魔法使いのお店はいつも閑古鳥が鳴いている

うめめ

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Ⅲ from A to A

第30話 side Beta

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アーロン:青年。

アルトリウス・フォン・ハルモニア:ハルモニア帝国皇帝。18歳。

ルーナ:アーロンの仲間だった女性。20歳。
シルヴィア:魔法使いの店によく来る少女。17歳。

~モブ~
騎士①②
女性
男性


──────────────────

(SE 火がパチパチと爆ぜる音)

アーロン 「…………っ、んん」

アーロン 「……ここは?」

(SE 立ち上がる音)

アーロン 「……遺跡、じゃねえな」

アーロン 「あ、そういえば、遺跡はアルトリウスがぶっ飛ばしたんだったか……?」

アーロン 「じゃあまだ、アルトの町なのか……。ってことは、さっきのはタチの悪い夢か……」

アーロン 「きっと、ソフィーたちは住民の救助に行ってるんだろう……」

騎士① 「(遠くから)おい、この辺にいたのか?」

アーロン 「?」

騎士② 「(遠くから)はい、ヤツが寝ているところを見たと、街の連中が……」

アーロン 「よかった、人がいるみたいだな……」

(SE 瓦礫をどかす音)

騎士② 「あ、ほら、いましたよ!!」

騎士① 「!! 見つけたぞぉ~!!」

(SE 角笛)

アーロン 「は……?」

(SE 剣を抜く音)×2回

アーロン 「なんでか知らねえけど、やるしかないみたいだな……」

(SE 剣を抜く音)

騎士① 「はあああっ!!」

騎士② 「せいやあああっ!!」

(SE 剣を振る音)×2回

アーロン 「そんな攻撃、当たるかよ!」

(SE 打撃音)×2回

騎士①② 「ぐああああっ!!」

(SE 騎士たちが倒れる音)

アーロン 「……ったく、なんだってんだよ」

(SE 爆発音)

アーロン 「ッ!? 大砲か!?」

アーロン 「アルトにそんなものはなかったはずだ……」

(SE 木の板を踏む音)

アーロン 「ん……? これは……!」

女性① 「あそこ!! あそこにいます!!」

男性① 「あいつか!!」

女性② 「騎士様が倒れてるわ!!」

男性② 「あの野郎!!」

(SE 住民たちが駆け付ける音)

(SE アーロンが逃げる音)

アーロン 「くそ、さすがに一般人は傷つけられねえ……」

────────────

(SE 火がパチパチと爆ぜる音)

アーロン 「……はあ、はあ……」

アーロン 「くそ、どうなってんだよ……?」

アーロン 「……ここ、帝都じゃねえか……」

アルトリウス 「あはは、ようやく気づいたんですか?」

アーロン 「アルトリウス! これはいったいどうなってんだよ!?」

アルトリウス 「それを言ってしまったら面白くありませんよ」

アーロン 「……」

アルトリウス 「ああ、そうですね、ヒントくらいはあげましょうか。アーロンさん、今までどんな理由で戦ってきたんですか?」

アーロン 「戦ってきた理由……? そんなの、お前を皇帝にするために……」

アルトリウス 「果たして、それだけだったんでしょうかね?」

アーロン 「は……?」

アルトリウス 「それでは、頑張ってください」

(SE アルトリウスが闇に溶ける音)

アーロン 「くそ……」

(SE 火がパチパチと爆ぜる音)

アーロン 「帝都が焼け落ちるなんて……。あいつらは無事なのか……?」

アーロン 「状況を確認するためにも、探してみるか……」



 帝都、噴水広場跡地。

シルヴィア 「…………」

アーロン 「……あれは、シルヴィアか……」

シルヴィア 「……う、うぅ……」

(SE シルヴィアが倒れる音)

アーロン 「!!」

(SE アーロンが駆け寄る音)

アーロン 「大丈夫か?!」

シルヴィア 「ん、んん……」

アーロン 「火傷もひどいじゃねえか……。早くどこかに避難しねえと……」

(SE アーロンがシルヴィアを抱える音)

シルヴィア 「……あ、アーロン、さん……?」

アーロン 「……!! 俺のことがわかるのか?!」

シルヴィア 「当たり前ですよ……」

(SE ナイフが刺さる音)

アーロン 「ぐぁっ……!!」

シルヴィア 「あなたのせいで、街が、こんなになったんですから……!」

(SE 血が地面に落ちる音)

アーロン 「……っ、今、どこかに……」

シルヴィア 「まさか、アーロンさんが、あんなことをするだなんて……」

アーロン 「今は、自分のことだけ考えろよ……っ」

シルヴィア 「……っ、離してください……っ!」

(SE ナイフをさらに刺す音)

(SE 血が地面に落ちる音)

アーロン 「ぐぁあああっ……!!」

(SE アーロンが歩き出す音)

シルヴィア 「な、なんで……?」

アーロン 「…………」

────────────

(SE シルヴィアを降ろす音)

アーロン 「……っ、ほら、ここなら多分大丈夫だ……」

シルヴィア 「…………」

アーロン 「……いつの間にか、気を失ったみたいだな」

アーロン 「……この世界では、俺が何かしたのか……? シルヴィアに刺されても仕方ないような、何かをやらかしたってことか……」

アーロン 「……そういえば、シルヴィアは俺のことを覚えていた。元の世界に近いってことか……?」

アーロン 「ああ、くそ、さすがに血がやばいな……」



 帝都郊外の森、魔法使いの店。

アーロン 「やっぱり、店もあるみたいだな……」

(SE ドアノブに手をかける音)

アーロン 「…………」

(SE 扉を開く音)

アーロン 「……ふぅ、誰もいない、か」

(SE 扉を閉める音)

アーロン 「……薬を使わせてもらうか」

(SE 棚をあさる音)

アーロン 「……あった。これを……」

(SE 薬を使う音)

(SE 傷が治る音)

アーロン 「さすがはアリアが作った薬だな」

アーロン 「……そうだ、さっきみたいに住民と戦闘になることもあるし、催眠作用のある薬をいくつか持っておくか」

(SE 瓶を何本か取り出す音)

アーロン 「よし。……っと、早くここを出ないとな」

(SE 扉の開閉音)

アーロン 「……とりあえずこの世界では、アリアが魔法使いを名乗っているみたいだな」

(SE 足音)

ルーナ 「……! アンタ……!」

アーロン 「ルーナ! よかった、無事だったんだな!」

ルーナ 「無事って、アンタ、自分が何したのかわかってんの!?」

アーロン 「…………」

ルーナ 「はっ、のんきなものね。アンタがあんなことをしたせいで、帝都があんなことになったってのに」

アーロン 「ま、待て、俺がいったい、何をしたって……」

ルーナ 「ふざけんな!!」

(SE 刀を振る音)

アーロン 「……っ!」

ルーナ 「アンタが、アンタが皇帝を殺さなければ! ソフィーだって! 死なずにすんだのに!!」

アーロン 「!? どういう、ことだよ……?」

ルーナ 「こっちが聞きたいわよ! 勝手に抜け出して、皇帝を暗殺して、帝都を混乱に陥れた。旧ハルモニアを滅ぼした、死神の再来とか言われて、さぞ気分が良いんでしょうね!!」

(SE 刀を振る音)

アーロン 「……!?」

ルーナ 「ソフィーは、最期までアンタのことを信じてた……。アーロンさんがそんなことをするはずがない、何かの間違いだって……。私だって……」

アーロン 「……」

ルーナ 「でも、信じる必要なんてなかったみたいね。その、服についてる血、返り血よね?」

アーロン (……騎士たちとやり合ったときについた血……)

ルーナ 「そうよね、ソフィーの思いを踏みにじって、皇帝を暗殺するような男なんだもの。いつだって、その剣で解決してきた。結局、アンタにはそれしかないってこと?」

アーロン 「……ッ」

ルーナ 「もう、アンタの顔も見たくない。消えてくれる?」

アーロン 「……………………悪い」

(SE 瓶に入った薬を使う音)

ルーナ 「なっ!? ……う、うぅ……」

(SE ルーナが倒れる音)

アーロン 「それでも、俺は進まなくちゃいけないんだ。アルトリウスを止めるために……」



 帝都郊外の森。

アーロン 「アルトリウス、見てるんだろ?」

(SE アルトリウスが現れる音)

アルトリウス 「いやあ、いいところまでは行ったと思ったんですけどね」

アーロン 「……本当に、ゲーム感覚なのかよ」

アルトリウス 「おや、絶望はしてくれたみたいですね」

アーロン 「…………」

アルトリウス 「どうでした? 世界の敵になった気分は?」

アーロン 「うるせえ。俺は諦めたりしねえ」

アルトリウス 「んー、結構こだわって作ってみたんですけど、特にアーロンさんのせいでソフィアが死んでしまった設定なんか……」

アーロン 「楽しいかよ?」

アルトリウス 「……はい?」

アーロン 「人の命を弄んで、楽しいかって聞いてんだよ!!」

アルトリウス 「あはは、楽しいですよ?」

アーロン 「……!!」

アルトリウス 「なんて言えば、満足ですか?」

アーロン 「は?」

アルトリウス 「あはははは!! そろそろ次に行きましょうか」

(SE 世界が作り変えられる音)

──────────────────

 つづく
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