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3.聖女様、ピンチ
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「ディナ様、そろそろお時間です」
「おやおや、楽しい時間はあっという間ですねぇ、そうは思いませんか? 聖女様」
「えぇ……そうですね……」
もう、時間か……早いような遅いような……。
「それでは私はこれで、また会いましょう、聖女様」
スタッグ王子はそう言って壇上を降りて行った。
なんでしょう……長い時間つまらない話を聞いていた影響か、目眩が……。
「ディナ様? どうされましたか?」
「いえ……なんでも……」
体が……熱い。
それに……。
「大丈夫ですか? ご気分悪いのでは……もしや……性欲が……」
これはまずい……
「ちょっと……風に当たってきます」
「では私も……」
「一人にさせてください!!」
「あ……申し訳ございません」
私は足早に外に出た。
☆
「はぁ……はぁ……」
私は王城の誰もいないところへと出た。
非常にまずい状況になってしまった、なぜこんな時にこんなことが起こってしまうのだろうか。
「こ、こんな時に……『発情してしまう』なんて……」
無論、いくら聖女として振舞っているとはいえ、所詮私は男。
本能的に、そういう感情にもなる。
だが、こんな公の場で発情してしまうなんて、なんとはしたない……。
こうなることも考えて、王城に来る前にエネマに処理してもらっていたのに……。
幸い、「その部分」は、厚く着込んでいる修道服のおかげで、目立ってはいなかった。
「と、とりあえず、早くこの感情を抑えなければ……」
……この辺りには誰もいない。
今のうちに……。
「おやおや聖女様、こんばんは」
修道服を脱ごうとしたその時、そんな声が聞こえた。
私は思わず、手を止め、声のする方向に顔を向けた。
その声には聞き覚えがあった……その声の主は。
「スタッグ王子……」
そう、あのつまらない話を展開していたスタッグ王子だった。
「こんなにも早い再会になるとは思いませんでしたね」
「そ、そうですね……」
スタッグ王子は、不気味な笑みを浮かべながら私に話しかけてきた。
何故だろうか……妙な胸騒ぎがする。
「いやはや……貴方っての人は……他の女性とはまるで違う」
「……どういうことですか?」
私がスタッグ王子に質問をすると、彼は突然、私の肩を掴み、壁に打ち付けた。
「おやおや、楽しい時間はあっという間ですねぇ、そうは思いませんか? 聖女様」
「えぇ……そうですね……」
もう、時間か……早いような遅いような……。
「それでは私はこれで、また会いましょう、聖女様」
スタッグ王子はそう言って壇上を降りて行った。
なんでしょう……長い時間つまらない話を聞いていた影響か、目眩が……。
「ディナ様? どうされましたか?」
「いえ……なんでも……」
体が……熱い。
それに……。
「大丈夫ですか? ご気分悪いのでは……もしや……性欲が……」
これはまずい……
「ちょっと……風に当たってきます」
「では私も……」
「一人にさせてください!!」
「あ……申し訳ございません」
私は足早に外に出た。
☆
「はぁ……はぁ……」
私は王城の誰もいないところへと出た。
非常にまずい状況になってしまった、なぜこんな時にこんなことが起こってしまうのだろうか。
「こ、こんな時に……『発情してしまう』なんて……」
無論、いくら聖女として振舞っているとはいえ、所詮私は男。
本能的に、そういう感情にもなる。
だが、こんな公の場で発情してしまうなんて、なんとはしたない……。
こうなることも考えて、王城に来る前にエネマに処理してもらっていたのに……。
幸い、「その部分」は、厚く着込んでいる修道服のおかげで、目立ってはいなかった。
「と、とりあえず、早くこの感情を抑えなければ……」
……この辺りには誰もいない。
今のうちに……。
「おやおや聖女様、こんばんは」
修道服を脱ごうとしたその時、そんな声が聞こえた。
私は思わず、手を止め、声のする方向に顔を向けた。
その声には聞き覚えがあった……その声の主は。
「スタッグ王子……」
そう、あのつまらない話を展開していたスタッグ王子だった。
「こんなにも早い再会になるとは思いませんでしたね」
「そ、そうですね……」
スタッグ王子は、不気味な笑みを浮かべながら私に話しかけてきた。
何故だろうか……妙な胸騒ぎがする。
「いやはや……貴方っての人は……他の女性とはまるで違う」
「……どういうことですか?」
私がスタッグ王子に質問をすると、彼は突然、私の肩を掴み、壁に打ち付けた。
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