当方現職カーナビ声優、異世界のナビゲートもお任せあれ!

好野 風実

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第1章 安息の地へ!

第二声 この世界、不思議!

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300年前の戦いで、見事魔王軍を倒しちゃった凄腕冒険者御一行のリーダーであり、この世界、いわば人間たちの住む世界である、ラティルの地に召喚された勇者、ミコ=ミナミが老衰により死んでから100年が経った。

人々は新たなる勇者を求め、沢山の人間を生贄に捧げてきた。

それでもなかなか勇者が現れないため、ついには自分たちで世界を統制しようとする国が現れ、大規模な戦争が勃発し、今もなお続いている…

 だから女神である私が、この戦争を止めてもらうため、どうにか頑張ってあなたを召喚したってわけ☆
 ここまで理解できたかな~?

おちゃらけて女神が言う。
つられて、

 ん~、よくわかんないけど大変だってことはわかったってばよ☆

 いやよくわかんないし。なんか生身の人間っぽそうな人めっちゃ長生きしてるし。

つられきらなかった。

 そういうことはこれから説明するの!とりあえず、ここまでは理解できたってことで話を進めるわよ~。


ラティルに召喚された勇者たちは、女神の日々デエスデイズが与えられ、その名の通り、女神と同じような生活を送れるレベルに能力を強化することができる。肉体を強化するもよし、スキルを獲得するもよし。
勇者の寿命がクソ長かったのはきっと、生命力強化でも付与してもらったんじゃな~い?

 これであなたを召喚した理由、この世界のことわりはあらかた説明したわ。質問は後で受け付けるから、先にさっきの質問を消化するわ。

 まず、ここはどこ?と言ったわね?

 ここは、女神の夢中デエスドリームズ、わかりやすく言うと亜空間ね。時魔法がレベルⅣになれば誰でも習得できるわ。あっ、夢⤴中ね。これ大事。

 そして、召喚にも驚いてたわよね。まあ召喚についてはたっぷり話したから以下略で。

 さあ最後。私はさっきも言ったように女神ではあるのだけれど、、、

あっけにとらわれていると、少々予想外な言葉が飛び出してきた。

 悪くないほうの女神よ。

 …悪いほうもいるってこと??ですか…?

頭の中に?マークが沢山湧いてきて、反応も敬語もワンテンポ遅れてしまった。
なにせこっちの世界では女神はアマテラスしかいないっていう道理なのだから。(自社調べ)
すると、さらに驚くべき言葉が飛び出してきた。

 ?そうよ?これでもだいぶ減ったほうよ?あなたたちの世界では女神って増殖しないの?



先ほどから斜め上からの襲撃にあい続けているのと、疲労とで完全に思考は止まった。
やっと絞り出した言葉は、



 女神って、ゴキブリとハエなんですか…?

 あぁなんかもうごめんね?さっさと能力選んで転移させてあげるよ…

ノンデリ激カワ女神に気を使わせてしまったおかげで少し正気を取り戻した。

 能力の前に、転移の前に、1つ質問いいですか?

 なぁに?私はゴキブリではないわよ~?

心なしか優しい目と声をしている気がする。そんなに気を使わないでくれ気持ち悪いから。

 いやそのとち狂った話はどうでもよくて…
 この世界、エルフとかっていないんですか?

 なぁに、そんなこと。もちろんいるわよ。でもまぁ人権はないに等しいわ。

 そうですか…と複雑な気持ちを零こぼす。


 2回目の気まずい沈黙。
 …話は変わるが、だいぶ敬語も板についてきたように思う…

沈黙を切り裂いたのは、今度は女神のほうだった。

 ま、まぁ能力決めましょ~~!色々あるわよ~!

 そ、そうですね!ちょっと考えさせてください!
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