動物に成り切るしか能がないと言われて追放された私、慰謝料代わりにもらったゴミアイテムで街に現れたモンスターを倒したら英雄になった件

立風館幻夢/夜野一海

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第4話 ジョブチェンジ

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「……は!?」

 巻き付けた瞬間、腕輪の泥が跳ね、まるで新品の剣のように煌びやかになった。
 綺麗になったことで、腕輪の全貌が明らかになる。
 紫色の模様が入っていて、何やら紙が入りそうな溝があった。
 これは……まさか、あのカードが?

「おい……そこの小娘、お前なら……資格があるかもなぁ?」

 ……喋るゴブリンが、腕輪の音に反応してこちらに向かって来た。
 ど、どうしよう……仕方がない、ここはやるしかない!
 私はカードを取り出し、溝にスライドさせた。

『ジョブチェンジ! 剣!』

 そんな音声が流れ、私の体を光が包んだ。

「な、なんだ!? 私は一体……」

 冒険者ギルドは光に包まれ……しばらくしてその光が弱まっていった。

「こ、これは……?」

 光が治まり、ふと下を見ると、私は甲冑姿になっていて、右手に剣を構えていた。

「き、貴様……いつの間に?」

 ゴブリンも動揺の声を上げた。
 ……これは、隙ありだ!
 私は持っていた剣で、奴を切り裂いた。

「ぐはぁ!?」

 攻撃が奴に命中し、傷をつけることができた。
 なんとなくカロンを意識して攻撃したが……上手く行ったぞ!

「す、すげぇ……」
「な、なんだありゃ……」
「なんでもいい! 早くやっつけろ!」

 ギルドの中で声援が送られる。
 ……なんでもいい、さっさとこいつをなんとかしよう!

「みんなは建物の中に避難してて!」

 私はゴブリンを掴み、外へと突き出した。



 ゴブリンを蹴飛ばし、早速斬撃を繰り返す。
 奴は血まみれになるも、まだまだ体力があるように見える。

「このアマ……舐めやがって!」

 奴は爪を突き立て、こちらに攻撃を仕掛けてきた。
 私はすかさず、剣でそれを防いだ。
 凄い……まさかできるとは。
 私は再び奴を蹴飛ばし、隙が生まれたところで、剣を思いきり突き刺した。
 すると、奴は血を吹き出し……動かなくなった。

「はぁ……はぁ……」

 とりあえず……止めることはできた。
 ギルドの中の人は無事かな?

「す、すごい!」
「た、倒しちまった……あいつ、なんなんだ?」
「どこのパーティに入ってんのかな?」

 ギルドの中から人々が出てきて私に注目していた。
 なんだろう、注目されると恥ずかしいな……。
 ていうか、これどうやったら元の姿に戻るんだろう?
 腕輪外したら戻るかな……っと。

『グッドジョブ!』

 腕輪からそんな音声が流れ……私は一瞬のうちに元の姿に戻った。
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