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51層 トニョの力の一端とテオの拾い物 中編
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パーティの総意を確認したトニョは右の道を歩いていく。
「そっちが元は安全コースなんだな?」
ロビンは彼を信じて後ろを歩く。
「さて、どっちでしょうね。忘れてしまいました」
「……は!? じゃあ根拠もなくこっちを選んだのか!?」
「根拠はありますよ。魔力は隠せても水気は隠せません。こちらの道から水の気配を感じます」
ロビンは振り返ってビクトリアを窺う。
「私も同感」
彼女は頷く。
「良かった。レディも同意見だったようで。これで間違えていたら大恥でしたね」
「つまんない冗談言ってないで早く行きましょう」
「僕が先行します。皆さんは危険ですので下がっていてくださいね」
そう言って先陣を切った彼の隣を、
「おや? 泳げないタンクさん、どうしてここに?」
「泳げねえじゃねえ! 水が弱点の武器を装備してるだけだ!」
負けじとロビンが歩く。
「魔法使いより後ろ歩くタンクがいるかっての」
「もしや何の打算もなくプライド……つまりは感情で動いてます?」
「悪いかよ!」
「悪くありませんよ……でもまあ、僕の邪魔はしないでくださいよ」
そう言うとトニョは笑顔ながらロビンの盾に触れる。
「勝手に触れるんじゃねえ! なれなれしいな!」
「おお、つれない。それが仲間に対する態度ですか?」
いい年した男が二人じゃれあっていると唐突にぶにゅりとゼリー状の何かを踏んだような音。
「なんか踏んだー!」
その音を発したのはテオだった。
「なんだこれ」
拾い上げようとしたが手足が動かなくなる。
「あ、あれ、しびしび……」
彼が踏んだのはクラーゲンの足だった。
「んもー! 馬鹿テオー! ほんと学ばないわね、あんたはー!」
叫びながら回復しにビクトリアは走る。クラゲの毒についてはトニョから知識を共有しているため、彼女単体でも解毒が可能になった。
「これは罠ですね」
洞窟の奥から五本の水流が飛んでくる。
「ここは俺が」
「邪魔です。グラビティ」
「んごが!?」
トニョは重力を操り、ロビンごと敵の攻撃を落とした。
「てんめ、何しやがる!」
「すみません、視界に入って目障りだったので」
「おまえはよ! ピンチになっても助けてやんねえぞ!」
「それで結構です。これからクラーゲン本体を叩いてくるのでついてこないように」
「あんだと!?」
トニョは付け加える。
「僕はいいので後ろの仲間を助けてください。」
テオが身動きが取れずビクトリアが治療をしているが完全に治癒するまで時間がかかりそうだった。
「……ああ、そうかい! ヘマすんなよ!」
「誰に物を言ってるんですか?」
「……ほんとお前憎たらしいな!」
ロビンはテオたちの元へ駆け寄る。
「さて僕はなるべく遠くで本体を叩くとしましょう」
トニョの魔法は高威力で広範囲に届く。それは長所であり短所でもある。
(僕の魔法を巻き添えにしたら笑えませんからね)
パーティ魔法は相打ちを減衰する効果を持つがそれでもダメージを完全に封じられはしない。
(いつもはソロなのにどうして今回はパーティを組もうとしたのでしょうね……我ながらよくわかりませんね)
考え事をしながらも高密度の魔力の流れを探知する。
「また水鉄砲ですか。芸がありませんね。エア!」
洞窟の一陣の風が吹く。水鉄砲を跳ね返すだけでなく、奥の暗がりに隠れていた本体をも吹き飛ばす。
「意外と近くに潜んでいたのですね」
風魔法を使って前方に鳥のように跳躍する。
「くら~」
ぶよりぶよりしたクラゲが傘を胎動させる。
「これまたグロテスクな見た目をしてますね」
透明な身体をしているために内臓が丸見え。直前に食したのだろう、魔物の影がちらつく。
「子供もいるので早々に駆除しないとですね」
トニョがワンドを構えると、
「くら~!」
岩陰に隠していた十本もの触手の先端から水鉄砲が噴き出る。触手はトニョを四方八方を、逃げ場がないように囲んでいた。
「ほう、あらかじめ穴を掘ってそこに触手を忍ばせていたのですか。脳を持たない生命体にしては知能が高いようですね。それはあなたが考えたのですか? それとも誰かに吹き込まれたのですか?」
高水圧の水鉄砲はトニョの身体に容易く穴をあけた……かと思うと、彼の姿は影のように消えてしまう。
「くら!?」
「偽装はあなたの専売特許じゃありませんよ」
トニョはクラーゲンの背後にいた。
「これでおしまいにしましょう。ファイアーバード」
前文を抜いた詠唱でたちまち背後に現れる炎の渦。
翼をはためかせるたびに灼熱の風が吹く。
「くら~!」
クラーゲンは標的を変えてファイアーバードめがけて水鉄砲を放つが届く前に蒸発してしまう。
「あなたもそうなるのですよ」
ファイアーバードはクラーゲンに体当たりするとたちまち全身を沸騰させ、次の瞬間、
ぶおおおん!
大量の水が炎に触れたことで水蒸気爆発が起きた。
近場にいたトニョは当然巻き込まれたが、
「……いけませんね。ステータスを覗き忘れてしまいました」
風の渦を起こして身を守り至って無事だった。
「おい、トニョ! なんだ今の轟音はよ!」
またテオたちの方向にもあらかじめ風魔法で障壁を張って守っていた。
「いけませんね……音も遮断したつもりでしたが……それだけクラーゲンは大きく育っていたってことでしょう」
ワンドを仕舞うトニョ。完全に勝負は決したと考えていた。大きな魔力も感知できない。脅威は去ったと油断していた。
背後にまだ一本だけ、触手が残っていたことに。そしてその触手の先端からごくわずかに魔力を絞って水鉄砲が放たれようとしていたことに。
「……これは、魔力反応!?」
振り返ろうとしたが遅い。すでに水鉄砲は放たれていた。
(これは……魔法で打ち消すのではなく回避すべきだったか!?)
顔面に迫る水鉄砲。恐らくは毒が含まれている。モロに浴びて大量に摂取すればひとたまりもない。
(ここで死ぬのか……おじいちゃんの遺言も果たせないままに)
諦めかけたその時、
「油断してんじゃねえぞ、眼鏡!!!」
盾を構えたロビンが前に立ちふさがり、水鉄砲を防いだ。
「全くその通りよ! ファイアーアロー!」
マチルドが炎の矢を放ち、最後の触手を焼き殺した。
「み、みなさん……」
トニョは言葉を失っていると光に包まれる。
「ヒールしてやったわよ。一応、毒を浴びたかもしれないしね」
ビクトリアも言われずともトニョの介抱をする。
「レディ……」
初めて尽くしのことに最初は戸惑ったトニョだったが、ぐちゃぐちゃな胸中で言葉を紡ぐ。それは小さな小さな声だった。
「……これが、仲間というやつなのですね」
それから助けてくれた仲間の目を見て、笑顔で言う。
「皆さん、ありがとうございます。おかげで助かりました」
マチルドはにやにやしながら言う。
「あら、あんた、そうやって笑うのね」
「え、ええ? 僕はいつでも笑顔を心がけていますけど?」
「あんなの、笑顔のうちに入らないわよ。気色悪いったらありゃしない」
「そ、そうですか、気にしてませんでした……」
ビクトリアもにやにやする。
「へえ、偉そうに言ってた割にあんたもしっかり死にかけていたじゃない。一つ貸しね」
「面目もないですね。祖父が見ていたら一晩中小言を言われることでしょう」
ロビンはと言うと、突然涙ぐんでいた。
「うお~! 俺の土の大蛇の盾がもろに水に浴びちまったよ~! よりにもよって野郎の、トニョを庇うためによ~!」
自慢の装備をロストする悲しみに涙していた。
「ああ、それについてはご心配ありませんよ? よく見てください。崩れてないでしょう」
「ええ? そういえば確かに……ずっと硬さを保っているような」
「こんなこともあろうかと水耐性を上げるエンチャントをかけておきました」
「え!? 本当!? ビクトリアさん!?」
ビクトリアが鑑定してやると、
「本当にそうみたい。装備にバフがかかっている。それだけじゃなくその他のステータスも──」
「なんだよ、トニョ!! 最初からそう言えよ!!」
ロビンはトニョの首に腕を回す。
「イケメンで気に食わねえと思ったが存外いい奴なんだな、お前!」
「あの、離してもらえませんか? 苦しいですし、汗臭いですし」
「今後も俺に頼れよ! なんせ水を克服したターテントを持ってるからな! あーははっは!」
純粋な力勝負では分が悪いトニョ。なおも首を絞めてくる腕を解けずにいる。
「……やはりあなたとは……仲良くなれそうにありませんね」
ひどい手のひら返しを見たマチルドを呆れてため息をつく。
「水が苦手だったの、どれだけコンプレックスに感じてたのよ……」
そして重要な人物がいないのに気付く。
「あれ、テオは?」
「俺ならここだぜ!」
「うわ! びっくりした! 後ろにいたのね!」
「なあなあ、マチルド! これやるよ!」
「これって……鱗?」
「ただの鱗じゃねえぞ、金の鱗だ!」
テオが拾ってきたのはゴールデンナマズのレアドロップアイテム、金の鱗だった。
「そっちが元は安全コースなんだな?」
ロビンは彼を信じて後ろを歩く。
「さて、どっちでしょうね。忘れてしまいました」
「……は!? じゃあ根拠もなくこっちを選んだのか!?」
「根拠はありますよ。魔力は隠せても水気は隠せません。こちらの道から水の気配を感じます」
ロビンは振り返ってビクトリアを窺う。
「私も同感」
彼女は頷く。
「良かった。レディも同意見だったようで。これで間違えていたら大恥でしたね」
「つまんない冗談言ってないで早く行きましょう」
「僕が先行します。皆さんは危険ですので下がっていてくださいね」
そう言って先陣を切った彼の隣を、
「おや? 泳げないタンクさん、どうしてここに?」
「泳げねえじゃねえ! 水が弱点の武器を装備してるだけだ!」
負けじとロビンが歩く。
「魔法使いより後ろ歩くタンクがいるかっての」
「もしや何の打算もなくプライド……つまりは感情で動いてます?」
「悪いかよ!」
「悪くありませんよ……でもまあ、僕の邪魔はしないでくださいよ」
そう言うとトニョは笑顔ながらロビンの盾に触れる。
「勝手に触れるんじゃねえ! なれなれしいな!」
「おお、つれない。それが仲間に対する態度ですか?」
いい年した男が二人じゃれあっていると唐突にぶにゅりとゼリー状の何かを踏んだような音。
「なんか踏んだー!」
その音を発したのはテオだった。
「なんだこれ」
拾い上げようとしたが手足が動かなくなる。
「あ、あれ、しびしび……」
彼が踏んだのはクラーゲンの足だった。
「んもー! 馬鹿テオー! ほんと学ばないわね、あんたはー!」
叫びながら回復しにビクトリアは走る。クラゲの毒についてはトニョから知識を共有しているため、彼女単体でも解毒が可能になった。
「これは罠ですね」
洞窟の奥から五本の水流が飛んでくる。
「ここは俺が」
「邪魔です。グラビティ」
「んごが!?」
トニョは重力を操り、ロビンごと敵の攻撃を落とした。
「てんめ、何しやがる!」
「すみません、視界に入って目障りだったので」
「おまえはよ! ピンチになっても助けてやんねえぞ!」
「それで結構です。これからクラーゲン本体を叩いてくるのでついてこないように」
「あんだと!?」
トニョは付け加える。
「僕はいいので後ろの仲間を助けてください。」
テオが身動きが取れずビクトリアが治療をしているが完全に治癒するまで時間がかかりそうだった。
「……ああ、そうかい! ヘマすんなよ!」
「誰に物を言ってるんですか?」
「……ほんとお前憎たらしいな!」
ロビンはテオたちの元へ駆け寄る。
「さて僕はなるべく遠くで本体を叩くとしましょう」
トニョの魔法は高威力で広範囲に届く。それは長所であり短所でもある。
(僕の魔法を巻き添えにしたら笑えませんからね)
パーティ魔法は相打ちを減衰する効果を持つがそれでもダメージを完全に封じられはしない。
(いつもはソロなのにどうして今回はパーティを組もうとしたのでしょうね……我ながらよくわかりませんね)
考え事をしながらも高密度の魔力の流れを探知する。
「また水鉄砲ですか。芸がありませんね。エア!」
洞窟の一陣の風が吹く。水鉄砲を跳ね返すだけでなく、奥の暗がりに隠れていた本体をも吹き飛ばす。
「意外と近くに潜んでいたのですね」
風魔法を使って前方に鳥のように跳躍する。
「くら~」
ぶよりぶよりしたクラゲが傘を胎動させる。
「これまたグロテスクな見た目をしてますね」
透明な身体をしているために内臓が丸見え。直前に食したのだろう、魔物の影がちらつく。
「子供もいるので早々に駆除しないとですね」
トニョがワンドを構えると、
「くら~!」
岩陰に隠していた十本もの触手の先端から水鉄砲が噴き出る。触手はトニョを四方八方を、逃げ場がないように囲んでいた。
「ほう、あらかじめ穴を掘ってそこに触手を忍ばせていたのですか。脳を持たない生命体にしては知能が高いようですね。それはあなたが考えたのですか? それとも誰かに吹き込まれたのですか?」
高水圧の水鉄砲はトニョの身体に容易く穴をあけた……かと思うと、彼の姿は影のように消えてしまう。
「くら!?」
「偽装はあなたの専売特許じゃありませんよ」
トニョはクラーゲンの背後にいた。
「これでおしまいにしましょう。ファイアーバード」
前文を抜いた詠唱でたちまち背後に現れる炎の渦。
翼をはためかせるたびに灼熱の風が吹く。
「くら~!」
クラーゲンは標的を変えてファイアーバードめがけて水鉄砲を放つが届く前に蒸発してしまう。
「あなたもそうなるのですよ」
ファイアーバードはクラーゲンに体当たりするとたちまち全身を沸騰させ、次の瞬間、
ぶおおおん!
大量の水が炎に触れたことで水蒸気爆発が起きた。
近場にいたトニョは当然巻き込まれたが、
「……いけませんね。ステータスを覗き忘れてしまいました」
風の渦を起こして身を守り至って無事だった。
「おい、トニョ! なんだ今の轟音はよ!」
またテオたちの方向にもあらかじめ風魔法で障壁を張って守っていた。
「いけませんね……音も遮断したつもりでしたが……それだけクラーゲンは大きく育っていたってことでしょう」
ワンドを仕舞うトニョ。完全に勝負は決したと考えていた。大きな魔力も感知できない。脅威は去ったと油断していた。
背後にまだ一本だけ、触手が残っていたことに。そしてその触手の先端からごくわずかに魔力を絞って水鉄砲が放たれようとしていたことに。
「……これは、魔力反応!?」
振り返ろうとしたが遅い。すでに水鉄砲は放たれていた。
(これは……魔法で打ち消すのではなく回避すべきだったか!?)
顔面に迫る水鉄砲。恐らくは毒が含まれている。モロに浴びて大量に摂取すればひとたまりもない。
(ここで死ぬのか……おじいちゃんの遺言も果たせないままに)
諦めかけたその時、
「油断してんじゃねえぞ、眼鏡!!!」
盾を構えたロビンが前に立ちふさがり、水鉄砲を防いだ。
「全くその通りよ! ファイアーアロー!」
マチルドが炎の矢を放ち、最後の触手を焼き殺した。
「み、みなさん……」
トニョは言葉を失っていると光に包まれる。
「ヒールしてやったわよ。一応、毒を浴びたかもしれないしね」
ビクトリアも言われずともトニョの介抱をする。
「レディ……」
初めて尽くしのことに最初は戸惑ったトニョだったが、ぐちゃぐちゃな胸中で言葉を紡ぐ。それは小さな小さな声だった。
「……これが、仲間というやつなのですね」
それから助けてくれた仲間の目を見て、笑顔で言う。
「皆さん、ありがとうございます。おかげで助かりました」
マチルドはにやにやしながら言う。
「あら、あんた、そうやって笑うのね」
「え、ええ? 僕はいつでも笑顔を心がけていますけど?」
「あんなの、笑顔のうちに入らないわよ。気色悪いったらありゃしない」
「そ、そうですか、気にしてませんでした……」
ビクトリアもにやにやする。
「へえ、偉そうに言ってた割にあんたもしっかり死にかけていたじゃない。一つ貸しね」
「面目もないですね。祖父が見ていたら一晩中小言を言われることでしょう」
ロビンはと言うと、突然涙ぐんでいた。
「うお~! 俺の土の大蛇の盾がもろに水に浴びちまったよ~! よりにもよって野郎の、トニョを庇うためによ~!」
自慢の装備をロストする悲しみに涙していた。
「ああ、それについてはご心配ありませんよ? よく見てください。崩れてないでしょう」
「ええ? そういえば確かに……ずっと硬さを保っているような」
「こんなこともあろうかと水耐性を上げるエンチャントをかけておきました」
「え!? 本当!? ビクトリアさん!?」
ビクトリアが鑑定してやると、
「本当にそうみたい。装備にバフがかかっている。それだけじゃなくその他のステータスも──」
「なんだよ、トニョ!! 最初からそう言えよ!!」
ロビンはトニョの首に腕を回す。
「イケメンで気に食わねえと思ったが存外いい奴なんだな、お前!」
「あの、離してもらえませんか? 苦しいですし、汗臭いですし」
「今後も俺に頼れよ! なんせ水を克服したターテントを持ってるからな! あーははっは!」
純粋な力勝負では分が悪いトニョ。なおも首を絞めてくる腕を解けずにいる。
「……やはりあなたとは……仲良くなれそうにありませんね」
ひどい手のひら返しを見たマチルドを呆れてため息をつく。
「水が苦手だったの、どれだけコンプレックスに感じてたのよ……」
そして重要な人物がいないのに気付く。
「あれ、テオは?」
「俺ならここだぜ!」
「うわ! びっくりした! 後ろにいたのね!」
「なあなあ、マチルド! これやるよ!」
「これって……鱗?」
「ただの鱗じゃねえぞ、金の鱗だ!」
テオが拾ってきたのはゴールデンナマズのレアドロップアイテム、金の鱗だった。
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