11 / 87
第一章:激闘の【天武会】編
第11話:準決勝で勝つために、【勇者候補】達に個別にスキルの指導をする話
しおりを挟む
ダルバート王国チームは2回戦を危なげなく勝ち上がった。
準決勝の相手、ボルメルン帝国チームはパーティーに賢者が2人いる強敵である。
――ダルバート宮殿、鍛練場――
エリス達は訓練前の鍛練場350周をこなしていた。
その間に私は訓練の準備をした。
「ルシア様ぁ、こんなもの何につかうんですかぁ?」
ラミアは高さ1メートル、幅が50センチメートルくらいのガラスの板を幾つも運んできた。
「おっ、ご苦労さん。壁際に立て掛けて置いてもらえるか」
私はラミアに指示を出した。
「わかりましたわ。ふぅ……」
ラミアはよろけながらガラスの板を壁際に設置する。
これで、最初の訓練の準備が出来たぞ。
エリスはもう350周終わったのか、早いな。
その次はターニャか、そしてルーシーとマリアが同着だな。
「はぁ、はぁ、ルシア先生……、これって何周まで増えるのですか?」
マリアは息を切らせながら私に話しかけた。
あーそろそろ、少しずつ走る距離を伸ばしていることにツッコミが入ったか。
「うーん。とりあえず500周までを予定してるよ。大丈夫、マリアも確実に体力ついているからさ。もう少しだけ、頑張れるかい?」
私はマリアに尋ねた。
流石にギブアップでも仕方がないか。
まぁ、それでも十分他国の【勇者候補】の平均以上はあるからな。
「よかったです。てっきり、1000周以上まで永久に増え続けるかと思ってました」
マリアはほっとした表情になった。
いやいや、私だって馬鹿じゃないんだから、限度は心得てるって。
でも、怖かったんだな、説明不足の私が悪いな。
「じゃあ、今日の訓練内容を説明するよ。あのガラスの板を見てくれ」
私はラミアに立て掛けてもらった、ガラスの板を指さした。
【武闘家スキル発動】
大声砲弾(だいせいほうだん)
「ダァァァァァァッッッッ!」
私は声帯を筋力で最大限に震わせて声を出した。
大声による音の波動が一直線にガラスに向かった。
――バリーン
立て掛けられていたガラスの板は粉々に吹き飛んだ。
「ふぅ、じゃあこれを今からみんなに……」
私はエリス達に声をかけようとした。
「なに? 何も聞こえないわよ。キーンとして」
エリスが私にそう訴えた。
しまった、加減を間違えて大声の範囲を広げ過ぎた。
10分後……
「いや、すまない。まぁ、要するにだ、ただの声でもこれだけの威力が出せるんだ」
私はみんなの耳が回復したのを確認して話し始めた。
「でも先生、これじゃサークレットは割れないし、殺傷能力も低いんじゃないの? 耳を塞げば防げるし」
ルーシーは手を上げて発言する。
「うん、もちろんこれは敵を倒すのに適した技ではないよ。でも、使いどころを間違えなければ便利なんだ。じゃあルーシー、今度は君にこの耳栓をつけてもらって、そこに立ってもらおうか」
私は見てもらうことが一番早いと思い、ルーシーに耳栓を渡した。
「それじゃあ、もう一度。ダァァァァァァッッッッ!」
私はルーシーに向かって大声砲弾を放った。
「あばばばばば……」
ルーシーは小刻みに振動して目を白黒させた。
「かっから……たが……ちびれて……うこげない」
ルーシーは一歩も身動きが取れなくなった。
「実は体の中の60パーセントは水なんだ。私の大声砲弾は大きな声と言うより、声の波による振動を最大限に増幅させて放っている。体内の水分が大きく揺らされるとしばらく動けなくなるからね」
私は技の説明をした。
「そして、動きの止まった敵はこの通り……。やりたい放題さ」
私は墨でルーシーの顔に落書きをした。
「「「おおー」」」パチパチ
エリス達は拍手をした。
「なるほど、賢者対策というより、格上相手の奇襲のための戦術を考えたのね。確かに相手の動きを止めることが出来れば有利だわ」
エリスは頷きながらそう言った。
「でも私は駆け出しの【武闘家】ですが、とても出来る気がしませんわ」
マリアは頭を振った。
「うーん。簡単じゃないけど、マリアにはこの半分くらいの威力は目指して欲しいな。他のみんなは別の技の習得があるから、一瞬動きを止める程度で合格だ」
私はマリアには【武闘家】としての極意まで覚えて欲しかった。
「そうね。【武闘家】の技を本気で私達全員が覚えるのはむずかしいわ。マリア以外は嗜む程度でと言うことね」
エリスが概要を理解した。
「……ルシア先生。もしかして、他の技も相手の動きを止めるものか?」
ターニャは更に先を理解しているみたいだ。
「おっ、鋭いなーターニャ。大正解だ。準決勝は【状態異常】狙いで徹底的に攻める。私も昔苦しめられたんだ。完全に格下のモンスター達にパーティー全員の動きが封じられちゃってさ、危うく全滅するところだったんだよ」
私はニヤリと笑った。
「ねぇ、先生。顔洗ってもいい?」
ルーシーはようやく動けるようになって、不機嫌そうな声を出した。
結構上手な髭を書いたんだけどな。
やっぱり気に入らないか。
【大声砲弾】習得のための訓練が始まった。
私は何度も実演し、コツを教えた。
おかげで私の喉はカスカスになってしまった。
特訓の甲斐があり、マリアは初日にガラスの板にヒビを入れるまで成長した。
さあて、マリアにはこのまま頑張ってもらって、他の子達にも技を教えなくては。
「じゃあ、エリス様にはこの技を覚えてもらいます」
私は木刀を構えた。
【剣士スキル発動】
スリーパーソード
私は木刀をゆっくりと動かし、切っ先に注意を向ける。
そして、意識が切っ先に完全に集中させた瞬間を見切って、高速で刃を回転させた。
「えっ、なによこれ……。そんなことで…………。あた…………し………………zzzz」バタン
エリスは眠りに落ちて倒れてしまった。
「…………はっ。えっ、あたし寝てた?」
エリスはビックリしていた。
「寝てましたよ。少しだけですが……」
私はエリスにそう言った。
「あんたの動きを追ってる内に、意識が飛んじゃって……。恐ろしい技ね」
エリスは技を受けて感心していた。
「まぁ、戦闘中は興奮状態にありますし、成功率は低いですけどね。でも、一瞬でも意識を奪えたら儲けものです」
私は木刀の動きを見せながら説明をした。
「そうね。やってみる価値はあるわ。最初から教えてちょうだい」
エリスは特訓を始めた。
【魔法使い】のルーシーにはこれを教える。
【魔法使いスキル発動】
意識混乱魔法
私はルーシーの頭を狙って、手をかざして魔法を使った。
「うーん。あれぇ、ボクはどこ、ここはダレだーい? うふふふふ」
ルーシーは酔っ払ったような感覚になった。
「はい!」パチン
私は指を鳴らした。
「はっ、あれぇ。ボクは何を……」
ルーシーは正気に戻った。
「この魔法は相手の頭を正確に狙う必要がある。格上相手に頭を狙うのは至難だが、決まると同士討ちも期待できる。ある意味、攻撃魔法よりも強力だ」
私はルーシーに魔法の使い方を指南する。
「ねぇ、先生。なんで、ボクだけ2回も攻撃を受けてるの? 【大声砲弾】はマリアが受けたほうが良かったんじゃないかな……」
ルーシーは私をじっと見ながらそう言った。
「…………ごめん」
私は言い訳せずに謝った。
ルーシーは魔法自体はすぐに習得したが、頭を狙って当てるという行為に苦戦していた。
最後はターニャだ。
とりあえず、組手をしようか。
うん、やっぱり体術のスジがいい。
4人の中で私の攻撃をたとえ手加減したものでも避けたことがあるのはターニャだけだった。
うぉっ、後頭部からフェイントを入れて顎を狙うか……、合理的に人体を破壊しようとしているな。
さあて、そろそろ技を教えるとしようか。
【仙人スキル発動】
秘孔束縛
私は人差し指に力を集中させて、ターニャの四肢を止めるツボを正確に射抜いた。
「…………!?」
ターニャはダランと手を下ろして、動けなくなった。
「これも、当てるのは大変だけど、上手く行けば長時間敵を無力化できる。まあ、普通の力だと30秒くらい止められるかな。手加減したからもうすぐ動けるようになるよ」
私はターニャにツボの場所を教えながら、技を当てるコツを伝授した。
「ビリビリする……。…………zzzzzz」
おい、こらスキあらば寝るな。
まったく、デキがいいけどこういうところがなぁ。
叩き起こして、少し他の3人よりも厳しく特訓した。
特訓の甲斐があって、ターニャの秘孔束縛は並の人間なら一撃で1分は動きが止められる威力にまで成長した。
この子はもう少しガツガツした性格だったら神に選ばれてもおかしくなかったな。
間違いなく戦いの才能は勇者レベルだと思う。
こうして、4人にはそれぞれ、相手の動きを止めるスキルを教えた。
大声砲弾だけは全員がある程度使えるように、特に念入りに指導した。
おかげで毎日喉の薬を飲む羽目になったが……。
特訓の甲斐があってか、一週間で彼女達は実践レベルにまでスキルを磨いたのである。
そして、いよいよ【天武会】の準決勝の日がおとずれた。
準決勝の相手、ボルメルン帝国チームはパーティーに賢者が2人いる強敵である。
――ダルバート宮殿、鍛練場――
エリス達は訓練前の鍛練場350周をこなしていた。
その間に私は訓練の準備をした。
「ルシア様ぁ、こんなもの何につかうんですかぁ?」
ラミアは高さ1メートル、幅が50センチメートルくらいのガラスの板を幾つも運んできた。
「おっ、ご苦労さん。壁際に立て掛けて置いてもらえるか」
私はラミアに指示を出した。
「わかりましたわ。ふぅ……」
ラミアはよろけながらガラスの板を壁際に設置する。
これで、最初の訓練の準備が出来たぞ。
エリスはもう350周終わったのか、早いな。
その次はターニャか、そしてルーシーとマリアが同着だな。
「はぁ、はぁ、ルシア先生……、これって何周まで増えるのですか?」
マリアは息を切らせながら私に話しかけた。
あーそろそろ、少しずつ走る距離を伸ばしていることにツッコミが入ったか。
「うーん。とりあえず500周までを予定してるよ。大丈夫、マリアも確実に体力ついているからさ。もう少しだけ、頑張れるかい?」
私はマリアに尋ねた。
流石にギブアップでも仕方がないか。
まぁ、それでも十分他国の【勇者候補】の平均以上はあるからな。
「よかったです。てっきり、1000周以上まで永久に増え続けるかと思ってました」
マリアはほっとした表情になった。
いやいや、私だって馬鹿じゃないんだから、限度は心得てるって。
でも、怖かったんだな、説明不足の私が悪いな。
「じゃあ、今日の訓練内容を説明するよ。あのガラスの板を見てくれ」
私はラミアに立て掛けてもらった、ガラスの板を指さした。
【武闘家スキル発動】
大声砲弾(だいせいほうだん)
「ダァァァァァァッッッッ!」
私は声帯を筋力で最大限に震わせて声を出した。
大声による音の波動が一直線にガラスに向かった。
――バリーン
立て掛けられていたガラスの板は粉々に吹き飛んだ。
「ふぅ、じゃあこれを今からみんなに……」
私はエリス達に声をかけようとした。
「なに? 何も聞こえないわよ。キーンとして」
エリスが私にそう訴えた。
しまった、加減を間違えて大声の範囲を広げ過ぎた。
10分後……
「いや、すまない。まぁ、要するにだ、ただの声でもこれだけの威力が出せるんだ」
私はみんなの耳が回復したのを確認して話し始めた。
「でも先生、これじゃサークレットは割れないし、殺傷能力も低いんじゃないの? 耳を塞げば防げるし」
ルーシーは手を上げて発言する。
「うん、もちろんこれは敵を倒すのに適した技ではないよ。でも、使いどころを間違えなければ便利なんだ。じゃあルーシー、今度は君にこの耳栓をつけてもらって、そこに立ってもらおうか」
私は見てもらうことが一番早いと思い、ルーシーに耳栓を渡した。
「それじゃあ、もう一度。ダァァァァァァッッッッ!」
私はルーシーに向かって大声砲弾を放った。
「あばばばばば……」
ルーシーは小刻みに振動して目を白黒させた。
「かっから……たが……ちびれて……うこげない」
ルーシーは一歩も身動きが取れなくなった。
「実は体の中の60パーセントは水なんだ。私の大声砲弾は大きな声と言うより、声の波による振動を最大限に増幅させて放っている。体内の水分が大きく揺らされるとしばらく動けなくなるからね」
私は技の説明をした。
「そして、動きの止まった敵はこの通り……。やりたい放題さ」
私は墨でルーシーの顔に落書きをした。
「「「おおー」」」パチパチ
エリス達は拍手をした。
「なるほど、賢者対策というより、格上相手の奇襲のための戦術を考えたのね。確かに相手の動きを止めることが出来れば有利だわ」
エリスは頷きながらそう言った。
「でも私は駆け出しの【武闘家】ですが、とても出来る気がしませんわ」
マリアは頭を振った。
「うーん。簡単じゃないけど、マリアにはこの半分くらいの威力は目指して欲しいな。他のみんなは別の技の習得があるから、一瞬動きを止める程度で合格だ」
私はマリアには【武闘家】としての極意まで覚えて欲しかった。
「そうね。【武闘家】の技を本気で私達全員が覚えるのはむずかしいわ。マリア以外は嗜む程度でと言うことね」
エリスが概要を理解した。
「……ルシア先生。もしかして、他の技も相手の動きを止めるものか?」
ターニャは更に先を理解しているみたいだ。
「おっ、鋭いなーターニャ。大正解だ。準決勝は【状態異常】狙いで徹底的に攻める。私も昔苦しめられたんだ。完全に格下のモンスター達にパーティー全員の動きが封じられちゃってさ、危うく全滅するところだったんだよ」
私はニヤリと笑った。
「ねぇ、先生。顔洗ってもいい?」
ルーシーはようやく動けるようになって、不機嫌そうな声を出した。
結構上手な髭を書いたんだけどな。
やっぱり気に入らないか。
【大声砲弾】習得のための訓練が始まった。
私は何度も実演し、コツを教えた。
おかげで私の喉はカスカスになってしまった。
特訓の甲斐があり、マリアは初日にガラスの板にヒビを入れるまで成長した。
さあて、マリアにはこのまま頑張ってもらって、他の子達にも技を教えなくては。
「じゃあ、エリス様にはこの技を覚えてもらいます」
私は木刀を構えた。
【剣士スキル発動】
スリーパーソード
私は木刀をゆっくりと動かし、切っ先に注意を向ける。
そして、意識が切っ先に完全に集中させた瞬間を見切って、高速で刃を回転させた。
「えっ、なによこれ……。そんなことで…………。あた…………し………………zzzz」バタン
エリスは眠りに落ちて倒れてしまった。
「…………はっ。えっ、あたし寝てた?」
エリスはビックリしていた。
「寝てましたよ。少しだけですが……」
私はエリスにそう言った。
「あんたの動きを追ってる内に、意識が飛んじゃって……。恐ろしい技ね」
エリスは技を受けて感心していた。
「まぁ、戦闘中は興奮状態にありますし、成功率は低いですけどね。でも、一瞬でも意識を奪えたら儲けものです」
私は木刀の動きを見せながら説明をした。
「そうね。やってみる価値はあるわ。最初から教えてちょうだい」
エリスは特訓を始めた。
【魔法使い】のルーシーにはこれを教える。
【魔法使いスキル発動】
意識混乱魔法
私はルーシーの頭を狙って、手をかざして魔法を使った。
「うーん。あれぇ、ボクはどこ、ここはダレだーい? うふふふふ」
ルーシーは酔っ払ったような感覚になった。
「はい!」パチン
私は指を鳴らした。
「はっ、あれぇ。ボクは何を……」
ルーシーは正気に戻った。
「この魔法は相手の頭を正確に狙う必要がある。格上相手に頭を狙うのは至難だが、決まると同士討ちも期待できる。ある意味、攻撃魔法よりも強力だ」
私はルーシーに魔法の使い方を指南する。
「ねぇ、先生。なんで、ボクだけ2回も攻撃を受けてるの? 【大声砲弾】はマリアが受けたほうが良かったんじゃないかな……」
ルーシーは私をじっと見ながらそう言った。
「…………ごめん」
私は言い訳せずに謝った。
ルーシーは魔法自体はすぐに習得したが、頭を狙って当てるという行為に苦戦していた。
最後はターニャだ。
とりあえず、組手をしようか。
うん、やっぱり体術のスジがいい。
4人の中で私の攻撃をたとえ手加減したものでも避けたことがあるのはターニャだけだった。
うぉっ、後頭部からフェイントを入れて顎を狙うか……、合理的に人体を破壊しようとしているな。
さあて、そろそろ技を教えるとしようか。
【仙人スキル発動】
秘孔束縛
私は人差し指に力を集中させて、ターニャの四肢を止めるツボを正確に射抜いた。
「…………!?」
ターニャはダランと手を下ろして、動けなくなった。
「これも、当てるのは大変だけど、上手く行けば長時間敵を無力化できる。まあ、普通の力だと30秒くらい止められるかな。手加減したからもうすぐ動けるようになるよ」
私はターニャにツボの場所を教えながら、技を当てるコツを伝授した。
「ビリビリする……。…………zzzzzz」
おい、こらスキあらば寝るな。
まったく、デキがいいけどこういうところがなぁ。
叩き起こして、少し他の3人よりも厳しく特訓した。
特訓の甲斐があって、ターニャの秘孔束縛は並の人間なら一撃で1分は動きが止められる威力にまで成長した。
この子はもう少しガツガツした性格だったら神に選ばれてもおかしくなかったな。
間違いなく戦いの才能は勇者レベルだと思う。
こうして、4人にはそれぞれ、相手の動きを止めるスキルを教えた。
大声砲弾だけは全員がある程度使えるように、特に念入りに指導した。
おかげで毎日喉の薬を飲む羽目になったが……。
特訓の甲斐があってか、一週間で彼女達は実践レベルにまでスキルを磨いたのである。
そして、いよいよ【天武会】の準決勝の日がおとずれた。
37
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー
すもも太郎
ファンタジー
この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)
主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)
しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。
命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥
※1話1500文字くらいで書いております
神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる
六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。
強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。
死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。
再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。
※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。
※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる