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第3章 この猫、魔法使いで探索者!

第75話 前に進む一行

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「……そう……ですね!」

 リンの説得にアリスさんは立ち直ったのか、元の笑顔に戻った。

「私、頑張ります! 頑張って、これ以上犠牲になる人を無くして見せます!」
「その意気や! アンタならいけるで! アリスはん!」

 ラピスはアリスさんの肩を叩き、激励を送った。
 きっと彼女ならいける、私はそう確信した。

 ……その後チャラい集団は、お礼を言って、どこかに去っていった。
 流石に馬鹿にしていた人に助けられたんじゃ、もう同じ行為はできないであろう。
 彼らは前に進むことはできるのだろうか? ……流石に親しい人を無くしてしまったわけだし、今は心の入れ替えが先なのかな。

 ……そんなこんなで、アリスさんとも別れの時間が来てしまった。

「……では、私は早速、仲間を探しに行きます! 皆さん、今日はお世話になりました!」
「こちらこそありがとう、アリスさん、気が向いたら……私たちの家に来てね」

 私は咄嗟にメモ用紙で駄菓子屋の住所と場所が書き、アリスさんに渡した。

「これ……なんて読むんですか?」
「『いかいや』だよ」
「いかいや……文字はまだ読めませんけど、勉強して、必ず行きます!」
「待ってるからね」
「はい! それでは、また!」

 私たちはお互いに手を振り、アリスさんを見送った。
 アリスさんにはきっと日本で明るい未来が待っているだろう……私はそう信じてる。
 私も彼女を見習わないとなぁ……。

「……そういえばルリルリ、大学院は?」
「……あっ」

 そういえば色々あって忘れてたけど、大学院!
 携帯を見ると、教授や研究室のメンバーから着信やメッセージが大量に来ていた。
 ……今は、やるべきことをやらなきゃね。

「ごめん! 皆は先に家に帰ってて!」
「気を付けてね! ルリルリ!」
「自動車には気を付けるんやで!」
「怪我すんなよ!」
「いって……らっしゃい……」

 私は足早に大学院へと向かった。
 そして、教授にこっぴどく叱られたのはまた別のお話……。
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