台本置き場

うめめ

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「チョコレート・ラブ」(比率:男:1 女:1)

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悠宇(ゆう):後輩の猛アタックを冗談だと思ってる先輩。
柚葉(ゆずは):先輩に猛アタックして空回りする後輩。


柚葉 「先輩! 明日って何の日だかわかりますか?」

悠宇 「ん? ……藤宮先生の誕生日?」

柚葉 「そうだったんですか? だったら、なにかプレゼントをあげないと……」

悠宇 「お前、偉いな」

柚葉 「ふふん、そうでしょう、そうでしょう! ……って、そうじゃなくて! バレンタインですよ! バレンタイン!」

悠宇 「ああ、そういえばそうだったな」

柚葉 「バレンタインといえばチョコ! ふっふっふ、楽しみにしていてくださいよ、先輩」

悠宇 「あーはいはい、どうせ針とか入れるんだろ?」

柚葉 「そんな物騒なものは入れませんよ! ……私の愛なら入れますけど」

悠宇 「怪しい……」

柚葉 「なんでですか!?」

悠宇 「いや、お前がそう言って、本当に愛が入ってたか?」

柚葉 「な、なんのことでしょう……?」

悠宇 「とぼけるな。お前が持ってきた『柚葉特製! 愛情たっぷりサンドイッチ』なんて、卵サンドが生卵サンドだったり、具にサプリメントが入ってただろ! 信用できるか」

柚葉 「生卵は、滋養強壮に良いですし、サプリメントは先輩の健康を考えた結果です! ……ほら、愛が詰まってますよね!」

悠宇 「だからって、サンドイッチと合わせるものがあるか!」

柚葉 「だってぇ」

悠宇 「だってじゃない。悔しかったら、ちょっとはマシなものを作ってみろ」

柚葉 「……マシなものだったらいいんですよね?」

悠宇 「あ? そう言ってるだろ。普通に食えるものだったら、文句言わねえよ」

柚葉 「言いましたね? 明日、楽しみにしていてくださいね。べぇーっ!」

悠宇 「って、おいっ! ……行ってしまった」

悠宇 「あいつ、なにがしたいんだよ」



 翌日。

柚葉 「先輩! 先輩先輩!」

悠宇 「やかましい。周りの連中がドン引いてるだろうが」

柚葉 「放課後ですよ! 部室行きましょうよ!」

悠宇 「ちょ、お前、引っ張るなって!」

柚葉 「先輩は、今のところ、チョコ何個貰ったんですか?」

悠宇 「霧島先輩と、藍坂と篠宮からだから、3個か」

柚葉 「へえ、モテモテですね、先輩」

悠宇 「どれも義理だ。あ、霧島先輩、今日来れないって」

柚葉 「じゃあ、二人きりですね!」

悠宇 「……なにを企んでるんだよ」

柚葉 「もう、先輩、疑い過ぎですよ」

悠宇 「……まあ、確かに、可愛い後輩がチョコをくれようとしていると考えれば、悪くないシチュエーションだ」

柚葉 「そうですよ、先輩。見る人が見たら、この状況はうらやまものですよ」

悠宇 「それが、本当に可愛い後輩だったらな」

柚葉 「その発言、絶対に後悔させますから」

悠宇 「はいはい、あまり期待しないでおくよ」

柚葉 「むー」

(SE 部室の扉を開ける音)

(SE カバンを探る音)

柚葉 「はい、先輩、バレンタインのチョコです!」

悠宇 「…………」

柚葉 「わくわく、わくわく」

悠宇 「開けなきゃ、ダメか?」

柚葉 「ダメです。食べてください」

悠宇 「嫌な予感しかないんだが……?」

(SE チョコレートの箱を開ける音)

柚葉 「と言いつつ開ける先輩」

悠宇 「おお、どんなゲテモノがくるかと思ったが、見た目は普通だな」

柚葉 「そうでしょう、そうでしょう!」

悠宇 「問題は味だな。……あむ」

柚葉 「どきどき、どきどき」

悠宇 「あ、うまい。うまいぞ、これ」

柚葉 「やった。好きになっちゃいました?」

悠宇 「ならない」

柚葉 「そんなはっきりと……!」

悠宇 「まあでも、悪かったな。少し言い過ぎたかもしれない」

柚葉 「ふっふっふ、いいんですよ、先輩。私の愛に気づいてくれれば」

悠宇 「それは勘弁してくれ」

柚葉 「ささ、どんどん食べてくださいっ!」

悠宇 「はあ、わかったわかった」

柚葉 「美味しいでしょう」

悠宇 「ああ、うまいうまい。……ところで、このチョコ、何が入ってるんだ?」

柚葉 「いやあ、私の愛ですよ!」

悠宇 「なるほどな」

柚葉 「あれ、先輩?」

悠宇 「……これ、うまいな。何個でも食べられるよ。ひっく」

柚葉 「あ、先輩、もしかして、酔っちゃってます?」

悠宇 「ああ、なるほど、ブランデーか……。うぅ」

(SE 悠宇が倒れる音)

柚葉 「あ、先輩! どうしたんですか!?」

悠宇 「すー、すー」

柚葉 「よかった、酔って眠ってるだけだ」



 しばらくして。

悠宇 「……んん、あれ、俺、寝てたのか」

柚葉 「そうですよ」

悠宇 「……この匂い、チョコに入ってたのブランデーだったのか。まったくお前ってやつは……」

柚葉 「ごめんなさい! 私、先輩がお酒に弱いって知らなくて……」

悠宇 「柚葉? どうしたんだよ、お前らしくない」

柚葉 「私、先輩が倒れたとき、どうしたらいいかわからなくなっちゃって」

悠宇 「いや、気にすることじゃない。確かに、ブランデーチョコをあんなに入れるのはどうかしてるけど、チョコ自体はうまかった。ありがとうな」

柚葉 「先輩!」

悠宇 「…………」

柚葉 「どうしたんですか? 先輩」

(SE デコピンする音)

柚葉 「痛っ! なんでデコピンするんですか」

悠宇 「これでチャラにしといてやるよ。ほら、帰るぞ」

柚葉 「はい!」

END
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