理不尽に抗議して逆ギレ婚約破棄されたら、高嶺の皇子様に超絶執着されています!?

鳴田るな

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 さて近くでは、バトンタッチされた本件実働二人組が女性から話を聞いている。

 曰く、犯行グループは全く見知らぬ相手で、襲われるような怨恨の心当たりもないとのこと。完全に通りすがりの災難だったらしい。

「近頃、一人歩きの女性が行方不明になる事件が起きている、という話は聞いていたのですが……まさか自分が普段から使っている近道で当事者になるなんて、思わなくて」
「あー……まあ、ちょっと暗くて危ないかもって思っても、大体はそんな変なこと起こらないし、なあ……」
「女性が一人で歩いているというだけで、襲いかかるような卑劣な奴らが悪い」
「そりゃそうだ。とは言え、あんたもこれからはなるべく明るい道を歩けよ。俺らが……というか皇――ごほん、ハインリヒがいたのは、ただの幸運だったんだからさ」
「は、はい……」

 さてこの辺でようやく待っていた警備騎士が到着したようだ。しかしセドリックを見ると彼らの表情が変わり、ピシリと敬礼姿勢になるではないか。

「ソブール卿! まさかあなたがいらっしゃっていたとは……!」
「買い物で出てきたら巻き込まれた。詳しい話は――」
「にーさま……?」

 セドリックが説明をしようとしてくれていたのだが、人の気配に眠気が覚めたらしいクリスタが目を擦りながら起き上がり、ふらふら歩いてきて兄の足にしがみつく。

「クリスタ、おうちかえるぅ……にーさまもいっしょ……」
「…………」

 まだ寝ぼけ眼でうにゃうにゃ言っている五歳児と、真顔で立ち尽くす兄。

 すると騎士達は目を丸くして顔を見合わせた後、笑いをこらえる顔で言った。

「妹君と遊びにいらしていたのですね! ではこれ以上の邪魔も野暮でしょうし、今日はもうこちらでなんとかしましょう」
「後日改めて、確認などさせていただいても?」
「構わない。助かる」

 おお……つまりたぶん、顔パスおよび幼児パスで事情聴取がカットされたということのようだ。
 もう大分日も傾いてきているし、ここから詰め所で調書作りますって話になったら翌日げっそりしただろうから、ありがたい。

「あの……お名前をお聞きしても……?」

 ちなみに帰り際、頬を染めた女性がもじもじとセドリック氏に聞いていた。
 今日ご一緒させていただいた男性陣は皆顔の整っている人達ですが、一番騎士っぽくてピシッとしているのはね。セドリックさんだしね。

 殿下はなんかこうもっと恐れ多くて近づきがたい感じの人だし、ロジェくんは……まあ……いえ、平均なんですけどね。平均だけど、他の二人がことさらに長身だと……ね……?

「おい。俺を残念なものを見る目で見るな。背はまだ伸びる!」

 本人にも等身大系男子の自覚があったのか、怒られてしまった。
 な、泣かないでロジェくん……わたくしはちゃんと、セドリックだけでなくあなたも活躍していたこと、見守っていましたからね……!

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