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本腰
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ばあやはスイカと食器を片付けに台所へ下がる。
竜の間には竜之助と乙姫の二人きりになる。
「どうだった、竜之助よ」
唐突に乙姫が切り出す。
「どれも素晴らしかったですよ」
竜之助はそう答えた。
「それではどれが素晴らしかったのかわからないではないか」
「だったらそうともっとわかりやすく質問をしてくださいよ。だけどまあ、どれも素晴らしかったですよ。料理も、建物も、自然も、人も」
「……そうか、島外のお前にも気に入ってくれたのなら重畳だ」
心から満足そうに微笑む。胸をなでおろしたように見えた。
「あ、でも、気に食わない点が一つ」
「ん、なんだ?」
「浦島の野郎はやっぱ気に入らねえ」
「まだ気にしているのか……私としては二人には仲良くしてもらわねば困るのだが」
「なんで俺があいつと仲良くしなければならないんですか?」
「……それは……だな……」
その時、すっーと滑らかな音を立てて襖が開く。
「姫様、ただいま戻りました」
「……ばあやも揃ったことだ。そろそろ腹を割って話をするとしよう」
正座しなおし背筋を伸ばす。
「俺としてはずっと腹を割ってお話してたつもりなんですがね」
変わらず胡坐をかき、腿の上に肘をつく。
「ははは、それは礼儀を欠いてしまったな」
「姫様、謝ることはありません。あなたはこの島を守る当主。軽々しく頭を下げてはなりませぬ」
ばあやが口元は笑っていたが垂れた瞼の向こうで目を光らせている。
「そうそう、ばあやさんの言うとおりだ。それよりもだ、さっさと話を進めようぜ。俺は短気ではないがまどろっこしいのは苦手なんだ。いろいろと気になってしょうがなかったが、なのにずっと聞く機会を待っていたんだぜ。ようやく話してくれるんだな」
「ああ、待たせてしまったな。ではまずは何が知りたい。答えられる範囲で答えよう」
「……それじゃあまず手始めに……」
何事も始めが肝心。人付き合いも挨拶からという。失礼のないように当たり障りのないように。
「お姫さん、今、恋人はいるのかい」
ばあやの首が素早く竜之助を向く。おかめのような顔をしているが拳を乾いた雑巾から一滴の水でも絞るかのように強く握っている。
一方で乙姫はたおやかに答える。
「いない。今まで一度もな。だが将来、竜宮島のためにも島外の権力者と結婚することになるだろうとは薄っすらと思っている」
「おっと、思いの外真面目な返答が来てしまったな。生娘だからもっと顔真っ赤にするもんだと思っていた」
「竜之助とやら。空気を読めぬのか? 姫様は大事な話をしようとしているのだぞ」
「すまねえな。まどろっこしいのと同じくらい堅苦しいのも苦手なんだ。だがそうだな。見て分かるようにお姫さんは真剣そのもの。俺も同じ心にならなければ不作法というもの」
竜之助も胡坐をやめ正座になり、背筋を伸ばす。
「それでは初めからやり直させてもらって……単刀直入に聞こう、俺は殺されるのか?」
手枷を胸の前に見せ、左右に引っ張る。キシンと頑丈で重厚な金属音が鳴る。
「……どうしてそう思うんだ?」
乙姫は首を傾げる。殺気も隠す気配もない。まるで想定していない質問をされたようだった。
「俺も聞きかじった話だが、遥か遠い北の地の異民族の話だ。熊を神の使いだと信仰していて、母親とはぐれてしまった熊を捕まえて檻に閉じ込めながらも餌をやり育てるらしい」
「熊……すまない、熊とはなんだ」
「そうだった、この島の人間は熊を知らないんだった。熊と言いますのはね……改めて質問されると説明しづらいもんだな。ありゃイタチの仲間か? それとも犬か? 狐か?」
「……大きなタヌキのような生き物です。ただし北に行くほど図体は大きくなり、人をも標的にするようになる凶暴な生き物です。確かにこの者の言う通り、遥か遠い北の地にはそういう風習はあります」
ばあやが代わりに的確に説明する。
「そしてある程度大きくなったところで……人間の手が及ばぬようになる前に、絞め殺すのでございます。残虐に見えるようですが異民族にとっては大事な儀式。丁重に神様のいる世界へと送りだすのです」
「……驚いたな。ばあさん博識だな」
「そうだぞ、ばあやは島一の物知りだ。島外についても詳しいんだ」
「伊達に長生きはしておりませんので……」
ばあやはうやうやしく手をつき頭を下げる。
「ばあさんのおかげで話がしやすくなった。つまりその異民族のように俺を丁重にもてなしておきながら終いには絞め殺すんじゃないかって思ったんだ。だが姫様の反応を見るとその心配はなさそうだな」
「ああ、少なくともこの島に人を殺す儀式はない。だが秩序を守るための法はある。人を殺めること、家に火を放つこと、これらは命を以って罪を償わされる」
「……この島にも物騒な事件が起きるんだな」
竜之助の伸ばしていた背筋が丸まる。
「ああ、だから過ちを起こさないように竜宮家がいる。皆の手本となり、罪を起こさないように指導する大事な務めがある」
乙姫は伸ばしていた背筋をさらに伸ばす。だが伸ばしすぎてフラフラと不安定に頭が揺れる。
「……ちなみにですよ、お姫さん」
竜之助は新たに質問をする。
「なんだ、竜之助」
「……浮気はどんな処罰になるのです」
「男は必ず鞭打ちの刑だ。女は未婚か既婚か、浮気に至るまでの事情を調査を実施し情状酌量の余地があるようなら」
「ああ、もういいもういい! 結構だ! 聞かなきゃよかったぜ、まったく!」
「ははは、藪蛇になってしまったな」
乙姫の肩から力が抜ける。背筋も無理のない伸びに戻る。
「他に質問はあるか?」
「こんなもんでいいや。次はお姫さんの番だ。質問はそれからするとしよう」
「そうか……私の番か……」
真っすぐな瞳に躊躇いを覗かせる。
しかしそれは一瞬。
すぐに元の凛々しい顔つきに立ち直る。
「竜之助。お前の腕を見込んで頼みがある」
「はい、なんでしょう」
「島を守ってくれないか」
竜の間には竜之助と乙姫の二人きりになる。
「どうだった、竜之助よ」
唐突に乙姫が切り出す。
「どれも素晴らしかったですよ」
竜之助はそう答えた。
「それではどれが素晴らしかったのかわからないではないか」
「だったらそうともっとわかりやすく質問をしてくださいよ。だけどまあ、どれも素晴らしかったですよ。料理も、建物も、自然も、人も」
「……そうか、島外のお前にも気に入ってくれたのなら重畳だ」
心から満足そうに微笑む。胸をなでおろしたように見えた。
「あ、でも、気に食わない点が一つ」
「ん、なんだ?」
「浦島の野郎はやっぱ気に入らねえ」
「まだ気にしているのか……私としては二人には仲良くしてもらわねば困るのだが」
「なんで俺があいつと仲良くしなければならないんですか?」
「……それは……だな……」
その時、すっーと滑らかな音を立てて襖が開く。
「姫様、ただいま戻りました」
「……ばあやも揃ったことだ。そろそろ腹を割って話をするとしよう」
正座しなおし背筋を伸ばす。
「俺としてはずっと腹を割ってお話してたつもりなんですがね」
変わらず胡坐をかき、腿の上に肘をつく。
「ははは、それは礼儀を欠いてしまったな」
「姫様、謝ることはありません。あなたはこの島を守る当主。軽々しく頭を下げてはなりませぬ」
ばあやが口元は笑っていたが垂れた瞼の向こうで目を光らせている。
「そうそう、ばあやさんの言うとおりだ。それよりもだ、さっさと話を進めようぜ。俺は短気ではないがまどろっこしいのは苦手なんだ。いろいろと気になってしょうがなかったが、なのにずっと聞く機会を待っていたんだぜ。ようやく話してくれるんだな」
「ああ、待たせてしまったな。ではまずは何が知りたい。答えられる範囲で答えよう」
「……それじゃあまず手始めに……」
何事も始めが肝心。人付き合いも挨拶からという。失礼のないように当たり障りのないように。
「お姫さん、今、恋人はいるのかい」
ばあやの首が素早く竜之助を向く。おかめのような顔をしているが拳を乾いた雑巾から一滴の水でも絞るかのように強く握っている。
一方で乙姫はたおやかに答える。
「いない。今まで一度もな。だが将来、竜宮島のためにも島外の権力者と結婚することになるだろうとは薄っすらと思っている」
「おっと、思いの外真面目な返答が来てしまったな。生娘だからもっと顔真っ赤にするもんだと思っていた」
「竜之助とやら。空気を読めぬのか? 姫様は大事な話をしようとしているのだぞ」
「すまねえな。まどろっこしいのと同じくらい堅苦しいのも苦手なんだ。だがそうだな。見て分かるようにお姫さんは真剣そのもの。俺も同じ心にならなければ不作法というもの」
竜之助も胡坐をやめ正座になり、背筋を伸ばす。
「それでは初めからやり直させてもらって……単刀直入に聞こう、俺は殺されるのか?」
手枷を胸の前に見せ、左右に引っ張る。キシンと頑丈で重厚な金属音が鳴る。
「……どうしてそう思うんだ?」
乙姫は首を傾げる。殺気も隠す気配もない。まるで想定していない質問をされたようだった。
「俺も聞きかじった話だが、遥か遠い北の地の異民族の話だ。熊を神の使いだと信仰していて、母親とはぐれてしまった熊を捕まえて檻に閉じ込めながらも餌をやり育てるらしい」
「熊……すまない、熊とはなんだ」
「そうだった、この島の人間は熊を知らないんだった。熊と言いますのはね……改めて質問されると説明しづらいもんだな。ありゃイタチの仲間か? それとも犬か? 狐か?」
「……大きなタヌキのような生き物です。ただし北に行くほど図体は大きくなり、人をも標的にするようになる凶暴な生き物です。確かにこの者の言う通り、遥か遠い北の地にはそういう風習はあります」
ばあやが代わりに的確に説明する。
「そしてある程度大きくなったところで……人間の手が及ばぬようになる前に、絞め殺すのでございます。残虐に見えるようですが異民族にとっては大事な儀式。丁重に神様のいる世界へと送りだすのです」
「……驚いたな。ばあさん博識だな」
「そうだぞ、ばあやは島一の物知りだ。島外についても詳しいんだ」
「伊達に長生きはしておりませんので……」
ばあやはうやうやしく手をつき頭を下げる。
「ばあさんのおかげで話がしやすくなった。つまりその異民族のように俺を丁重にもてなしておきながら終いには絞め殺すんじゃないかって思ったんだ。だが姫様の反応を見るとその心配はなさそうだな」
「ああ、少なくともこの島に人を殺す儀式はない。だが秩序を守るための法はある。人を殺めること、家に火を放つこと、これらは命を以って罪を償わされる」
「……この島にも物騒な事件が起きるんだな」
竜之助の伸ばしていた背筋が丸まる。
「ああ、だから過ちを起こさないように竜宮家がいる。皆の手本となり、罪を起こさないように指導する大事な務めがある」
乙姫は伸ばしていた背筋をさらに伸ばす。だが伸ばしすぎてフラフラと不安定に頭が揺れる。
「……ちなみにですよ、お姫さん」
竜之助は新たに質問をする。
「なんだ、竜之助」
「……浮気はどんな処罰になるのです」
「男は必ず鞭打ちの刑だ。女は未婚か既婚か、浮気に至るまでの事情を調査を実施し情状酌量の余地があるようなら」
「ああ、もういいもういい! 結構だ! 聞かなきゃよかったぜ、まったく!」
「ははは、藪蛇になってしまったな」
乙姫の肩から力が抜ける。背筋も無理のない伸びに戻る。
「他に質問はあるか?」
「こんなもんでいいや。次はお姫さんの番だ。質問はそれからするとしよう」
「そうか……私の番か……」
真っすぐな瞳に躊躇いを覗かせる。
しかしそれは一瞬。
すぐに元の凛々しい顔つきに立ち直る。
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「はい、なんでしょう」
「島を守ってくれないか」
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