わたしと貴方とあなた

hikaru0217

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大丈夫

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過去の日記みたいなものをふと整理がてら見返していると、当時付き合っていた彼の事を思い出した。

ああ、そういえば駅でサヨナラする時はわたしの姿が見えなくなるまで見送ってくれてたな、とか

そう、一回手を振りあって、わたしは振り返らず歩くんだけど、やっぱり最後はまだいるかな、とか気になって振り向いて、最後に手を振って...

名残りを大切に大切にしてくれる貴方が本当に本当に大好きだった。

別れてから1年近く経って、たまたま駅のホームで見かけた時、わたしは声を掛ける勇気が無かった。

違う、もっと、バイト終わりでくたびれていないような、もっと可愛い姿の"わたし"の時に"出逢いたかった"んだ。

もう好きとか、そんなときめきでは無かったけれど、昔好きだった人にはずっと、変わらず綺麗だなとか、もっと綺麗になってるな、とか眩しい存在でありたいんだ、きっと。
ずっと、どこか心の片隅でいいから、今の彼女よりも前からいる、わたしを消して欲しくないんだ、と。

別れてからの呪縛。

それはとてもとても、人様に見せられるようなものではない。でも、とてもとても尊いもの。

それがわたしをどんどん綺麗にする。

こんなに色々言ってるのに、今はもう貴方にときめくことも、好きも、無いのは、長くがかかった時間のお陰と、しっかりと"今"を抱き締めてくれる"貴方"がいるから。

人が無償の愛を捧げられる存在は、人生の中でそう多くない。
親、兄弟、もしくは飼っているペット、それくらいだ。

結局、彼氏や彼女、妻や旦那は他人。
寂しいことではあるが、見返りの上で成り立ってきた関係に過ぎない。

別れた恋人などというものは、こちらが与えても何も返ってこないばかりか、遠のいていくだろう。
そんなものに執着して生きられる程人生はつまらなくない。長くない。

今、側にいて笑いあって励ましあえる、そんなかけがえのない人を見つめて、たまに過去を振り返っても、また戻ってこられる様、未来は今の積み重ねだ。

大丈夫、わたしは強い、あなたも強い。
わたしを捨てた彼はもっと、強い、のだろうか。


大丈夫、あなたは何も失ってなんかない。
でも彼は、"自分だけを"愛してくれる人を失った。
考え方や、見方を変えれば正解はひとつじゃあない。

こんな言葉は、よく耳にするけれど、本当にそうだ。
失ってなんかいない。

大丈夫、大丈夫。

これからのわたしの人生と、これから出会うあなたと、わたしを彩ってくれた過去の貴方たち、みんなみんなに未来永劫続く幸せが、その掌の中に、1つでも多く残ります様に。零れ落ちてから気付きませんように。
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