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第2章 少年期 邂逅編
第三十九話「港町・ラゾン」
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「ベル! 見て! 海よ!」
何の障害もなく、港町・ラゾンに到着。
はしゃぎ回るエリーゼの先には、見渡す限りの青。
これがこの世界の海だ。
当然だが、この世界の海も青かったんだな。
何で他の色だと思っていたのかは俺にもわからん。
逆に教えて欲しい。
俺達は今、砂浜にいる。
ここから見える景色は、まさに絶景だ。
ただ大海原が広がっているだけだが、それでも映えるほどに美しい。
見ていて心が洗われていくようだ。
まるで俺の心みたいに広……
「ねえ! 泳げるのかしら!」
「泳っ……!?」
何と。
12歳の少女の水着姿を拝めるチャンス到来だ!
俺に春が来た!
あ、今は春か。
「やめておけ。
浅瀬でも魔物はいるし、そもそも水着なんて持っていないだろう」
「水着は買えばいいし、魔物は倒せばいいじゃない」
「簡単に言うな」
クソぅ、せっかくの好機だったのに。
え?気持ち悪いって?
裸を見たいと言っているわけじゃないからいいだろ!
これが男の性だ!
……気を取り直して。
これから俺達は、ここに約二ヶ月泊まることになる。
なるべく、褒賞金で得た金は使わないようにしなければならない。
とはいっても、二ヶ月も泊まるとなれば、宿泊代がバカにならない。
だから、冒険者活動は欠かさずに続けると取り決めた。
褒賞金である白金銭55枚は、ランスロットが責任をもって管理する。
その中から金を使った人間、もしくは使おうとした人間は罰が与えられる。
それは、怒涛の一週間連勤だ。
俺達はこの港町にいる間、基本的に全員で活動をすることはない。
流石に過労死してしまうからな。
だが、白金銭を使おうものなら、過労死覚悟で働かせる。
それくらいの罰がなければ、どっかの酒飲みさんが使ってしまわんとも限らないからな。
シャルロッテは見た目や口調に反して、割と金遣いが荒い。
普段は節度を守っているが、打ち上げをするとなるととにかく酒を飲みまくる。
ガラウスを出る前にもギルドの酒場で食事をしたが、
その時もかなりの量の酒を飲んだ。
肝臓が心配になるほど飲んで、気絶して、ランスロットに運ばれた。
旅をしている間にショック死とかしないか怖いんだが。
「ねえ、浅瀬で水浴びくらいはいいでしょ?」
「まあ、それくらいなら構わん。
だが、足元には気を付けろ」
「分かったわ!」
「え、ちょ」
エリーゼは俺の手を引き、海際へと駆け出した。
靴の中に砂が大量に入った。
水浴びをするなら靴は脱いでおいた方がいいか。
「うわっ! 冷たっ!?」
「やり返してきなさいよっ!」
「ふふ、覚悟はいいですか?
そらっ!」
「ちょっと! 魔術は卑怯でしょ!」
風魔術を使って、エリーゼに大量の水を浴びせた。
ちょっとやりすぎてしまったか。
エリーゼは体中びしょ濡れになっている。
わお、服が透けて下着が見えちゃってるじゃないか。
何と壮観なこと。
いや、わざと透かそうとしたわけではないぞ。
本当だぞ。
「こんのっ……! やったわね!」
「わっ! やりすぎですって!」
「あたしと同じくらい濡らしてやるわ!」
エリーゼは水を大きくすくい上げ、俺に思い切り浴びせた。
俺もエリーゼも、互いに全身びしょ濡れだ。
「二人とも、そんなに濡れてどうするつもりですか」
「す、すみません……」
「こっちに来てください。
ベルに、ある『合魔術』を教えてあげます」
「ほう。何ですか?」
「とにかく、こちらに」
ビショビショのまま、俺達はシャルロッテの所に向かった。
俺の知っている合魔術と言えば、水魔術と火魔術を合わせてお湯を作るやつくらいだな。
「こんなに濡れていては、到底町なんて歩けません。
なので、体を乾かしましょう」
シャルロッテに手招きされて、俺はかがんでいるシャルロッテの足元に座る。
すると、俺の体に温風が当たり始めた。
あ、俺この合魔術知ってるぞ。
「これは、風魔術と火魔術を合わせた合魔術です。
お風呂から出た後いつも使っている、お気に入りの魔術なんですよ」
「そ、そんなものがあったなんて……」
「知らないのが普通です。
魔法学校に通っていないと教えられないものですし。
それに、そもそも難易度が高い魔術なので」
ここはひとつ、泳がせておこう。
せっかく教えてくれようとしているんだからな。
知らないフリをしておこう。
温風は、シャルロッテの手のひらから出ている。
やはり、あったかくて気持ちがいいな。
エリーゼは寒そうにブルブルと震えている。
ちょっと可哀想だし、変わってあげよう。
「私も、これを習得するには何か月もかかりました。
学校では、上級魔術を覚えるのと同じくらいの難易度だと言われましたからね」
「そんなに難しいんですか?」
「最初は習得できる気がしませんでした。
ですが、習得してからは何故あんなに手こずっていたのか分からないくらい、簡単にできるようになりました」
まあ、魔術って基本そんなもんだよな。
魔術に限った話じゃないけど。
「僕も、習得したいです」
「いいですよ。
雷魔術と同時進行で、教えてあげましょう。
将来魔法学校に行くのなら、先に覚えておけば少しはアドバンテージになるでしょうし」
何回かできないフリをして、ある日突然できるようになる。
そして、「ベルはやはり天才ですね」と褒めてもらおう。
今、ちょうどシャルロッテから雷魔術を教えてもらっているところだが、全くできる気がしない。
街と街の間を移動する間にレクチャーしてもらっているが、成長しているとは言えないだろう。
現在の俺の魔術の階級は、
・火上級
・水中級
・雷中級
・風初級
・土初級
と、こんな感じだ。
得意不得意が顕著に表れている。
雷聖級であるシャルロッテから魔術を教わっているが、
この三週間では全く成長が見込めない。
もちろんシャルロッテのせいではないのだが、
少しだけ気負っているようにも見える。
人に教えた経験がないようだし、まだ一か月も経っていないから仕方ない。
まだまだ長い旅になるし、ゆっくりいきましょうや。
何の障害もなく、港町・ラゾンに到着。
はしゃぎ回るエリーゼの先には、見渡す限りの青。
これがこの世界の海だ。
当然だが、この世界の海も青かったんだな。
何で他の色だと思っていたのかは俺にもわからん。
逆に教えて欲しい。
俺達は今、砂浜にいる。
ここから見える景色は、まさに絶景だ。
ただ大海原が広がっているだけだが、それでも映えるほどに美しい。
見ていて心が洗われていくようだ。
まるで俺の心みたいに広……
「ねえ! 泳げるのかしら!」
「泳っ……!?」
何と。
12歳の少女の水着姿を拝めるチャンス到来だ!
俺に春が来た!
あ、今は春か。
「やめておけ。
浅瀬でも魔物はいるし、そもそも水着なんて持っていないだろう」
「水着は買えばいいし、魔物は倒せばいいじゃない」
「簡単に言うな」
クソぅ、せっかくの好機だったのに。
え?気持ち悪いって?
裸を見たいと言っているわけじゃないからいいだろ!
これが男の性だ!
……気を取り直して。
これから俺達は、ここに約二ヶ月泊まることになる。
なるべく、褒賞金で得た金は使わないようにしなければならない。
とはいっても、二ヶ月も泊まるとなれば、宿泊代がバカにならない。
だから、冒険者活動は欠かさずに続けると取り決めた。
褒賞金である白金銭55枚は、ランスロットが責任をもって管理する。
その中から金を使った人間、もしくは使おうとした人間は罰が与えられる。
それは、怒涛の一週間連勤だ。
俺達はこの港町にいる間、基本的に全員で活動をすることはない。
流石に過労死してしまうからな。
だが、白金銭を使おうものなら、過労死覚悟で働かせる。
それくらいの罰がなければ、どっかの酒飲みさんが使ってしまわんとも限らないからな。
シャルロッテは見た目や口調に反して、割と金遣いが荒い。
普段は節度を守っているが、打ち上げをするとなるととにかく酒を飲みまくる。
ガラウスを出る前にもギルドの酒場で食事をしたが、
その時もかなりの量の酒を飲んだ。
肝臓が心配になるほど飲んで、気絶して、ランスロットに運ばれた。
旅をしている間にショック死とかしないか怖いんだが。
「ねえ、浅瀬で水浴びくらいはいいでしょ?」
「まあ、それくらいなら構わん。
だが、足元には気を付けろ」
「分かったわ!」
「え、ちょ」
エリーゼは俺の手を引き、海際へと駆け出した。
靴の中に砂が大量に入った。
水浴びをするなら靴は脱いでおいた方がいいか。
「うわっ! 冷たっ!?」
「やり返してきなさいよっ!」
「ふふ、覚悟はいいですか?
そらっ!」
「ちょっと! 魔術は卑怯でしょ!」
風魔術を使って、エリーゼに大量の水を浴びせた。
ちょっとやりすぎてしまったか。
エリーゼは体中びしょ濡れになっている。
わお、服が透けて下着が見えちゃってるじゃないか。
何と壮観なこと。
いや、わざと透かそうとしたわけではないぞ。
本当だぞ。
「こんのっ……! やったわね!」
「わっ! やりすぎですって!」
「あたしと同じくらい濡らしてやるわ!」
エリーゼは水を大きくすくい上げ、俺に思い切り浴びせた。
俺もエリーゼも、互いに全身びしょ濡れだ。
「二人とも、そんなに濡れてどうするつもりですか」
「す、すみません……」
「こっちに来てください。
ベルに、ある『合魔術』を教えてあげます」
「ほう。何ですか?」
「とにかく、こちらに」
ビショビショのまま、俺達はシャルロッテの所に向かった。
俺の知っている合魔術と言えば、水魔術と火魔術を合わせてお湯を作るやつくらいだな。
「こんなに濡れていては、到底町なんて歩けません。
なので、体を乾かしましょう」
シャルロッテに手招きされて、俺はかがんでいるシャルロッテの足元に座る。
すると、俺の体に温風が当たり始めた。
あ、俺この合魔術知ってるぞ。
「これは、風魔術と火魔術を合わせた合魔術です。
お風呂から出た後いつも使っている、お気に入りの魔術なんですよ」
「そ、そんなものがあったなんて……」
「知らないのが普通です。
魔法学校に通っていないと教えられないものですし。
それに、そもそも難易度が高い魔術なので」
ここはひとつ、泳がせておこう。
せっかく教えてくれようとしているんだからな。
知らないフリをしておこう。
温風は、シャルロッテの手のひらから出ている。
やはり、あったかくて気持ちがいいな。
エリーゼは寒そうにブルブルと震えている。
ちょっと可哀想だし、変わってあげよう。
「私も、これを習得するには何か月もかかりました。
学校では、上級魔術を覚えるのと同じくらいの難易度だと言われましたからね」
「そんなに難しいんですか?」
「最初は習得できる気がしませんでした。
ですが、習得してからは何故あんなに手こずっていたのか分からないくらい、簡単にできるようになりました」
まあ、魔術って基本そんなもんだよな。
魔術に限った話じゃないけど。
「僕も、習得したいです」
「いいですよ。
雷魔術と同時進行で、教えてあげましょう。
将来魔法学校に行くのなら、先に覚えておけば少しはアドバンテージになるでしょうし」
何回かできないフリをして、ある日突然できるようになる。
そして、「ベルはやはり天才ですね」と褒めてもらおう。
今、ちょうどシャルロッテから雷魔術を教えてもらっているところだが、全くできる気がしない。
街と街の間を移動する間にレクチャーしてもらっているが、成長しているとは言えないだろう。
現在の俺の魔術の階級は、
・火上級
・水中級
・雷中級
・風初級
・土初級
と、こんな感じだ。
得意不得意が顕著に表れている。
雷聖級であるシャルロッテから魔術を教わっているが、
この三週間では全く成長が見込めない。
もちろんシャルロッテのせいではないのだが、
少しだけ気負っているようにも見える。
人に教えた経験がないようだし、まだ一か月も経っていないから仕方ない。
まだまだ長い旅になるし、ゆっくりいきましょうや。
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