動物に成り切るしか能がないと言われて追放された私、慰謝料代わりにもらったゴミアイテムで街に現れたモンスターを倒したら英雄になった件

立風館幻夢/夜野一海

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第3話 力、覚醒

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 ……翌朝。
 私は準備をし、冒険者ギルドへと向かう。
 新しいパーティ……組んでくれる人は果たしているのだろうか?

「……と、着いたか」

 考え事をしていると、あっという間に冒険者ギルドに着いた。
 さて、行くか……。
 扉を開け、早速受付へと向かう。

「すみません、今人員を募集しているパーティはありませんか?」

 私は受付の人に開口一番そう言った。
 受付の人は「少々お待ちください」と言って、奥の資料室へと言った。
 ……大丈夫だろうか? 仮にパーティに入れたとして、私は馴染むことができるのだろうか?
 そんな不安を募らせながら、待ち続けた。
 ……まだかまだかと待ち続けた、その時。

「た、大変だー!」

 扉が勢いよく開き、男性が大声を張り上げた。
 な、なんだ?

「見たことも無いモンスターが街に……」

 男性が訴えた……その時。
 男性の腹から……刺のようなものが生えたと思ったら……緋色の液体が噴出した。
 男性はそのまま……倒れてしまった。

「き、きゃあああああああああ!!」

 受付の人が悲鳴を上げる。
 ギルドの中にいる冒険者たちも、動揺の声を上げた。
 ……そして、倒れた男性を踏みつけながら……見たことも無いモンスターが出てきた。
 見た目は、緑色の肌のモンスター……ゴブリンにも見えたが、あのような個体は見たことがない。
 なんだ……あれは? 私も動揺してしまった。
 ……全員が身構える中、モンスターが口を開いた。

「……こいつも外れか、まぁいい、この中に当たりがいるかもしれないからなぁ……」

 ……全員息を飲んでしまった、当然私も。
 モンスターが……喋った? 一体これはどういうことだ?

「う、うおおおおおお!! 化け物め!!」

 冒険者の一人が剣を構えて、喋るゴブリンに向かう。
 しかし……。

「ほーらよ!」
「ぐはぁ!?」

 喋るゴブリンは爪を突き立て、冒険者に刺した。
 冒険者は鎧を身に纏っていたが……ものの見事にそれが貫通し、血を吹き出して……倒れた。

「……こいつも外れか、当たりはどこにいるかなぁ!?」

 喋るゴブリンはそう言って、受付の方へ突撃していく。

「危ない!」

 女性の冒険者が剣を構え、対抗する……が。

「邪魔だぁ!」
「ぐはぁ!?」

 彼女も爪の餌食になり……倒れた。

「こいつもダメか、つっかえねぇなぁ!」

 ゴブリンは女性の死体を蹴飛ばし、壁に叩きつけた。
 ……どうしよう、早く何とかしなきゃ、だが、動物に成り切ってもしょうがない……だって……。

『いいかい? ハッキリ言って邪魔なんだよ、鳥みたいにちょこまか動き回ると思えば、いきなりゴブリンになって攻撃を始めたり……合わせなきゃいけない僕たちの身にもなってくれよ』

 あの時のニクスの言葉、アレが頭にこびりついて離れない。
 どうすればいい……どうすればいい……。
 ……ふとポケットを触ると、何か物が入っていることが分かった。
 ……これは。

「あの時の……ガラクタ」

 カロンから貰った「慰謝料」だった。
 ……クソ、こうなったら仕方がない、一か八か、嵌めてやる!
 私はゴミアイテムを腕に巻いた。
 ……すると。

『ジョブチェンジャー!』

 腕輪から奇怪な声が鳴り響いた。
 じょ、ジョブチェンジャー?
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