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Ⅱ 騎士団の陰謀
第15話 幻術の先に
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アリア・エインズワース:帝都のはずれにある森で店を営んでいる魔女。21歳。
アーロン・ストライフ:魔法使いの助手兼用心棒をやっている青年。21歳。
ソフィー:元ハルモニア帝国第2皇女だった少女。18歳。
フィリップ・ベルナルド:元帝国騎士団所属だった鳥使いの男性。32歳。
ルーナ:ハルモニア帝国第4皇子の側近をしている女性。20歳。
レオンハルト・ハイデルバッハ:帝国騎士団小隊長を務める青年。19歳。
バーナード・メイザース:ハルモニア帝国騎士団団長を務める男。42歳。
ステラ:ルーナの妹。18歳。
ホロロコリスへ続く道。
ルーナ 「……思わぬ里帰りね」
アリア 「あれから4年、か」
ルーナ 「お互い、あの事件に人生を狂わされたのよね」
アリア 「……私に関しては、それが引き金となっただけで、いずれ狂っていたと思うけどね」
ルーナ 「もう、そこは素直に同意しときなさいよ」
アリア 「ふふ、すまない、性分でね」
ルーナ 「まあいいわ」
ソフィー 「なんだかんだ、仲良いですよねー」
ルーナ 「ふん、別に」
フィリップ 「……なんか、霧が深くなってきたね」
アリア 「ホロロコリス周辺は、霧が発生しやすいんだったかな?」
ソフィー 「へぇー、さすがアリアさん、物知りですね」
ルーナ 「確かにこの辺は、霧が発生しやすいけど、この時間帯に霧なんて……」
アーロン 「まあなんにせよ、この霧の中動くのは危険だ。少し休憩しようぜ」
レオンハルト 「そうですね。近くから川の流れる音もしますし」
フィリップ 「いいね、賛成」
アリア 「時間の方は、大丈夫なのかい?」
レオンハルト 「明日の内に到着できれば大丈夫です」
ソフィー 「そうなんですね。……ふぁ~あ」
アーロン 「眠そうだな、ソフィー」
ソフィー 「やはは、ちょっと眠いです……」
ルーナ 「しっかりしなさいよ。まだ昼過ぎじゃない……。ふぁあ」
アリア 「そういうキミも、眠そうじゃないか。はふ……」
アーロン 「おいおい、コントでもやってんのかよ……ふああ」
フィリップ 「青年、それ天丼……」
ソフィー 「……うぅ」
(SE ソフィーが倒れる音)
レオンハルト 「殿下! ……うっ」
(SE レオンハルトが倒れる音)
アリア 「なに? なにが起こっている!?」
アーロン 「やべぇ、力が入らねぇ……」
フィリップ 「このやり方は……っ!」
ルーナ 「……うぐ」
(SE 仲間たちが倒れていく音)
アリア 「……私も、だめか……」
◇
ホロロコリス、稽古場。
ステラ 「……ん。……ちゃん」
ルーナ 「……んん」
ステラ 「お姉ちゃん!」
ルーナ 「……ふぇ? ステラ?」
ステラ 「もう、お姉ちゃん、私の剣術の方が上だからって気を落とさないでよー」
ルーナ 「……本当に、ステラなの?」
ステラ 「え? 泣くほど? 今のは冗談だって。ごめんて」
(SE ルーナがステラに抱きつく音)
ルーナ 「ステラ! 生きてる……っ!」
ステラ 「ちょっとお姉ちゃん!? ほんとにどうしたの!?」
ルーナ 「ステラ、ステラ……!」
ステラ 「もう~。どうしちゃったの~?」
────────────
ホロロコリス、噴水広場。
ソフィー 「ここ、どこなんでしょう」
フィリップ 「……ホロロコリス、かな? 何年ぶりかだから、ただ似てるだけかもしれないけど」
ソフィー 「え、じゃあ、目的地じゃないですか。でも、どうやって来たんですかね?」
フィリップ 「おそらくこれは……」
(SE 足音)
アリア 「────バーナードの得意とする幻術だろうね」
ソフィー 「あ、アリアさんもいたんですね」
アリア 「そこを歩いていたらキミたちを見かけたんでね」
フィリップ 「さすがアリアちゃん、分析が早いね」
アリア 「ふふ。ところで、ルーナを見ていないかい?」
ソフィー 「ルーナさんですか? 見てないです」
アリア 「そうか」
ソフィー 「ルーナさんがどうかしたんですか?」
アリア 「ここはホロロコリス、ルーナの故郷だ。この幻術が、彼女に効かないはずがない」
ソフィー 「……」
フィリップ 「それは、アリアちゃんもじゃない? 4年前の、ホロロコリスが焼け落ちたっていう事件、アリアちゃんも関係してるんでしょ? 大丈夫?」
アリア 「……この程度の幻術に後れはとらない」
フィリップ 「さっすが」
アリア 「さあ、他のみんなと合流しよう。この状況で離れているのは危険だ」
ソフィー 「あ、はい!」
フィリップ 「(小声で)ソフィーちゃん、アリアちゃんは、ああ言ってるけど、たぶん無理してるから、フォローしてあげてね」
ソフィー 「(小声で)わかりました」
アリア 「ソフィー? なにか言ったかい?」
ソフィー 「ウェッ! ナニモ!」
────────────
ホロロコリス、路地。
アーロン 「しっかし、でかい時計塔だな。こんなところからでも見えるなんて」
レオンハルト 「そうですね。あんなに大きい時計塔なんて、見たことないですよ」
アーロン 「…………はあ、それで、ここ、どこなんだ?」
レオンハルト 「すみません、わからないです……」
アーロン 「だよなあ。なんで急にこんなところに来ちまったんだ?」
レオンハルト 「すみません、覚えてないです……」
アーロン 「ってことは魔法か。早くアリアたちと合流しねえと……」
レオンハルト 「そうですね。まずは、人の多そうな場所に行きましょう」
アーロン 「……あそこ、行ってみるか」
レオンハルト 「時計塔ですか?」
アーロン 「あんなに目立つんだ。誰かしら向かっていてもおかしくないだろう」
レオンハルト 「それもそうですね。行きましょう」
◇
ホロロコリス、稽古場。
(SE 剣戟の音)
ルーナ 「ふふ、また腕を上げたんじゃない?」
ステラ 「ありがとう。でもお姉ちゃんもすごく強くなってない?」
ルーナ 「そうかしら?」
ステラ 「そうだよ。……なにかあったの~?」
ルーナ 「は、はあ!?」
(SE 刀が落ちる音)
ステラ 「ちょっとお姉ちゃん、取り乱し過ぎだって。ほんとになにかあったの?」
ルーナ 「邪推しないで。ただ……っ!」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
アーロン 「(ノイズ混じりに)……っ! 洒落くせえっ!!」
アーロン 「(ノイズ混じりに)よっしゃ、霧が消えたぜ!」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
ステラ 「ただ?」
ルーナ 「ただ……、なんて言おうと思ったのかしら」
ステラ 「え? なにそれ? 変なお姉ちゃん」
ルーナ 「ふふ、ごめん、疲れてるのかもね」
(SE 刀を拾う音)
ルーナ (今のは、なに……? 誰かの、声がしたような……?)
ルーナ 「……さ、続きをやりましょう」
ステラ 「もうお姉ちゃん、疲れてるんだったらやめようよ」
ルーナ 「……それもそうね」
(SE 納刀する音)×2
ステラ 「じゃあさ、久しぶりに銭湯に行こうよ」
ルーナ 「いいわね。最近はお互いに仕事が忙しくて、こうやって一緒に稽古するのもできなかったものね」
ステラ 「そうそう。汗を流したあとは、一緒にごはんでも行こうよ」
ルーナ 「そうね。そうしましょう」
────────────
ホロロコリス、銭湯。
(SE カポーン)
ステラ 「お姉ちゃん、洗いっこしようよ! 洗いっこ!」
ルーナ 「しない」
ステラ 「むむむ……」
ルーナ 「……!」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
ソフィー 「(ノイズ混じりに)そうだ、洗いっこしましょうよ! 洗いっこ!」
ルーナ 「(ノイズ混じりに)しない」
ソフィー 「(ノイズ混じりに)むむむ、勝った」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
ルーナ 「……なに?」
ステラ 「? お姉ちゃん?」
ルーナ 「なんでもない」
ルーナ (今度は、女の子と私の会話? それに、どこかステラに似てた)
ステラ 「そっか、じゃあ、私が秘密のバストアップ法を取り入れた、洗いテクを披露するよ!」
ルーナ 「なによそれ、効果あんの?」
ステラ 「なにをー! 私はこれを毎日やってるのだ!」
ルーナ 「じゃあ効果ないじゃない」
ステラ 「な、ななな、なにを言ってんの! 私より小さいくせに!」
ルーナ 「うっさい。へこませるわよ」
ステラ 「ひー! …………ぷふ、あははははっ!」
ルーナ 「ふふ、あははは!」
────────────
ホロロコリス、定食屋。
ルーナ 「なんか、久しぶりに来た気がする……」
ステラ 「え、先週も食べたんじゃないの? 毎週ここじゃん」
ルーナ 「そうだけど、なんかそんな気がするのよね」
ステラ 「なにそれ、変なお姉ちゃん。……あむ、ん-、美味しい」
ルーナ 「相変わらず食べるわねー」
ステラ 「お姉ちゃんはもっと食べないと、胸に栄養いかないよー?」
ルーナ 「アンタは少し控えたら? お腹に栄養いっちゃうわよ」
ステラ 「あ、禁句だよ、それ!」
ルーナ 「ふふ、はむ、……やっぱり美味しいわね。ここの焼き魚定食」
ステラ 「あ、お姉ちゃんの1口ちょうだい」
ルーナ 「もう、はい、あーん」
ステラ 「あーん。……んん、お肉を食べたあとに魚を食べる……ん-贅沢!」
ルーナ 「ほら、アンタのも1口ちょうだい。あーん」
ステラ 「えーしょうがないなー。はい」
ルーナ 「あーん、うん、肉もいけるわね」
ステラ 「でしょー。たまにはお肉も食べないとね。魚ばっか食べてると、頭が良くなり過ぎちゃうよ?」
ルーナ 「良くなり過ぎるってどういうことよ」
────────────
ホロロコリス、時計塔前。
ステラ 「ふぅ、食べた食べたー。いやーお姉ちゃんと稽古して、お風呂入って、ごはんも食べて! ほんと久しぶり!」
ルーナ 「幸せそうね」
ステラ 「うん幸せ! だってお姉ちゃんと一緒だし?」
ルーナ 「…………!」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
(SE 街が燃える音)
ルーナ 「(ノイズ混じりに)ステラ!! 目を開けて!! ステラ!!」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
ルーナ 「……そ、そんなはずない……」
ステラ 「お姉ちゃん?」
ルーナ 「だって……ステラは、ここにいるじゃない……」
ステラ 「お姉ちゃん、ほんとに今日変だよ」
ルーナ 「……私、私、なにが本当か、わからなくなって……」
(SE ステラがルーナを抱きしめる音)
ステラ 「大丈夫、私はここにいるよ」
ルーナ 「ステラ……」
ステラ 「うん、もう離れないから。私は、ずっとお姉ちゃんのそばにいるよ……!」
ルーナ 「ステラ……!」
◇
ホロロコリス、時計塔前。
アリア 「アーロン!」
アーロン 「アリア! それにソフィー、おっさん!」
レオンハルト 「よかったー、合流できましたね」
フィリップ 「さすがアリアちゃん、青年の行きそうなところわかってるねー」
ソフィー 「わ、私も! 私もここじゃないかーって思ってましたー!」
フィリップ 「張り合ってくるねー!」
アーロン 「……ルーナがいねぇな。……ってことは、ここはホロロコリスか」
アリア 「そうだ。やはり、ルーナは孤立しているか」
アーロン 「まずいことになったな……」
ソフィー 「なんとかしないと、ですね」
フィリップ 「……バーナードは、なんでこんな幻術を……」
レオンハルト 「幻術? 団長の魔法はトップクラスだと聞いていましたが、街ひとつを作り上げるなんて……」
アリア 「バーナードは、攻撃魔法に関しては天才だ。特に幻術は、旧時代の魔法にも引けを取らないだろう」
アーロン 「アリアがそこまで言うなんて、よっぽどのことなんだな」
アリア 「ああ、警戒した方がいい。この幻術の目的は、恐らく時間稼ぎだろうが、下手をすれば命を落とす」
ソフィー 「……あれ、ルーナさんじゃないですか?」
レオンハルト 「一緒にいるのは、誰でしょう?」
アリア 「あの子は……」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
ホムンクルス 「うがあああああっ!!」
ステラ 「危ない!!」
(SE 刀を振る音)
(SE 腹を刺される音)
ステラ 「がふっ! うそ……」
(SE ホムンクルスが消滅する音)
(SE ステラが倒れる音)
アリア 「え?」
ステラ 「……に、げて……っ」
アリア 「…………っ!」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
アリア 「……ルーナの、妹……、ステラ、なのか?」
ソフィー 「え、でも、妹さんは亡く……」
アリア 「ここは幻術の中だ。まずい、ルーナが囚われてしまう」
アーロン 「……っ!」
(SE アーロンが走り出す音)
アリア 「アーロン!」
ルーナ 「……!」
アーロン 「ルーナ、ここがどこだかわかってんだろ? ほら、とっとと帰るぞ」
ルーナ 「なに、どういうこと? アンタ誰なの」
アーロン 「…………!」
アリア 「遅かったか……」
ソフィー 「そんな! ルーナさん! 私です! ソフィーです!」
ルーナ 「なに? まさか、アンタたちがステラを……!」
(SE 刀を構える音)
ステラ 「……お姉ちゃん、この人たちは、私たちの敵だよ……」
ルーナ 「そのようね。ステラ、やるわよ」
ステラ 「うん」
(SE 刀を抜く音)
(SE 刀を振る音)
アーロン 「ちっ!」
(SE 剣と刀がぶつかる音)
────────────
レオンハルト 「僕も加勢します!」
ステラ 「あなた、弱そうですね……」
ステラ 「──────偃月」
(SE レオンハルトが斬られる音)
レオンハルト 「なっ、盾をすりぬけて……っ」
ソフィー 「レオくん!」
ステラ 「あなたはちょっと目障りですね」
ソフィー 「しまっ……」
(SE 刀と短刀がぶつかる音)
フィリップ 「ソフィーちゃん!」
アリア 「フィリップ、ソフィーとレオを頼んだ! 私はアーロンとともにルーナを!」
フィリップ 「了解!」
────────────
ルーナ 「私から奪わないで……!」
(SE 霧の魔法が発生する音)
アーロン 「これは……!」
アリア 「分身か……!」
アーロン 「こんなもの……っ!」
ルーナ 「させない。──────斬月」
(SE 刀を振る音)
アーロン 「ちぃっ!」
(SE 剣と刀がぶつかる音)
アリア 「アーロン!」
アーロン 「……ッ!」
(SE アーロンがルーナを突き飛ばす音)
ルーナ 「くっ……!」
アリア 「──────氷の障壁よ、彼の者を阻め、絶華氷壁」
(SE 氷魔法が発動する音)
ルーナ 「こんなもの──────二の太刀」
(SE 氷の壁が崩れる音)
アリア 「ふ、甘い。──────華よ、舞え」
(SE 氷の欠片が襲い掛かる音)
ルーナ 「……! ──────三の太刀、奥義・ツクヨミ」
(SE 水の壁が出現する音)
(SE 斬撃の音)
アリア 「なに!? くぅっ……!!」
(SE アリアが転ぶ音)
アーロン 「アリア!!」
アリア 「く……、すまない」
ルーナ 「よそ見してていいの?」
(SE 刀を振る音)
アーロン 「ちぃっ」
(SE 剣で刀を流す音)
ルーナ 「ほらほら、まだまだいくわよ!」
アーロン (……このまま戦っていてもどうしようもない。どうすれば、ルーナを正気にできる?)
アーロン (……幻術も魔法か。なら、あの力でなんとかできねえか……?)
アリア 「アーロン!」
アーロン 「……!」
(SE 剣と刀がぶつかる音)
ルーナ 「考え事? 余裕ね」
アーロン (……考えてる暇はない、か)
アリア 「アーロン? まさか……!」
アーロン 「…………!」
(SE 黒いオーラが出る音)
────────────
レオンハルト 「アーロンさんが……」
ソフィー 「レオくん、治癒術をかけている最中に動かないで」
レオンハルト 「すみません。ですが……」
ソフィー 「アーロンさん……」
フィリップ 「大丈夫」
ソフィー 「え……?」
フィリップ 「青年なら、大丈夫。アリアちゃんも、ルーナちゃんも助けてくれるから!」
ステラ 「ふふ、よそ見していていいんですかー?」
(SE 刀を振る音)
(SE フィリップがジャンプする音)
(SE 弓を射る音)×何度か
フィリップ 「残念、誘ってた」
(SE 地面に矢がぶつかって弾ける音)
(SE 煙が出る音)
ステラ 「煙幕ですか? 舐められたものですね。……そこ!」
(SE 刀を振る音)
(SE 布が斬られる音)
フィリップ 「それも残念、本物はこっち」
(SE 短刀を振る音)
フィリップ 「──────一刃・落陽」
ステラ 「しまっ……!? 腕が動かない……!?」
フィリップ 「終わりだよ」
ステラ 「腕が使えなくても……!」
(SE ブーツに仕込んでいた刃が出る音)
(SE 蹴る音)
フィリップ 「ずいぶん物騒なブーツだね」
ステラ 「剣術だけじゃないんですよ」
フィリップ 「そう──────」
(SE 蹴る音)
レオンハルト 「させません!!」
(SE 盾で弾く音)
(SE ステラが転ぶ音)
(SE 銃を突きつける音)
ソフィー 「さあ、観念してください!」
ステラ 「……っ!」
フィリップ 「──────残念、誘われちゃったね」
────────────
アリア 「あ、アーロン!!」
ルーナ 「その黒いオーラ、なんなのよ」
アーロン 「ぐふ! うう、ああっ!!」
アリア 「……! まさか、暴走してる、のか?」
アーロン 「あ、ああ、大丈夫だっ!」
ルーナ 「舐められたものね、そんな状態で戦おうなんて」
アーロン 「……!」
(SE オーラをまとった剣を振る音)
ルーナ 「なっ……!」
アーロン 「……ルーナ、戻ってこい! がはっ!」
ルーナ 「…………あ、アーロン?」
アリア 「ルーナ、抜け出せたのか」
ルーナ 「え、ええ。けど、アーロンは……」
アーロン 「ぐぐ、ぐぁああああああああっ!!」
アリア 「まずい、暴走してしまう!」
ルーナ 「まったく、目ぇ覚ませ!」
(SE 刀と剣がぶつかる音)
アーロン 「……! ふー、ふー」
(SE アーロンがルーナを突き飛ばす音)
ルーナ 「……ぅあっ! アンタね、少しはレディに優しくしなさいよ」
アーロン 「……! う■ぐぉぉっ!」
アリア 「くっ、やはり、暴走を……。アーロン……」
ルーナ 「アリア、しっかりしなさい。私がアーロンを引き戻して見せる!」
アリア 「……ルーナ、頼んでいいのか?」
ルーナ 「なによ今更。アーロンは、私にとっても仲間なのよ。任せなさい」
アリア 「ルーナ……」
ルーナ 「それじゃ──────幻月」
(SE 分身が現れる音)
ルーナ 「はぁ!」
(SE 刀を振る音)×何度か
アーロン 「……!」
ルーナ 「避けられたか。暴走してても、さすがの身のこなしね」
(SE 霧が立ち込める音)
ルーナ 「叢雲……」
アーロン 「……っ」
ルーナ 「暴走してないアンタだったら、この程度の目くらまし、どうってことなかったのにね」
ルーナ 「これで決める──────幻月乱舞奥義・風花雪月!」
(SE ド派手に切り刻む音)
アーロン 「ぐぁああああっ!!」
(SE アーロンが倒れる音)
(SE 大量の水が雨のように降り注ぐ音)
アリア 「アーロン!」
ルーナ 「気は抜かないで」
(SE 刀を突きつける音)
アーロン 「……うぅ」
アリア 「アーロン……。よかった、息はあるようだ」
ルーナ 「……」
ソフィー 「アーロンさん!」
アリア 「ソフィー、ステラはどうした?」
フィリップ 「それなら大丈夫。あっちで伸びてるよ」
アリア 「そうか」
レオンハルト 「アーロンさんは大丈夫なんですか?」
ルーナ 「息はあるみたい」
ソフィー 「よかった……」
アーロン 「……うぅ」
ルーナ 「……!!」
アリア 「アーロン!」
アーロン 「……痛つつ……。はっ、ルーナは!?」
ルーナ 「無事よ。というか、今は自分のことを心配しなさいよ」
(SE でこぴんする音)
アーロン 「痛った! なにすんだよ」
ルーナ 「ふ、ふん、アンタ、なに勝手に暴走してんのよ」
アーロン 「悪い、ルーナを正気に戻すには、あれしかないと思って必死だった」
ルーナ 「……! へ、へぇ、必死になってくれたんだ……」
アーロン 「なんだよ、急にしおらしくして」
ルーナ 「は、はあっ!?」
アーロン 「第一、必死になんないと、あんたみたいな戦闘バカは止められないからな」
ルーナ 「……! もういっぺん寝てろ!」
(SE 殴る音)
アーロン 「なんでだぶぉっ!」
アリア 「…………」
フィリップ 「どうしたの、アリアちゃん、嫉妬?」
アリア 「違う。……ルーナが正気に戻ったのに、幻術が解除されていない」
フィリップ 「それは確かに」
アリア 「ルーナが幻術を解く鍵じゃないとしたら……。あ」
フィリップ 「ステラちゃん、か」
ルーナ 「ステラがどうかしたの?」
アリア 「それは……」
アーロン 「この幻術を解く鍵は、ステラらしい」
アリア 「アーロン」
ルーナ 「……やっぱりね」
(SE ルーナが歩いていく音)
(SE 刀を抜く音)
ステラ 「……うぅ、お姉ちゃん?」
ルーナ 「…………」
(SE 刀を強く握る音)(SE 刀が震える音)
ステラ 「どうしたの……? もしかして、気づいちゃった?」
ルーナ 「ええ」
ステラ 「そっか」
ルーナ 「……ごめん」
(SE 刀を振る音)
アリア 「ルーナ……」
ルーナ 「アーロン、ステラが鍵だって言ってくれてありがとう」
アーロン 「…………」
ルーナ 「おかげで、夢から覚めることができたわ」
(SE 幻術が解ける音)
◇
ホロロコリス、時計塔跡地。
ソフィー 「……ん、幻術が解けたみたいですね」
フィリップ 「うーん、頭が痛いね」
アーロン 「痛つつ、いつの間にこんなところに来ちまったんだ?」
レオンハルト 「……現実に、戻ってきたみたいですね」
ルーナ 「……うぅ、ここは……。はっ」
アリア 「まさか、ホロロコリス……?」
(SE 足音)
アーロン 「……! あんたは……」
バーナード 「……久しいな、ウルフィリア・レインフォルス」
フィリップ 「その名は捨てた」
レオンハルト 「ウルフィリア……? あの、騎士団創設以来の天才と名高いかつてのバーナード隊副隊長……」
ルーナ 「おっさん、そんな凄い人だったの? 副隊長やってたとは聞いてたけど……」
レオンハルト 「それはもう! ……と、そんなことを言っている場合じゃなかった」
バーナード 「おや、レオンハルト小隊長、このような場所でなにを?」
レオンハルト 「……極秘任務中です」
バーナード 「極秘? 騎士団長である私が知らない任務があるとはな」
アーロン 「ま、ときにはそういうのも必要なんじゃねぇの? 例えば、その組織の頭が何か悪さしてないか、調査したりな」
バーナード 「相変わらず口が減らないな。アリア、飼い犬はよく躾けておいた方がいい」
アリア 「…………」
ルーナ 「はあ、それで、騎士団長の目的はなに? 私たちをここまで連れてきた理由は?」
バーナード 「……お前たちは、何も知らないのだな」
アーロン 「話にならねえな」
(SE 剣を構える音)
バーナード 「ほう、この私と剣を交えようと言うのか」
アーロン 「話す気がないんだろ? だったら、剣しかないだろう」
バーナード 「いいだろう。全員でかかってくるといい」
ルーナ 「へえ、言うじゃない」
フィリップ 「望むところだ」
ソフィー 「気が乗らないですけど、やるしかないみたいですね」
レオンハルト 「騎士団長、あなたの目的はいったい……」
アリア 「…………」
アーロン 「行くぞ!」
アリア 「──────氷の槍よ」
(SE 氷の槍が射出される音)
バーナード 「呆れるな。ふんっ……!」
(SE 剣を振る音)
(SE 氷が砕ける音)
アーロン 「はあっ! 偽・燕返し!!」
(SE 剣を振る音)
バーナード 「そんな紛い物の技で……」
バーナード 「穿竜破……!」
(SE 炎の波動が迸る音)(SE 打撃音)
アーロン 「がふっ!」
(SE アーロンが倒れる音)
レオンハルト 「アーロンさんが、あんなにあっさりと……」
ソフィー 「よくもアーロンさんを!!」
(SE 銃声)
(SE 銃弾を剣ではじく音)
バーナード 「皇女殿下、少々おいたが過ぎますよ」
ソフィー 「うそ……」
バーナード 「竜炎!」
(SE 剣を地面に突き刺す音)
(SE 火柱が上がる音)
ソフィー 「きゃあああっ!!」
(SE ソフィーが倒れる音)
レオンハルト 「殿下っ!」
ルーナ 「叢雲……」
(SE 霧が立ち込める音)
バーナード 「目くらましなど……。はあっ!!」
(SE 剣を大きく振る音)
ルーナ 「ちっ、だけど──────幻月」
(SE 分身が出現する音)
ルーナ 「幻月乱舞奥義・風化雪月!」
(SE ド派手に切り刻む音)
(SE 水が蒸発する音)
ルーナ 「なっ、効いてない……!?」
バーナード 「獅子竜炎吼!」
(SE 剣を地面に叩きつける音)(SE 爆発音)
ルーナ 「ぐああっ!」
(SE ルーナが倒れる音)
レオンハルト 「ルーナさん!!」
フィリップ 「……一の刃・落陽」
(SE 短刀を振る音)
バーナード 「……くっ」
フィリップ 「二の刃・宵闇」
(SE 闇魔法が発動する音)
バーナード 「ほう……。いまだにあの女を……」
フィリップ 「……ッ」
バーナード 「──────天地鳴動……!」
(SE 大地が隆起する音)(SE 雷が落ちる音)
フィリップ 「ぐああああっ!!」
(SE フィリップが吹き飛ぶ音)
レオンハルト 「フィリップさんまで……?」
アリア 「──────雷よ、喰らいつくせ、雷竜の顎!」
(SE 雷魔法が発動する音)
バーナード 「……竜炎陣!」
(SE 剣を地面に突き刺す音)
(SE 炎の壁が吹き出る音)
アリア 「なに?!」
バーナード 「穿竜破!」
(SE 炎の波動が迸る音)(SE 打撃音)
アリア 「かはっ!」
(SE アリアが倒れる音)
アーロン 「……ぐっ、アリアぁ!!」
(SE 黒いオーラを纏う音)
バーナード 「ようやくか……」
アーロン 「…………!」
バーナード 「まだその力を手なずけていないようだな……」
アーロン 「は■あ■あっ!!」
(SE オーラを纏った剣を振る音)
バーナード 「なるほど、半暴走状態といったところか。だが──────」
バーナード 「──────獅子竜炎吼!」
(SE 剣を地面に叩きつける音)(SE 爆発音)
アーロン 「…………ッ!!」
バーナード 「穿竜破!」
(SE 炎の波動が迸る音)(SE 打撃音)
アーロン 「がはっ!!」
(SE アーロンが倒れる音)
バーナード 「まだだったか……。ん?」
レオンハルト 「……だめだ、おしまいだ……。僕じゃ、勝てない……っ」
バーナード 「情けない……」
レオンハルト 「……みんな、やられてしまった」
バーナード 「もういい、死ね」
(SE 剣を振りかざす音)
レオンハルト 「うわああああっ!!」
つづく
アーロン・ストライフ:魔法使いの助手兼用心棒をやっている青年。21歳。
ソフィー:元ハルモニア帝国第2皇女だった少女。18歳。
フィリップ・ベルナルド:元帝国騎士団所属だった鳥使いの男性。32歳。
ルーナ:ハルモニア帝国第4皇子の側近をしている女性。20歳。
レオンハルト・ハイデルバッハ:帝国騎士団小隊長を務める青年。19歳。
バーナード・メイザース:ハルモニア帝国騎士団団長を務める男。42歳。
ステラ:ルーナの妹。18歳。
ホロロコリスへ続く道。
ルーナ 「……思わぬ里帰りね」
アリア 「あれから4年、か」
ルーナ 「お互い、あの事件に人生を狂わされたのよね」
アリア 「……私に関しては、それが引き金となっただけで、いずれ狂っていたと思うけどね」
ルーナ 「もう、そこは素直に同意しときなさいよ」
アリア 「ふふ、すまない、性分でね」
ルーナ 「まあいいわ」
ソフィー 「なんだかんだ、仲良いですよねー」
ルーナ 「ふん、別に」
フィリップ 「……なんか、霧が深くなってきたね」
アリア 「ホロロコリス周辺は、霧が発生しやすいんだったかな?」
ソフィー 「へぇー、さすがアリアさん、物知りですね」
ルーナ 「確かにこの辺は、霧が発生しやすいけど、この時間帯に霧なんて……」
アーロン 「まあなんにせよ、この霧の中動くのは危険だ。少し休憩しようぜ」
レオンハルト 「そうですね。近くから川の流れる音もしますし」
フィリップ 「いいね、賛成」
アリア 「時間の方は、大丈夫なのかい?」
レオンハルト 「明日の内に到着できれば大丈夫です」
ソフィー 「そうなんですね。……ふぁ~あ」
アーロン 「眠そうだな、ソフィー」
ソフィー 「やはは、ちょっと眠いです……」
ルーナ 「しっかりしなさいよ。まだ昼過ぎじゃない……。ふぁあ」
アリア 「そういうキミも、眠そうじゃないか。はふ……」
アーロン 「おいおい、コントでもやってんのかよ……ふああ」
フィリップ 「青年、それ天丼……」
ソフィー 「……うぅ」
(SE ソフィーが倒れる音)
レオンハルト 「殿下! ……うっ」
(SE レオンハルトが倒れる音)
アリア 「なに? なにが起こっている!?」
アーロン 「やべぇ、力が入らねぇ……」
フィリップ 「このやり方は……っ!」
ルーナ 「……うぐ」
(SE 仲間たちが倒れていく音)
アリア 「……私も、だめか……」
◇
ホロロコリス、稽古場。
ステラ 「……ん。……ちゃん」
ルーナ 「……んん」
ステラ 「お姉ちゃん!」
ルーナ 「……ふぇ? ステラ?」
ステラ 「もう、お姉ちゃん、私の剣術の方が上だからって気を落とさないでよー」
ルーナ 「……本当に、ステラなの?」
ステラ 「え? 泣くほど? 今のは冗談だって。ごめんて」
(SE ルーナがステラに抱きつく音)
ルーナ 「ステラ! 生きてる……っ!」
ステラ 「ちょっとお姉ちゃん!? ほんとにどうしたの!?」
ルーナ 「ステラ、ステラ……!」
ステラ 「もう~。どうしちゃったの~?」
────────────
ホロロコリス、噴水広場。
ソフィー 「ここ、どこなんでしょう」
フィリップ 「……ホロロコリス、かな? 何年ぶりかだから、ただ似てるだけかもしれないけど」
ソフィー 「え、じゃあ、目的地じゃないですか。でも、どうやって来たんですかね?」
フィリップ 「おそらくこれは……」
(SE 足音)
アリア 「────バーナードの得意とする幻術だろうね」
ソフィー 「あ、アリアさんもいたんですね」
アリア 「そこを歩いていたらキミたちを見かけたんでね」
フィリップ 「さすがアリアちゃん、分析が早いね」
アリア 「ふふ。ところで、ルーナを見ていないかい?」
ソフィー 「ルーナさんですか? 見てないです」
アリア 「そうか」
ソフィー 「ルーナさんがどうかしたんですか?」
アリア 「ここはホロロコリス、ルーナの故郷だ。この幻術が、彼女に効かないはずがない」
ソフィー 「……」
フィリップ 「それは、アリアちゃんもじゃない? 4年前の、ホロロコリスが焼け落ちたっていう事件、アリアちゃんも関係してるんでしょ? 大丈夫?」
アリア 「……この程度の幻術に後れはとらない」
フィリップ 「さっすが」
アリア 「さあ、他のみんなと合流しよう。この状況で離れているのは危険だ」
ソフィー 「あ、はい!」
フィリップ 「(小声で)ソフィーちゃん、アリアちゃんは、ああ言ってるけど、たぶん無理してるから、フォローしてあげてね」
ソフィー 「(小声で)わかりました」
アリア 「ソフィー? なにか言ったかい?」
ソフィー 「ウェッ! ナニモ!」
────────────
ホロロコリス、路地。
アーロン 「しっかし、でかい時計塔だな。こんなところからでも見えるなんて」
レオンハルト 「そうですね。あんなに大きい時計塔なんて、見たことないですよ」
アーロン 「…………はあ、それで、ここ、どこなんだ?」
レオンハルト 「すみません、わからないです……」
アーロン 「だよなあ。なんで急にこんなところに来ちまったんだ?」
レオンハルト 「すみません、覚えてないです……」
アーロン 「ってことは魔法か。早くアリアたちと合流しねえと……」
レオンハルト 「そうですね。まずは、人の多そうな場所に行きましょう」
アーロン 「……あそこ、行ってみるか」
レオンハルト 「時計塔ですか?」
アーロン 「あんなに目立つんだ。誰かしら向かっていてもおかしくないだろう」
レオンハルト 「それもそうですね。行きましょう」
◇
ホロロコリス、稽古場。
(SE 剣戟の音)
ルーナ 「ふふ、また腕を上げたんじゃない?」
ステラ 「ありがとう。でもお姉ちゃんもすごく強くなってない?」
ルーナ 「そうかしら?」
ステラ 「そうだよ。……なにかあったの~?」
ルーナ 「は、はあ!?」
(SE 刀が落ちる音)
ステラ 「ちょっとお姉ちゃん、取り乱し過ぎだって。ほんとになにかあったの?」
ルーナ 「邪推しないで。ただ……っ!」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
アーロン 「(ノイズ混じりに)……っ! 洒落くせえっ!!」
アーロン 「(ノイズ混じりに)よっしゃ、霧が消えたぜ!」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
ステラ 「ただ?」
ルーナ 「ただ……、なんて言おうと思ったのかしら」
ステラ 「え? なにそれ? 変なお姉ちゃん」
ルーナ 「ふふ、ごめん、疲れてるのかもね」
(SE 刀を拾う音)
ルーナ (今のは、なに……? 誰かの、声がしたような……?)
ルーナ 「……さ、続きをやりましょう」
ステラ 「もうお姉ちゃん、疲れてるんだったらやめようよ」
ルーナ 「……それもそうね」
(SE 納刀する音)×2
ステラ 「じゃあさ、久しぶりに銭湯に行こうよ」
ルーナ 「いいわね。最近はお互いに仕事が忙しくて、こうやって一緒に稽古するのもできなかったものね」
ステラ 「そうそう。汗を流したあとは、一緒にごはんでも行こうよ」
ルーナ 「そうね。そうしましょう」
────────────
ホロロコリス、銭湯。
(SE カポーン)
ステラ 「お姉ちゃん、洗いっこしようよ! 洗いっこ!」
ルーナ 「しない」
ステラ 「むむむ……」
ルーナ 「……!」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
ソフィー 「(ノイズ混じりに)そうだ、洗いっこしましょうよ! 洗いっこ!」
ルーナ 「(ノイズ混じりに)しない」
ソフィー 「(ノイズ混じりに)むむむ、勝った」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
ルーナ 「……なに?」
ステラ 「? お姉ちゃん?」
ルーナ 「なんでもない」
ルーナ (今度は、女の子と私の会話? それに、どこかステラに似てた)
ステラ 「そっか、じゃあ、私が秘密のバストアップ法を取り入れた、洗いテクを披露するよ!」
ルーナ 「なによそれ、効果あんの?」
ステラ 「なにをー! 私はこれを毎日やってるのだ!」
ルーナ 「じゃあ効果ないじゃない」
ステラ 「な、ななな、なにを言ってんの! 私より小さいくせに!」
ルーナ 「うっさい。へこませるわよ」
ステラ 「ひー! …………ぷふ、あははははっ!」
ルーナ 「ふふ、あははは!」
────────────
ホロロコリス、定食屋。
ルーナ 「なんか、久しぶりに来た気がする……」
ステラ 「え、先週も食べたんじゃないの? 毎週ここじゃん」
ルーナ 「そうだけど、なんかそんな気がするのよね」
ステラ 「なにそれ、変なお姉ちゃん。……あむ、ん-、美味しい」
ルーナ 「相変わらず食べるわねー」
ステラ 「お姉ちゃんはもっと食べないと、胸に栄養いかないよー?」
ルーナ 「アンタは少し控えたら? お腹に栄養いっちゃうわよ」
ステラ 「あ、禁句だよ、それ!」
ルーナ 「ふふ、はむ、……やっぱり美味しいわね。ここの焼き魚定食」
ステラ 「あ、お姉ちゃんの1口ちょうだい」
ルーナ 「もう、はい、あーん」
ステラ 「あーん。……んん、お肉を食べたあとに魚を食べる……ん-贅沢!」
ルーナ 「ほら、アンタのも1口ちょうだい。あーん」
ステラ 「えーしょうがないなー。はい」
ルーナ 「あーん、うん、肉もいけるわね」
ステラ 「でしょー。たまにはお肉も食べないとね。魚ばっか食べてると、頭が良くなり過ぎちゃうよ?」
ルーナ 「良くなり過ぎるってどういうことよ」
────────────
ホロロコリス、時計塔前。
ステラ 「ふぅ、食べた食べたー。いやーお姉ちゃんと稽古して、お風呂入って、ごはんも食べて! ほんと久しぶり!」
ルーナ 「幸せそうね」
ステラ 「うん幸せ! だってお姉ちゃんと一緒だし?」
ルーナ 「…………!」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
(SE 街が燃える音)
ルーナ 「(ノイズ混じりに)ステラ!! 目を開けて!! ステラ!!」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
ルーナ 「……そ、そんなはずない……」
ステラ 「お姉ちゃん?」
ルーナ 「だって……ステラは、ここにいるじゃない……」
ステラ 「お姉ちゃん、ほんとに今日変だよ」
ルーナ 「……私、私、なにが本当か、わからなくなって……」
(SE ステラがルーナを抱きしめる音)
ステラ 「大丈夫、私はここにいるよ」
ルーナ 「ステラ……」
ステラ 「うん、もう離れないから。私は、ずっとお姉ちゃんのそばにいるよ……!」
ルーナ 「ステラ……!」
◇
ホロロコリス、時計塔前。
アリア 「アーロン!」
アーロン 「アリア! それにソフィー、おっさん!」
レオンハルト 「よかったー、合流できましたね」
フィリップ 「さすがアリアちゃん、青年の行きそうなところわかってるねー」
ソフィー 「わ、私も! 私もここじゃないかーって思ってましたー!」
フィリップ 「張り合ってくるねー!」
アーロン 「……ルーナがいねぇな。……ってことは、ここはホロロコリスか」
アリア 「そうだ。やはり、ルーナは孤立しているか」
アーロン 「まずいことになったな……」
ソフィー 「なんとかしないと、ですね」
フィリップ 「……バーナードは、なんでこんな幻術を……」
レオンハルト 「幻術? 団長の魔法はトップクラスだと聞いていましたが、街ひとつを作り上げるなんて……」
アリア 「バーナードは、攻撃魔法に関しては天才だ。特に幻術は、旧時代の魔法にも引けを取らないだろう」
アーロン 「アリアがそこまで言うなんて、よっぽどのことなんだな」
アリア 「ああ、警戒した方がいい。この幻術の目的は、恐らく時間稼ぎだろうが、下手をすれば命を落とす」
ソフィー 「……あれ、ルーナさんじゃないですか?」
レオンハルト 「一緒にいるのは、誰でしょう?」
アリア 「あの子は……」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
ホムンクルス 「うがあああああっ!!」
ステラ 「危ない!!」
(SE 刀を振る音)
(SE 腹を刺される音)
ステラ 「がふっ! うそ……」
(SE ホムンクルスが消滅する音)
(SE ステラが倒れる音)
アリア 「え?」
ステラ 「……に、げて……っ」
アリア 「…………っ!」
(SE ザザッという砂嵐のような音)
アリア 「……ルーナの、妹……、ステラ、なのか?」
ソフィー 「え、でも、妹さんは亡く……」
アリア 「ここは幻術の中だ。まずい、ルーナが囚われてしまう」
アーロン 「……っ!」
(SE アーロンが走り出す音)
アリア 「アーロン!」
ルーナ 「……!」
アーロン 「ルーナ、ここがどこだかわかってんだろ? ほら、とっとと帰るぞ」
ルーナ 「なに、どういうこと? アンタ誰なの」
アーロン 「…………!」
アリア 「遅かったか……」
ソフィー 「そんな! ルーナさん! 私です! ソフィーです!」
ルーナ 「なに? まさか、アンタたちがステラを……!」
(SE 刀を構える音)
ステラ 「……お姉ちゃん、この人たちは、私たちの敵だよ……」
ルーナ 「そのようね。ステラ、やるわよ」
ステラ 「うん」
(SE 刀を抜く音)
(SE 刀を振る音)
アーロン 「ちっ!」
(SE 剣と刀がぶつかる音)
────────────
レオンハルト 「僕も加勢します!」
ステラ 「あなた、弱そうですね……」
ステラ 「──────偃月」
(SE レオンハルトが斬られる音)
レオンハルト 「なっ、盾をすりぬけて……っ」
ソフィー 「レオくん!」
ステラ 「あなたはちょっと目障りですね」
ソフィー 「しまっ……」
(SE 刀と短刀がぶつかる音)
フィリップ 「ソフィーちゃん!」
アリア 「フィリップ、ソフィーとレオを頼んだ! 私はアーロンとともにルーナを!」
フィリップ 「了解!」
────────────
ルーナ 「私から奪わないで……!」
(SE 霧の魔法が発生する音)
アーロン 「これは……!」
アリア 「分身か……!」
アーロン 「こんなもの……っ!」
ルーナ 「させない。──────斬月」
(SE 刀を振る音)
アーロン 「ちぃっ!」
(SE 剣と刀がぶつかる音)
アリア 「アーロン!」
アーロン 「……ッ!」
(SE アーロンがルーナを突き飛ばす音)
ルーナ 「くっ……!」
アリア 「──────氷の障壁よ、彼の者を阻め、絶華氷壁」
(SE 氷魔法が発動する音)
ルーナ 「こんなもの──────二の太刀」
(SE 氷の壁が崩れる音)
アリア 「ふ、甘い。──────華よ、舞え」
(SE 氷の欠片が襲い掛かる音)
ルーナ 「……! ──────三の太刀、奥義・ツクヨミ」
(SE 水の壁が出現する音)
(SE 斬撃の音)
アリア 「なに!? くぅっ……!!」
(SE アリアが転ぶ音)
アーロン 「アリア!!」
アリア 「く……、すまない」
ルーナ 「よそ見してていいの?」
(SE 刀を振る音)
アーロン 「ちぃっ」
(SE 剣で刀を流す音)
ルーナ 「ほらほら、まだまだいくわよ!」
アーロン (……このまま戦っていてもどうしようもない。どうすれば、ルーナを正気にできる?)
アーロン (……幻術も魔法か。なら、あの力でなんとかできねえか……?)
アリア 「アーロン!」
アーロン 「……!」
(SE 剣と刀がぶつかる音)
ルーナ 「考え事? 余裕ね」
アーロン (……考えてる暇はない、か)
アリア 「アーロン? まさか……!」
アーロン 「…………!」
(SE 黒いオーラが出る音)
────────────
レオンハルト 「アーロンさんが……」
ソフィー 「レオくん、治癒術をかけている最中に動かないで」
レオンハルト 「すみません。ですが……」
ソフィー 「アーロンさん……」
フィリップ 「大丈夫」
ソフィー 「え……?」
フィリップ 「青年なら、大丈夫。アリアちゃんも、ルーナちゃんも助けてくれるから!」
ステラ 「ふふ、よそ見していていいんですかー?」
(SE 刀を振る音)
(SE フィリップがジャンプする音)
(SE 弓を射る音)×何度か
フィリップ 「残念、誘ってた」
(SE 地面に矢がぶつかって弾ける音)
(SE 煙が出る音)
ステラ 「煙幕ですか? 舐められたものですね。……そこ!」
(SE 刀を振る音)
(SE 布が斬られる音)
フィリップ 「それも残念、本物はこっち」
(SE 短刀を振る音)
フィリップ 「──────一刃・落陽」
ステラ 「しまっ……!? 腕が動かない……!?」
フィリップ 「終わりだよ」
ステラ 「腕が使えなくても……!」
(SE ブーツに仕込んでいた刃が出る音)
(SE 蹴る音)
フィリップ 「ずいぶん物騒なブーツだね」
ステラ 「剣術だけじゃないんですよ」
フィリップ 「そう──────」
(SE 蹴る音)
レオンハルト 「させません!!」
(SE 盾で弾く音)
(SE ステラが転ぶ音)
(SE 銃を突きつける音)
ソフィー 「さあ、観念してください!」
ステラ 「……っ!」
フィリップ 「──────残念、誘われちゃったね」
────────────
アリア 「あ、アーロン!!」
ルーナ 「その黒いオーラ、なんなのよ」
アーロン 「ぐふ! うう、ああっ!!」
アリア 「……! まさか、暴走してる、のか?」
アーロン 「あ、ああ、大丈夫だっ!」
ルーナ 「舐められたものね、そんな状態で戦おうなんて」
アーロン 「……!」
(SE オーラをまとった剣を振る音)
ルーナ 「なっ……!」
アーロン 「……ルーナ、戻ってこい! がはっ!」
ルーナ 「…………あ、アーロン?」
アリア 「ルーナ、抜け出せたのか」
ルーナ 「え、ええ。けど、アーロンは……」
アーロン 「ぐぐ、ぐぁああああああああっ!!」
アリア 「まずい、暴走してしまう!」
ルーナ 「まったく、目ぇ覚ませ!」
(SE 刀と剣がぶつかる音)
アーロン 「……! ふー、ふー」
(SE アーロンがルーナを突き飛ばす音)
ルーナ 「……ぅあっ! アンタね、少しはレディに優しくしなさいよ」
アーロン 「……! う■ぐぉぉっ!」
アリア 「くっ、やはり、暴走を……。アーロン……」
ルーナ 「アリア、しっかりしなさい。私がアーロンを引き戻して見せる!」
アリア 「……ルーナ、頼んでいいのか?」
ルーナ 「なによ今更。アーロンは、私にとっても仲間なのよ。任せなさい」
アリア 「ルーナ……」
ルーナ 「それじゃ──────幻月」
(SE 分身が現れる音)
ルーナ 「はぁ!」
(SE 刀を振る音)×何度か
アーロン 「……!」
ルーナ 「避けられたか。暴走してても、さすがの身のこなしね」
(SE 霧が立ち込める音)
ルーナ 「叢雲……」
アーロン 「……っ」
ルーナ 「暴走してないアンタだったら、この程度の目くらまし、どうってことなかったのにね」
ルーナ 「これで決める──────幻月乱舞奥義・風花雪月!」
(SE ド派手に切り刻む音)
アーロン 「ぐぁああああっ!!」
(SE アーロンが倒れる音)
(SE 大量の水が雨のように降り注ぐ音)
アリア 「アーロン!」
ルーナ 「気は抜かないで」
(SE 刀を突きつける音)
アーロン 「……うぅ」
アリア 「アーロン……。よかった、息はあるようだ」
ルーナ 「……」
ソフィー 「アーロンさん!」
アリア 「ソフィー、ステラはどうした?」
フィリップ 「それなら大丈夫。あっちで伸びてるよ」
アリア 「そうか」
レオンハルト 「アーロンさんは大丈夫なんですか?」
ルーナ 「息はあるみたい」
ソフィー 「よかった……」
アーロン 「……うぅ」
ルーナ 「……!!」
アリア 「アーロン!」
アーロン 「……痛つつ……。はっ、ルーナは!?」
ルーナ 「無事よ。というか、今は自分のことを心配しなさいよ」
(SE でこぴんする音)
アーロン 「痛った! なにすんだよ」
ルーナ 「ふ、ふん、アンタ、なに勝手に暴走してんのよ」
アーロン 「悪い、ルーナを正気に戻すには、あれしかないと思って必死だった」
ルーナ 「……! へ、へぇ、必死になってくれたんだ……」
アーロン 「なんだよ、急にしおらしくして」
ルーナ 「は、はあっ!?」
アーロン 「第一、必死になんないと、あんたみたいな戦闘バカは止められないからな」
ルーナ 「……! もういっぺん寝てろ!」
(SE 殴る音)
アーロン 「なんでだぶぉっ!」
アリア 「…………」
フィリップ 「どうしたの、アリアちゃん、嫉妬?」
アリア 「違う。……ルーナが正気に戻ったのに、幻術が解除されていない」
フィリップ 「それは確かに」
アリア 「ルーナが幻術を解く鍵じゃないとしたら……。あ」
フィリップ 「ステラちゃん、か」
ルーナ 「ステラがどうかしたの?」
アリア 「それは……」
アーロン 「この幻術を解く鍵は、ステラらしい」
アリア 「アーロン」
ルーナ 「……やっぱりね」
(SE ルーナが歩いていく音)
(SE 刀を抜く音)
ステラ 「……うぅ、お姉ちゃん?」
ルーナ 「…………」
(SE 刀を強く握る音)(SE 刀が震える音)
ステラ 「どうしたの……? もしかして、気づいちゃった?」
ルーナ 「ええ」
ステラ 「そっか」
ルーナ 「……ごめん」
(SE 刀を振る音)
アリア 「ルーナ……」
ルーナ 「アーロン、ステラが鍵だって言ってくれてありがとう」
アーロン 「…………」
ルーナ 「おかげで、夢から覚めることができたわ」
(SE 幻術が解ける音)
◇
ホロロコリス、時計塔跡地。
ソフィー 「……ん、幻術が解けたみたいですね」
フィリップ 「うーん、頭が痛いね」
アーロン 「痛つつ、いつの間にこんなところに来ちまったんだ?」
レオンハルト 「……現実に、戻ってきたみたいですね」
ルーナ 「……うぅ、ここは……。はっ」
アリア 「まさか、ホロロコリス……?」
(SE 足音)
アーロン 「……! あんたは……」
バーナード 「……久しいな、ウルフィリア・レインフォルス」
フィリップ 「その名は捨てた」
レオンハルト 「ウルフィリア……? あの、騎士団創設以来の天才と名高いかつてのバーナード隊副隊長……」
ルーナ 「おっさん、そんな凄い人だったの? 副隊長やってたとは聞いてたけど……」
レオンハルト 「それはもう! ……と、そんなことを言っている場合じゃなかった」
バーナード 「おや、レオンハルト小隊長、このような場所でなにを?」
レオンハルト 「……極秘任務中です」
バーナード 「極秘? 騎士団長である私が知らない任務があるとはな」
アーロン 「ま、ときにはそういうのも必要なんじゃねぇの? 例えば、その組織の頭が何か悪さしてないか、調査したりな」
バーナード 「相変わらず口が減らないな。アリア、飼い犬はよく躾けておいた方がいい」
アリア 「…………」
ルーナ 「はあ、それで、騎士団長の目的はなに? 私たちをここまで連れてきた理由は?」
バーナード 「……お前たちは、何も知らないのだな」
アーロン 「話にならねえな」
(SE 剣を構える音)
バーナード 「ほう、この私と剣を交えようと言うのか」
アーロン 「話す気がないんだろ? だったら、剣しかないだろう」
バーナード 「いいだろう。全員でかかってくるといい」
ルーナ 「へえ、言うじゃない」
フィリップ 「望むところだ」
ソフィー 「気が乗らないですけど、やるしかないみたいですね」
レオンハルト 「騎士団長、あなたの目的はいったい……」
アリア 「…………」
アーロン 「行くぞ!」
アリア 「──────氷の槍よ」
(SE 氷の槍が射出される音)
バーナード 「呆れるな。ふんっ……!」
(SE 剣を振る音)
(SE 氷が砕ける音)
アーロン 「はあっ! 偽・燕返し!!」
(SE 剣を振る音)
バーナード 「そんな紛い物の技で……」
バーナード 「穿竜破……!」
(SE 炎の波動が迸る音)(SE 打撃音)
アーロン 「がふっ!」
(SE アーロンが倒れる音)
レオンハルト 「アーロンさんが、あんなにあっさりと……」
ソフィー 「よくもアーロンさんを!!」
(SE 銃声)
(SE 銃弾を剣ではじく音)
バーナード 「皇女殿下、少々おいたが過ぎますよ」
ソフィー 「うそ……」
バーナード 「竜炎!」
(SE 剣を地面に突き刺す音)
(SE 火柱が上がる音)
ソフィー 「きゃあああっ!!」
(SE ソフィーが倒れる音)
レオンハルト 「殿下っ!」
ルーナ 「叢雲……」
(SE 霧が立ち込める音)
バーナード 「目くらましなど……。はあっ!!」
(SE 剣を大きく振る音)
ルーナ 「ちっ、だけど──────幻月」
(SE 分身が出現する音)
ルーナ 「幻月乱舞奥義・風化雪月!」
(SE ド派手に切り刻む音)
(SE 水が蒸発する音)
ルーナ 「なっ、効いてない……!?」
バーナード 「獅子竜炎吼!」
(SE 剣を地面に叩きつける音)(SE 爆発音)
ルーナ 「ぐああっ!」
(SE ルーナが倒れる音)
レオンハルト 「ルーナさん!!」
フィリップ 「……一の刃・落陽」
(SE 短刀を振る音)
バーナード 「……くっ」
フィリップ 「二の刃・宵闇」
(SE 闇魔法が発動する音)
バーナード 「ほう……。いまだにあの女を……」
フィリップ 「……ッ」
バーナード 「──────天地鳴動……!」
(SE 大地が隆起する音)(SE 雷が落ちる音)
フィリップ 「ぐああああっ!!」
(SE フィリップが吹き飛ぶ音)
レオンハルト 「フィリップさんまで……?」
アリア 「──────雷よ、喰らいつくせ、雷竜の顎!」
(SE 雷魔法が発動する音)
バーナード 「……竜炎陣!」
(SE 剣を地面に突き刺す音)
(SE 炎の壁が吹き出る音)
アリア 「なに?!」
バーナード 「穿竜破!」
(SE 炎の波動が迸る音)(SE 打撃音)
アリア 「かはっ!」
(SE アリアが倒れる音)
アーロン 「……ぐっ、アリアぁ!!」
(SE 黒いオーラを纏う音)
バーナード 「ようやくか……」
アーロン 「…………!」
バーナード 「まだその力を手なずけていないようだな……」
アーロン 「は■あ■あっ!!」
(SE オーラを纏った剣を振る音)
バーナード 「なるほど、半暴走状態といったところか。だが──────」
バーナード 「──────獅子竜炎吼!」
(SE 剣を地面に叩きつける音)(SE 爆発音)
アーロン 「…………ッ!!」
バーナード 「穿竜破!」
(SE 炎の波動が迸る音)(SE 打撃音)
アーロン 「がはっ!!」
(SE アーロンが倒れる音)
バーナード 「まだだったか……。ん?」
レオンハルト 「……だめだ、おしまいだ……。僕じゃ、勝てない……っ」
バーナード 「情けない……」
レオンハルト 「……みんな、やられてしまった」
バーナード 「もういい、死ね」
(SE 剣を振りかざす音)
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つづく
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「俺、前から思ってたんです。
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秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
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