12 / 15
第十二話
しおりを挟む
「まさか宣戦布告とは。私の領地に軍隊を差し向けるということはジルベータ王国に喧嘩を売ることと同じことに気付いてないのでしょうか?」
「どうしますか? ジルベータ国王に援軍を頼みましょうか?」
「ええ、そちらはロゼルさんにお任せします。いつもすみません。面倒な仕事を頼んでしまって」
「いえ、とんでもありません。私はアレイン様のお役に立ちたいのです。お側に置いて頂けて光栄です」
この国で領地を納めるようになってからというもの、ロゼルには事務処理などの雑務を頼りきりになっています。
彼は獣人族の族長代理をしていただけあって、とても気が利くのです。
「しかし、魔物の駆除もおぼつかない状況で軍隊を送るなんて。恐らく、それほど多くの数の兵隊を集めることは出来ないと思いますが……」
「ヤケになっているとは考えられませんか?」
「寧ろ、そうとしか考えられません。国王陛下は許していないでしょう。予算が無いのに負け戦に兵士を投入するなんて」
アーヴァイン殿下が考え無しに軍隊を送ってきていることは明白です。
国王陛下の許可など取れないでしょうから、兵士の数も少ないと予想できます。
それならば、援軍の到着を待つまでもないかもしれません。
私が出て、エデルタ皇国の軍隊に帰ってもらえるように立ち回れば……。
アーヴァイン殿下、ちょっと反省してもらいますよ――。
◆ ◆ ◆
「アレイン・アルゼオン! たった一人で立ちはだかるとは良い度胸だな! それとも、領地を僕に返す気になったか!?」
アーヴァイン殿下は兵士を5000人ほど従えてエデルタ皇国とジルベータ王国の国境沿いに現れました。
領地を返すって……。確かに殿下に頂いた慰謝料と退職金から買い取ったモノですけど。
ご自分が無理矢理渡したお金で手に入れたモノを返してほしいというのは厚かましく感じます。
「アーヴァイン殿下、兵を下げて下さい。ジルベータ王国から間もなく援軍が到着します。5000人程度ではどうにもなりません。今なら間に合います。撤退の指示をされた方が賢明です」
私はアーヴァイン殿下に撤退するように助言しました。
このまま、戦って軍隊が壊滅したらそれこそエデルタ皇国にとって大打撃でしょうし。
振り上げた拳を下げて、冷静に話し合った方がよいと諭そうと思ったのです。
「はっはっは! 元々、エデルタの人間の君なんかのためにジルベータ王国が援軍を本気で出すものか! もしそうなら、お前が一人でここに来るはずがないじゃないか! 行け! エデルタの精鋭たちよ! この辺り一帯は僕たちの本来は領地だ! それを取り返すのだ!」
こんなに頭が悪かったとは思いませんでした。
婚約破棄してくれて、良かったかもしれませんね。
こういう野蛮な手段は好きではありませんが……。
「――氷の槍ッ!」
私がパチンと指を鳴らすと、空から千本の全てを凍らせる氷の槍が降り注ぎます。
当ててしまうと死んじゃいますから、取り敢えず武器から狙ってみましょうか。
「け、剣が凍りついた!?」
「俺の槍が~~!」
「なんて威力なんだ!? こんなのに当たったら俺たち……」
「――氷の槍ッ!」
「「ぎゃあああああっ!」」
脅しも含めて二千発程の氷の槍をエデルタの兵士たち放つと兵士たちは忽ちの内に戦意喪失していきました。
さて、アーヴァイン殿下。せっかくですから謝って貰いましょうか――。
「どうしますか? ジルベータ国王に援軍を頼みましょうか?」
「ええ、そちらはロゼルさんにお任せします。いつもすみません。面倒な仕事を頼んでしまって」
「いえ、とんでもありません。私はアレイン様のお役に立ちたいのです。お側に置いて頂けて光栄です」
この国で領地を納めるようになってからというもの、ロゼルには事務処理などの雑務を頼りきりになっています。
彼は獣人族の族長代理をしていただけあって、とても気が利くのです。
「しかし、魔物の駆除もおぼつかない状況で軍隊を送るなんて。恐らく、それほど多くの数の兵隊を集めることは出来ないと思いますが……」
「ヤケになっているとは考えられませんか?」
「寧ろ、そうとしか考えられません。国王陛下は許していないでしょう。予算が無いのに負け戦に兵士を投入するなんて」
アーヴァイン殿下が考え無しに軍隊を送ってきていることは明白です。
国王陛下の許可など取れないでしょうから、兵士の数も少ないと予想できます。
それならば、援軍の到着を待つまでもないかもしれません。
私が出て、エデルタ皇国の軍隊に帰ってもらえるように立ち回れば……。
アーヴァイン殿下、ちょっと反省してもらいますよ――。
◆ ◆ ◆
「アレイン・アルゼオン! たった一人で立ちはだかるとは良い度胸だな! それとも、領地を僕に返す気になったか!?」
アーヴァイン殿下は兵士を5000人ほど従えてエデルタ皇国とジルベータ王国の国境沿いに現れました。
領地を返すって……。確かに殿下に頂いた慰謝料と退職金から買い取ったモノですけど。
ご自分が無理矢理渡したお金で手に入れたモノを返してほしいというのは厚かましく感じます。
「アーヴァイン殿下、兵を下げて下さい。ジルベータ王国から間もなく援軍が到着します。5000人程度ではどうにもなりません。今なら間に合います。撤退の指示をされた方が賢明です」
私はアーヴァイン殿下に撤退するように助言しました。
このまま、戦って軍隊が壊滅したらそれこそエデルタ皇国にとって大打撃でしょうし。
振り上げた拳を下げて、冷静に話し合った方がよいと諭そうと思ったのです。
「はっはっは! 元々、エデルタの人間の君なんかのためにジルベータ王国が援軍を本気で出すものか! もしそうなら、お前が一人でここに来るはずがないじゃないか! 行け! エデルタの精鋭たちよ! この辺り一帯は僕たちの本来は領地だ! それを取り返すのだ!」
こんなに頭が悪かったとは思いませんでした。
婚約破棄してくれて、良かったかもしれませんね。
こういう野蛮な手段は好きではありませんが……。
「――氷の槍ッ!」
私がパチンと指を鳴らすと、空から千本の全てを凍らせる氷の槍が降り注ぎます。
当ててしまうと死んじゃいますから、取り敢えず武器から狙ってみましょうか。
「け、剣が凍りついた!?」
「俺の槍が~~!」
「なんて威力なんだ!? こんなのに当たったら俺たち……」
「――氷の槍ッ!」
「「ぎゃあああああっ!」」
脅しも含めて二千発程の氷の槍をエデルタの兵士たち放つと兵士たちは忽ちの内に戦意喪失していきました。
さて、アーヴァイン殿下。せっかくですから謝って貰いましょうか――。
76
あなたにおすすめの小説
地味で無能な聖女だと婚約破棄されました。でも本当は【超過浄化】スキル持ちだったので、辺境で騎士団長様と幸せになります。ざまぁはこれからです。
黒崎隼人
ファンタジー
聖女なのに力が弱い「偽物」と蔑まれ、婚約者の王子と妹に裏切られ、死の土地である「瘴気の辺境」へ追放されたリナ。しかし、そこで彼女の【浄化】スキルが、あらゆる穢れを消し去る伝説級の【超過浄化】だったことが判明する! その奇跡を隣国の最強騎士団長カイルに見出されたリナは、彼の溺愛に戸惑いながらも、荒れ地を楽園へと変えていく。一方、リナを捨てた王国は瘴気に沈み崩壊寸前。今さら元婚約者が土下座しに来ても、もう遅い! 不遇だった少女が本当の愛と居場所を見つける、爽快な逆転ラブファンタジー!
女神に頼まれましたけど
実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。
その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。
「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」
ドンガラガッシャーン!
「ひぃぃっ!?」
情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。
※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった……
※ざまぁ要素は後日談にする予定……
異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。
【完結】 ご存知なかったのですね。聖女は愛されて力を発揮するのです
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
本当の聖女だと知っているのにも関わらずリンリーとの婚約を破棄し、リンリーの妹のリンナールと婚約すると言い出した王太子のヘルーラド。陛下が承諾したのなら仕方がないと身を引いたリンリー。
リンナールとヘルーラドの婚約発表の時、リンリーにとって追放ととれる発表までされて……。
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
聖女の妹、『灰色女』の私
ルーシャオ
恋愛
オールヴァン公爵家令嬢かつ聖女アリシアを妹に持つ『私』は、魔力を持たない『灰色女(グレイッシュ)』として蔑まれていた。醜聞を避けるため仕方なく出席した妹の就任式から早々に帰宅しようとしたところ、道に座り込む老婆を見つける。その老婆は同じ『灰色女』であり、『私』の運命を変える呪文をつぶやいた。
『私』は次第にマナの流れが見えるようになり、知らなかったことをどんどんと知っていく。そして、聖女へ、オールヴァン公爵家へ、この国へ、差別する人々へ——復讐を決意した。
一方で、なぜか縁談の来なかった『私』と結婚したいという王城騎士団副団長アイメルが現れる。拒否できない結婚だと思っていたが、妙にアイメルは親身になってくれる。一体なぜ?
【短編】追放された聖女は王都でちゃっかり暮らしてる「新聖女が王子の子を身ごもった?」結界を守るために元聖女たちが立ち上がる
みねバイヤーン
恋愛
「ジョセフィーヌ、聖なる力を失い、新聖女コレットの力を奪おうとした罪で、そなたを辺境の修道院に追放いたす」謁見の間にルーカス第三王子の声が朗々と響き渡る。
「異議あり!」ジョセフィーヌは間髪を入れず意義を唱え、証言を述べる。
「証言一、とある元聖女マデリーン。殿下は十代の聖女しか興味がない。証言二、とある元聖女ノエミ。殿下は背が高く、ほっそりしてるのに出るとこ出てるのが好き。証言三、とある元聖女オードリー。殿下は、手は出さない、見てるだけ」
「ええーい、やめーい。不敬罪で追放」
追放された元聖女ジョセフィーヌはさっさと王都に戻って、魚屋で働いてる。そんな中、聖女コレットがルーカス殿下の子を身ごもったという噂が。王国の結界を守るため、元聖女たちは立ち上がった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる