動物に成り切るしか能がないと言われて追放された私、慰謝料代わりにもらったゴミアイテムで街に現れたモンスターを倒したら英雄になった件

立風館幻夢/夜野一海

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第51話 欲望

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「しかも……私はそんじょそこらのロードモンスターではない……私は『純粋にモンスターから進化した』……言ってしまえば、『オリジナル』って言ったところかな?」
「オリジナル……」

 純粋なモンスターから進化した……オリジナル。
 よく考えると、ロードモンスターが人間に魔力を注入すると進化するのなら……その発端となるロードモンスターはなんだったんだろう……そう考えると、彼女の言う、「オリジナル」が、その発端で、まるで伝染病のように広がっていった……と、そういうことなのか。

「なんで……なんでロードモンスターは、人々を無理やり進化させようとしているのですか!!」

 ロープは果敢にも、ゴーレムと化したタイタンさんに叫ぶ。
 私もそれは疑問に思ってはいたのだが……何故なのだろうか?

「なぜ? なんでそんな単純めいた質問をするのかねぇ……」
「単純……?」

 私は思わず拳に力を入れてしまった。
 だが……こいつの姿に恐怖を覚えているのか、前に出ずにいた。
 奴はこちらに背を向け、私たちの質問に答えた。

「進化させるのがそんなにダメかね? 人間はみんな哀れだ、私が『ロードモンスターを倒した者には報酬を与える』と言ったら奴らはどう行動した? 金のために私たちを殺そうとしていただろ?」
「……」

 私は……彼女の言っていることに否定できなかった。
 カロン達をはじめとした、多くの冒険者たちは、報酬を得るためにロードモンスターを倒したいと……そんな感じだった。

「人は皆そんなものだ、金のため、食べ物のため、子どもを作りたいため、寝たいため……皆欲望のために動き、時には犯罪も起こす……そうだろ?」

 ……彼女は人間がまるで下等生物であるかのように説明を始める。
 しかし、私は彼女の言い分に違和感を抱いた。
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