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第4章 Open Your Eyes For The Elf's Past

第76話 論文の期待と夕食

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「はぁ……疲れた」

 大学院を終え、私は帰路へと向かう。
 ……時刻はもう19時、もとい夜の7時だ。
 本来ならば何日か大学院に泊まるのだが、「状況が状況なのでしばらくは宿泊禁止」とのことで、いかいやに戻ることになった。
 ……今回の論文、サンルート人が転移してきたこともあって、おそらく教授からいい評価を貰える。
 現に今日、遅れたことをこっぴどく叱られたが、「君の論文に説得性が出てくる事件が起きている」と言われた。
 これは……いける! ついにあの石頭の教授に認めてもらえるぞ!
 私は期待を胸に、いかいやへと帰った。

「みんな! ただいま!」
「おかえりー! ルリルリ!」

 中に入ると、リンが出迎えてくれた。

「ちょっとリン……抱き着かないでよ……」
「だってー、ルリルリと早くお話がしたかったんだもん」
「全く……ただいま、リン」

 仮にも私より年上のはずだが、リンはどこか子どもっぽいところがある。
 なんだろう……ここにやってくる子どもたちに近いような気がする。

「あ、瑠璃はん、おかえりなさい」
「瑠璃ちゃん……おかえり」

 ラピスとキセノンも私を出迎えに来てくれたようだ。

「ただいま、ラピス、キセノン」

 私は2人に向かって声を掛ける。
 ……すると、キセノンがDVDを持って近づいてきた。

「瑠璃ちゃん……これ……面白かった……」

 ゴーダスターズのDVD……相当気に入ったみたいだね。

「うん! アタシたち、ルリルリが大学院行ってる間、ずーっと観てたんだ!」
「ウチも観たでーかなり面白かったわ」
「ふふふ、気に入ってくれたみたいでよかった」

 私もこの作品は大好きだ。
 この作品はちょうど日本が今のダンジョン騒ぎのような災害が起きた後に作られただけあって、「そういう事態が起きた時にどうすればいいのか」というのを伝えようとしている……と私は考えている。
 ……もしかすると、今最もタイムリーな作品かもね。
 ダンジョンから出たとき、キセノンがこの作品の名言を言ってたけど、そのくらい気に入ってくれたようだ。

「あら、瑠璃ちゃん、おかえりなさい」
「瑠璃、それにみんな、飯出来てるぞ、例によってワシと琥珀さんとの共作だ! 早く食えよ!」

 叔母さんとゴルドがやってきて、夕食の知らせを伝える。
 ……そういえばお腹空いたな、早く食べよう。

「早く食べよう! ルリルリ!」
「今日はなんやろなぁ、楽しみや」
「うん……楽しみ……」

 私たちは食卓へと向かう……叔母さんも言ってた気がするけど、賑やかでいい感じだ。
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