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輪廻を願って
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「もう会えない」
あの子は逝ってしまったから。
「もう、会えない」
つぶやきは、涙と一緒に膝の上の木箱に吸い込まれた。
「大丈夫か」
少し視線を上げると見えたあの人の顔、今まで一言も話さなくて、どこかに行ってしまっていたから、本当は忘れていた。
目の周りを真っ赤にはらしていて、私よりも痛々しいかもしれない。
「抱かせてもらってもいいかい」
そっと、その子が入れられた箱を受け取って、声をかける。
「お父さんだよ、君に会えることを楽しみにしていたんだ、でも、まだタイミングじゃなかったんだね」
性別も、どちらに似ているかもあやふやな我が子。一緒に過ごした時間はわずかだけれど、きちんと愛情は渡せていたかな。
もっともっと、してあげたいことも、見せてあげたい世界もあった、それができない今は、また会えますようにと願うほかないのだ。
あの子は逝ってしまったから。
「もう、会えない」
つぶやきは、涙と一緒に膝の上の木箱に吸い込まれた。
「大丈夫か」
少し視線を上げると見えたあの人の顔、今まで一言も話さなくて、どこかに行ってしまっていたから、本当は忘れていた。
目の周りを真っ赤にはらしていて、私よりも痛々しいかもしれない。
「抱かせてもらってもいいかい」
そっと、その子が入れられた箱を受け取って、声をかける。
「お父さんだよ、君に会えることを楽しみにしていたんだ、でも、まだタイミングじゃなかったんだね」
性別も、どちらに似ているかもあやふやな我が子。一緒に過ごした時間はわずかだけれど、きちんと愛情は渡せていたかな。
もっともっと、してあげたいことも、見せてあげたい世界もあった、それができない今は、また会えますようにと願うほかないのだ。
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