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新年1月1日深夜。
あと数分で1月2日になる。
佐藤はスマホを手に、台所にいた。冷凍庫から氷をだし、ゴム製の枕の中に入れる。昔ながらの水枕だ。ついでに自分の額にも熱を下げる冷却シートを貼る。
ベッドでは、赤い顔をした桜井が荒い息をついて眠っている。さっき熱を測ったら9度9分だった。これだけの高熱であれば、とても苦しいだろう。眠ってはいるが、悪夢を見てるに違いない。
勢いで桜井を抱いてしまったが、結果として彼を苦しませる結果になってしまったのを後悔している。
桜井に熱があるのもわかっていたのに、素直になった桜井がかわいらしくて、その気持ちが変わらないうちに自分のものにしてしまいたかったのだ。
だがひとつ、誤算がある。
これに関しては完全に佐藤の失策だ。桜井の雇い主にひとこと謝っておかないと、
スマホの連絡帳から、「新城綾樹」の名前をタップする。
時間は夜中だ。起きてるだろうか。
年寄りみたいな奴だから、夜は日暮れとともに眠り、朝はニワトリを叩き起こすほど早い男かも知れない。
いや、正月くらいは羽目を外してるか?
数回のコールの後、「何だ貴様、何時だと思っている」と憮然とした声の綾樹が電話に出た。どうももう寝ていたようで、声が少しとろんとしていた。
年末年始も羽目を外さないとは、相変わらずのお堅い奴だと苦笑しつつ、とりあえず時候の挨拶はしておく。
「よーぉ新城。あけおめことよろ」
『明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしく』
言葉こそ慇懃だが、よろしくする気もないような無礼で、それでいてきちんとした挨拶で返され、佐藤は思わず吹き出してしまった。
『なにがおかしい』
「いや、おまえらしいなと思ってさ。ところでブリリアント社の仕事始めはいつだ?」
『4日からだが?』
「桜井のことで相談がある。出来れば、奴に8日くらいまで休みをくれてやる気はないか?」
『……桜井に? なぜだ』
綾樹の声がスッと低くなる。
『そういうことは本人からの申し出がないと……社会人なんだから』
ごもっともだ。佐藤は眠る桜井をちらりと見やり、水枕を金属のストッパーではさんだ。
「残念だが、桜井は今話せる状態じゃないんだ。あいつ、いま俺の家にいるんだが、おそらくインフルエンザだ。熱が40℃近い。このまま外に出せない。倒れちまう」
『桜井がおまえの家に? ちょっとまて、おまえの家は都内だったか? いつ九州の病院を辞めた?』
「辞めてねえよ。まだ九州にいる」
枕を軽く振って形を整えながら、桜井が眠っている部屋にいく。暖房も緩くかけ、加湿器も作動させたから、部屋の中はようやく20℃を超えてきた。それでもガラス窓からは地味に冷気が染み出してくる。
スマホを頬と肩で挟み、桜井の頭を持ち上げて水枕を置いてやる。ひんやり感が気持ちいいのか、眉根を寄せて苦しそうな桜井の表情が少しだけ緩んだ。
「おそらくインフルエンザB型だ。御社様では出勤停止の感染症だろう? あとで桜井には連絡させるが、一応連絡しておくぞ」
『わかった。一応余裕を見て9日まで手配しよう。しかし佐藤、桜井は自分で病院を受診したのか? 40℃近いんだろう? よく歩けたな』
「いや? 病院受診はまだだ」
『ほう……さすが医者だな。桜井の症状から、型を特定するとは』
綾樹は感心しきりで唸っている。少なくとも本人はまじめに「佐藤すごいな」と思っているのがわかる。それが面白くて、笑いをこらえるのに必死だ。
爆笑して眠っている桜井を起こしてはいけない。
だが綾樹は冗談がわからない。このまま本気にされても困るので、一応違うと言わなければ。
「そんなわけあるか。それで診断できりゃ、検査キットなんかいらねえだろ。この時期の検査キットとワクチンはおまえんとこでも売れ筋商品だろうが」
『むう。確かにな。ではなぜ、桜井のインフルエンザの型を特定できた?』
「俺がインフルエンザB型に罹患中だからだ」
『なんだとぉ?! 貴様、医者のくせに歩く生物兵器となって、絶賛院内感染中か!』
「ちげぇわ。ゲームタイトルみたいに言うんじゃねえ。夜勤してて、気分悪くなって検査したら陽性だったんだ。そんで早退したんだ」
『続きを聞こうか!?』
綾樹は続きが知りたいらしいが、なぜいちいち怒鳴るのか。『それから?』と普通に訊けばいいのに、暑苦しさと鬱陶しさ全開で佐藤に説明を要求する。
「そしたら桜井の奴が家にいたんだよ。びっくりしたぜ」
『まったくだ! だが佐藤。貴様、まさか桜井に、貴様の極悪インフルエンザをうつしたんじゃあるまいな!?』
綾樹のテンションが怒りにシフトし、佐藤はスマホを耳から離した。
『どうなんだ、佐藤! 他の型ならともかく、おまえが持ってたやつかっ!?』
「仕方ないだろ。あいつも風邪気味だったし、そもそもあいつがベッドで寝てるのが悪かったんだ。好きな奴が目の前にいて、食わない奴なんかいないだろ」
言った後でしまったと思ったが、もう遅い。熱のせいで判断力がびっくりするほど落ちている。
綾樹相手にオブラートに包んだ言葉が言えないなんて。
しかし、桜井に迷惑をかけているのは事実だ。佐藤に弁解の余地はない。
電話の向こうでは、綾樹がヒートアップどころか、怒りがフルスロットルだ。
『食ったぁ!? おまえ所有の極悪ウイルスをいかがわしい方法で桜井の体内にたっぷりと注いだのかっ! なんて奴だ! 桜井を馬鹿の眷属にされては困る!』
「だから連絡してるんだろうが。相変わらず妄想逞しいエロいヤツめ」
『なんだとぉ! 桜井をひどい目にあわせておいてよく言う!』
「それについては悪かったよ。でけえ声で喚くんじゃねえよ。耳が痛え。俺だって39℃超えで熱があるんだから」
『そのくせまだ桜井といようとしてるのか! 離れろ、今すぐ離れろ! そうだ、桜井を迎えに行かないと! 佐藤、貴様の家はどこだ!』
「来るんじゃねえバカが。こっち九州だぞ。コンビニ感覚でインフルエンザの巣窟に来てどうするんだ。心配しなくても、熱が下がりゃ一人で帰らせる。どっちにしろ、今日は仲良くひとつのベッドで過ごすしかねえんだ。そんなわけであとでまた本人に連絡させるから」
電話の向こうでぎゃあぎゃあ喚いている綾樹を無視して、通話を切る。
スマホをパーカーのポケットに押し込み、眠る桜井の頭を優しく撫でる。
彼の肌は熱かった。熱があるのに追撃食らわせた申し訳なさはあるが、こうしてふたりで同じ病に侵されて寝る事なんてそうそうない。
……無論、分けてはいけないモノを、桜井に与えた罪悪感はあるけれど。
だが、桜井が家に来てると感じたのは、「予感」ではなく「確信」だったことは嘘じゃない。
勤務中に届いた短い桜井のからのメッセージ。『裕二、いま家にいますか?』ーーあのメッセージだけで、桜井が家にいるとわかったから、どっちにしろ適当な理由を付けて早退する予定だった。
「カギをかけてなくてよかった」
昔の悪い癖のおかげで、桜井がここにいてくれた。
自分は本当に運がいいと、佐藤は心の中で笑う。
「恭司、明日は病院に連れてってやるからな」
早く元気になってもらわなければ。
苦しみも悲しみも嬉しさも楽しさも、桜井が生きているうちに目にするすべては、佐藤が与えてやらないといけないのだ。
インフルエンザウイルスなんかに、桜井の身体を乗っ取らせているわけにはいかない。
とはいえ、自身も罹患中だ。熱もあるし身体もだるい。予防接種はしても、かかるものはかかる。だが桜井よりは軽くすみそうだが。
「さて、と。桜井。横、失礼するぞ」
桜井の横に潜り込む。すると、佐藤のカーディガンを着た萌え袖の手が佐藤の胸をまさぐった。しばらくぺたぺたと身体を触っていたが、熱いその手はなにかを確信したようだ。佐藤の洋服をつかみ、桜井が佐藤の胸にすり寄ってくる。
くんくんと佐藤の胸の当たりで鼻をひくひくさせ、満足そうに微笑んで「好き……」と呟き、寝息を立て始める。
「恭司……」
そのまま桜井の背中に腕を回す。
「反則だぞ。そんな可愛いしぐさは」
とんでもない恋の始まりになったが、こんな風に一筋縄で行かない第一歩なんて、自分たちらしくて良いと思う。
「改めて、明けましておめでとう」
ーー今年からよろしくな、恭司。
自分の胸の中に桜井を引き寄せる。眠る桜井の瞼にキスを落とし、佐藤もそのまま目を閉じた。
【大晦日のフレグランス 終わり】
あと数分で1月2日になる。
佐藤はスマホを手に、台所にいた。冷凍庫から氷をだし、ゴム製の枕の中に入れる。昔ながらの水枕だ。ついでに自分の額にも熱を下げる冷却シートを貼る。
ベッドでは、赤い顔をした桜井が荒い息をついて眠っている。さっき熱を測ったら9度9分だった。これだけの高熱であれば、とても苦しいだろう。眠ってはいるが、悪夢を見てるに違いない。
勢いで桜井を抱いてしまったが、結果として彼を苦しませる結果になってしまったのを後悔している。
桜井に熱があるのもわかっていたのに、素直になった桜井がかわいらしくて、その気持ちが変わらないうちに自分のものにしてしまいたかったのだ。
だがひとつ、誤算がある。
これに関しては完全に佐藤の失策だ。桜井の雇い主にひとこと謝っておかないと、
スマホの連絡帳から、「新城綾樹」の名前をタップする。
時間は夜中だ。起きてるだろうか。
年寄りみたいな奴だから、夜は日暮れとともに眠り、朝はニワトリを叩き起こすほど早い男かも知れない。
いや、正月くらいは羽目を外してるか?
数回のコールの後、「何だ貴様、何時だと思っている」と憮然とした声の綾樹が電話に出た。どうももう寝ていたようで、声が少しとろんとしていた。
年末年始も羽目を外さないとは、相変わらずのお堅い奴だと苦笑しつつ、とりあえず時候の挨拶はしておく。
「よーぉ新城。あけおめことよろ」
『明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしく』
言葉こそ慇懃だが、よろしくする気もないような無礼で、それでいてきちんとした挨拶で返され、佐藤は思わず吹き出してしまった。
『なにがおかしい』
「いや、おまえらしいなと思ってさ。ところでブリリアント社の仕事始めはいつだ?」
『4日からだが?』
「桜井のことで相談がある。出来れば、奴に8日くらいまで休みをくれてやる気はないか?」
『……桜井に? なぜだ』
綾樹の声がスッと低くなる。
『そういうことは本人からの申し出がないと……社会人なんだから』
ごもっともだ。佐藤は眠る桜井をちらりと見やり、水枕を金属のストッパーではさんだ。
「残念だが、桜井は今話せる状態じゃないんだ。あいつ、いま俺の家にいるんだが、おそらくインフルエンザだ。熱が40℃近い。このまま外に出せない。倒れちまう」
『桜井がおまえの家に? ちょっとまて、おまえの家は都内だったか? いつ九州の病院を辞めた?』
「辞めてねえよ。まだ九州にいる」
枕を軽く振って形を整えながら、桜井が眠っている部屋にいく。暖房も緩くかけ、加湿器も作動させたから、部屋の中はようやく20℃を超えてきた。それでもガラス窓からは地味に冷気が染み出してくる。
スマホを頬と肩で挟み、桜井の頭を持ち上げて水枕を置いてやる。ひんやり感が気持ちいいのか、眉根を寄せて苦しそうな桜井の表情が少しだけ緩んだ。
「おそらくインフルエンザB型だ。御社様では出勤停止の感染症だろう? あとで桜井には連絡させるが、一応連絡しておくぞ」
『わかった。一応余裕を見て9日まで手配しよう。しかし佐藤、桜井は自分で病院を受診したのか? 40℃近いんだろう? よく歩けたな』
「いや? 病院受診はまだだ」
『ほう……さすが医者だな。桜井の症状から、型を特定するとは』
綾樹は感心しきりで唸っている。少なくとも本人はまじめに「佐藤すごいな」と思っているのがわかる。それが面白くて、笑いをこらえるのに必死だ。
爆笑して眠っている桜井を起こしてはいけない。
だが綾樹は冗談がわからない。このまま本気にされても困るので、一応違うと言わなければ。
「そんなわけあるか。それで診断できりゃ、検査キットなんかいらねえだろ。この時期の検査キットとワクチンはおまえんとこでも売れ筋商品だろうが」
『むう。確かにな。ではなぜ、桜井のインフルエンザの型を特定できた?』
「俺がインフルエンザB型に罹患中だからだ」
『なんだとぉ?! 貴様、医者のくせに歩く生物兵器となって、絶賛院内感染中か!』
「ちげぇわ。ゲームタイトルみたいに言うんじゃねえ。夜勤してて、気分悪くなって検査したら陽性だったんだ。そんで早退したんだ」
『続きを聞こうか!?』
綾樹は続きが知りたいらしいが、なぜいちいち怒鳴るのか。『それから?』と普通に訊けばいいのに、暑苦しさと鬱陶しさ全開で佐藤に説明を要求する。
「そしたら桜井の奴が家にいたんだよ。びっくりしたぜ」
『まったくだ! だが佐藤。貴様、まさか桜井に、貴様の極悪インフルエンザをうつしたんじゃあるまいな!?』
綾樹のテンションが怒りにシフトし、佐藤はスマホを耳から離した。
『どうなんだ、佐藤! 他の型ならともかく、おまえが持ってたやつかっ!?』
「仕方ないだろ。あいつも風邪気味だったし、そもそもあいつがベッドで寝てるのが悪かったんだ。好きな奴が目の前にいて、食わない奴なんかいないだろ」
言った後でしまったと思ったが、もう遅い。熱のせいで判断力がびっくりするほど落ちている。
綾樹相手にオブラートに包んだ言葉が言えないなんて。
しかし、桜井に迷惑をかけているのは事実だ。佐藤に弁解の余地はない。
電話の向こうでは、綾樹がヒートアップどころか、怒りがフルスロットルだ。
『食ったぁ!? おまえ所有の極悪ウイルスをいかがわしい方法で桜井の体内にたっぷりと注いだのかっ! なんて奴だ! 桜井を馬鹿の眷属にされては困る!』
「だから連絡してるんだろうが。相変わらず妄想逞しいエロいヤツめ」
『なんだとぉ! 桜井をひどい目にあわせておいてよく言う!』
「それについては悪かったよ。でけえ声で喚くんじゃねえよ。耳が痛え。俺だって39℃超えで熱があるんだから」
『そのくせまだ桜井といようとしてるのか! 離れろ、今すぐ離れろ! そうだ、桜井を迎えに行かないと! 佐藤、貴様の家はどこだ!』
「来るんじゃねえバカが。こっち九州だぞ。コンビニ感覚でインフルエンザの巣窟に来てどうするんだ。心配しなくても、熱が下がりゃ一人で帰らせる。どっちにしろ、今日は仲良くひとつのベッドで過ごすしかねえんだ。そんなわけであとでまた本人に連絡させるから」
電話の向こうでぎゃあぎゃあ喚いている綾樹を無視して、通話を切る。
スマホをパーカーのポケットに押し込み、眠る桜井の頭を優しく撫でる。
彼の肌は熱かった。熱があるのに追撃食らわせた申し訳なさはあるが、こうしてふたりで同じ病に侵されて寝る事なんてそうそうない。
……無論、分けてはいけないモノを、桜井に与えた罪悪感はあるけれど。
だが、桜井が家に来てると感じたのは、「予感」ではなく「確信」だったことは嘘じゃない。
勤務中に届いた短い桜井のからのメッセージ。『裕二、いま家にいますか?』ーーあのメッセージだけで、桜井が家にいるとわかったから、どっちにしろ適当な理由を付けて早退する予定だった。
「カギをかけてなくてよかった」
昔の悪い癖のおかげで、桜井がここにいてくれた。
自分は本当に運がいいと、佐藤は心の中で笑う。
「恭司、明日は病院に連れてってやるからな」
早く元気になってもらわなければ。
苦しみも悲しみも嬉しさも楽しさも、桜井が生きているうちに目にするすべては、佐藤が与えてやらないといけないのだ。
インフルエンザウイルスなんかに、桜井の身体を乗っ取らせているわけにはいかない。
とはいえ、自身も罹患中だ。熱もあるし身体もだるい。予防接種はしても、かかるものはかかる。だが桜井よりは軽くすみそうだが。
「さて、と。桜井。横、失礼するぞ」
桜井の横に潜り込む。すると、佐藤のカーディガンを着た萌え袖の手が佐藤の胸をまさぐった。しばらくぺたぺたと身体を触っていたが、熱いその手はなにかを確信したようだ。佐藤の洋服をつかみ、桜井が佐藤の胸にすり寄ってくる。
くんくんと佐藤の胸の当たりで鼻をひくひくさせ、満足そうに微笑んで「好き……」と呟き、寝息を立て始める。
「恭司……」
そのまま桜井の背中に腕を回す。
「反則だぞ。そんな可愛いしぐさは」
とんでもない恋の始まりになったが、こんな風に一筋縄で行かない第一歩なんて、自分たちらしくて良いと思う。
「改めて、明けましておめでとう」
ーー今年からよろしくな、恭司。
自分の胸の中に桜井を引き寄せる。眠る桜井の瞼にキスを落とし、佐藤もそのまま目を閉じた。
【大晦日のフレグランス 終わり】
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