拝啓 深緑の魔女様

灯埜

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拝啓 深緑の魔女様

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ロンはお茶会の準備を始めた。
材料はフィンが用意してくれたが、用意の方法が不思議な光景だった。

作っている最中レイが突然出てきて、唐突にお茶会に参加してみたいと言い出して───







レイからの連絡の次の日、俺はリンゴのパンプディングを作ろうと台所に立っていた。レイのおばあさん直伝。レイも俺もお気に入りのおやつだ。
「リンゴと砂糖とバターと卵と牛乳とパン」
このスイーツは貴重な砂糖が手に入ったときに作れるのだが、魔女様の森では簡単に手に入ったりする。
その入手方法には驚いたが。

飲むミルクを温めながら材料を言うとフィンが「ちょっと待ってろ」と言って外に出ていった。

まさかこれから市場に買いに行くのか?と思いあとをついていくと彼は家の裏川に回り、白いクチナシを三つ摘んで、一つをくしゃりと握り潰してしまった。
「砂糖」
彼がポツリと言った後、手からサラサラと白い砂のようなものが手の中ならどんどん溢れて出てきた。残りの二つを握り潰してそれを瓶に集めて、蓋を閉めた。
魔法で瓶が宙を浮く。

リンゴの木も生えており、そこから五つほど取る。瓶とリンゴがふわふわと宙を浮く。

「パンはあるから、あとは牛乳と卵とバター」
浮かせたものはそのままに、足元から水が上がり、彼だけが消える。

数秒たって地面から水が上がると彼が現れ、両手には牛乳瓶と腕には卵とバターが入った袋を持っていた。
「こんなもんかな」
集めた材料と一緒にこちらに向かってくる。

俺は慌てて家の中に入り、台所に戻った。ホットミルクをカップに入れて用意し、彼を家の中で待ってたかのように装った。
「材料はこれだけあればいいか?」
「あ、おかえり!これだけあれば、十分だよ!」
ん、ただいまと小さく言って、荷物をテーブルに置いていく。
「フィン、ホットミルクどうぞ」
「……ありがとう」
椅子に座ってホットミルクの匂いを嗅ぎ、カップの中に角砂糖をぽちゃぽちゃっと五つ入れてスプーンでかき混ぜていく。
 ハチミツとかいれなくて良かった。絶対砂糖入れると思ったもん。
レイのおばあさんは、ハチミツ入りのホットミルクを寒い日によく作ってくれたが、「ハチミツは好みね。砂糖を入れる人もいるのよ」ふふ と笑いながら話していたな。

「まずはバゲットを浸けて」
砂糖、牛乳、卵を混ぜたものをバゲットを四角に切って入れて浸けておく。
「その間に」
フライパンにバターを入れて溶かし、砂糖を入れて弱火でカラメルソースを作って
「その上に」
だいたい色が着いたら、予め切っておいた薄切りのリンゴを丁寧にフライパンの円に沿って並べていく。
「さらにその上に」
さっき浸しておいたバケットをリンゴの上に流し入れていく。
「あとは蓋をして焼く」
弱火でじっくり焼くっと。
「甘くていい匂いだな」
フィンはホットミルクを飲みながらどこからだしたのかクッキーを食べている。
「レイのおばあさんに教えてもらったんだ」
「なるほどね。台所空いたら教えてくれ、他にも作らなきゃいけないからな」
「わかった。あ、他にも作るなら手伝うぞ」
『手伝うぞっ』
「うわぁ!レイ!?」
いつ出てきた!?ってか、何の用で来た。
「合言葉なしに起動できるのそれ」
『なんかできちゃった☆』
「できちゃった、じゃないよまったく」
「レイ殿は何の用でこちらに?」
『俺もお茶会まぜてー』
「だめ。ってか、この時間いつも忙しいんじゃないの?」
『忙しいよ』
「今何してるんだ?」
『んー、今はねぇ、王を脅すための書類を作成してるのー』
「何て?」
 今なんか変な言葉が聞こえた気がしたけど。
『王に送る休暇申請を作成してるのー (笑)』
「だよね。なんかおかしな言葉が聞こえた気がしたけど、気のせいだったみたいだな」
『そう 気のせい気のせい(笑)』
「とにかくお茶会の参加はだめ。ほら、通信切った切った」
『ぶー (・ε・` )』
「拗ねてもダメだから」
「お茶会に参加する目的は?」フィンがホットミルクを飲みながらレイに話しかける。
『そんなの決まってるでしょ。純粋にお茶会がどんなものか知りたいからだよ』
「魔女様にバレたらまず「私に何がバレたらまずいんだ?」」
「「!!」」
声のした方を俺とフィンが振り向くと、腕を組んで立っている魔女様がいた。
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