11 / 13
11.暴かれる真実 その1(ミゲル視点)
うへへ、マリアが聖女になって二ヶ月。
父上にも認めてもらうんだ。マリアをこの僕の妻にするって。
婚約なんてまどろっこしい。すぐに結婚式を挙げるように手配しとかなきゃ、な。
ちょっと強引な手を使ってリルアを追い出したから、今は可愛くない態度を取っているが、そのうち僕のことを好きになるだろう。
なんせ、僕はお金持ちだからね。何でも好きなものを買ってあげるのさ。
「ミゲル、今からアストリア王宮へと向かうぞ」
「お、王宮!? それは、また急ですね。王家の方々も聖地の管理人である我らを呼びつけるなど滅多にしないのに」
そう、この国……アストリア王国を守護しているのはこの聖地であり、聖地は代々我らゼルリング公爵家がある程度の自治が許されている管轄。
だから、王家の連中も滅多なことで僕らに口出ししないし、自由にやらせてくれているのだ。
「我らの不始末で神具を失ったからだろう。王宮も騎士団を各地に派遣して、かなりの損害を被っているらしい」
「へぇ~。でも、あれはリルアが悪いですし、僕らのせいではありませんよ」
「だとしても、だ。管理者たる我らの責任が問われるのは当然であろう。お前もそれ相応の処分を覚悟しておくように」
ちっ、なんだそりゃあ?
僕が悪くないのに、管理者責任問われるって、どういう理屈だよ。
そんなのイチャモンだよ。イチャモン。
僕みたいに真面目に生きている人間を処分するのか? 甚だ遺憾である。
「まさか、マリアと結婚できないとかないよな……」
「マリア? そういえば、聖女マリア殿も呼ばれているらしいぞ」
「マリアもいるのですか? おのれ、アストリア王家……、よもやマリアにまで責任を――」
不満を感じながらも、僕らには抗う権限はないので、アストリア王宮へと向かった。
まったく、王家の人間でも僕の幸せを壊すことは許さんぞ……。
◆ ◆ ◆
「ゼルリング公! よく来てくれた!」
「陛下の命とあらば、このゼルリング……どこへでも馳せ参じます」
「ミゲル、お前もよく来たな」
「……神具を壊したのはリルアですよ。公爵家は関係ありません」
「こ、これ! ミゲル!」
王をも恐れぬ、僕の態度。恐れ入ったか!
こういうのは強気で行かなきゃ駄目なんだよ。
父上は下手くそだ。国王陛下だからって、媚びる態度なのだから。
「おおー、そうだった、そうだった。神具は聖女リルアによって壊されたのだと報告は聞いとる。……しかし、リルアが壊したというがどうやって壊したのか詳しい状況が記載されてなかったのでな。お前から直接聞きたかったのだよ」
なんだ、そういうことか。驚かせやがって。
確かにリルアを追放することに必死で雑に状況とか記していたかもな。
「いやー、酷いものでしたよ。リルアは神具に恨みがあるのか魔法を乱発して壊していました。氷の刃で切り裂き、炎魔法で焼き払い、やりたい放題」
「ふむ。ここでの話は裁判と同じ。言い間違いも許されぬが、それは真の話なのか?」
「真実に決まっていますよ。僕はこの目ではっきりと見たのですから。リルアが魔法を放って壊しているのを」
うざったいな。
リルアのことを信じたいのか知らんが、そうはいかんぞ。
だって、リルアは追放されているし、目撃者は僕しかいない。
何言ったって嘘ついたってバレるはずがないのだから――。
「神具には魔法を吸収する金属が使われておる! よって魔法での破壊は無理なのだがな……!」
「ゔぇっ!?」
「マリア殿! 神具の残骸を持ってきなさい!」
「畏まりましたわ!」
えっ? えっ? えっ? これって、どういう展開?
ま、マリア、そんな蔑むような目で未来の旦那を睨まないでくれよ。
父上にも認めてもらうんだ。マリアをこの僕の妻にするって。
婚約なんてまどろっこしい。すぐに結婚式を挙げるように手配しとかなきゃ、な。
ちょっと強引な手を使ってリルアを追い出したから、今は可愛くない態度を取っているが、そのうち僕のことを好きになるだろう。
なんせ、僕はお金持ちだからね。何でも好きなものを買ってあげるのさ。
「ミゲル、今からアストリア王宮へと向かうぞ」
「お、王宮!? それは、また急ですね。王家の方々も聖地の管理人である我らを呼びつけるなど滅多にしないのに」
そう、この国……アストリア王国を守護しているのはこの聖地であり、聖地は代々我らゼルリング公爵家がある程度の自治が許されている管轄。
だから、王家の連中も滅多なことで僕らに口出ししないし、自由にやらせてくれているのだ。
「我らの不始末で神具を失ったからだろう。王宮も騎士団を各地に派遣して、かなりの損害を被っているらしい」
「へぇ~。でも、あれはリルアが悪いですし、僕らのせいではありませんよ」
「だとしても、だ。管理者たる我らの責任が問われるのは当然であろう。お前もそれ相応の処分を覚悟しておくように」
ちっ、なんだそりゃあ?
僕が悪くないのに、管理者責任問われるって、どういう理屈だよ。
そんなのイチャモンだよ。イチャモン。
僕みたいに真面目に生きている人間を処分するのか? 甚だ遺憾である。
「まさか、マリアと結婚できないとかないよな……」
「マリア? そういえば、聖女マリア殿も呼ばれているらしいぞ」
「マリアもいるのですか? おのれ、アストリア王家……、よもやマリアにまで責任を――」
不満を感じながらも、僕らには抗う権限はないので、アストリア王宮へと向かった。
まったく、王家の人間でも僕の幸せを壊すことは許さんぞ……。
◆ ◆ ◆
「ゼルリング公! よく来てくれた!」
「陛下の命とあらば、このゼルリング……どこへでも馳せ参じます」
「ミゲル、お前もよく来たな」
「……神具を壊したのはリルアですよ。公爵家は関係ありません」
「こ、これ! ミゲル!」
王をも恐れぬ、僕の態度。恐れ入ったか!
こういうのは強気で行かなきゃ駄目なんだよ。
父上は下手くそだ。国王陛下だからって、媚びる態度なのだから。
「おおー、そうだった、そうだった。神具は聖女リルアによって壊されたのだと報告は聞いとる。……しかし、リルアが壊したというがどうやって壊したのか詳しい状況が記載されてなかったのでな。お前から直接聞きたかったのだよ」
なんだ、そういうことか。驚かせやがって。
確かにリルアを追放することに必死で雑に状況とか記していたかもな。
「いやー、酷いものでしたよ。リルアは神具に恨みがあるのか魔法を乱発して壊していました。氷の刃で切り裂き、炎魔法で焼き払い、やりたい放題」
「ふむ。ここでの話は裁判と同じ。言い間違いも許されぬが、それは真の話なのか?」
「真実に決まっていますよ。僕はこの目ではっきりと見たのですから。リルアが魔法を放って壊しているのを」
うざったいな。
リルアのことを信じたいのか知らんが、そうはいかんぞ。
だって、リルアは追放されているし、目撃者は僕しかいない。
何言ったって嘘ついたってバレるはずがないのだから――。
「神具には魔法を吸収する金属が使われておる! よって魔法での破壊は無理なのだがな……!」
「ゔぇっ!?」
「マリア殿! 神具の残骸を持ってきなさい!」
「畏まりましたわ!」
えっ? えっ? えっ? これって、どういう展開?
ま、マリア、そんな蔑むような目で未来の旦那を睨まないでくれよ。
あなたにおすすめの小説
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
聖女クローディアの秘密
雨野六月(旧アカウント)
恋愛
神託によって選ばれた聖女クローディアは、癒しの力もなく結界も張れず、ただ神殿にこもって祈るだけの虚しい日々を送っていた。自分の存在意義に悩むクローディアにとって、唯一の救いは婚約者である第三王子フィリップの存在だったが、彼は隣国の美しい聖女に一目ぼれしてクローディアを追放してしまう。
しかし聖女クローディアには、本人すら知らない重大な秘密が隠されていた。
これは愚かな王子が聖女を追い出し、国を亡ぼすまでの物語。
これからもあなたが幸せでありますように。
石河 翠
恋愛
愛する男から、別の女と結婚することを告げられた主人公。彼の後ろには、黙って頭を下げる可憐な女性の姿があった。主人公は愛した男へひとつ口づけを落とし、彼の幸福を密やかに祈る。婚約破棄風の台詞から始まる、よくある悲しい恋の結末。
小説家になろうにも投稿しております。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
婚約破棄が私を笑顔にした
夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」
学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。
そこに聖女であるアメリアがやってくる。
フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。
彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。
短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。
【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです
唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。
すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。
「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて――
一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。
今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。
その婚約破棄喜んで
空月 若葉
恋愛
婚約者のエスコートなしに卒業パーティーにいる私は不思議がられていた。けれどなんとなく気がついている人もこの中に何人かは居るだろう。
そして、私も知っている。これから私がどうなるのか。私の婚約者がどこにいるのか。知っているのはそれだけじゃないわ。私、知っているの。この世界の秘密を、ね。
注意…主人公がちょっと怖いかも(笑)
4話で完結します。短いです。の割に詰め込んだので、かなりめちゃくちゃで読みにくいかもしれません。もし改善できるところを見つけてくださった方がいれば、教えていただけると嬉しいです。
完結後、番外編を付け足しました。
カクヨムにも掲載しています。