?」
 後ろを振り返ると13歳くらいの少年が立っていた。
 うっわ、嫌味な程イケメンだ。金髪とかあんのかこの世界。
「え、あ、まぁ…剣を使ったことがないんですよね…」
「あー、それ剣縛りじゃないよ。弓でも槍でも素手でもなんでもいいんだよ」
 ま、じ、か。
 素手OKなら多少はいい!感知されない程度で身体強化して…っと。
「ありがとうございます」
「いやいや、お互いいい試験にしよう」
 そう言い残し金髪イケメンは去っていった。
 その時、周りから話し声が聞こえてきた。
「うわっ…あいつってまさかこの街の領主の息子じゃね?」
「まじで!?確かありえない量の魔力と武術の才能をもってるとか…」
 そんなに強いやつなのか…
「えぇ……戦いたくねぇなぁあいつとは」
 ん?戦うなんてあったっけ?
 そう思いつつ紙を再度見直す。
「武闘検査……の後に………1体1の戦闘試合………わーお」
 俺もあいつとは戦いたくないです。
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