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第二話
「よくやったじゃないか。ダミアン殿下がまさかお前を妻にしたいと仰るなんて」
「アゼルタ公爵家との縁談なんて失敗して正解でしたわね。ローザに感謝なさい。相手の方の浮気性が分かったのですから」
ダミアン殿下の悪評を知らないのか両親は揃って彼との縁談話を喜びました。
母に至っては、ガーランドとの婚約が解消されたことまで、良かったと言う始末です。
その上、妹のローザに甘いので彼女に感謝しろとまで言い出しました。
「それで、お姉様はダミアン殿下との縁談は受けますの?」
この時の妹はダミアン殿下に1ミリも興味はありません。
それは彼の悪評を知っているからでなく、本当に興味がないからです。
しかし、私が彼を手に入れようとすれば話は変わります。ローザは必ずやダミアン殿下を欲しくなるでしょう。
――だからこそ、私は答えました。
彼女に鉄槌を下すために。
今まで奪われ続けたり、大事な縁談を壊されたりした恨みを返す為に……。
「もちろんです。この国の第二王子ですよ? もしかしたら、王位を継承するのはダミアン様かもしれないという噂も聞いたことがあります。何でも学業が優秀で王都学院を首席で卒業したので、陛下からの信頼も厚いとか」
私は傲慢で性格が最悪だと有名なダミアン殿下との縁談を前向きに受け取る姿勢を見せました。
殿下が学業優秀なのは本当です。だからこそ、自分以外の人間を見下すようになっているのですが……。
そこは敢えて伝えません。妹が欲しくて堪らなくなるように、彼の良い所しか話さないようにします。
「へぇ、そうですか。いい人なのですね……ダミアン殿下は」
私はローザの目の色と声色の変化にすぐに気が付きました。
ガーランドのことを話したときと寸分に違わないからです。
しかし、まだ足りません。ガーランドの時よりもダミアン殿下が欲しくて堪らなくなるくらい煽らなくては……。
「もしも、ダミアン様が王位を継承したとすれば……私も王妃です。今まで勉学や稽古事を頑張った甲斐があります。ローザも良い方と巡り会えると良いですね」
「…………」
おや、少しあざとかったでしょうか……?
あまりにもダミアン殿下を推すのは不自然だったかもしれません。
流石に露骨過ぎてローザも私の狙いに――。
「もー、お姉様ばかり良い縁談話が舞い込んできて狡いですわ。ローザも良い方とめぐり逢いたいです」
訂正します。
全く問題ありませんでした。
よく考えてみると、彼女にとっては姉のモノを奪うという行動は悪意からではありません。
悪いという気持ちすらないから厄介だったのです。
呼吸をするように当たり前の行動として私のモノを欲しがるという習性が働いているのですから。
ですから、私が彼女の行動原理を利用しようとすることにローザは気付きようが無いのでした。
ちなみにローザが自分の一人称を名前にしたときも欲しがりモードが発動したサインです。
長いこと姉妹をやっていますから、このくらいのことは読めてしまいます。本当はそんなことを読みたくも無いのですが……。
ということで、私はダミアン殿下との縁談を進めることにしました。
傲慢で性格の悪い王子の婚約者に敢えて成ろうというのです。
我ながら性格が歪んでいると思いますが、私の抱えている闇はもう抑えられませんので……どうすることも出来ないのでした――。
「アゼルタ公爵家との縁談なんて失敗して正解でしたわね。ローザに感謝なさい。相手の方の浮気性が分かったのですから」
ダミアン殿下の悪評を知らないのか両親は揃って彼との縁談話を喜びました。
母に至っては、ガーランドとの婚約が解消されたことまで、良かったと言う始末です。
その上、妹のローザに甘いので彼女に感謝しろとまで言い出しました。
「それで、お姉様はダミアン殿下との縁談は受けますの?」
この時の妹はダミアン殿下に1ミリも興味はありません。
それは彼の悪評を知っているからでなく、本当に興味がないからです。
しかし、私が彼を手に入れようとすれば話は変わります。ローザは必ずやダミアン殿下を欲しくなるでしょう。
――だからこそ、私は答えました。
彼女に鉄槌を下すために。
今まで奪われ続けたり、大事な縁談を壊されたりした恨みを返す為に……。
「もちろんです。この国の第二王子ですよ? もしかしたら、王位を継承するのはダミアン様かもしれないという噂も聞いたことがあります。何でも学業が優秀で王都学院を首席で卒業したので、陛下からの信頼も厚いとか」
私は傲慢で性格が最悪だと有名なダミアン殿下との縁談を前向きに受け取る姿勢を見せました。
殿下が学業優秀なのは本当です。だからこそ、自分以外の人間を見下すようになっているのですが……。
そこは敢えて伝えません。妹が欲しくて堪らなくなるように、彼の良い所しか話さないようにします。
「へぇ、そうですか。いい人なのですね……ダミアン殿下は」
私はローザの目の色と声色の変化にすぐに気が付きました。
ガーランドのことを話したときと寸分に違わないからです。
しかし、まだ足りません。ガーランドの時よりもダミアン殿下が欲しくて堪らなくなるくらい煽らなくては……。
「もしも、ダミアン様が王位を継承したとすれば……私も王妃です。今まで勉学や稽古事を頑張った甲斐があります。ローザも良い方と巡り会えると良いですね」
「…………」
おや、少しあざとかったでしょうか……?
あまりにもダミアン殿下を推すのは不自然だったかもしれません。
流石に露骨過ぎてローザも私の狙いに――。
「もー、お姉様ばかり良い縁談話が舞い込んできて狡いですわ。ローザも良い方とめぐり逢いたいです」
訂正します。
全く問題ありませんでした。
よく考えてみると、彼女にとっては姉のモノを奪うという行動は悪意からではありません。
悪いという気持ちすらないから厄介だったのです。
呼吸をするように当たり前の行動として私のモノを欲しがるという習性が働いているのですから。
ですから、私が彼女の行動原理を利用しようとすることにローザは気付きようが無いのでした。
ちなみにローザが自分の一人称を名前にしたときも欲しがりモードが発動したサインです。
長いこと姉妹をやっていますから、このくらいのことは読めてしまいます。本当はそんなことを読みたくも無いのですが……。
ということで、私はダミアン殿下との縁談を進めることにしました。
傲慢で性格の悪い王子の婚約者に敢えて成ろうというのです。
我ながら性格が歪んでいると思いますが、私の抱えている闇はもう抑えられませんので……どうすることも出来ないのでした――。
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