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Ⅱ 騎士団の陰謀
第18話 帝国騎士団参謀
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アリア・エインズワース:帝都のはずれにある森で店を営んでいる魔女。21歳。
アーロン・ストライフ:魔法使いの助手兼用心棒をやっている青年。21歳。
ソフィー:元ハルモニア帝国第2皇女だった少女。18歳。
フィリップ・ベルナルド:元帝国騎士団所属だった鳥使いの男性。本名はウルフィリア・レインフォルス。32歳。
ルーナ:ハルモニア帝国第4皇子の側近をしている女性。20歳。
レオンハルト・ハイデルバッハ:帝国騎士団小隊長を務める青年。19歳。
ハミルトン・レイ:帝国騎士団参謀を務める男。32歳。
翌日。ホロロコリス、噴水広場跡地。
ソフィー 「昨日は、あんなにホムンクルスがいたのに、今日は見当たりませんね」
レオンハルト 「そうですね。それっぽい人影もありませんよ」
フィリップ 「なんか不気味ねぇ~」
ルーナ 「嵐の前の静けさって感じ? 冗談は顔だけにしなさいよ、おっさん」
フィリップ 「ルーナちゃ~ん」
アーロン 「だけど、妙に静かなのは確かだな」
アリア 「恐らくだが、バーナードは時計塔にいるだろう。ホムンクルスをそこに集めて、な」
ルーナ 「それって、まさか……」
アリア 「何をする気かは知らないが、大量の魔力を必要とする魔法を行使するのだろう」
レオンハルト 「騎士団長ほどの実力者が、そんな魔法を行使するなんて……」
アリア 「ああ、もしかしたら、旧ハルモニア文明を終わらせたという魔法に匹敵するかもしれない」
アーロン 「各地で神降ろしをやってたのも、その魔法に必要だったからか?」
アリア 「だろうね」
ソフィー 「じゃあ、一刻も早く時計塔に行かないと!!」
フィリップ 「…………」
────────────
ホロロコリス、時計塔跡地。
アリア 「……また、ここを上ることになるとはね」
ルーナ 「そういう因果なのよ。諦めなさい」
フィリップ 「相変わらず厳しいねぇ」
ルーナ 「まあいいでしょう。ほら行くわよ」
(SE 足音)
ハミルトン 「果たして、時計塔に上ることはできるだろうか?」
レオンハルト 「……!! あなたは……!」
アーロン 「なんであんたが……!」
アリア 「……バーナードの情報を私たちに漏らしていたというのに、まさか立ちふさがるとはね」
フィリップ 「ハミルトン! お前も立ちふさがるってのか!!」
ハミルトン 「ウルフィリア、キミが団長を裏切ったんだ。かつての相棒だからと、容赦はしないよ」
(SE 刀を召喚する音)
ソフィー 「……ハミルトン・レイ、帝国騎士団参謀にして隊長主席を務める程の方が、どうしてあの騎士団長に従うのですか?」
ハミルトン 「殿下、お許しください。これも、あの暗君からこの国を救うためなのです」
(SE 刀を抜く音)
ルーナ 「どうでもいい、斬るだけよ。時間なんて、稼がせるわけないでしょう」
ハミルトン 「いいだろう。ハミルトン・レイ、参る……!」
(SE 駆け出す音)
アリア 「……ッ! 氷刃よ!」
(SE 氷の刃が無数に襲い掛かる音)
ハミルトン 「炎陣!」
(SE 炎が吹きあがる音)
ルーナ 「──────斬月……!」
(SE 刀の一閃)
(SE 刀と刀がぶつかる音)
ハミルトン 「甘いな」
ルーナ 「ちっ……!」
(SE ルーナが飛び退く音)
ハミルトン 「風迅剣・葉桜……!」
(SE 刀の一閃)
レオンハルト 「ルーナさん!」
(SE 盾と刀がぶつかる音)
レオンハルト 「くぅっ……! ハミルトンさん! 僕たち、なぜ戦わなくちゃいけないんですか!?」
ハミルトン 「なぜ、だと? ふふ、私たちが計画したこととも知らずに、巫たちを消していったのはいったい誰だったかな?」
レオンハルト 「えっ?」
ハミルトン 「ふっ!」
(SE レオンハルトとルーナが吹き飛ぶ音)
レオンハルト 「ぐはあっ!!」
ルーナ 「きゃああっ!」
アーロン 「レオ! ルーナ!」
ハミルトン 「──────そう、巫たちが消えることで、私たちの計画は大成する」
アリア 「な、なんだと……?」
フィリップ 「…………」
ソフィー 「それじゃあ、私たちがやってきたことは……」
アーロン 「無駄ってことかよ!」
(SE 剣が地面に叩きつけられる音)
ハミルトン 「相変わらず、乱暴な剣だな」
アーロン 「相変わらず、余裕そうな顔だな」
アーロン 「風迅剣・葉桜!」
(SE 刀の一閃)
(SE 刀と剣がぶつかる音)
ハミルトン 「その技を盗む戦い方も相変わらずだな」
アーロン 「はっ、昔からこうするしかなかったからな」
フィリップ 「アーロン!」
(SE 弓を引き絞る音)
アーロン 「…………!」
(SE アーロンが飛び退く音)
フィリップ 「煌めけ、流れ星!」
(SE 高威力の矢が放たれる音)
ハミルトン 「水陣壁!」
(SE 水が吹き出る音)
ソフィー 「こっちですよ!」
(SE 銃を構える音)
ハミルトン 「しまっ……!」
ソフィー 「──────魔弾・閃光の一撃!!」
(SE 砲撃音)
ルーナ 「やったみたいね。さあ、行くわよ」
アリア 「ああ、時間もない。急ごう」
レオンハルト 「はい、行きましょう」
(SE 煙が晴れる音)(SE 瓦礫が崩れる音)
ソフィー 「……っ!!」
フィリップ 「まだだ!」
ハミルトン 「──────風迅剣・狐火!」
(SE 斬撃音)×3
アーロン 「……っ! 死神化!」
(SE 闇のオーラを纏う音)
(SE 刀と剣がぶつかる音)
ハミルトン 「ほう、死神の力をものにしたか」
アリア 「アーロン……!」
アーロン 「はあっ!」
(SE ハミルトンを突き飛ばす音)
アーロン 「これで決める!」
ハミルトン 「くうっ!」
アーロン 「──────偽・燕返し!」
(SE 斬撃音)×2
ハミルトン 「ふっ、猿真似では、私の燕は落とせないさ」
ハミルトン 「──────燕五連!」
(SE 斬撃音)×5
ハミルトン 「鳥籠の中で眠れ──────」
アーロン 「ぐああああっ!!」
アリア 「アーロン!!」
ルーナ 「幻月!」
(SE 分身が出現する音)
ルーナ 「──────幻月乱舞・鏡花水月!」
(SE 斬撃音)×何度か
(SE 避ける音)×何度か
(SE ハミルトンが跳躍する音)
ハミルトン 「風迅剣・飛燕!」
(SE 刀の一閃)
ルーナ 「なっ!」
(SE 刀と刀がぶつかる音)
ルーナ 「きゃあっ!」
(SE ルーナが突き飛ばされる音)
ハミルトン 「団長の元には、誰も行かせない!」
アーロン 「……そうかよ!!」
ハミルトン 「なに!?」
アーロン 「──────冥王一閃!!」
(SE 黒いオーラを纏った一閃)
ハミルトン 「ぐあああっ!」
(SE ハミルトンが倒れる音)
フィリップ 「ハミルトン……!」
ハミルトン 「ウルフィリア……」
フィリップ 「バーナードは、まだあんなことに固執してるのか?!」
ハミルトン 「あんなこと? では、お前はこの国を破滅させたいのか?」
フィリップ 「それは……!」
ハミルトン 「お前こそ、固執してるんじゃないのか?」
ルーナ 「…………」
(SE 刀を振る音)(SE 血が出る音)
ハミルトン 「がはっ!」
ルーナ 「……おっさん、惑わされないで。今の私たちの目的は、バーナードを止めることでしょ」
フィリップ 「ルーナちゃん……。ごめんね」
◇
時計塔跡地、内部。
(SE 階段を上る音)
アーロン 「おっさん、やっぱり、バーナードの目的がなんなのか知ってたんだな」
フィリップ 「ごめんね、なかなか言い出せなくて……」
ルーナ 「……バーナードは、何をしようとしているの?」
フィリップ 「……この国の救済。目指すところは尊いものでも、その目指し方が歪なんだよ、奴は」
レオンハルト 「…………」
フィリップ 「絶対の予言に抗おうと、この国を、いや世界を丸ごと変えようとしているんだ」
ソフィー 「世界を丸ごと変える!?」
アーロン 「そんなこと、可能なのかよ」
アリア 「普通は不可能だ。だが、バーナードの持っていた剣、ホムンクルスの魔力があれば……」
ルーナ 「世界を変えるってどういうこと?」
フィリップ 「人類を、すべてホムンクルスに代替することだ」
アリア 「な、なんだと……?!」
レオンハルト 「じゃあ、今普通に暮らしてる人たちは、どうなるんですか?」
フィリップ 「……命はないだろうね。運が良くても廃人だよ」
アーロン 「……!」
ソフィー 「……だから、私じゃなく、私のホムンクルスを皇帝に推薦してたんですね……」
ルーナ 「ちょっとアンタ、今までなんでそんな大事なこと黙ってたのよ!」
フィリップ 「ごめん……」
アーロン 「だけど、バーナードをぶっ飛ばせば、その計画は止められるんだろう? だったら、やることはハナから決まってんじゃねえか」
アリア 「ああ。やることは変わらないさ」
フィリップ 「アーロン、アリアちゃん……」
アーロン 「おっさん、あんたもやるべきことがあるんだろ? だったら、あんな騎士団長の野望なんて、ぶっ潰してやろうぜ!」
フィリップ 「…………」
ルーナ 「まったく。これだからアーロンは……」
フィリップ 「ああ。やってやるさ」
────────────
時計塔跡地、鐘楼前。
レオンハルト 「……くっ、なんか、気持ち悪くないですか……?」
ルーナ 「ほんと、ここに来て、急に空気が重くなってきたわね……」
アリア 「……空気中の魔素が異常だ。ホムンクルスたちは、もう……」
アーロン 「……確かに、空気は重いけど、言うほどじゃねえな」
ソフィー 「はい、私もそこまで気持ち悪くないですね」
フィリップ 「おじさんも」
アリア 「それは、恐らく旧時代の魔法に精通しているからだろうね」
ルーナ 「なるほど。でも、外に出れば、この気持ち悪さも少しは楽になるはずよね」
アリア 「……ここに長居はやめておいた方がいいだろうな」
レオンハルト 「……この扉の先に、騎士団長が、いるんですね」
アーロン 「ああ、気ぃ引き締めていこうぜ」
つづく
アーロン・ストライフ:魔法使いの助手兼用心棒をやっている青年。21歳。
ソフィー:元ハルモニア帝国第2皇女だった少女。18歳。
フィリップ・ベルナルド:元帝国騎士団所属だった鳥使いの男性。本名はウルフィリア・レインフォルス。32歳。
ルーナ:ハルモニア帝国第4皇子の側近をしている女性。20歳。
レオンハルト・ハイデルバッハ:帝国騎士団小隊長を務める青年。19歳。
ハミルトン・レイ:帝国騎士団参謀を務める男。32歳。
翌日。ホロロコリス、噴水広場跡地。
ソフィー 「昨日は、あんなにホムンクルスがいたのに、今日は見当たりませんね」
レオンハルト 「そうですね。それっぽい人影もありませんよ」
フィリップ 「なんか不気味ねぇ~」
ルーナ 「嵐の前の静けさって感じ? 冗談は顔だけにしなさいよ、おっさん」
フィリップ 「ルーナちゃ~ん」
アーロン 「だけど、妙に静かなのは確かだな」
アリア 「恐らくだが、バーナードは時計塔にいるだろう。ホムンクルスをそこに集めて、な」
ルーナ 「それって、まさか……」
アリア 「何をする気かは知らないが、大量の魔力を必要とする魔法を行使するのだろう」
レオンハルト 「騎士団長ほどの実力者が、そんな魔法を行使するなんて……」
アリア 「ああ、もしかしたら、旧ハルモニア文明を終わらせたという魔法に匹敵するかもしれない」
アーロン 「各地で神降ろしをやってたのも、その魔法に必要だったからか?」
アリア 「だろうね」
ソフィー 「じゃあ、一刻も早く時計塔に行かないと!!」
フィリップ 「…………」
────────────
ホロロコリス、時計塔跡地。
アリア 「……また、ここを上ることになるとはね」
ルーナ 「そういう因果なのよ。諦めなさい」
フィリップ 「相変わらず厳しいねぇ」
ルーナ 「まあいいでしょう。ほら行くわよ」
(SE 足音)
ハミルトン 「果たして、時計塔に上ることはできるだろうか?」
レオンハルト 「……!! あなたは……!」
アーロン 「なんであんたが……!」
アリア 「……バーナードの情報を私たちに漏らしていたというのに、まさか立ちふさがるとはね」
フィリップ 「ハミルトン! お前も立ちふさがるってのか!!」
ハミルトン 「ウルフィリア、キミが団長を裏切ったんだ。かつての相棒だからと、容赦はしないよ」
(SE 刀を召喚する音)
ソフィー 「……ハミルトン・レイ、帝国騎士団参謀にして隊長主席を務める程の方が、どうしてあの騎士団長に従うのですか?」
ハミルトン 「殿下、お許しください。これも、あの暗君からこの国を救うためなのです」
(SE 刀を抜く音)
ルーナ 「どうでもいい、斬るだけよ。時間なんて、稼がせるわけないでしょう」
ハミルトン 「いいだろう。ハミルトン・レイ、参る……!」
(SE 駆け出す音)
アリア 「……ッ! 氷刃よ!」
(SE 氷の刃が無数に襲い掛かる音)
ハミルトン 「炎陣!」
(SE 炎が吹きあがる音)
ルーナ 「──────斬月……!」
(SE 刀の一閃)
(SE 刀と刀がぶつかる音)
ハミルトン 「甘いな」
ルーナ 「ちっ……!」
(SE ルーナが飛び退く音)
ハミルトン 「風迅剣・葉桜……!」
(SE 刀の一閃)
レオンハルト 「ルーナさん!」
(SE 盾と刀がぶつかる音)
レオンハルト 「くぅっ……! ハミルトンさん! 僕たち、なぜ戦わなくちゃいけないんですか!?」
ハミルトン 「なぜ、だと? ふふ、私たちが計画したこととも知らずに、巫たちを消していったのはいったい誰だったかな?」
レオンハルト 「えっ?」
ハミルトン 「ふっ!」
(SE レオンハルトとルーナが吹き飛ぶ音)
レオンハルト 「ぐはあっ!!」
ルーナ 「きゃああっ!」
アーロン 「レオ! ルーナ!」
ハミルトン 「──────そう、巫たちが消えることで、私たちの計画は大成する」
アリア 「な、なんだと……?」
フィリップ 「…………」
ソフィー 「それじゃあ、私たちがやってきたことは……」
アーロン 「無駄ってことかよ!」
(SE 剣が地面に叩きつけられる音)
ハミルトン 「相変わらず、乱暴な剣だな」
アーロン 「相変わらず、余裕そうな顔だな」
アーロン 「風迅剣・葉桜!」
(SE 刀の一閃)
(SE 刀と剣がぶつかる音)
ハミルトン 「その技を盗む戦い方も相変わらずだな」
アーロン 「はっ、昔からこうするしかなかったからな」
フィリップ 「アーロン!」
(SE 弓を引き絞る音)
アーロン 「…………!」
(SE アーロンが飛び退く音)
フィリップ 「煌めけ、流れ星!」
(SE 高威力の矢が放たれる音)
ハミルトン 「水陣壁!」
(SE 水が吹き出る音)
ソフィー 「こっちですよ!」
(SE 銃を構える音)
ハミルトン 「しまっ……!」
ソフィー 「──────魔弾・閃光の一撃!!」
(SE 砲撃音)
ルーナ 「やったみたいね。さあ、行くわよ」
アリア 「ああ、時間もない。急ごう」
レオンハルト 「はい、行きましょう」
(SE 煙が晴れる音)(SE 瓦礫が崩れる音)
ソフィー 「……っ!!」
フィリップ 「まだだ!」
ハミルトン 「──────風迅剣・狐火!」
(SE 斬撃音)×3
アーロン 「……っ! 死神化!」
(SE 闇のオーラを纏う音)
(SE 刀と剣がぶつかる音)
ハミルトン 「ほう、死神の力をものにしたか」
アリア 「アーロン……!」
アーロン 「はあっ!」
(SE ハミルトンを突き飛ばす音)
アーロン 「これで決める!」
ハミルトン 「くうっ!」
アーロン 「──────偽・燕返し!」
(SE 斬撃音)×2
ハミルトン 「ふっ、猿真似では、私の燕は落とせないさ」
ハミルトン 「──────燕五連!」
(SE 斬撃音)×5
ハミルトン 「鳥籠の中で眠れ──────」
アーロン 「ぐああああっ!!」
アリア 「アーロン!!」
ルーナ 「幻月!」
(SE 分身が出現する音)
ルーナ 「──────幻月乱舞・鏡花水月!」
(SE 斬撃音)×何度か
(SE 避ける音)×何度か
(SE ハミルトンが跳躍する音)
ハミルトン 「風迅剣・飛燕!」
(SE 刀の一閃)
ルーナ 「なっ!」
(SE 刀と刀がぶつかる音)
ルーナ 「きゃあっ!」
(SE ルーナが突き飛ばされる音)
ハミルトン 「団長の元には、誰も行かせない!」
アーロン 「……そうかよ!!」
ハミルトン 「なに!?」
アーロン 「──────冥王一閃!!」
(SE 黒いオーラを纏った一閃)
ハミルトン 「ぐあああっ!」
(SE ハミルトンが倒れる音)
フィリップ 「ハミルトン……!」
ハミルトン 「ウルフィリア……」
フィリップ 「バーナードは、まだあんなことに固執してるのか?!」
ハミルトン 「あんなこと? では、お前はこの国を破滅させたいのか?」
フィリップ 「それは……!」
ハミルトン 「お前こそ、固執してるんじゃないのか?」
ルーナ 「…………」
(SE 刀を振る音)(SE 血が出る音)
ハミルトン 「がはっ!」
ルーナ 「……おっさん、惑わされないで。今の私たちの目的は、バーナードを止めることでしょ」
フィリップ 「ルーナちゃん……。ごめんね」
◇
時計塔跡地、内部。
(SE 階段を上る音)
アーロン 「おっさん、やっぱり、バーナードの目的がなんなのか知ってたんだな」
フィリップ 「ごめんね、なかなか言い出せなくて……」
ルーナ 「……バーナードは、何をしようとしているの?」
フィリップ 「……この国の救済。目指すところは尊いものでも、その目指し方が歪なんだよ、奴は」
レオンハルト 「…………」
フィリップ 「絶対の予言に抗おうと、この国を、いや世界を丸ごと変えようとしているんだ」
ソフィー 「世界を丸ごと変える!?」
アーロン 「そんなこと、可能なのかよ」
アリア 「普通は不可能だ。だが、バーナードの持っていた剣、ホムンクルスの魔力があれば……」
ルーナ 「世界を変えるってどういうこと?」
フィリップ 「人類を、すべてホムンクルスに代替することだ」
アリア 「な、なんだと……?!」
レオンハルト 「じゃあ、今普通に暮らしてる人たちは、どうなるんですか?」
フィリップ 「……命はないだろうね。運が良くても廃人だよ」
アーロン 「……!」
ソフィー 「……だから、私じゃなく、私のホムンクルスを皇帝に推薦してたんですね……」
ルーナ 「ちょっとアンタ、今までなんでそんな大事なこと黙ってたのよ!」
フィリップ 「ごめん……」
アーロン 「だけど、バーナードをぶっ飛ばせば、その計画は止められるんだろう? だったら、やることはハナから決まってんじゃねえか」
アリア 「ああ。やることは変わらないさ」
フィリップ 「アーロン、アリアちゃん……」
アーロン 「おっさん、あんたもやるべきことがあるんだろ? だったら、あんな騎士団長の野望なんて、ぶっ潰してやろうぜ!」
フィリップ 「…………」
ルーナ 「まったく。これだからアーロンは……」
フィリップ 「ああ。やってやるさ」
────────────
時計塔跡地、鐘楼前。
レオンハルト 「……くっ、なんか、気持ち悪くないですか……?」
ルーナ 「ほんと、ここに来て、急に空気が重くなってきたわね……」
アリア 「……空気中の魔素が異常だ。ホムンクルスたちは、もう……」
アーロン 「……確かに、空気は重いけど、言うほどじゃねえな」
ソフィー 「はい、私もそこまで気持ち悪くないですね」
フィリップ 「おじさんも」
アリア 「それは、恐らく旧時代の魔法に精通しているからだろうね」
ルーナ 「なるほど。でも、外に出れば、この気持ち悪さも少しは楽になるはずよね」
アリア 「……ここに長居はやめておいた方がいいだろうな」
レオンハルト 「……この扉の先に、騎士団長が、いるんですね」
アーロン 「ああ、気ぃ引き締めていこうぜ」
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