理不尽に抗議して逆ギレ婚約破棄されたら、高嶺の皇子様に超絶執着されています!?

鳴田るな

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 ぼくは生まれるとすぐ、皇家に引き取られた。
 そして半年後に生まれた異母弟と、ほとんど変わりなく育てられた。

 とは言え、ぼくは普通にしていると、やはりちょっと他の皇族とは違っていたようだ。

 まず風貌。
 典型的な皇族の人間は男女ともに線がはっきりしており、勇ましい見目をしている。
 ぼくだって別に特別女性じみているわけではないけど、どうしても線の細さが否めず、優男の印象になってしまう。

 髪や肌の色合いが淡いせいもありそうだ。父は弟はもっと濃い。
 ヒゲだって年下の弟の方がちゃんと生えて……この話題は思い出すと地味に落ち込むからもうやめよう。

 次に性格。
 皇室の人間は闘争心に溢れていて、競い合いが好きだ。切磋琢磨を好むが、負けず嫌いでもあり、何度でも目標に挑み続ける。それと、自分で納得したことでなければ受け入れられず、自我を貫き通す気風が強い。

 ぼくは自分から進んで競い合おうという風でもなかったし、負けは負けだ。どうしても戦ってまで押し通したいような強い欲求だってなかった。


「あにうえ、しょうぶ!」

 半年違いの弟は、非常に皇族らしい人間だった。競い合いが好きで、物心ついてからはしょっちゅう勝負をしかけられた。弟はああしたいこうしたい、という主張も非常に明確だった。

 幼い頃なんて特に、ぼくの方が半年分発育がいいのだから、まあ当たり前のようにぼくが勝つ。

 最初は普通に喜んでいた。
 だけどあるとき、ふと誰かの声が耳に入ってきた。

「あの軟弱者め……皇族らしさのかけらもないくせに、正統な皇子たる殿下を泣かせるとか何事か?」
「皇妃陛下のお情けをいただいているもらい子なのに、立場がわかっていない――」

 ……たぶん、皇室に出入りする貴族の誰かだったのだと思う。
 皇国は適材適所の気風、他の国に比べると実力主義だ。とは言え、正統を重んじたがる大人はどこにでもいた。

 ぼくはこのとき初めて、自分がよそものである自覚を持った気がする。肌で感じていたことが腑に落ちた。

 皇妃陛下は、ぼくの実の母親でない――だからぼくは、弟とあまり似ていないのか。
 がっかりしたというより、しっくりきた。

 それに、自分は弟の引き立て役になればいいのだと理解した。皇族らしからぬぼくを、皇族らしい弟がやっつけて、皇帝になる。誰もが幸せになる筋書きだ。

 晴れ晴れとして気持ちで、ぼくは次に勝負を挑まれたとき、何もせずに負けた。これで万事解決だ!

 ……ところがこれが、弟の逆鱗に触れた。
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