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うちの野生の隊長は本能に忠実なハンターでした

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 ずるり、ずるり……
 地面にしがみついてもテント内に引き込まれて振り向けば暗いテント内には目を爛々と輝かせるラグナーが俺の腰を抱きしめてテントの奥へと引きずり込もうとしていた。
 怖い!
 絶対夢に見る!

「ラ、ラグナー冷静になりましょう!」

 腹パン手刀の奇襲攻撃が無理な以上、説得してしまうのは思わず振り返って見てしまった姿が戦闘状態の全裸だったからだろう。
 手足を縛っていたロープが外されていたという時点で他人を求めてさまようよりも手っ取り早く快楽に溺れてしまう催淫効果に随分と自慰行為をした痕跡の残る濃厚な匂いに思わず体を縮めて防衛してしまうのが同性の人間の本能だ。
 だけど既に馬乗りされた体勢はがっちりと組み敷かれていて早々に脱出できない状況に本当にこの人は催淫状況にあるのかと疑ってしまう。
 とはいっても俺を見下ろす姿から判るようにしっかりと鍛え上げられた筋肉はその一筋一筋が浮き上がっていて、彫刻のような美しさに惚れ惚れとみてしまうも残念な事に俺を下に組み敷きながら艶かしく腰を揺らして気持ちよさそうに自慰行為にふけってる姿には意識が飛んでしまいそうだ。

「ラグナー薬入れるんでとりあえず降りてください!」

 薬の瓶を取り出してラグナーをどけようとするも逆に俺の上にしなだれかかる様に圧し掛かってきた。
 妖艶に薄く笑う顔が近づいて、一瞬あまりの美しさに一瞬意識が飛んだ俺の首筋へと埋めて行く。
 生暖かい舌が首筋をちろちろと舐め上げたと思ったらちくりとした痛みを覚えた。

「あああ……マーキングは結構なので、とりあえず……」

 ハアハアと荒い息を繰り返しながら俺へと噛みつくようにキスを繰り返すラグナーの欲情し切った瞳と合わさってしまった。

 逃げられない……

「ああ、ヴォーグ……」

 正常な判断なんて出来てないだろうに何で俺の名前を呼ぶのか息を呑み込んでしまうその美貌はそのまま俺に口づけを繰り返してきた。
 するりともぐり込んできた舌は俺の舌を、歯茎から一つ一つ丁寧になぞり、呼吸の合間に落とす官能的な甘い声は俺の頭を痺れさせていく。
 さすがにまずい……
 ラグナーのキスに酔ってる場合じゃないと慌ててこの体制のままラグナーの尻へと手を伸ばせば

「ぁあん!」
 
 初めて聞くラグナーの鼻にかかった啼き声に薬を持つ手が止まる。
 彼の口から零れ落ちた甘ったるいまでの声に意識が飛んだ。
 これを入れたらどんな事になるのかなんて想像してしまい思わず喉を鳴らしてしまう。
 だけど、俺の躊躇いなんて気にせずに股間を押し付ける様に俺の上で腰を振る姿に俺はこうやって体力と精神を減らし続けてそして立ち直れなくなるほどの屈辱から命を手放して行った冒険者を何人も知っている。
 下世話な噂話でも聞くラグナーの男を狂わすその躰に今は心を鬼にして薬を、細長い瓶の口を奥までためらいなく押し込むのだった。

「っん!はあっん!」

 気持ちよさそうに体をしならせてひくひくと体を痙攣させて……
 ひょっとして隊長、今のでイっちゃいました?
 俺が冷や汗をだらだらとこぼしている間にラグナーは気持ちよさげに俺の上で余韻を楽しむように体を預けてくるも、どこか熱い息を零しながらもゆるりゆるりとまた腰を動かす様に合わせて薬瓶を取り出す振動にもびくっびくっと体を震わせる妖艶な姿によりにもよって何でこの人を選んだとインキュバスの何とかを恨んでしまう。

「さあ、あと一時間ほどすれば体も落ち着きますから……」

 ゆっくりとラグナーの体の下から体を引き抜こうとした所でラグナーの手が俺のズボンのベルトに引っかかっていた。

 あ……
 
 と思った瞬間にはズボンを膝まで引き抜かれて躊躇いもなく俺のを口で咥えこんでいた。

 ラグナー!

 思わず泣き叫んでしまうも声は音にならずに虚しく俺の脳内で響かせているうちにたっぷりとラグナーは唾液を絡まさせ、立派にそそり立つしかない男の生理現象に涙を流す間も無く、それを手に取って真上で跨いでいる姿に息をのむ。

「ラグナー、今ならまだ事故で済むから……」

 俺の涙ながらの訴えはラグナーには通じず、ラグナーは自ら腰を落として俺を咥えこんでいた。

「!!!!!」

 ずるりと呑み込まれた肉壁の柔らかさに言葉を失う。
 痛みとかそんなのはすっ飛ばして、気持ちよさそうに白い喉を晒すように仰け反るラグナーは白濁を、すでに少なくなった量を飛ばしていた。

 そこからは夢のような時間だと言うのだろうか。
 初めて会った時からこんなにも綺麗な人が居るのだろうかと驚いてしまったものの、それから知り合ううちに可愛い一面や仕事に打ち込む美しい面も何度も繰り返してみてきた。
 長い事一人暮らしを続けて人との距離を取ってきたのに、いつの間にか俺の生活の中にするりと潜り込んで気が付けば住み着いていて、無防備なほどにすぐ隣に寄りそっていてどうすればいいのだろうか、どうすればこの人と距離を取れるのだろうかと既に無理難題になっていた大問題に悩んでいたのに今、目の前にさらす妖艶な姿に俺は抵抗する事も出来ずになすが儘になっている。
 馬乗りで腰を振り身悶えて……

「ヴォーグ、もっと奥に……」

 思考所か本当に俺が相手なのかもわかってないはずなのに何度も何度も俺の名を呼ぶ。
 しなだれて、キスをして、俺の隊服を脱がして舌を這わせて……
 ラグナーは一体何を思ってと考えるのも何度目だろう……
 だけどどれも一度も抵抗できなくて、ラグナーのしたいままに身体を明け渡してしまっていた。
 
「ヴォーグ、愛してる……
 だから、もっとちょうだい……
 奥に、もっと、いっぱい……」

 舌足らずの睦言ではラグナーは確かに夢の中で俺の事を思っているようで……
 繰り返して呼ばれる名前にだんだん俺の思考が麻痺をしていく。
 本当にそう思い込んでしまいそうで。

 こんなにも綺麗な人が俺を愛してくれているんだなんて信じられなくても思い込んでしまいそうで……

 やがて理性は俺を衝動へ導いていき、俺はラグナーを押しのけてラグナーの上に覆い被さり、足を大きく広げて総てが見える眩暈がしそうな姿に息を呑み込みながら一気に貫いた。

「あ……ぁ……ン……!!」

 悲鳴と共に嬉しそうに両手を伸ばして俺の首へと絡めていく。
 引き寄せられるまま口づけを交わし、すでにどろっどろになっている場所へと再度、俺から求めて行ってしまって……何度、なんて数えてない。
 ただひたすらラグナーの体を、本能のままに貪っていた。
 今更言い訳なんかも出来なくて、テントのすぐ外では人もいるのに理性が俺を止められずにラグナーを求め続けてしまっていた……





 
 


















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