Cherry

ゆうひ

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はじまり

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澄んだ空よりも
美しく透けた海よりも
私の初恋は綺麗に輝いていた


ーーーいつもと変わらない朝。
重い瞼を擦りながら花梨は体を起こす。
太陽の光が花梨を容赦なく照らす。
(…今日はゆっくりしちゃいられないんだった)
急いで支度を済ませ、学校へと向かった。

「おう」
「吏紀也、おはよう」
今日はクラスメイトの吏紀也と日直の当番の日であった。
吏紀也とは小学生、中学、そして今通っている高校が一緒で、唯一長い付き合いがある男子である。
「なぁ、最近恋人とはどうなんだよ」
「うーん…まぁまぁって感じ?」
花梨には前から付き合っている彼氏がおり、度々吏紀也に相談相手になってもらっていた。
「まさかお前に彼氏ができるとは思ってもなかった」
「だよね、自分が一番びっくりしてる
しかも相手めちゃくちゃかっこいいしさ、私なんかと釣り合うわけないっての」
「そうか?
花梨も綺麗な方だと思うけどな」
「なわけ」
(たまにこうやって不意に褒めてくるからびっくりするんだよなぁ)


この時はまだ気づけなかった。
吏紀也の本当の気持ちを。
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