REALITYのあれこれ

伊藤穂乃花

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配信者はコンテンツ、リスナーは客と割り切る考え方

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「配信者を人とは思わない」
「リスナーを人とは思わない」

 こう書くと、まるで冷たいように見えるかもしれません。
 でも、そう割り切る考え方も悪いことではないと私は思ってますぅ。

 先日『紅の豚』のEDである『時には昔の話を』について見ていたのですが、作詞作曲もされている加藤登紀子さんを嫌っている作家さんがいらっしゃいました。

「何が平和を願う歌い手だ。自分の別荘を活動家の軍事訓練の合宿場にしていたくせに」

 加藤さんは学生運動家に憧れて、東大に入った人で、活動家と付き合いがあり、別荘を提供していたのですが、そこで、内ゲバが起こります。
 内ゲバというと『山岳ベース事件』が有名ですが、ああいう集団リンチなど暴力が横行していました。

 特に加藤さんと関わりがあるのは過激派で、この事件が起きた頃は路上で自分たちと異なる派閥の人を囲んで鉄パイプで殴り殺す事件が頻発していたため『加藤さんの別荘で内ゲバが発生、1人が死傷、9人が重傷』とのニュースに「また殺し合いか」うんざりする気持ちがあったのでしょう。
 
 加藤さんと同世代の人は学生運動のせいで大学の授業が無かったり、図書館の本を焼かれたり、電車は遅延しまくり。人まちがえで殴られたり、被害を受けているから余計です。

 で、時間が過ぎていき、そんな事件など知らない私のような世代は「紅の豚のED、いい曲だなー」と思ったりなのですが、同世代は苦々しくなったりなのでしょう。

 さて、ここで配信者をコンテンツと思う話になりますぅ。

「あくまで曲は曲だし。いい曲だと思うからそれでいいじゃない」

 そんな風に思って歌うのもありだと私は思うのです~。
 
 同じように配信者を『Vライバーというコンテンツ』として考える。

 その人の背景とか中の人のことは考えない。

 漫画を読むように自分のペースで読んで、自分の寝る時間になったらさっさと閉じて寝る。

「ここで落ちたら枠主が寂しがるんじゃないか」と『人』として考えない。

 そうすることで自分の生活を乱さないと共に、配信者に『人』としての対応を期待することをしない。

 逆もそうです~。
 リスナーはギフトを投げてくれる客、あるいは自分の歌や雑談を褒めて自己肯定感を上げてくれる道具と割り切る。

 それは冷たいように見えて「あの人、いつも来てくれるけど~若いイケメンなファンじゃなくて、昭和生まれのおっさんじゃん。相手にしたくないな~」とかリスナーを恋愛候補と考えて、対応を変えるのと、どっちが冷たいか? という点もあるのですぅ。

 リスナーは客と割り切るのは、店のお客さんと割り切るようなものです。
 お店に来たのが、若い学生でも、老人でも、ちゃんとお金を払って買っていってくれるなら、店員さんもきちんと対応しますよね。
 
 前にあるYoutuberさんが自分と会える打ち上げ会のプレミア券を20万で売り出したのですが、その購入者が子持ちの既婚女性と知ると、会に遅刻し、話しもせずにスマホを弄っていたそうです。

 これはリスナーを『客』と割り切って対応するのではなく、『恋愛相手候補』として狙っているから起きることです。
「なんだババアか」「子持ちか」と冷たくなるなんてことは、スーパーのレジなどではないですよね。

 恋愛でなくても、リスナーを『客』ではなく『人』と考えてしまうと「今日は雑談なんだ。そんじゃ歌の時にまた」「声出ししてないんですね」と配信を去った時に「えーー歌ってない私には用はないの?」「文字で雑談していってくれてもいいのに」という風になってしまいますぅ。

 もちろんREALITYの場合は友達アプリ感が強く、相手も自分も配信者兼リスナーで、配信者といえど友達感覚で心配したり、リスナーといえども悩みを聞いて欲しい~となるかもしれません。

 大事なのはどちらか態度を決めておくことですぅ。
 普段はリスナーに悩みや相談を聞いてもらうのに、ある時には「友達面するな」だと、悩みを聞く側も困ってしまいます。
 
 そういう態度のブレが揉め事の原因にもなりますし、自分自身のメンタルを病ませたりしますぅ。
「こうしてくれてもいいのに」「わかってくれてもいいのに」と相手を『人』と思うと、出てしまう感情を無くすために、『配信者はコンテンツ、リスナーは客』と割り切る考え方もいいのではないかなぁと思ったりなのです~。
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