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〜別居初日の寂しさと、ノンアルコール〜
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2025年11月1日。16時頃、早い秋の夕方が街を包み込む頃、加須山大輔と筒井和也のLINE「風神&BBQ3」の画面が点灯した。
送り主は小久保彦介だった。
小久保「引越し順調か?!」
今日が、大輔が家族と別居してアパートで独り暮らしする初日だった。新たな生活の不安と寂しさが、大輔の心を重く覆っていた。
筒井は、それが今日だと知って驚き、打ち間違えたひらがなでメッセージを送る。
筒井「きょうか」
大輔「なんとか。腰痛い」
大輔もLINEをみて返信してきたが、小久保は、大輔の返信を横に置いて筒井の間違いを逃さない。
小久保「鈴木京香!」
筒井は、そんな小久保の茶化しに、敢えて知的なユーモアで応じる。
筒井「アロル モンベベ タブッシュ ヌマルシュパ」
筒井「もしもし、私の赤ちゃん。あなたの口が進んでませんよ」
筒井「フランス語 by 王様のレストラン」
小久保「フランス語かいな」
そして、小久保から驚きのメッセージが届く。
小久保「大輔の家、場所がわかったからまた行くわ」
筒井「ストーカーやな」
大輔「笑、小久保に特定された」
小久保「そうやねん。笑。 古着売りに行ったついでに見に行ってん」
筒井「おおお」
しばしLINEの画面に沈黙が訪れる。
午後6時が近づき、LINEの画面が光った。
小久保「やっと家の近所に広報配り終わった。8時から集まりあるけど、やっとフリータイム」
大輔は新居ではあるが家族と離れた事で、大輔の心の孤独が顔を出す。
大輔「さみしいわ」
同じくLINEの画面が光った筒井は、LINEのコメントを読んで、大輔の状況に寄り添いつつ、自身の経験を重ねてメッセージを送る。
筒井「一人で過ごす部屋よな。長期出張の時によく思ったけど、慣れるで。ホテルで一人暮らしの初日はそんなもんやった。」
大輔の部屋には夜でも洗濯物を干せるサンルームがあることを知っている小久保は、突拍子もなく、それでいていつもの調子でメッセージを送った。
小久保「サンルームでゆっくりして」
筒井は、その無神経な返答に苦言を呈しつつ、大輔へ話を戻す。
筒井「つれない事をいうなよ。」
小久保「そんな時は歌うんだ!」
筒井「サンルームの感想聞かせてや」
小久保「俺も知りたい!プールサイドのベッド置いて日焼けしてる姿が思い浮かぶ」
筒井「ちなみに何歌うん?」
小久保は、何故か大輔の代わりに答える。
小久保「シャ乱Qとか、寂しい夜はごめんだー🎵」
筒井「やばすぎやろ」
大輔「カラオケいく?」
大輔は断られるのをわかっていたが言ってみた。
筒井「槇原敬之の北風」
小久保「ええうたや」
筒井「カラオケは10時まで脱出無理す」
筒井は家事や夕食で動けない事情がありつつも、なんとかして大輔に会いたい気持ちをにじませる。しかし小久保は、同じように家庭の事情を理由に断った。
小久保「すまんまた今度行こう」
大輔の寂しさを再び感じ取った筒井は、カラオケは無理でも短時間なら顔を出せないかと画策し、大輔に質問を投げかける。
筒井「駐車場あるん?」
筒井「小久保、30分だけ遊びに行こうや!大輔君の家に」
筒井「今からやったらなんとでも言ってでれるやろ」
夜になってしまうと、家族の手前お互い家をでにくくなるなら、ちょっとコンビニへ的な感じて今なら出れると筒井は思った。短時間でも会うと会わないでは違うと思っていた。
先に返答が返ってきたのが小久保だった。
小久保「今から飯作るから終わったら行く すこしだけ」
小久保も同じ気持ちだったのがLINEのコメントに見えて、筒井も嬉しくなった。
筒井「いってええかな。大輔君?」
大輔「いいよ。車はアパート前の広場に止めれるわ。ありがとう」
小久保「もちちょいしたら出るわ」
大輔「何もないわ、オークワいかな」
引っ越ししたてで、もてなすものもないことを大輔は気にした。
筒井「じゃあ、俺も風呂洗ったら出るわ。マジで30分だけになるけど」
少しして
大輔「もう着く?買いもんいかんでいい?」
筒井「せやな」
小久保「ついた」
大輔「家わかる?」
小久保は筒井より早く到着した。
筒井「もうすぐつく」
小久保「さきはいってまっせ」
大輔の部屋に、筒井と小久保が訪問し、コンビニで買ってきたノンアルコールビールと小久保が持ってきた煎餅で短い時間だったが、和気あいあいと話をして二人は帰っていった。
二人が帰宅後、LINEのメッセージに大輔の部屋でノンアルコールビールを飲む筒井と小久保、大輔の三人の写真が送られる。
大輔「いなくなると急にシーンとなる」
筒井「まーな」
小久保「またやろう」
大輔の寂しい別居の初日、友人の「見舞い」というささやかな現実の共有によって、どうにか乗り切られたのだった。
送り主は小久保彦介だった。
小久保「引越し順調か?!」
今日が、大輔が家族と別居してアパートで独り暮らしする初日だった。新たな生活の不安と寂しさが、大輔の心を重く覆っていた。
筒井は、それが今日だと知って驚き、打ち間違えたひらがなでメッセージを送る。
筒井「きょうか」
大輔「なんとか。腰痛い」
大輔もLINEをみて返信してきたが、小久保は、大輔の返信を横に置いて筒井の間違いを逃さない。
小久保「鈴木京香!」
筒井は、そんな小久保の茶化しに、敢えて知的なユーモアで応じる。
筒井「アロル モンベベ タブッシュ ヌマルシュパ」
筒井「もしもし、私の赤ちゃん。あなたの口が進んでませんよ」
筒井「フランス語 by 王様のレストラン」
小久保「フランス語かいな」
そして、小久保から驚きのメッセージが届く。
小久保「大輔の家、場所がわかったからまた行くわ」
筒井「ストーカーやな」
大輔「笑、小久保に特定された」
小久保「そうやねん。笑。 古着売りに行ったついでに見に行ってん」
筒井「おおお」
しばしLINEの画面に沈黙が訪れる。
午後6時が近づき、LINEの画面が光った。
小久保「やっと家の近所に広報配り終わった。8時から集まりあるけど、やっとフリータイム」
大輔は新居ではあるが家族と離れた事で、大輔の心の孤独が顔を出す。
大輔「さみしいわ」
同じくLINEの画面が光った筒井は、LINEのコメントを読んで、大輔の状況に寄り添いつつ、自身の経験を重ねてメッセージを送る。
筒井「一人で過ごす部屋よな。長期出張の時によく思ったけど、慣れるで。ホテルで一人暮らしの初日はそんなもんやった。」
大輔の部屋には夜でも洗濯物を干せるサンルームがあることを知っている小久保は、突拍子もなく、それでいていつもの調子でメッセージを送った。
小久保「サンルームでゆっくりして」
筒井は、その無神経な返答に苦言を呈しつつ、大輔へ話を戻す。
筒井「つれない事をいうなよ。」
小久保「そんな時は歌うんだ!」
筒井「サンルームの感想聞かせてや」
小久保「俺も知りたい!プールサイドのベッド置いて日焼けしてる姿が思い浮かぶ」
筒井「ちなみに何歌うん?」
小久保は、何故か大輔の代わりに答える。
小久保「シャ乱Qとか、寂しい夜はごめんだー🎵」
筒井「やばすぎやろ」
大輔「カラオケいく?」
大輔は断られるのをわかっていたが言ってみた。
筒井「槇原敬之の北風」
小久保「ええうたや」
筒井「カラオケは10時まで脱出無理す」
筒井は家事や夕食で動けない事情がありつつも、なんとかして大輔に会いたい気持ちをにじませる。しかし小久保は、同じように家庭の事情を理由に断った。
小久保「すまんまた今度行こう」
大輔の寂しさを再び感じ取った筒井は、カラオケは無理でも短時間なら顔を出せないかと画策し、大輔に質問を投げかける。
筒井「駐車場あるん?」
筒井「小久保、30分だけ遊びに行こうや!大輔君の家に」
筒井「今からやったらなんとでも言ってでれるやろ」
夜になってしまうと、家族の手前お互い家をでにくくなるなら、ちょっとコンビニへ的な感じて今なら出れると筒井は思った。短時間でも会うと会わないでは違うと思っていた。
先に返答が返ってきたのが小久保だった。
小久保「今から飯作るから終わったら行く すこしだけ」
小久保も同じ気持ちだったのがLINEのコメントに見えて、筒井も嬉しくなった。
筒井「いってええかな。大輔君?」
大輔「いいよ。車はアパート前の広場に止めれるわ。ありがとう」
小久保「もちちょいしたら出るわ」
大輔「何もないわ、オークワいかな」
引っ越ししたてで、もてなすものもないことを大輔は気にした。
筒井「じゃあ、俺も風呂洗ったら出るわ。マジで30分だけになるけど」
少しして
大輔「もう着く?買いもんいかんでいい?」
筒井「せやな」
小久保「ついた」
大輔「家わかる?」
小久保は筒井より早く到着した。
筒井「もうすぐつく」
小久保「さきはいってまっせ」
大輔の部屋に、筒井と小久保が訪問し、コンビニで買ってきたノンアルコールビールと小久保が持ってきた煎餅で短い時間だったが、和気あいあいと話をして二人は帰っていった。
二人が帰宅後、LINEのメッセージに大輔の部屋でノンアルコールビールを飲む筒井と小久保、大輔の三人の写真が送られる。
大輔「いなくなると急にシーンとなる」
筒井「まーな」
小久保「またやろう」
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