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公爵令息の正体
「フレメアさん、そこから見えるのですか?」
ルミリオン邸を監視することになったフレメアさんと私。
彼女は家から一キロ近く離れた場所の木の幹に座って向こうを見ている。
私の視力は悪くはないが、ここからではほとんど見えない。
「問題ない。ルシリアさんはルシリアさんのやり方で好きにするといい。あたしに合わせる必要はない」
なるほど。
それもそうね。私が同じことをする必要はないわよね。
要するにバレないように向こうの様子が知れればよいのだ。
「光の結界……!」
私はルミリオン邸の周りに薄い結界を張った。視覚することが出来ないほどの微弱な結界を。
こうすれば、誰かが出てきてもすぐに気付くことが出来る。
もちろん、家の人間が私用で出かけることもあるだろうけど、それでもずっと見ているよりは楽に決まっているわ。
「そして、土の結界と風の結界!」
さらに地属性の結界と風属性の結界、二つの結界を同時に張ることで、誰かが出た気配を感知すると同時にその足取りを辿れるようにした。
地属性の結界で足音を瞬時に察知、風属性の結界で探知した人間の位置の捕捉をすれば、誰がどの方向に行ったのか、まで掴むことが出来る。
「よし、これで完璧ね。いつでも、出てきていいわよ」
私はルミリオン邸の監視を開始した。
さぁ、どこからでも出てきなさい! 全部補足して見つけてやるから。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「な、長い! もうこんなに暗くなったのに……!」
かれこれ、半日くらい監視を続けていたけどルミリオン邸からは使用人すら出てこなかった。
なんで、みんな屋敷の中に引きこもっているのよ。
朝から監視していたのに、すっかり夜になってしまい、辺りは暗くなっている。
それにしても、フレメアさんってこんな状況でも見えるのかしら……。
「ルシリアさん、多分、浮気するなら夜。目撃情報がなくて密書しか報告がなかったのなら尚更目立たなくやっているはず」
「えっ?」
「でも、万が一もあるから昼から見張っていた。これからが本番」
そ、それもそうね。どうしちゃったのかしら、私。
そんなことちょっと考えたら分かるのに。
初めての仕事で、思った以上に緊張している? そうなのかもしれないわ……。
「でも、家から誰も出ないのは変」
「あっ、それは私も思いました。使用人すら出ないのは妙だと。――っ!?」
「出てきた。あの茶髪、そしてあの顔はレイナードで間違いない」
み、見えているんだ。こんな暗い中、髪の色まで……、す、凄いわ……。
じゃなくて、レイナードが出てきた。馬車は使わずに徒歩で西の方角に移動している。
追いかけなきゃ。音にさえ気をつければ、この暗さならかなり近付いてもバレないはず。
既に私の風魔法がレイナードの位置を補足してまとわりついている。本人にはそよ風にしか感じないだろうけど。
「付いてきて」
「はい……!」
再び、音もなく視界から消えるように移動するフレメアさんについていく。
やっぱり速いわ。人間に出せる速度の限界を超えている。
風魔法で加速しているのに、気を抜いたら離されてしまう。
彼女の速さは馬よりも遥かに速い。しかも、これでも加減しているのだという。
神速の槍のフレメアは音よりも速いなんて逸話が私の故郷のアーメルツには届いていたけど、本当なのだろうか……。
「えっ? これって、こんなこと……!」
「レイナードの速度が上がった。この速さだと追いつけない」
突如としてレイナードが急加速した。彼が猛スピードで離れていくのを私は感知して、戦慄する。
公爵家の嫡男って聞いていたけど、これほどの速さで動けるなんて……。だって、フレメアさんと変わらないスピードよ。
しかも、魔法を使っていたら魔力の痕跡があるはずだけど、感知できない。
――ということは、あのレイナードっていう男の身体能力もまた人並外れているってことだ。
貴族の家の生まれで、高い能力を持っている者が多いのは事実だけど……。実家のローエルシュタイン家も代々魔術師だし。
渡されたルミリオン家の情報にはそんな記述はなかったし、フレメアさんも驚いている。
ってことは、これは想定外ってことよね。
浮気調査だと思っていたのに。何だか嫌な予感がするわ……。
「もっとスピードを上げるから。つい――」
フレメアさんの「ついてきて」が私の耳に届く頃には彼女の姿は視界から消えていた。
もちろん、はぐれないように私はフレメアさんにも魔法で繰り出した風をまとわせている。離れていても、彼女がどこにいるのか追えるように……。
「もう、一キロ以上離れている。急がなきゃ」
もっと加速して、風の翼で宙を舞ってショートカットしながら、私は何とかフレメアさんを追いかけた。
こんなにもハードな仕事だったなんて……。初日から先が思いやられる展開だわ。
しかし、レイナードはどこに向かっているんだろう。地図によれば、王都郊外の平民の居住区なんだけど……。
「フレメアさんとレイナードの動きが遅くなった。……ということは、目的地についたのね」
風の翼に魔力を込めて、私はさらに加速する。
はぁ、よかった……。置いていかれずに済んだわ。
数分後、私はとある家の屋根の上から見張っているフレメアさんに追いつくことが出来た。
「フレメアさん、ごめんなさい。足を引っ張ってしまって……」
「問題ない。レイナードのあのスピードは想定外」
「それで彼は今、あそこで何を?」
私は一際、大きな屋敷の裏口の前に立っているレイナードを見つけて指を差した。
カールシュバイツ邸にも匹敵するくらいの大きな屋敷。こんなの貴族の家でも滅多にないのに。
少なくとも侯爵家である私の実家の三倍近くあるわ。ここって、平民の居住地域だと聞いているけど……。
「あれは、大豪商、マルセル・サウスエルトの邸宅。特に武器の取り扱いを生業にしてあの地位にのし上がったの。……この家の娘、シャルロットは絶世の美女だと有名なの」
「ということは、レイナードはここの娘であるシャルロットと浮気を?」
「…………」
フレメアさんは無言で頷く。
やっぱりただの浮気話だったのか。あのスピードで動いたのは尾行を警戒していたからなんだろう。
さっきみたいな動きをされると、フレメアさんじゃなかったら、追いつかなかっただろうし。
「裏口が開いた。もう少し、近付く……」
「分かりました」
私とフレメアさんはこっそりとサウスエルト邸の裏口付近にまで移動した。
音を立てぬように細心の注意を払って……。
「レイナード様! お待ちしておりました! シャルロットは、シャルロットは、レイナード様がいない時間を寂しく思っていましたから!」
「シャルロット、僕も同じだよ。君と早く一緒になりたい……! 父上が、母上が、無理やり、あのアリシアとの縁談さえ進めなければ、僕は今頃!」
うわぁ、抱き合っているわ。裏口付近で誰も見ていないと思っているのか、それはもう大胆に……。
なんだか、悪いことをしているような気がするけど、悪いのはレイナードの方。
親同士が決めた縁談なのはわかるけど、だからといって不義理を働いちゃダメよ。ケジメはつけなきゃ……。
私たちはいちゃつく彼らを数分間見守っていた。
まったく、裏口の前で何分抱き合ったら気が済むのよ。
「早く一緒になるっていつも仰っておりますが、それっていつになるのですか? ええ、分かっております。所詮は私は平民。アリシア様との結婚と天秤にかけて手に入れたいほどの女ではありません」
「そ、そんなことはない! 君は素敵だ! だからこそ、僕はこうして君のもとに来ている! 本当は隠しておかなくてはならない力を使って!」
んっ? 本当は隠さないとならない力って何?
さっきの異常な身体能力ってこと? よく分からないわ……。
「ルミリオン公爵家は代々、暗殺を極めた一族。王族の敵をことごとく誰にも知られることなく、殺していった歴史があり、今日の地位にある。もちろん、僕も一流の暗殺者だ」
な、何よ、そのとんでもない設定。
公爵家が暗殺者の一族ってこと? この国の闇、深すぎるでしょ。
「だから……、僕は……」
「レイナード様?」
「アリシア王女を消す。邪魔者を全部消してやる……!」
「「――っ!?」」
と、とんでもないことを口にしたわね。このレイナードという男。
アリシア殿下を殺すですって? やっぱりただの浮気騒動では終わりそうにないわ……。
ルミリオン邸を監視することになったフレメアさんと私。
彼女は家から一キロ近く離れた場所の木の幹に座って向こうを見ている。
私の視力は悪くはないが、ここからではほとんど見えない。
「問題ない。ルシリアさんはルシリアさんのやり方で好きにするといい。あたしに合わせる必要はない」
なるほど。
それもそうね。私が同じことをする必要はないわよね。
要するにバレないように向こうの様子が知れればよいのだ。
「光の結界……!」
私はルミリオン邸の周りに薄い結界を張った。視覚することが出来ないほどの微弱な結界を。
こうすれば、誰かが出てきてもすぐに気付くことが出来る。
もちろん、家の人間が私用で出かけることもあるだろうけど、それでもずっと見ているよりは楽に決まっているわ。
「そして、土の結界と風の結界!」
さらに地属性の結界と風属性の結界、二つの結界を同時に張ることで、誰かが出た気配を感知すると同時にその足取りを辿れるようにした。
地属性の結界で足音を瞬時に察知、風属性の結界で探知した人間の位置の捕捉をすれば、誰がどの方向に行ったのか、まで掴むことが出来る。
「よし、これで完璧ね。いつでも、出てきていいわよ」
私はルミリオン邸の監視を開始した。
さぁ、どこからでも出てきなさい! 全部補足して見つけてやるから。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「な、長い! もうこんなに暗くなったのに……!」
かれこれ、半日くらい監視を続けていたけどルミリオン邸からは使用人すら出てこなかった。
なんで、みんな屋敷の中に引きこもっているのよ。
朝から監視していたのに、すっかり夜になってしまい、辺りは暗くなっている。
それにしても、フレメアさんってこんな状況でも見えるのかしら……。
「ルシリアさん、多分、浮気するなら夜。目撃情報がなくて密書しか報告がなかったのなら尚更目立たなくやっているはず」
「えっ?」
「でも、万が一もあるから昼から見張っていた。これからが本番」
そ、それもそうね。どうしちゃったのかしら、私。
そんなことちょっと考えたら分かるのに。
初めての仕事で、思った以上に緊張している? そうなのかもしれないわ……。
「でも、家から誰も出ないのは変」
「あっ、それは私も思いました。使用人すら出ないのは妙だと。――っ!?」
「出てきた。あの茶髪、そしてあの顔はレイナードで間違いない」
み、見えているんだ。こんな暗い中、髪の色まで……、す、凄いわ……。
じゃなくて、レイナードが出てきた。馬車は使わずに徒歩で西の方角に移動している。
追いかけなきゃ。音にさえ気をつければ、この暗さならかなり近付いてもバレないはず。
既に私の風魔法がレイナードの位置を補足してまとわりついている。本人にはそよ風にしか感じないだろうけど。
「付いてきて」
「はい……!」
再び、音もなく視界から消えるように移動するフレメアさんについていく。
やっぱり速いわ。人間に出せる速度の限界を超えている。
風魔法で加速しているのに、気を抜いたら離されてしまう。
彼女の速さは馬よりも遥かに速い。しかも、これでも加減しているのだという。
神速の槍のフレメアは音よりも速いなんて逸話が私の故郷のアーメルツには届いていたけど、本当なのだろうか……。
「えっ? これって、こんなこと……!」
「レイナードの速度が上がった。この速さだと追いつけない」
突如としてレイナードが急加速した。彼が猛スピードで離れていくのを私は感知して、戦慄する。
公爵家の嫡男って聞いていたけど、これほどの速さで動けるなんて……。だって、フレメアさんと変わらないスピードよ。
しかも、魔法を使っていたら魔力の痕跡があるはずだけど、感知できない。
――ということは、あのレイナードっていう男の身体能力もまた人並外れているってことだ。
貴族の家の生まれで、高い能力を持っている者が多いのは事実だけど……。実家のローエルシュタイン家も代々魔術師だし。
渡されたルミリオン家の情報にはそんな記述はなかったし、フレメアさんも驚いている。
ってことは、これは想定外ってことよね。
浮気調査だと思っていたのに。何だか嫌な予感がするわ……。
「もっとスピードを上げるから。つい――」
フレメアさんの「ついてきて」が私の耳に届く頃には彼女の姿は視界から消えていた。
もちろん、はぐれないように私はフレメアさんにも魔法で繰り出した風をまとわせている。離れていても、彼女がどこにいるのか追えるように……。
「もう、一キロ以上離れている。急がなきゃ」
もっと加速して、風の翼で宙を舞ってショートカットしながら、私は何とかフレメアさんを追いかけた。
こんなにもハードな仕事だったなんて……。初日から先が思いやられる展開だわ。
しかし、レイナードはどこに向かっているんだろう。地図によれば、王都郊外の平民の居住区なんだけど……。
「フレメアさんとレイナードの動きが遅くなった。……ということは、目的地についたのね」
風の翼に魔力を込めて、私はさらに加速する。
はぁ、よかった……。置いていかれずに済んだわ。
数分後、私はとある家の屋根の上から見張っているフレメアさんに追いつくことが出来た。
「フレメアさん、ごめんなさい。足を引っ張ってしまって……」
「問題ない。レイナードのあのスピードは想定外」
「それで彼は今、あそこで何を?」
私は一際、大きな屋敷の裏口の前に立っているレイナードを見つけて指を差した。
カールシュバイツ邸にも匹敵するくらいの大きな屋敷。こんなの貴族の家でも滅多にないのに。
少なくとも侯爵家である私の実家の三倍近くあるわ。ここって、平民の居住地域だと聞いているけど……。
「あれは、大豪商、マルセル・サウスエルトの邸宅。特に武器の取り扱いを生業にしてあの地位にのし上がったの。……この家の娘、シャルロットは絶世の美女だと有名なの」
「ということは、レイナードはここの娘であるシャルロットと浮気を?」
「…………」
フレメアさんは無言で頷く。
やっぱりただの浮気話だったのか。あのスピードで動いたのは尾行を警戒していたからなんだろう。
さっきみたいな動きをされると、フレメアさんじゃなかったら、追いつかなかっただろうし。
「裏口が開いた。もう少し、近付く……」
「分かりました」
私とフレメアさんはこっそりとサウスエルト邸の裏口付近にまで移動した。
音を立てぬように細心の注意を払って……。
「レイナード様! お待ちしておりました! シャルロットは、シャルロットは、レイナード様がいない時間を寂しく思っていましたから!」
「シャルロット、僕も同じだよ。君と早く一緒になりたい……! 父上が、母上が、無理やり、あのアリシアとの縁談さえ進めなければ、僕は今頃!」
うわぁ、抱き合っているわ。裏口付近で誰も見ていないと思っているのか、それはもう大胆に……。
なんだか、悪いことをしているような気がするけど、悪いのはレイナードの方。
親同士が決めた縁談なのはわかるけど、だからといって不義理を働いちゃダメよ。ケジメはつけなきゃ……。
私たちはいちゃつく彼らを数分間見守っていた。
まったく、裏口の前で何分抱き合ったら気が済むのよ。
「早く一緒になるっていつも仰っておりますが、それっていつになるのですか? ええ、分かっております。所詮は私は平民。アリシア様との結婚と天秤にかけて手に入れたいほどの女ではありません」
「そ、そんなことはない! 君は素敵だ! だからこそ、僕はこうして君のもとに来ている! 本当は隠しておかなくてはならない力を使って!」
んっ? 本当は隠さないとならない力って何?
さっきの異常な身体能力ってこと? よく分からないわ……。
「ルミリオン公爵家は代々、暗殺を極めた一族。王族の敵をことごとく誰にも知られることなく、殺していった歴史があり、今日の地位にある。もちろん、僕も一流の暗殺者だ」
な、何よ、そのとんでもない設定。
公爵家が暗殺者の一族ってこと? この国の闇、深すぎるでしょ。
「だから……、僕は……」
「レイナード様?」
「アリシア王女を消す。邪魔者を全部消してやる……!」
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