傷ついた心を癒すのは大きな愛

雪本 風香

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祭りと花火5.5★R18

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柳田とのセックスとは真逆だった。

武史は部屋に千尋を連れていくと、そっとベッドに腰掛けさせ、抱き寄せながらキスをする。
ついばむようなキス。それだけでも、愛おしそうに口づけをする武史に千尋は心を揺さぶられる。
「俺、めっちゃ緊張しとるわ」
苦笑いしながら武史が伝える。その言葉ですら、千尋への気持ちが溢れていて思わず腰がひける。武史の腕に包まれているから、逃げたところでたかが知れてる。
「どしたんや?」
少し体を離した千尋の行動に武史は優しく問いかける。
「……そんなに大事な物扱いしないで」
「それは無理や。自分より大切な人なんや。大切にしたくて堪らん」
「でも……私は……」
「もう何も言うなや。分かっとるから。
今の気持ちだけで充分幸せや。俺と繋がりたいと思ってくれたんやろ?」
そこはキチンと頷いた千尋を強く抱きしめる。
「そのうち俺が一番になってくれたらええ。……もし、俺じゃない人選んだとしても、千尋が幸せならそれでええ。
でも、今は俺のことだけ見とって。俺に千尋の全部ちょうだい」
それ以上の言葉を防ぐように、武史は深くキスをする。
唇を割り、舌を絡める。今日は拒まなかった。代わりに千尋から声が漏れる。
「ん……ふぅ……」
それが合図だったように、武史は千尋の服を脱がせ、自分も裸になるとベッドへ押し倒した。

今までセックスで気持ちよさを感じたことはほとんどなかった。
穴に入れるための最低限の愛撫。痛みの方が強い繋がり。男がイくためだけに体を提供し、達すると終わる。
早く終わって欲しいと思うような交わりしか柳田とはしたことがなかった。
今なら柳田の行為の意味が分かる。
もし気持ちよさを感じてしまったら、千尋は心に空いている穴の存在を痛いほど実感しただろう。
心の穴に気付かないために、体に痛みを与える。それは、柳田が千尋を満たすことはない、期待するなというメッセージも込められていた。

武史は正反対に、千尋の体に快楽を刻み込んでいく。  
唇からゆっくり首筋を通り、鎖骨、そして胸へ指を滑らす。その間もついばむようなキスは止まらなかった。
胸を男性に触られるのは初めてだった。触れるか触れないかのタッチで愛撫される。 
その刺激に胸の頂きの小さなものは存在を主張し、尖る。
尖りきったところで、武史の指が優しく摘む。
「ひぁっ……ん!」
びっくりするほど甘い声が出たことに驚き、思わず手で口を塞ごうとした千尋の手を武史は止める。
「ダメや。声聞きたい」
話している間も武史の手は止まらない。
「やぁ……っ!……知らなっ……こわっ…ぃ」
「大丈夫や、そのまま力抜きや」
軽い絶頂ですら刻まれたことのない体は、未知なる快楽に怯える。
自然と力が入る千尋に武史はキスをする。
「んっ!……ふぅっ!……っつ……あっ」
キスと胸の愛撫に翻弄され、千尋は知らず知らずの内に涙を流していた。

「……なんで、何も知らんのや。嬉しくて堪らん」
年上の男と付き合っていたから、体はスッカリ男の味を知っていると思っていた。
それなのに、思いの外初々しい反応に武史の下半身は悦びでそそり立つ。
処女のように怖がる癖に、女としての本能が快楽を求めてイヤらしい声を上げる千尋に、武史の責めはますます熱が入る。

「ひぁっ!……そこっ!ダメっ……」
千尋の秘所に手を伸ばすと、ぐっしょりと濡れていた。

クチュ

「めっちゃ濡れとる」
そう言って武史はクリトリスに指を当てる。
嬉しそうにいう武史だが、千尋は初めて触られるクリトリスの刺激から逃げるように身を捩る。
そんなことを許さないように武史は千尋の腰を手で掴む。
そして、小さいながらも触れてほしそうに主張しているクリトリスを舐めた。
「ひっ……あっ…!んっ……やぁっ……。だっめぇ……!」
千尋の制止など聞こえないように武史は動きを止めない。
敏感な小さな豆は武史の口の中でどんどん固く大きくなる。
ピチャピチャと舐める音と時折キスをするように吸い付く刺激に千尋は初めての絶頂を迎える。

「やぁっ!……なにかっ……!きちゃっ!あっ……でちゃっ!んっ……」
自然と腰がひけそうになる千尋を引き寄せながら、ペースを変えることなく舐め続ける武史の舌でイかされる。
体を強ばらせたと思うと、声を上げながら千尋は達した。
「ふぁっ!!……知らなっ……!あっん……あぁっ!!!」
弛緩した腟内からドロリと流れでた愛液を、武史は嬉しそうに舐め取った。

何度も何度も前戯でイかされる。
「キツいわ、解さんと入らん」
指1本ですらまともに入らない千尋の腟内をゆっくり時間をかけて解す。
クリトリスを愛撫しながら、ゆっくり指を入れる。
最初は1本だけ。動かさずに胸やクリトリスの愛撫をする。
時折キスをし舌を差し入れると、たどたどしいが千尋からも絡めてくる。
それだけで武史は興奮が止まらなかった。
「んっ……。んふぁ……。んっ!!」
達した時の声は武史の口に吸い込まれる。ガクッと力が抜けた千尋を武史は愛おしいそうに抱きしめる。
もう既に何度も達している千尋。

「もっ……タケちゃん。……むりぃ」
「なにがや」
いつの間にか2本の指を咥えていた。じっくり時間をかけて解された体は男のモノを欲しがる。
「挿れて……」
そのまま挿入したくなる気持ちを押しとどめ、枕元の引き出しからコンドームを取り出す。
開封されている箱から慣れた手つきで1つ取り出した。それを見た千尋はイヤがるように首を振る。
「やだぁ……」
「……なにが?」
「他の女性に使ったもの、使い回ししないで」
嬉しさと同時に我慢できない欲望が突き上げてくる。
「……他にないわ。買いにいく余裕もない。
それとも……」
武史は愛おしいそうな目付きで千尋を見る。
「つけんでも俺を受け入れてくれるんか?」
千尋は黙ったままだ。
生理不順で病院にかかった際、自然妊娠はかなり難しいと言われたことがある。恐らくゴムを着けずに行為をしても妊娠はしないだろう。
それを武史に言うのかどうか迷った。

迷っている千尋に武史は問いかける。
「どうして欲しいんや?」
考えて出した答えは、武史を喜ばせるだけだった。
「柳田さんともゴムなしで、したことないのに……」
緩やかな肯定だと受け取った武史はコンドームを箱ごとゴミ箱に放り込む。
「俺も初めてや」
何度か角度を確認した後、千尋の腟内に肉棒を当てる。逸る気持ちを抑え、少しずつゆっくり挿入した。

「いっ……たぁ……。っつ」
「千尋、好きや。……愛してる」
なるべく痛くないように挿入している武史だったが、体格差と千尋が慣れてないこともあり痛みが強いみたいだ。
キスや胸の愛撫で痛みをなるべく逸らす。
全部収まったところで、武史は一旦動きを止める。
「痛いか?」
涙目で頷いた千尋に武史は申し訳ないように謝る。

「痛くして悪い。ちょっと慣れるまでこのままおろか?」
そう言って武史は千尋を抱いたまま、動きを止めた。
「千尋んナカ、ヌルヌルで熱いわ。俺、千尋と1つになっとんやな……。今、めっちゃ幸せや」
「そんなの……言わないでっ」
顔を背ける千尋を追いかけるように唇を寄せる。
頬に、額に、鼻先に、そして口に何度も何度もキスをする。
「んふぁ……。あっ……」
少しずつ武史のモノに慣れてきた千尋の声に甘いものが混じってきたのをキッカケに、ゆっくり動き始める。

「んっ……。ふぁっ……あっ!……やぁっ……」
「っつ!……しめつけんな、そんなに」
千尋の腟内が男の精を欲しがるように、蠢く。千尋の体を開くために時間を掛けたせいか、武史はいつ爆発してもおかしくないくらい昂っていた。
初めてゴムなしで繋がる快感。やっと想いが通じた幸福感。
千尋が見せた嫉妬心にときめき、受け入れてくれたことに喜びが溢れる。

「千尋……悪い、もうイきそうや」
「んっ……ふぁっ……っ!いっいよ!……イって……」
千尋は顔を隠したくて武史に抱きつくように腕を回す。武史は嬉しそうに千尋を抱きしめる。
「……愛してるっ千尋。……っつ!!」
耳元で熱っぽく囁きながら、武史は千尋のナカに射精する。

初めてナカに感じる男の精液を飲み込みながら、千尋は武史にバレないようにそっと息を吐いた。
(よかった、タケちゃんがイけて。……でも、しんどいなぁ。心が……痛い)
千尋の顔は、苦しそうに歪んでいた。
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