80 / 99
竜宮家の御役目 十一
しおりを挟む
流刑の順序は決まっている。
先に使者の舟が出る。その後に罪人の舟が出る。使者の舟は罪人の舟を縄で曳航し海に出る。
「新たな船出にしては貧乏くさい舟じゃねえか」
サンマは乗せられた船の底を蹴る。見た目に反して頑丈な出来で底は抜けない。水に浮かべても浸水はない。
また櫂のような道具は一切乗っていない。
「なるほど……抵抗の素振りを見せれば縄を断たれ大海原を彷徨うことになるってわけね……よく考えられてるわ」
「おい、黙って舟に乗れ!」
竜宮家の使者が警告する。
「わぁってるわぁってる。とっとと海に出たいのはこっちも同じだ。よっこらせと」
サンマは縛られながらも悠々と胡坐をかく。
船には次々と家来たちが乗せられる。定員はぎりぎり。大きく傾けばあっという間に全員が海に投げ出されてしまうだろう。
幸い、この日の空は快晴で海は凪。水平線のように波立っていない。
「ははっ! 龍神様は早々に俺を厄介払いしてえみてえだな!」
しかし人の心は常に波立つもの。
「やだ! やだ! 俺、やっぱりこの島にいたい! 全て謝ります! だからお許しを! ご慈悲を!」
鶴野家の家来の一人が泣きながら乗船を拒み、逃げ出そうと試みる。
「いまさら反省しても遅いわ!」
すぐさま竜宮家の使者に捕まり、舟に押し込まれる。
「それでは行って参ります、甚平様」
「うむ、道中くれぐれも気を付けてくれ」
こうして舟は沖へと向かう。
砂浜には竜宮家の人間と、仕事中の海女が見物していて、質素な見送りとなった。
「うう、うう……! どうして、どうして、こんなことに……!」
新たな船出にしては暗い空気に包まれていた。
責任者であり根本的な原因であるサンマは、
「なあ、お前ら、ふし山って知ってるか」
唐突に語りだす。
「ここより東に位置する都よりもはるか東にそびえたつ海の原で一番でっけえ山だ。竜宮島なんかより何倍も広くて、高くて、でっけえ山だ。どれくらいでっけえ山かっつうと夏になっても山頂には雪が残ってるほどだ」
「……なんで夏になっても山頂には雪が残ってるんだ?」
「決まってるだろ。標高が高いところは寒いんだよ」
「なんで標高とやらが高いところは寒いんだ?」
「そりゃあ……お前…………話を続けるとな、でかいだけじゃねえんだ、扇をひっくり返したみてえに左右対称なんだぜ? 末広がりで縁起物なのさ! 天気のいい日は夕暮れになると青い山が真っ赤に染めあがるんだ。これがまたとんでもなく美しくてな、どれだけ美しいかって言うとどんなくそったれな一日でも、疲れを吹っ飛ばしてしまうほどなんだってよ」
「サンマ様。どこで知ったんですか? その口ぶりからすると書物ではなく、まるで誰かから聞いたような」
「ああん!? 書物に決まってるだろ! それくらいもわかんねえのか!?」
「どうしていきなりぶちぎれ!?」
「いきなりといえば、なんで山の話を今ここでするんだよ……海の上だからか?」
「山の話をしたいんじゃねえ、夢の話をしてるんだ。せっかく命拾いしたんだぜ? なのに死人みたいな顔をしやがってよ。ほら、お前にもなんかないの? 陸に着いたら何をしたいとかそういうの」
いきなり隣の家来に話を振る。
「よりにもよって俺かよ……俺は、そうだな……南番酒を飲んでみたい」
「南番酒?」
「最近殺魔国にえびす屋とかいう西洋の商船がやってきたらしい。その取り扱ってる商品のうちに葡萄から作る酒ってのに興味がある。あ、葡萄といっても海老のことじゃなく果物のことだ」
「葡萄……ヘビイチゴみたいなもんか?」
「俺にもよくわからん」
「なんだよ、それ」
「よくわからないけど興味がある、それだけだよ」
「よし、わかった。俺も一枚噛ませろ。あっちに着いたら一緒に探そうぜ」
「有難い話だが丁重にお断りする」
「あ、なんでだよ?」
「お前はいつも分け前を多めに取っておくからな」
暗い空気に包まれていた舟に笑いが生まれる。
緊張の糸がほぐれる。
しかしそれは一瞬の出来事だった。
ざぶん! ざぶん!
波の音と共に激しく舟が揺れる。
「な、なんだ!」
サンマは海をのぞき込む。
静かだった海はいつの間にか激しい渦を巻いていた。
「これは竜巻か……!? どうして、さっきまで静かだってのに!?」
家来の一人が呟く。
「……龍神様だ……恐れ多くも龍神様の怒りに触れてしまったんだ……!」
舟の上は一気に騒然となる。
「どうするどうするどうする! 櫂で漕ぐしか、いや乗ってないんだった!」
「泳いで陸まで戻る……!? いや縛られたままそんなのできっこねえ!」
冷静さを失い、立ち上がってしまう者も現れる。
途端、大きなうねりが舟を襲う。
「あっああああ!」
体勢を崩し、海に落ちる者が現れた。
「落ちた落ちた! 助けないと!」
「待て! 助けようとして引きずり込まれたらどうする!」
焦りは募る。
サンマは慌てずに判断する。
先方を行く使者の舟を見た。あちらの舟には櫂があり、漕げば、この海域を脱出できるかもしれない。
「おい、お前ら! 大変だ! 竜巻に巻き込まれている! 早く舟を漕げ! このままだと舟ごと巻き込まれちまう!」
サンマは大声で呼びかけるもそう遠くないはずの使者は反応を示さなかった。
「無視かよ! 上等じゃあねえか、お前らごと道連れだ!」
縄を引けば、巻き込めば嫌でも漕ぐだろうと考えた。
「ちっ、腕がないってのは不便だな……! こうなりゃ口で引くまでよ!」
縛られたままのサンマは仲間を救うためにも必死に歯で縄を引いた。手繰り寄せて手繰り寄せて、真実を知る。
「……は?」
サンマは死力を尽くした結果、縄を一本手に入れた。
──とっくに使者の舟とは縄も連絡も縁も切れていた。
「なにが、龍神様だ……! 結局一番恐ろしいのは竜宮家じゃねえかよ!」
孤立無援も獅子奮迅。サンマは諦めなかった。
「まだだ、まだ! 俺は! 諦めねえぞ!」
勇ましく立ち上がろうとするもその体は舟を離れ、海へ落ちていく。
「……は?」
彼を海へと招いたのは波ではない。
「お前のせいだ、お前のせいで、龍神様の怒りを買ったんだ」
彼を海へと突き落としたのは他でもない、家来の一人。涙を流しながら乗船を拒み、島に残ることを希望したが叶わなかった男だった。
海は、竜巻は、龍神様は、サンマを容赦なく引きずり込んでいく。
呼吸も浮上も不可能。今際だと理解した。なのに頭はひどく冴えていた。
(俺は悪くねえし、間違ってねえ……竜宮家への恨みは正当だ……だけどそうだな、仲間には悪いことしちまったかもな……すまねえな……それと……りと……り……)
こうしてサンマは龍神様に飲み込まれた。
二度と海上に現れることはなかった。
先に使者の舟が出る。その後に罪人の舟が出る。使者の舟は罪人の舟を縄で曳航し海に出る。
「新たな船出にしては貧乏くさい舟じゃねえか」
サンマは乗せられた船の底を蹴る。見た目に反して頑丈な出来で底は抜けない。水に浮かべても浸水はない。
また櫂のような道具は一切乗っていない。
「なるほど……抵抗の素振りを見せれば縄を断たれ大海原を彷徨うことになるってわけね……よく考えられてるわ」
「おい、黙って舟に乗れ!」
竜宮家の使者が警告する。
「わぁってるわぁってる。とっとと海に出たいのはこっちも同じだ。よっこらせと」
サンマは縛られながらも悠々と胡坐をかく。
船には次々と家来たちが乗せられる。定員はぎりぎり。大きく傾けばあっという間に全員が海に投げ出されてしまうだろう。
幸い、この日の空は快晴で海は凪。水平線のように波立っていない。
「ははっ! 龍神様は早々に俺を厄介払いしてえみてえだな!」
しかし人の心は常に波立つもの。
「やだ! やだ! 俺、やっぱりこの島にいたい! 全て謝ります! だからお許しを! ご慈悲を!」
鶴野家の家来の一人が泣きながら乗船を拒み、逃げ出そうと試みる。
「いまさら反省しても遅いわ!」
すぐさま竜宮家の使者に捕まり、舟に押し込まれる。
「それでは行って参ります、甚平様」
「うむ、道中くれぐれも気を付けてくれ」
こうして舟は沖へと向かう。
砂浜には竜宮家の人間と、仕事中の海女が見物していて、質素な見送りとなった。
「うう、うう……! どうして、どうして、こんなことに……!」
新たな船出にしては暗い空気に包まれていた。
責任者であり根本的な原因であるサンマは、
「なあ、お前ら、ふし山って知ってるか」
唐突に語りだす。
「ここより東に位置する都よりもはるか東にそびえたつ海の原で一番でっけえ山だ。竜宮島なんかより何倍も広くて、高くて、でっけえ山だ。どれくらいでっけえ山かっつうと夏になっても山頂には雪が残ってるほどだ」
「……なんで夏になっても山頂には雪が残ってるんだ?」
「決まってるだろ。標高が高いところは寒いんだよ」
「なんで標高とやらが高いところは寒いんだ?」
「そりゃあ……お前…………話を続けるとな、でかいだけじゃねえんだ、扇をひっくり返したみてえに左右対称なんだぜ? 末広がりで縁起物なのさ! 天気のいい日は夕暮れになると青い山が真っ赤に染めあがるんだ。これがまたとんでもなく美しくてな、どれだけ美しいかって言うとどんなくそったれな一日でも、疲れを吹っ飛ばしてしまうほどなんだってよ」
「サンマ様。どこで知ったんですか? その口ぶりからすると書物ではなく、まるで誰かから聞いたような」
「ああん!? 書物に決まってるだろ! それくらいもわかんねえのか!?」
「どうしていきなりぶちぎれ!?」
「いきなりといえば、なんで山の話を今ここでするんだよ……海の上だからか?」
「山の話をしたいんじゃねえ、夢の話をしてるんだ。せっかく命拾いしたんだぜ? なのに死人みたいな顔をしやがってよ。ほら、お前にもなんかないの? 陸に着いたら何をしたいとかそういうの」
いきなり隣の家来に話を振る。
「よりにもよって俺かよ……俺は、そうだな……南番酒を飲んでみたい」
「南番酒?」
「最近殺魔国にえびす屋とかいう西洋の商船がやってきたらしい。その取り扱ってる商品のうちに葡萄から作る酒ってのに興味がある。あ、葡萄といっても海老のことじゃなく果物のことだ」
「葡萄……ヘビイチゴみたいなもんか?」
「俺にもよくわからん」
「なんだよ、それ」
「よくわからないけど興味がある、それだけだよ」
「よし、わかった。俺も一枚噛ませろ。あっちに着いたら一緒に探そうぜ」
「有難い話だが丁重にお断りする」
「あ、なんでだよ?」
「お前はいつも分け前を多めに取っておくからな」
暗い空気に包まれていた舟に笑いが生まれる。
緊張の糸がほぐれる。
しかしそれは一瞬の出来事だった。
ざぶん! ざぶん!
波の音と共に激しく舟が揺れる。
「な、なんだ!」
サンマは海をのぞき込む。
静かだった海はいつの間にか激しい渦を巻いていた。
「これは竜巻か……!? どうして、さっきまで静かだってのに!?」
家来の一人が呟く。
「……龍神様だ……恐れ多くも龍神様の怒りに触れてしまったんだ……!」
舟の上は一気に騒然となる。
「どうするどうするどうする! 櫂で漕ぐしか、いや乗ってないんだった!」
「泳いで陸まで戻る……!? いや縛られたままそんなのできっこねえ!」
冷静さを失い、立ち上がってしまう者も現れる。
途端、大きなうねりが舟を襲う。
「あっああああ!」
体勢を崩し、海に落ちる者が現れた。
「落ちた落ちた! 助けないと!」
「待て! 助けようとして引きずり込まれたらどうする!」
焦りは募る。
サンマは慌てずに判断する。
先方を行く使者の舟を見た。あちらの舟には櫂があり、漕げば、この海域を脱出できるかもしれない。
「おい、お前ら! 大変だ! 竜巻に巻き込まれている! 早く舟を漕げ! このままだと舟ごと巻き込まれちまう!」
サンマは大声で呼びかけるもそう遠くないはずの使者は反応を示さなかった。
「無視かよ! 上等じゃあねえか、お前らごと道連れだ!」
縄を引けば、巻き込めば嫌でも漕ぐだろうと考えた。
「ちっ、腕がないってのは不便だな……! こうなりゃ口で引くまでよ!」
縛られたままのサンマは仲間を救うためにも必死に歯で縄を引いた。手繰り寄せて手繰り寄せて、真実を知る。
「……は?」
サンマは死力を尽くした結果、縄を一本手に入れた。
──とっくに使者の舟とは縄も連絡も縁も切れていた。
「なにが、龍神様だ……! 結局一番恐ろしいのは竜宮家じゃねえかよ!」
孤立無援も獅子奮迅。サンマは諦めなかった。
「まだだ、まだ! 俺は! 諦めねえぞ!」
勇ましく立ち上がろうとするもその体は舟を離れ、海へ落ちていく。
「……は?」
彼を海へと招いたのは波ではない。
「お前のせいだ、お前のせいで、龍神様の怒りを買ったんだ」
彼を海へと突き落としたのは他でもない、家来の一人。涙を流しながら乗船を拒み、島に残ることを希望したが叶わなかった男だった。
海は、竜巻は、龍神様は、サンマを容赦なく引きずり込んでいく。
呼吸も浮上も不可能。今際だと理解した。なのに頭はひどく冴えていた。
(俺は悪くねえし、間違ってねえ……竜宮家への恨みは正当だ……だけどそうだな、仲間には悪いことしちまったかもな……すまねえな……それと……りと……り……)
こうしてサンマは龍神様に飲み込まれた。
二度と海上に現れることはなかった。
0
あなたにおすすめの小説
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】花咲く手には、秘密がある 〜エルバの手と森の記憶〜
ソニエッタ
ファンタジー
森のはずれで花屋を営むオルガ。
草花を咲かせる不思議な力《エルバの手》を使い、今日ものんびり畑をたがやす。
そんな彼女のもとに、ある日突然やってきた帝国騎士団。
「皇子が呪いにかけられた。魔法が効かない」
は? それ、なんでウチに言いに来る?
天然で楽天的、敬語が使えない花屋の娘が、“咲かせる力”で事件を解決していく
―異世界・草花ファンタジー
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
異世界でも保育士やってます~転生先に希望条件が反映されてないんですが!?~
こじまき
ファンタジー
※20251119に13話改稿しました
「こんな転生先だなんて聞いてないっ!」六年間付き合った彼氏に婚約を解消され、傷心のまま交通事故で亡くなった保育士・サチ。異世界転生するにあたり創造神に「能力はチートで、広い家で優しい旦那様と子だくさんの家庭を築きたい」とリクエストする。「任せといて!」と言われたから安心して異世界で目を覚ましたものの、そこはド田舎の山小屋。周囲は過疎高齢化していて結婚適齢期の男性なんていもしないし、チートな魔法も使えそうにない。創造神を恨みつつマニュアル通り街に出ると、そこで「魔力持ち」として忌み嫌われる子どもたちとの出会いが。「子どもには安心して楽しく過ごせる場所が必要」が信条のサチは、彼らを小屋に連れ帰ることを決め、異世界で保育士兼りんご農家生活を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる