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木田家のひみつ
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昔はなにもなくて平凡な暮らしだった。
なにもないと言うと少し語弊があるだろうか。
毎日何も起こらず、ただ日常を幸せに平穏に暮らせていた。
ただ一つ、普通ではないところをあげるなら料理をするのが父なことくらいだ。
今の時代これが普通じゃないと言えば何かしらの団体に叱られそうだが
とにかくそう言った意味でなにもない家庭だった。
裕也が21歳になると木田家もいよいよ慌ただしくなる。
何と言っても今年は裕也の就活が始まるからだ。
初めての就活、期待と不安に胸を膨らませながら今日も電車で大学に向かう。
2個下の妹星羅(せいら)は近くの別の大学に通うが、方向が同じため、たまに電車で鉢合う。
「また男変わったのか…」
と以前星羅の隣にいた男が前いた男と違うことに気付くと、何だか少し気まずくなり目を逸らす。
大学の最寄駅につくと星羅に気付かれないようそそくさと電車を出る。
改札を出てしばらくスマホを触りながら待つと、反対方向からいつもの声がした。
「ゆうくーん!」と手を振りながらこちらにくるのは裕也が二年間付き合っている彼女の安田佳奈だ。
「服にご飯粒ついてるよ」と
いつも通りドジな佳奈に塩対応で返す。
「え、ほんとじゃん!最悪!」と佳奈はいつも通り陽気な対応をとる。
『いや、絶対わざとじゃん。髪とか完璧にセットしてるし、何千回と鏡チェックしてるのにご飯粒だけ見逃すって…』と内心毎日毎日ドジな佳奈に嫌気がさしていた。
「佳奈ったらドジっ子」とうざいくらいにわざとらしく戯ける佳奈。
『わざとなの知ってるし、それが可愛いと思ってんのも疲れるし、てか平成初期のぶりっ子ムーブすんなよ。てか平成初期のぶりっ子って何なんだよ。あーーーもうこの女こーゆーところ以外完璧なのに、なんでこうなったんだよ。なんか色々考えてるけど、もーどうでもいいめんどくさい』となんか色々考えてめんどくさくなってしまった。
「そーだね。行こう」とそっけなく返すと二人で学校に向かった。
その日学校ではこれといってなにか起きるわけもなく、強いていえば佳奈の弁当にサーモンのカルパッチョが入っていて、水筒からオリーブオイルをかけていた事に少し引いたことくらいだ。
しかしそんな問題などどうでも良くなるくらいに、帰宅後祐也を待ち受けていた事件は深刻だった。
「ただいま~」と言ってリビングに行くといつもと違う光景がそこにはあった。
まず料理をする母親
そして珍しくリビングにいる星羅。
「え?親父は?」と星羅に聞くと
「あ~なんか書き置き残して出てったよ」
とあっさりとんでもないことを星羅が口走った。
「いや、出てったってなんで?え、つかなんでかあちゃんが料理なんかしてんの?」
と母親に尋ねると母の京子は
「仕方ないじゃない!父さんいないんだから…母さんも料理くらいできるわよ」
と作りたてのチャルメラをテーブルに出してきた。
「変な料理作られるよりこーゆーのが一番うめぇわ絶対」と言いながら星羅はチャルメラを食べる。
「うわっまっず、てかしょっぱすぎ。え?チャルメラをどうしたらここまでまずくできるのか知りたいレベルでまずいんだけど」と流暢に文句を言う
「いや、いや、いまチャルメラはどうでもいいでしょ。つか親父は?」と京子に尋ねる。
「書き置き残してでてったわよ」と返す京子
「いやさっきそれ星羅から聞いたから!」
「ねぇ裕也これめっちゃ不味いって」
「え?親父は?」
「知らないわよ」
「本当にまずいんだって」
「いや今はいらないから」
「いいから食べなさいのびるでしょ!」
「わかったよかあちゃん」
とチャルメラを口にする。
「不倫でもしてたのかしら」
この一言で裕也は口からチャルメラを吹き出した。
「本当にまずいなこれ。いやそっちもまずいって」
と裕也がいうと星羅は大声で笑った。
なにもないと言うと少し語弊があるだろうか。
毎日何も起こらず、ただ日常を幸せに平穏に暮らせていた。
ただ一つ、普通ではないところをあげるなら料理をするのが父なことくらいだ。
今の時代これが普通じゃないと言えば何かしらの団体に叱られそうだが
とにかくそう言った意味でなにもない家庭だった。
裕也が21歳になると木田家もいよいよ慌ただしくなる。
何と言っても今年は裕也の就活が始まるからだ。
初めての就活、期待と不安に胸を膨らませながら今日も電車で大学に向かう。
2個下の妹星羅(せいら)は近くの別の大学に通うが、方向が同じため、たまに電車で鉢合う。
「また男変わったのか…」
と以前星羅の隣にいた男が前いた男と違うことに気付くと、何だか少し気まずくなり目を逸らす。
大学の最寄駅につくと星羅に気付かれないようそそくさと電車を出る。
改札を出てしばらくスマホを触りながら待つと、反対方向からいつもの声がした。
「ゆうくーん!」と手を振りながらこちらにくるのは裕也が二年間付き合っている彼女の安田佳奈だ。
「服にご飯粒ついてるよ」と
いつも通りドジな佳奈に塩対応で返す。
「え、ほんとじゃん!最悪!」と佳奈はいつも通り陽気な対応をとる。
『いや、絶対わざとじゃん。髪とか完璧にセットしてるし、何千回と鏡チェックしてるのにご飯粒だけ見逃すって…』と内心毎日毎日ドジな佳奈に嫌気がさしていた。
「佳奈ったらドジっ子」とうざいくらいにわざとらしく戯ける佳奈。
『わざとなの知ってるし、それが可愛いと思ってんのも疲れるし、てか平成初期のぶりっ子ムーブすんなよ。てか平成初期のぶりっ子って何なんだよ。あーーーもうこの女こーゆーところ以外完璧なのに、なんでこうなったんだよ。なんか色々考えてるけど、もーどうでもいいめんどくさい』となんか色々考えてめんどくさくなってしまった。
「そーだね。行こう」とそっけなく返すと二人で学校に向かった。
その日学校ではこれといってなにか起きるわけもなく、強いていえば佳奈の弁当にサーモンのカルパッチョが入っていて、水筒からオリーブオイルをかけていた事に少し引いたことくらいだ。
しかしそんな問題などどうでも良くなるくらいに、帰宅後祐也を待ち受けていた事件は深刻だった。
「ただいま~」と言ってリビングに行くといつもと違う光景がそこにはあった。
まず料理をする母親
そして珍しくリビングにいる星羅。
「え?親父は?」と星羅に聞くと
「あ~なんか書き置き残して出てったよ」
とあっさりとんでもないことを星羅が口走った。
「いや、出てったってなんで?え、つかなんでかあちゃんが料理なんかしてんの?」
と母親に尋ねると母の京子は
「仕方ないじゃない!父さんいないんだから…母さんも料理くらいできるわよ」
と作りたてのチャルメラをテーブルに出してきた。
「変な料理作られるよりこーゆーのが一番うめぇわ絶対」と言いながら星羅はチャルメラを食べる。
「うわっまっず、てかしょっぱすぎ。え?チャルメラをどうしたらここまでまずくできるのか知りたいレベルでまずいんだけど」と流暢に文句を言う
「いや、いや、いまチャルメラはどうでもいいでしょ。つか親父は?」と京子に尋ねる。
「書き置き残してでてったわよ」と返す京子
「いやさっきそれ星羅から聞いたから!」
「ねぇ裕也これめっちゃ不味いって」
「え?親父は?」
「知らないわよ」
「本当にまずいんだって」
「いや今はいらないから」
「いいから食べなさいのびるでしょ!」
「わかったよかあちゃん」
とチャルメラを口にする。
「不倫でもしてたのかしら」
この一言で裕也は口からチャルメラを吹き出した。
「本当にまずいなこれ。いやそっちもまずいって」
と裕也がいうと星羅は大声で笑った。
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