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忍び寄る影
勇者の戦い
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「くそっ!なんでこんな所に魔物がいんだよ!!!」
「しかもかなりのサイズね……………」
「一体ならまだしも他にもいる……………」
「青木さん!佐々田さん!補助頼む!」
「「うん!!」」
ソウイと久々に会った数時間後。祭りの雰囲気に疲れてきた徹達一行は中心から離れた、郊外に足を運んでいた。
郊外といえど目新しいものが多く、普通に観光気分でいた。
その時、彼らの前に魔物が現れた。それは少し前、ソウイが撃退したロキシア。さらにロキシアよりも一ランク下のアスパスという魔物が集団で現れた。計五体。ロキシアの一ランク下と言えども攻撃力が高く、それ以上に回避能力に優れているため討伐が困難とされている。
幸い、周りに他の人間はいなかった。
そのため徹達一行は他の人間を守りながら戦う、という力が1番発揮できない状況に陥ることは無かった、がそれでも彼らにとって強敵ともいえる。
彼らはまだ集団の相手との戦いに慣れていない。さらに高ランクの魔物となると初めての戦いだ。
全員に焦りの色が浮かぶ。
「『我が命に応え、従え。大いなる炎よ。燃やし尽くせ』」
「『我が命に応え、従え。大いなる風よ。巻き起こせ疾風の嵐』」
玲奈と菜花が放った中級魔法が魔物を襲う。
玲奈の生み出した炎は菜花が生み出した風によりさらに燃焼を大きくさせる。
そして魔物が一瞬怯んだ隙を見て徹、祐介が切り込む。
玲と達也が使う武器は弓と銃。それぞれ前衛で戦う2人に当たらないよう上手く調節して攻撃を行う。
1年近くパーティーを組んでるだけあり、息はピッタリだ。
徹と祐介なんかは普段、性格があまり合わないが戦闘の時は別。口に出さずともお互いの行動を理解し、お互いがお互いの力を最大限に発揮できるように動く。
さらに徹は魔力量がこのパーティーの中では秀でている。剣に魔法。それらを使いこなす彼を中心として攻撃の形態が成されていた。
「ぐっ…………………」
「本田!!!」
「うるせぇ!平気だ!!!」
動きが早い。
目では追いつけるが体がついていかない。
相手にもダメージは与えることは出来ているがいずれも致命傷とはいえない。そして徹達も無傷ではいられなかった。
徹は舌打ちをしながら柄を握る。
こんな相手にすら遅れをとるのか、と。
しかし今は悔しがっている暇はない。
倒すことに集中する。
後ろから飛んできた矢が一体のアスパスの目に当たる。
悲鳴にも近い叫び声を上げ、身体から蒸気を発し始める。
他のアスパスにそのような傾向は見られない。
どういう事だ!?
蒸気を発し始めたアスパスから熱が伝わってくる。
徹が不審に思い、警戒しながら剣を振るうと今までとは比べ物にならないスピードで回避された。
「もしかして………………………………………」
怒りとともにパワーアップしてる……?
その予想はある意味あっていた。
彼らは知らなかったがアスパスとは全能力的にみてBランクの魔物。しかし、命の危機を感じたり極度のストレスを感じたりすると体内の血を燃やし、瞬発力が異常なまでに上昇する。
そしてその時の瞬発力だけみたらAランクの魔物と同レベル、またはそれ以上と言っても過言ではない。
もし俺の予想が正しければ不味い………
深手を負わせるとスピードが上がると言うならば深手を負わせることが出来ない。これ以上スピードがあがられたら完璧に対処不可能となる。
ならばどうすべきか。
一撃で戦闘不能にしなければならない。
さらに敵はアスパスだけでは無い。ロキシアもいる。
その事実に冷や汗が頬を伝う。
そしてその瞬間、スピードが飛躍的に上昇したアスパスが前から突っ込んで来るのがわかった。
見えただけまだよしとしよう。しかし体がついてこない。全力で剣で防ごうとするが間に合わない。
死ぬーーー……………………………
「うーーーーーーーーりゃっ、と…………………」
「……………………………え」
「生きてるか?徹」
「………蒼涼…………?」
そこには襲ってきたアスパスを蹴り飛ばしてこちらを向く蒼涼の姿があった。
「しかもかなりのサイズね……………」
「一体ならまだしも他にもいる……………」
「青木さん!佐々田さん!補助頼む!」
「「うん!!」」
ソウイと久々に会った数時間後。祭りの雰囲気に疲れてきた徹達一行は中心から離れた、郊外に足を運んでいた。
郊外といえど目新しいものが多く、普通に観光気分でいた。
その時、彼らの前に魔物が現れた。それは少し前、ソウイが撃退したロキシア。さらにロキシアよりも一ランク下のアスパスという魔物が集団で現れた。計五体。ロキシアの一ランク下と言えども攻撃力が高く、それ以上に回避能力に優れているため討伐が困難とされている。
幸い、周りに他の人間はいなかった。
そのため徹達一行は他の人間を守りながら戦う、という力が1番発揮できない状況に陥ることは無かった、がそれでも彼らにとって強敵ともいえる。
彼らはまだ集団の相手との戦いに慣れていない。さらに高ランクの魔物となると初めての戦いだ。
全員に焦りの色が浮かぶ。
「『我が命に応え、従え。大いなる炎よ。燃やし尽くせ』」
「『我が命に応え、従え。大いなる風よ。巻き起こせ疾風の嵐』」
玲奈と菜花が放った中級魔法が魔物を襲う。
玲奈の生み出した炎は菜花が生み出した風によりさらに燃焼を大きくさせる。
そして魔物が一瞬怯んだ隙を見て徹、祐介が切り込む。
玲と達也が使う武器は弓と銃。それぞれ前衛で戦う2人に当たらないよう上手く調節して攻撃を行う。
1年近くパーティーを組んでるだけあり、息はピッタリだ。
徹と祐介なんかは普段、性格があまり合わないが戦闘の時は別。口に出さずともお互いの行動を理解し、お互いがお互いの力を最大限に発揮できるように動く。
さらに徹は魔力量がこのパーティーの中では秀でている。剣に魔法。それらを使いこなす彼を中心として攻撃の形態が成されていた。
「ぐっ…………………」
「本田!!!」
「うるせぇ!平気だ!!!」
動きが早い。
目では追いつけるが体がついていかない。
相手にもダメージは与えることは出来ているがいずれも致命傷とはいえない。そして徹達も無傷ではいられなかった。
徹は舌打ちをしながら柄を握る。
こんな相手にすら遅れをとるのか、と。
しかし今は悔しがっている暇はない。
倒すことに集中する。
後ろから飛んできた矢が一体のアスパスの目に当たる。
悲鳴にも近い叫び声を上げ、身体から蒸気を発し始める。
他のアスパスにそのような傾向は見られない。
どういう事だ!?
蒸気を発し始めたアスパスから熱が伝わってくる。
徹が不審に思い、警戒しながら剣を振るうと今までとは比べ物にならないスピードで回避された。
「もしかして………………………………………」
怒りとともにパワーアップしてる……?
その予想はある意味あっていた。
彼らは知らなかったがアスパスとは全能力的にみてBランクの魔物。しかし、命の危機を感じたり極度のストレスを感じたりすると体内の血を燃やし、瞬発力が異常なまでに上昇する。
そしてその時の瞬発力だけみたらAランクの魔物と同レベル、またはそれ以上と言っても過言ではない。
もし俺の予想が正しければ不味い………
深手を負わせるとスピードが上がると言うならば深手を負わせることが出来ない。これ以上スピードがあがられたら完璧に対処不可能となる。
ならばどうすべきか。
一撃で戦闘不能にしなければならない。
さらに敵はアスパスだけでは無い。ロキシアもいる。
その事実に冷や汗が頬を伝う。
そしてその瞬間、スピードが飛躍的に上昇したアスパスが前から突っ込んで来るのがわかった。
見えただけまだよしとしよう。しかし体がついてこない。全力で剣で防ごうとするが間に合わない。
死ぬーーー……………………………
「うーーーーーーーーりゃっ、と…………………」
「……………………………え」
「生きてるか?徹」
「………蒼涼…………?」
そこには襲ってきたアスパスを蹴り飛ばしてこちらを向く蒼涼の姿があった。
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