淫靡な彼女

蛍月。

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淫靡な彼女

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テーマ「肉欲・性欲」

かつて姉だったものは、こちらを振り返り、うねる群衆の中、此方を嘲笑うかのように頬を染め、淫靡な笑を浮かべた。
それだけで彼女は全てを奪った、そして・・・姉は消え、彼女が残った。

彼女の全てを独占したい、、、彼女の髪、視線、唇、腕から指の先、胸から秘部、隅々まで独占し、、、汚したい。

彼女は隣にいる、しかし匂いを嗅ぎ、手に触れることは出来ない。
僕はふつふつと肉欲を掻き立てられる・・・。
気付けば、僕は姉だったもの、、、彼女を全身で覆っていた。
彼女は目を薄く開け、目の前の光景に声を上げそうになる。小さく果実のような唇に自分の唇を押し付け塞ぐ。
ずっと想像していたものを前に息を荒らげる、露になった四肢は扇情的で、理性などまるで意味を持たない。

肉壷をかき分け肉棒が奥に当る、それだけで達してしまうが、そのまま腰を持ち上げ落とす、その度に彼女は息を荒らげ、身体を震わして悦び、瞳を潤ませ、舌を貪りしゃぶる。唇を離すと名残惜しそうに小さな唇を震わせ、首に腕を捲く・・・。

何度目かも分からない絶頂、、、一気に脱力感に襲われる、もうどちらのかも分からない迄に溶け合った肌。彼女は瞳を潤ませ頬を朱に染め恍惚としている。

肌を離し、離れようとした、、、だが彼女はそれを許さなかった・・・。
手を体に這わせ、蛇が捕食するかのように飲み込んでゆく。
身体が痺れる程の快楽の渦に飲まれ、何度も絶頂を迎え、その度に意識を手放しそうになる。

だがそれでも彼女はそれを許さない。

手を絡ませ、舌を貪り、男をただ求め喰らう。

意識が朦朧とする中、淫靡な笑みを浮かべ彼女が言った言葉が鳴り響く。


「逃がさない」


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